ASPIREのはじめかた かんたんクラウドリフト

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(2020年7月31日掲載)

目次

みなさんこんにちは。
ソフトバンク株式会社でICTエンジニアをしております、梶本です。
ソフトバンクの提供するIaaSであるASPIREのプロダクト企画を担当しています。

前回の溝口が投稿した「ASPIREのはじめかた やっぱりかんたんです」に続いて、今回は かんたんクラウドリフト と題しまして、オンプレミス環境からASPIREへのVM移行方法について紹介します。

さっそくですがクラウドリフトという言葉はご存知でしょうか。
クラウド関連で「リフト&シフト」というキーワードを耳にされたことのある方も多いかと思います。
「リフト&シフト」は既存システムのクラウド移行の方法について語る際によく使われる手法で、要するに「まず既存システムをそのままクラウドに上げて(リフト)、それから運用管理を先進的なスタイルに変更していく(シフト)」という方法です。
つまりクラウドリフトは、その前半部分、既存システムをクラウドに持っていくプロセスのことを指しているんですが、ASPIREではオプションで提供されているツールを使うことで、そのややこしそうなクラウドリフトがかんたんに実現できてしまうのです。

というわけで、この記事では、「Acronis Cyber Backup powered by ASPIRE」を使って、みなさんのお手元の環境からASPIREへ、かんたんにサーバを移行する手順を紹介させて頂こうと思います。

全体の流れ

今回の記事では、下記の順番で手順を紹介させて頂きます。

  1. クラウドリフト対象・方法の選定

  2. 環境確認

  3. バックアップ管理サーバのデプロイ・設定

  4. バックアップエージェントのインストール

  5. バックアップの取得

  6. リストアによる移行

クラウドリフト対象・方法の選定

まず最初のステップとして、クラウドリフトの対象と、その方法を決める必要があります。

今回の対象は、オンプレミス環境上のWindows Server仮想マシンを1台、ASPIRE上に移行する、というシナリオで進めます。

そして、対象の次はクラウドリフトを行う方法を検討します。

クラウドリフトの方法としては、様々なツールや手法が考えられますが、今回は「Acronis Cyber Backup」というバックアップ製品を使って移行を行ってみます。

クラウドリフトをするのになぜバックアップ製品?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、既存システムのサーバデータをそのままクラウド環境上に移行するのに、バックアップ製品を用いたバックアップ/リストアの機能は非常に有効です。

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今回はそれらの機能を利用して、オンプレミス環境からASPIRE環境上へ、サーバのクラウドリフトを行っていきます。

環境確認

移行に使う通信経路はインターネット経由でも問題ありませんが、今回は閉域ネットワーク(WAN)を利用して、クローズドな環境上でサーバの移行を行ってみます。

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移行するにあたっての通信要件は、今回クラウドリフトを行う対象のサーバ(移行元サーバ)と、ASPIRE上に構築するバックアップ管理サーバとの間の疎通と、いくつかの通信ポートの開放のみです。

さて、以上でクラウドリフトを行う対象サーバと方法、環境の前提が確認できました。
次の項からは、移行の為のサーバの準備を行います。

バックアップ管理サーバのデプロイ・設定

最初に行うのは、バックアップ管理サーバのデプロイです。
このサーバはASPIRE上に展開しますので、ASPIREセルフポータルからの操作で作業を行います。

ASPIREでは新規サーバを作成するときに、用意されたテンプレートカタログから、用途に応じて予め準備されたサーバを選んでデプロイすることができます。

「Acronis Cyber Backup powered by ASPIRE」を利用する場合も、既に用意されているバックアップ管理サーバテンプレートを使うことで、容易に用意することが可能です。

ASPIREセルフポータルの「仮想マシン」メニューから、カタログの「AcronisBackup」テンプレートを使って、仮想マシンの新規作成を行います。

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このあたりの一連の流れは前回記事でも紹介させて頂いているので、併せて見て頂けるとわかりやすいかと思います。ええ、かんたんですね。
ASPIREのはじめかた~やっぱり、かんたんです

OSのネットワーク設定など初期設定を行ったら、次はバックアップ管理サーバとしての設定です。

バックアップ管理サーバにはすでに「Acronis Backup」がインストール済みです。ので、すぐに始めることができます。

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スタートメニューから起動してログインするだけ。すでに使える状態です。

初期設定として必要なのは次の2つです。

  • ライセンスの登録
  • バックアップロケーション(データ保存先)の追加

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どちらもメニューからウィザード形式で設定できます。

ライセンスはソフトバンクより発行いたしますので、ご相談下さい。
バックアップロケーションは、今回はバックアップ管理サーバの共有フォルダを設定しました。

これでバックアップ管理サーバの準備は完了です。

バックアップエージェントのインストール

続いてクラウドリフトを行う対象となる、移行元サーバへ Acronis Backup Agent (以下、エージェント)をインストールしていきます。

エージェントのインストールは、次の2つの方法で行うことができます。

  1. インストーラーを移行元サーバのローカルにもっていって実行する
  2. バックアップ管理サーバからリモートインストールする (Windowsのみ)

今回はWindows Serverマシンの移行をしようと思いますので、どちらの方法でも構わないのですが、せっかくなので”2”のリモートインストールをやってみます。

リモートインストールなので、移行元サーバへログインする必要もありません。
引き続きバックアップ管理サーバから操作していきます。

メニューの「デバイス」から追加する操作で、リモートインストールが行えます。

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追加メニューがでてきますので、「サーバー」の「Windows」を選択しましょう。

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エージェントをインストールする移行元サーバのIPアドレスと認証情報を入力して、「追加」することでエージェントが自動インストールされます。

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エージェントのインストールが完了すると、デバイスとして登録されます。

これで移行元サーバへのバックアップエージェントインストール完了です。

では次はいよいよ移行元サーバのバックアップの取得、そしてリストアによるクラウドリフトを行っていきます。

バックアップの取得

先ほどデバイスとして登録された移行元サーバのバックアップを有効にして、バックアップ計画を作成します。

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移行が目的なので、バックアップ対象は「マシン全体」。
スケジュールは「オフ」に設定しています。

バックアップ計画を作成したら、早速バックアップを実行します。

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正常終了が報告されたら、無事バックアップの取得完了です。

リストアによる移行

ここから最後のステップになります。
先ほど取ったバックアップを使って、ASPIRE上の仮想マシンにサーバを移行していきます。

リストアは、次の3つのステップで行います。

  1. ASPIRE上で、移設するサーバを入れるための空の仮想マシンを作る
  2. 空の仮想マシンをブータブルメディアを起動し、リストアする
  3. ASPIRE上の環境に合わせて、NW設定などを整える

では1から順番に実施していきましょう。

まずはASPIREのセルフポータルから、空の仮想マシンを作成します。

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「新規追加」ボタンから作成します。

ここで注意点としては、OS、HDD、NICの構成は、移行元サーバと同じにしておくことがポイントです。
NICの接続先ネットワークは、バックアップ管理サーバに通信できるネットワークであればOKです。
サーバ構成はリストアが終わった後で変更できます。
トラブル防止のために、ここではひとまず同じにしておきましょう。

続いて2の作業です。
作成した空の仮想マシンに、ブータブルメディアを挿入します。

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挿入するCDイメージは、「Acronis_Boot_media」を選択します。

ブータブルメディアを挿入した後は、仮想マシンをパワーオンします。
この状態で仮想コンソールを開くと、ブータブルメディアが読み込まれた状態になっていますので、ここからリカバリを行うことができます。

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「Rescue Media」を選択するとリカバリ設定を行う画面が起動します。

ここではウィザードに従って、以下の設定を行います。

  • バックアップ管理サーバにアクセスするためのネットワーク設定
  • リストアするデータの保管先とバックアップファイルの指定

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2つの設定に問題なければ、リストアに使用するバックアップファイルを選択する画面が表示されます。
先ほど取得したバックアップファイルを選択してリストアを行います。

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処理が正常終了したことを確認し、以上でリストア完了になります。
メニューから仮想マシンを再起動してみましょう。

無事に移行元と同じサーバが起動してきたら、成功です。

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いつものパスワードでログインしてみましょう!

あとは最後の後片付けとして、ネットワークなどASPIREの環境に合わせた設定の変更をして、移行作業はおしまいです。

以上で、「Acronis Cyber Backup powered by ASPIRE」のバックアップ・リストア機能を使用した、サーバのクラウドリフト手順の完了となります。

以後はサーバの中身は元のまま、電源操作やスペック変更、クローンなど、クラウドならではの便利な機能をご利用頂くことが可能です。

最後に

最後までお読み頂きありがとうございます。
非常に長くなってしまいましたが、どうでしたでしょうか。かんたんでしたでしょうか?

今回は移行の準備を1から紹介させて頂きましたので、バックアップ管理サーバのデプロイから、ということで結果けっこうなボリュームになってしまいました。

ただ、2台目以降の移行にあたってはそのあたり準備済みのものとしてスキップできるので、かなり手間は省けるんじゃないかと思います。

また、各手順の細かい操作などはASPIREご利用ガイドでも解説されていますので、もしわかりにくい操作などありましたら、ぜひ併せてご参照頂けますと幸いです。

ホワイトクラウド ASPIRE サービスご利用ガイド

クラウドリフトや移行の方法は他にもいろいろありますが、全てオンラインで実施可能な、とっつきやすい方法の1つとして、この記事ではASPIREの用意する移行ツールを紹介させて頂きました。

あるいはもっとたくさんのサーバを大規模に移行したい、ですとか、ネットワーク経由だとどうしても遅くなるし負荷もかかるからちょっと、、、というケースもあるかと思います。

ASPIREではそういったお客様のために、移行方法のホワイトペーパーも用意していますので、最も適した方法はどれなのか、ご覧頂くことで答えが見つかるかもしれません。

【資料ダウンロード】ホワイトクラウド ASPIRE クラウド移行ガイド

もちろん、SEにより最適なプランをご提案させて頂くことも可能です。
何か困りごとがございましたら、ソフトバンク担当営業にご相談頂ければ幸いです。

安心、安全に、しかも「かんたんに」ご利用いただけるホワイトクラウドASPIRE、ぜひご活用いただければと思います。

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