製造業DXの実現に向けて ~AI活用で効果を得るポイントとは~

製造業DXの実現に向けて ~AI活用で効果を得るポイントとは~ (2021年5月24日掲載)

前回のコラムでは、「機械学習」を活用するにあたっての課題とAlibaba Cloud の機械学習プラットフォーム「PAI(Platform of Artificial Intelligence)」について紹介しました。

今回のコラムでは、製造業界にフォーカスして具体的なAIの活用ポイントをご紹介します。

製造業でのAI活用におけるハードル

現在、日本市場においても、収益性や成長性を改善するため、製造業でのAI活用が注目されています。 その背景には、GEの「ブリリアントファクトリー」をはじめ、製造業におけるAI・IoT活用によって劇的な成果が出始めていることが挙げられます。

実際に総務省の調査では、AI・IoTの導入状況と総資産利益率にはプラスの相関関係があるという結果が出ています。

出典:総務省情報通信白書令和元年版 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd113230.html

また、AIが得意とするのは、データに基づき途切れなく作業することです。製造業では一定の品質を保って連続した作業を行うことが必要とされるため、AIとの親和性が高い領域といえます。

しかしながら、AIの活用度合いについて、日本の製造業はまだまだ十分とはいえない状況です。 実際に様々なお客様の話を聞いていると、AIに対して、「知見がないこと」と「負担が大きいこと」の2つのハードルから、導入を躊躇している企業が非常に多く見受けられます。

日本の製造業が世界に存在感を発揮し続けるためには、AI技術による高度なデータの利活用が重要な要素と言われています。逆にいえば、日本の製造業のAI活用はまだまだ活用の余地が多く残されているということでもあります。

今回は、AI導入における「技術選定」と「負担の最小化」を主眼に、製造業におけるAI活用について解説します。

技術選定はプロフェッショナルによるサポートを

1つ目の「知見がない」というハードルは、「どのような技術を採用するのが最適化わからない」という不安の裏返しとも言えます。

例えば、機械学習の主な手法として、「教師あり学習「教師なし学習」「半教師あり学習」の3つがあります。 これらはそれぞれどのようなメリット・デメリットがあり、製造業に最適なのはどの手法なのか、「故障予測」のシーンを例に考えてみましょう。

機械学習を利用したAIモデル(データのインプットとアウトプットの枠組み)の作成には、AIモデルが法則性を学習するための「教師データ」が必要です。前述の機械学習の手法は、この教師データの使い方などによって、それぞれ次のような特徴を持っています。

一般的には、AIモデルの作成においては「教師あり学習」が主流です。しかし、多くの日本の製造業は元々精度が高く異常発生の頻度が低いため、まとまった量の正常/異常の教師データを準備するのに年単位の時間が必要になってしまうことも珍しくありません。

そのため後半でご紹介するSBクラウドの設備の故障予測ソリューションでは、教師データがなくてもスタートできるように「教師なし学習」または「半教師あり学習」を用いたAIモデルを提供しています。

このようにAIの導入効果をより確実に得るためには、業務特性に合わせた技術選定が重要になるので、技術に知見のあるプロフェッショナルの力を借りるのが得策です。

<SBクラウドのプロフェッショナルサービス>
https://www.sbcloud.co.jp/service/about/ai/

導入時の負担を最小限にするSBクラウドのソリューション

2つ目のハードルである「導入時の負担の大きさ」も、実際にお客様から非常に多く聞かれる悩みです。 そこでSBクラウドでは、導入時の負担を最小限に抑えた製造業向けAIソリューションを提供しています。今回は、「自動検品」にフォーカスしたソリューションを紹介します。

検品は不良流出を発生させないために重要な工程ですが、一方で人の特性として細かい作業や同じ作業の繰り返しは疲労しやすく、品質の悪化を招きやすいというジレンマがあります。 このようなケースこそAIの出番です。判断基準を一定に保ちながら途切れなく作業をする検品作業は、AIが最も得意とする領域です。

本ソリューションは、製品の画像データから正常/異常をAIが判定し、ダッシュボードに判定状況を表示します。AIは24時間、疲労することなく一定の品質で検品を行うことが可能であり、従業員の負荷低減に繋がります。

また、繁忙期の人員不足や閑散期の人員過剰など時期によって必要な人員が流動的なビジネスにおいても、そのような雇用リスクが発生しないのがAIの利点といえます。

しかし自動検品においてもAI導入におけるハードルがあります。

「データ整備が不十分で十分な精度が得られない」「異常の種別のカテゴリー分けができずに単純な正常/異常の検知のみにとどまってしまう」といった課題が挙げられます。 このような課題を解決できるのがSBクラウドの自動検品ソリューションです。

〈自動検品ソリューションの判定メカニズム〉

少量データであっても検知可能であることに加え、独自開発の判定メカニズムや未知への柔軟性を有していることにより、異常度合いのプロットや未知の異常タイプへの示唆を得ることも可能です。更に、異常・正常の二極の判別方法だけでなく、どのような異常だったのか、複数のカテゴリ分類で検知の実現も可能です。

〈自動検品ソリューションのコア技術〉

高度な技術による自動検品の本ソリューションですが、導入の負担も最小限に設計されています。データ準備から最短1か月という短期間で、個社ごとにカスタマイズされたAIモデルによって予測された結果をご提供可能です。

その他にも、自動検品や、生産最適化など各工程に最適なソリューションを用意しております。詳しくはこちらのページよりご確認下さい。

製造業でのDXを推進するために

社会が大きく変革する昨今、日本の製造業においてもAI活用はますます重要になります。しかし、導入には様々なハードルがあり、まだまだ国内での活用度合いは低いと言われていますが、今回ご紹介した「設備の故障予測」などのソリューションは短期間・低負担で導入が可能です。

SBクラウドではお客様のAI活用の第一歩からサポートし、導入のハードルを一つ一つクリアするお手伝いをしています。まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

SBクラウド株式会社 ソリューション事業室 技術課 課長 山田 佑輔
SBクラウド株式会社
ソリューション事業室 技術課 課長
山田 佑輔
大学時代から画像認識技術を研究。SIerや国産パブリッククラウドサービス事業者にて、設計・構築・プリセールス・サポート・新規サービス企画など幅広く経験し、インフラ歴は14年。 2018年にSBクラウドに参画し、AIチームを立ち上げ。以降、多くの企業へのAI導入プロジェクトを主導。