オンライン医療「微医(WeDoctor)」が提供する家庭用医療端末「微医通」

2021年2月5日掲載

微医のWebサイト

中国のインターネット業界が注目する産業のひとつに、「インターネット医療」があります。

インターネット医療大手の「微医(WeDoctor、杭州微医健康科技)」は、リモート診療ができるプラットフォームを提供しています。家からでも仕事先からでも病院に通うことなく、オンラインで健康相談や問診を受けてもらえるようになりました。

微医には中国全土各省市の病院別、内科・外科・小児科・中医科などの分野で経験ある医者が登録しており、それぞれ勤務何年など詳細なプロフィールが記載されています。

医師ごとに、ビデオ通話やテキスト+画像でのやりとりの可否と、それぞれの診断料が設定されています。その診断料をキャッシュレスで支払うことで、リモート診察を受けられるわけです。

診断料はだいたい1回数十元~数百元程度の価格です。ちょっとした健康相談も19元から利用できます。病院と提携しているため、処方箋も出してもらえます。

また、微医のメニューを見てみると、各種病気などの医療情報や健康情報についてのコラムが多数掲載されています。情報が氾濫している現代社会では、検索ではなかなか正しい情報にたどりつけないという問題がありますが、ここであればすぐに正しい情報を得ることができるわけです。

微医についてはWebサイトの他、アプリやミニアプリもあるのでチェックしてみてください。

微医のアプリ 微医のアプリ

さらに微医では、サブブランド「微医通」で家庭用医療端末をリリースしています。ずんぐりとしたタブレット、もしくはディスプレイ付きスマートスピーカーのような外観で、画面のタッチ操作とボタンで操作します。

また、スマートフォンに似た外観の微医利用に特化した端末や、スマートバンド(スマートウォッチ)や血圧計、体脂肪計、血糖値計が専用オプションとして用意されています。

微医通のスマート端末(出典:微医通Webサイト) 微医通のスマート端末(出典:微医通Webサイト)

これらの専門端末を使えば、微医のサービスをパソコンやスマホと同じように利用することができます。

家族で共有するのが想定されているため、タブレットサイズで高齢者にもやさしいインターフェースとなっているわけです。これらの端末でできることを、以下に挙げておきます。

・健康に関する相談(24時間)
・専門の医師による電話、ビデオチャット対応(9時から21時まで)
・病院の診察予約
・オンライン薬局へジャンプするQRコード表示
・個人の診断や健康履歴の確認
・お役立ち医療情報、健康情報の確認
・救急ボタン長押しによる救急センターへの呼び出し

スマートフォンやパソコンと違って手入力は難しいため、チャットメニューはありません。代わりに音声やビデオチャットを使用します。

また、オプションの血圧計・血糖値計・体脂肪計・スマートバンドはBluetoothで接続し、使用するごとにユーザーの健康情報としてクラウドに書き込まれていきます。

リモート診察時には医師は過去のカルテのほか、血圧データなど様々なデータを参照して問診を行います。リモート診察が完了すると、医師の意見がログとして残り、会員はそれを見ることができます。

また、利用はパソコン版同様有料となるわけですが、中国のこの手の製品での商習慣として、ハードを購入するとサービスの利用代金がよくついてきます。この製品もまたパッケージには微医の利用券が入っているので、届いたその日から有料サービスが利用可能になります。

利用する際には会員個人(の健康)情報を登録するわけですが、病気になったときの問い合わせ以外でも活用できます。

たとえば妊娠中の女性であれば、端末のお役立ち医療情報サービス閲覧で、現在の妊娠何週目の基礎知識を表示してくれるとか、妊娠中に風邪をひいた場合にどのような食事療法をとるのかといったことが、各利用者のプロフィールにあわせてアレンジ表示されます。

妊婦や子供の突然の心配にも応えてくれる(出典:微医通Webサイト) 妊婦や子供の突然の心配にも応えてくれる(出典:微医通Webサイト)

日本では健康診断で「予防医学」を実践しています。一方で、微医のサービスも予防医学を実践したものです。

微医通は問診のやり方を変え、利用者の医療との関わり方を変えてくれました。今後は微医通のように「かかる医療」から「積極的な健康管理」へと発想を転換させてくれる製品やサービスの追従が、期待されているといってもよいでしょう。

関連サービス

おすすめの記事

条件に該当するページがございません