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2021年2月22日掲載
中国の都市問題の一つに、車に対して駐車スペースが足りないこと(停車難)が取り上げられています。さらに中国では駐車場が見つけにくく、駐車場を車で運転して探している間に病院や学校や繁華街が密集する中心地周辺に車が滞留するため、渋滞が発生してしまいがちなのです。
そこで、今回は中国企業がどのようにテクノロジーを活用してこの深刻な駐車問題を解決しようとしているのか、紹介していきたいと思います。
既存の駐車場を活用するという手段については、様々な企業からソリューションが提案されています。
たとえば丁丁停車(北京)という企業は、専用のIoTの車止めを提供しています。これをスマートフォンで車止めをコントロールできるのはもちろんのこと、丁丁停車のクラウドサービスを活用すれば、駐車スペースが空いているときにスペースを貸すこともできます。丁丁停車のアプリの地図上で登録情報が表示されるので、ドライバーは空いている所を発見すれば駐車可能です。
また酷停(北京)や愛泊車(北京)という企業も、丁丁停車と同様のサービスを提供しています。IoTの車止めのサービス以外にも、カメラによる車のナンバープレート認識別システムや、駐車判定システムなどを用意し、都市単位のスマートシティ向けにサービスを提供しています。
丁丁停車は中国全土で展開しており、各都市の地図上でそれなりに駐車スペースが用意されてドライバーとしても使えます。一方、酷停や愛泊車はスマートシティや大規模ビル向けに組み込まれるスマート駐車サービスを提供しているのです。
既存の駐車場の支払い手続きを短縮するという手段もまた、様々な企業からソリューションが提案されています。基本的にはカメラで車のナンバープレートを読み込み、ドライバー情報とリンクして、電子決済で決済することにより支払いにかかる時間を削減するというものです。これを「無感停車」と呼びます。
ここまで、3つの駐車問題への対策を紹介してきました。さらに、テンセントのWeChatによるアプローチと、アリババクラウドのスマートシティ「城市大脳」によるアプローチを紹介していきます。
テンセントでは、WeChat(微信)のミニプログラム(微信小程序)を提供しています。ショッピングセンターのミニプログラムの中の一機能として駐車機能が入っており、買い物中に車のナンバーを入力して電子決済で支払うことが可能なシステムとなっているのです。
駐車するついでにドライバーが自動的にショッピングセンターの会員になってくれるのがポイントで、それをメリットと思ってもらえるよう、ミニプログラムにはお得な割引チケットなどが用意されています。
Alibaba Cloudでは、スマートシティ「城市大脳」を活用したスマート駐車を提唱しています。「城市大脳」を導入した杭州などでは、アプリやミニプログラム「便捷泊車」を起動し、あらかじめ車のナンバーとドライバーを紐づけることで、先に駐車場を利用して後に請求がくるという形がとられています。また地図サービスと提携しているので、駐車場の駐車スペースを予約し、ナビゲーションする機能が搭載されているのです。
中国政府が駐車問題解決に取り組むように発表してから、中国の各企業はそれぞれ異なるアプローチによるソリューションを提示してきました。数々のソリューションの中には、日本でも何か参考になる手法があるのではないでしょうか。
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