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2021年5月21日掲載
中国アジアITライター・山谷剛史さんが、中国国内で話題になったITニュースをピックアップする連載企画です。今回は、2021年3月~4月の中国主要インターネットニュースについてまとめました。
シャオミ、バイドゥ、ファーウェイ、360、DJI、Didiが自動車業界に、企業によってはより深いところまで参入する。
バイドゥ(百度)は自動車メーカーの吉利(GEELY)と組み、20億元で「集度汽車」という企業を設立。そのうち、出資比率は百度が55%を占めている。すでに研究開発は進んでおり、今年はスタッフを1500人、来年にはその倍にして、「3年以内には自動運転車(レベル4)を発売する予定だ」と表明している。(関連リンク)
百度は中国企業の中では自動運転車による走行距離が最も長く、自動運転車によるロボタクシーの商業運用(Apollo Go)も開始した。
ドローンなどで知られるDJIは、上汽通用五菱汽車と組んでいる。DJIが開発したスマートドライブソリューションを搭載した車を、上汽通用五菱汽車がBaojun(宝駿)ブランドで発売する。配車のDidi(滴滴出行)も、自動車製造プロジェクトを開始したと報じられている。
ファーウェイはコネクテッドカーや自動運転車向けのソリューションを発表済み。さらに4月には、北汽新能源と重慶長安汽車と広州汽車集団の3社が同社のテクノロジーを導入した車を開発すると発表。またファーウェイが発売するスマート製品ブランド「華為智選」から、ファーウェイのコネクテッドカーなどのテクノロジーが入った自動車メーカー重慶小康工業集団の賽力斯(SERES)ブランドのEVが発表された。
シャオミは、3月末に自動車製造プロジェクトを発表。シャオミのトップの雷軍氏が指揮し、100億元を投資。3年後に10~30万元の車両発売を目指すとしている。
また、検索やセキュリティの360も、スマートカーを発表。投資先の中国の新興自動車メーカーHOZON NEW ENERGY AUTOMOBILE(NETA)と提携し、販売価格を10万元以内に抑えた自動車販売を目指すとした。
「大数据殺熟」(中国語で“ビッグデータ”)を活用して、同じ商品同じ時間でもタイミングや客の属性によって値段を上下させる行為が問題視されている。
当初は旅行予約サイトでの行為が問題視されたことから、旅行業界においてこれを禁止するルール「在線旅遊経営服務管理暫行規定」が制定された。
これに続いて4月には広東省で、旅行予約、(生鮮)EC、デリバリー、配車を提供する大手10サービスを対象に、ビッグデータによる価格自動調整をしないという共同宣言を行った。
その10サービスとは、ECの唯品会、京東、デリバリーの美団、餓了幺、ニューリテールの毎日優鮮、盒馬鮮生、旅行予約の携程、Qunar、配車の如祺出行、そしてDidi(滴滴出行)のことである。たとえば、Didi(滴滴出行)をiOSアプリから利用すると、Android端末より数元高くなるといった現象が確認された。
海底撈火鍋、メイソウ、喜茶といった中国著名チェーン店の一部店舗から、「許可なく顔認証を行い、人の顔写真を保存している」との不満の声が出た。
問題となったのは、店舗に来店する顧客の顔を認識し、何度訪問して何を買ったかなどを分析するスマート店舗ソリューション「万店掌」や、同様の目的のシステムだ。
便利な分析ツールではあるが、近年は中国でも個人情報保護の意識が高まっていることから、顔認証が勝手に使われ顔写真が保存されることについての抵抗感が増している。問題企業をあぶりだすことが定番化している消費者権利デーの3月15日に、この問題が提起された。
当初は1時間0.5元だったシェアサイクルや1時間1元だったシェアバッテリーが利益を目的として値上がりし、しばしばニュースで報じられた。
シェアバッテリーは場所により10分1元や1時間10元などに値上げ。また24時間レンタル時の上限価格が20元から40元に値上がりした。設置場所提供者との売上の折半で、観光地や商業地などの人気の場所は特に値上がりに。またシェアサイクルもハローバイクが15分で1.5元(1時間6元)、青桔単車は最初の15分は1.5元でその後10分ごとに1元(1時間6.5元)という値段に。当初は激安でも利益が生じるビジネスだとうたわれていたが、値上げが現実解のようだ。
ニュースでたびたび報じられていることから、消費者の不満のコメントもよく見るようになったが、3月15日の消費者権利デーでは特に値上げについてテレビ番組などで指摘されることはなかった。
以前よりも一歩スマート化を進めたスマート医院が登場した。広東省広州にある広東省第二人民病院で、ファーウェイがスマート化を行い、発表当時で最先端だとしている。
これまでも新型コロナ禍以降、運搬ロボットが食事や薬を運ぶという病院や、患者の部屋をVRを利用してリモート見舞ができる病院はあった。また診療体制が不十分な農村部などの診療についてリモート診療で行う病院もあった。また河北省鄭州で、救急車内で心電図やX線などの診察を行い、各種患者データを病院に送ることができる5G救急車を導入するケースがあった。
広州の病院ではこれらに加え、患者にスマートブレスレットを着用し体調を常時チェックし看護師と連携するほか、点滴が残り10%を切ると看護師のスマートウォッチとナースステーションの画面に通知される点滴袋を導入した。また病院内には500以上のネットワークカメラを設置、顔認証や車両認証や人混み認証など様々な分析を行う。
日本の食玩やガチャガチャ等でよく見かける、中に何が入っているかわからない盲盒(ブラインドボックス)ブームが、中国でもPOPMARTなどのブランドのコレクショントイで火が付き、様々な商品に波及している。行き過ぎたところでは、動物を盲盒に入れて販売する業者も登場し、お咎めを受けた。
変わったところを紹介すると、エアチケットが流行の盲盒に98元で販売され話題に。これは旅行予約サービスの同程が、微信の公衆号を活用して行ったもの。購入すると行き先と日にちがランダムの空き国内便チケットが提案され、気に入れば購入、気に入らなければキャンセルできるというもの。どこに行くかわからないというワクワク感が話題になった。(参考リンク)
・テンセント、犬型ロボット「機器狗Max」を発表。同社RoboticsX実験室が開発
・アリババ、阿里雲盤のサービス開始。2TBまで無料、5Gでのダウンロード速度は50~100Mbps
・人気ゲーム「崩壊3rd」の中国側のサービスが不満と、開発する「miHoYo」の代表殺害を試みようとした男性が未遂のまま逮捕
・アリババと美団に対し、クライアントに自社か他社かどちらかを選ばせる行為「二選一」は違法だとして罰金
・老舗SNSサイト「The Mop」終了に
・人気中国映画「流浪の地球」の海賊版を配信し、賭博サービスも運営した犯罪グループ17人を逮捕
・百度、キャッチフレーズが16年ぶりに変更。「百度一下,生活更好(百度を利用し生活をもっとよく)」に
・小米のロゴの角が丸くなり、新ロゴに。原研哉氏がデザイン。
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