接客からヘルスケアまで、Pepper for Bizに見るロボットの役割

接客からヘルスケアまで、Pepper for Bizに見るロボットの役割

(2016年9月2日掲載)

「SoftBank World 2016」の会場内で同時開催された「Pepper World 2016 夏」をレポート。新たなるアプリケーションを搭載することで、 Pepper for Bizはどのような進化を遂げるのだろうか。

進化するpepperの接客サービス

喋りや動きのできるPepperに接客は向いている。しかし、単に受け答えするだけでなく、時間によってセリフを変えて呼び込みをする、来客の要望を聞きクーポンを発行するなど、従業員を増やすことが難しい現場の実情を考慮したアプリケーションが開発されていた。

接客ブースをピックアップ

どこでもセキュリティ

昼間は受付などの接客係として活動し、夜は施設に常設する警備員となる一人二役のPepper。人や物音などの異常を検知すると、管理者に自動通知する機能を持っている。

クーポンアプリ

店頭などでお客様にヒアリングを行い、胸のタブレットで欲しい物を選ぶと、割引クーポンがその場でプリントアウト。個人の来店動機を捉え、売り上げアップをサポートする。

呼び込み生成アプリ

豊富な会話のテンプレートを組み合わせて店頭での呼び込みトークを作成できるアプリ。トークの内容をカスタマイズできるほか、動きのパターンも選択が可能。また、何時にどんな呼び込みをするかの設定・編集も簡単にできる。

介護の現場とコミュニケーションを助ける新たなpepperアプリ

主に介護施設での話し相手や高齢者向けのレクリエーションアプリを搭載したPepper for Bizを展示。介護施設利用者とのコミュニケーションを図る役割を担わせることで、スタッフの負担軽減と同時に、人手不足に悩む介護業界の手助けをすることが期待されている。

ヘルスケアブースをピックアップ

健康王国トーク for Pepper

顔認識機能を活用した対話アプリ。施設スタッフの代わりに施設利用者との会話を行う。標準の会話シナリオのほか、クラウド上から追加の会話シナリオも提供。顔認識によって個人の名前を呼びかけることもできる。

健康王国レク for Pepper

体操や懐かしのニュース映像、クイズなどを組み合わせた約40分のレクリエーションプログラムを提供。施設スタッフがスマホやタブレットから簡単な操作を行うだけで、テレビに映像が映し出され、Pepperが司会進行をしてくれる。

徘徊みまもりアプリ

深夜の介護施設にPepperを配置し、徘徊者がいた場合、声掛けなどで呼び止めを行い、当直の職員にカメラ撮影した画像と共に通知をするアプリ。介護スタッフが少ない深夜の施設での徘徊防止に役立つ。

多言語を駆使し、外国人の接客や手続きをサポートするpepperアプリ

Pepper for Bizに基本搭載の新機能を含めたアプリケーションを紹介。英語や中国語での多言語プレゼン機能や翻訳機能、また、免税店での免税書類作成サポートといった、主に外国人が訪れる店舗で起こりうる業務の軽減を目的としたものが多く見受けられた。

インバウンドブースをピックアップ

多言語プレゼンアプリ

日本語のほか、英語や中国語の資料を読み上げてプレゼンテーションするアプリ。例えば、店頭などでセースルトークを多言語で読み上げることもできる。

レコメンドアプリ

タブレットを使い、PepperがQ&A形式でおすすめの商品を提案。ヒアリングの結果を収集し、仕入れ計画や次の販売プロモーションに活かすことができる。英語・中国語にも対応。

翻訳・Skype連携アプリ

Microsoftの技術を採用。翻訳アプリはタブレットにタッチして話しかけるだけで希望の言語(中国語・英語)に翻訳。Skype連携アプリもタブレットを通して、動画と音声で担当者と話せるため、遠隔地のコールセンターと顧客をつないだコミュニケーションが可能となる。

Inbound Works Tax Free Robo

Pepperが多言語(英語・中国語)で免税制度や商品の紹介を行い、免税書類の作成をサポート。音声とタブレットで免税手続きを案内し、パスポートスキャンや書類発行もセルフでできるようにナビゲーションする。

その他、人を助ける様々なアプリケーション

会場では他にも、さまざまなPepper for Bizのデモンストレーションが行われていた。来客を社員のスマホに通知する機能やタブレットでフロアマップを紹介する機能など、商業施設・企業の受付として活用できるものから、VRと連動したもの、さらにはPepperのコスチューム展示もあり、視覚的にも役割を理解してもらえる工夫がなされていた。

その他のブースをピックアップ

スマホ通知/IP電話アプリ

受付窓口で来客を社員のスマホに通知できるほか、IP電話としてタブレット経由で社員を検索して呼び出しができる。また、来客に事前登録のメッセージを伝えることも可能。

フロアマップアプリ

目的のお店へナビゲーションしてくれるアプリ。施設内の店舗情報を胸のタブレットから検索できる。場所検索やカテゴリーからも検索が可能。

VRconアプリ

スマホやタブレット、PCを用い、遠隔操作でPepperを動かしたり、映像や音声を使ったやり取りができるVRアプリ。遠隔操作者が喋ったりキーボード入力した内容をPepperの声で読み上げることもできる。

着せ替えPepper

コスチュームによってPepperの個性や役割を視覚化。接客・販売用のフォーマルな衣装から、ハッピ、ホテルなどのコンシェルジュ、医療・介護用の衣装までをラインアップ。帯電仕様で静電気が発生しにくい素材で作られている。

Pepper ミニセミナー
各社が語る事例紹介から、Pepperの未来が見えてくる

会場では2日間にわたり、10分1コマのミニセミナーを開催。各ブースで展示しているアプリケーションの詳しい紹介から開発の今後の展望まで、各社が取り組むPepperの現在と未来についてのプレゼンテーションが実施された。

ミニセミナーをピックアップ

介護施設でのPepper活用について これまでの事例や今後の展開

株式会社エクシング

高齢者向け音楽療養コンテンツ「健康王国」に合わせてPepperがレクリエーションを進行してくるアプリ。介護施設の人手不足とコンテンツ不足の2つの問題を解消し、スタッフ1人分の活躍を目指す。神奈川県の施設で効果を実証し、2016年8月より本格導入。対話用のアプリも開発し、利用者と会話することでレクリエーション以外の時間を埋めることが可能。今後はカラオケコンテンツなどを充実させていく。

クラウドソーシングで広がる Pepper活用の可能性

株式会社クラウドワークス

クラウドソーシングを活用した、Pepper for Bizの開発対応力向上のサービス。世界100万人のクラウドワーカーとつながる、日本最大級のクラウドソーシング・プラットフォームを活用し、Pepperが喋るセリフやプレゼン用のスピーチ原稿の作成、文章の英語・中国語への翻訳、クーポン画像のデザインといった依頼をマッチングさせる。

受付ビジネスの未来 Airウェイトの取り組みにみる先進事例

株式会社リクルートライフスタイル

スマートフォンで混雑状況を確認したり、離れたお店の順番受付ができるサービス「Airウェイト」にPepperを組み合わせたサービス。2015年には博多で開催された「リアル脱出ゲーム」での受付業務で実験を行った。受付で順番待ちの番号を発券し、その場で待つことから解放されるほか、Pepperとゲームができたり、レシピ紹介を行うなど、業種によって待ち時間で楽しめるサービスを追加できる。

Pepper公認ユニフォームサービスのご紹介 Pepper Worldだけのお得情報もご案内

株式会社ボンユニ福岡

ロボは見た目に個性はないが、搭載アプリによって役割は変化する。そこで、自身が何者であるかを示すユニフォームを着せ、役割を視覚的に伝える。受付・案内係のコンシェルジュ、イベントやお祭りではハッピ、販売接客係としてショップウェア、病院・介護施設ではメディカルケア、観光ガイドや旅館など向けに作務衣を用意。また、それ以外のフルオーダーも受けられる。すでにみずほ銀行に採用されている実績がある。

スマートロボメンテナンス クラウドデータを活用したスマートサービスの将来像

ソフトバンクロボティクス株式会社

クラウドと連携し、Pepperの不具合を自分で発見・対応するスマートロボメンテナンス。Pepperが自分の状況を検知・レポートするほか、フリーズしてもソフトウェアスキャンにより自動で解決。また、ハードウェアエラーの場合でも既知のパターンから予防することを目標として開発を行う。まずは2016年8月より、遠隔監視サービスをPepper for Bizの基本プランに搭載。ネットワーク経由でログをチェックして不具合があれば、管理者に連絡するサービスから開始する。

介護施設向けPepperアプリの開発「徘徊みまもり」

共同開発
SOMPOケアネクスト株式会社
NDソフトウェア株式会社
ソフトバンクロボティクス株式会社

徘徊みまもりアプリは、Pepperの夜間帯の活用と介護職員の負担軽減を目的に開発。介護施設での深夜の徘徊は事故や職員の負担につながる。そこで、Pepperが深夜のフロアを監視し、徘徊者を検知次第、声掛けにより留め、顔認識で画像情報とメッセージを管理者に送信。すでに介護施設で実験し成果を得ている。将来的には情報をフィードバックし、介護の記録システムに反映することを目標としている。

Pepperアプリ開発 今後の展望

ソフトバンクロボティクス株式会社

1,000を超える法人が導入しているPepper for Biz。今後はお客様の顔認識やお買い物の情報などを統合し、個人の嗜好に合った提案ができることを目指す。また、IoTデバイスとの連携も行い、接客時のシームレスな対応を実現するほか、IBM Watson、Microsoft Azureとの連携も強化。さらに、Googleのプラットフォームを使うことで、Androidアプリを開発する環境でPepperのアプリ開発が可能となることが発表された。また、既存のAndroidアプリもPepperのタブレット上で利用可能となっていく。

「Pepper World 2016 夏」では、各ブースで店舗や施設への導入がすでに決まっているアプリのデモンストレーションを実施。各社とも事前に導入実験を行っているため、改良が加えられ、非常に精度の高い機能を目の当たりにすることができた。また、IBM Watson、Microsoft Azure、IoT機器との連携強化、さらには、Androidによるアプリ開発が可能となることも発表され、今後は容易となったアプリ開発に拍車が掛かることが予想される。


(取材日 2016.07.21/22)

ソフトバンク ロボティクス

https://www.softbank.jp/robot/biz/