「ロボットに気持ちを伝えたい!」ユーザとPepperをつなぐイサナドットネットのロボアプリ開発

「ロボットに気持ちを伝えたい!」ユーザとPepperをつなぐイサナドットネットのロボアプリ開発

(2017年12月8日掲載)

Pepper for Bizのロボアプリ開発を行っているイサナドットネットの強みは、ソフトウェア開発の豊富な実績と、新技術や新デバイスを積極的に取り入れる柔軟さを両立している点である。特に金融や医療領域での経験と実績は、顧客の信頼感にもつながっている。同社のロボティクス事業の最前線に立つ谷野氏に、開発の基本姿勢、具体的な事例、今後のビジョンを聞いた。

イサナドットネット株式会社

イサナドットネット株式会社

イサナドットネットは IoT (Internet of Things)・ロボティクスで必要とされるソフトウェア技術の開発に注力し、ヘルスケア・金融をはじめとする、あらゆる産業の顧客にソフトウェアを提供している。Pepper向けにもPepperならではのソリューション開発を数多く手掛けている。

第一に考えるのは「課題解決」
ロボティクスで企業の成長に貢献したい

ソフトウェア開発の分野でさまざまな実績をお持ちだと聞いています。

谷野氏:

イサナドットネットは2001年の創業以来、インターネット時代のソフトウェアの技術革新に携わってまいりました。各キャリアの携帯電話向けアプリ開発に始まり、現在ではヘルスケア関連、業務生産性向上、金融サービス向けのソフトウェア開発、お客さまの革新的事業の構築に必要なソフトウェア、技術を提供しています。

谷野良樹 イサナドットネット株式会社 ビジネスデベロップメント

「Pepper for Biz」のロボアプリ開発にはいつから取り組んでいるのでしょうか。

谷野氏:

新しいデバイスが世の中を大きく変えてきましたが、Pepperにもその可能性を感じて、発表直後から取り組みはじめました。ソフトバンクという企業が登場したことは非常にインパクトがあり、アプリによってPepper活用の幅が広がるプラットフォームが我々のような会社にとっては取り組みやすい点でした。

現在、どのような体制でPepperロボアプリの開発を行なっているのでしょうか。

谷野氏:

弊社内でも重要なチャレンジ領域と位置づけ、東京本社、鳥取営業所の社員で取り組んでいます。ベテランの社員からインターン生までPepperというこれまでのスマートフォンやPCのソフトウェアとは違うデバイスに触れることで、視点を広げることができました。お客さまの課題に応じて、Pepper活用を選択肢に加えられた点は大きなメリットだと感じています。

具体的には、どのようなアプリがあるのでしょうか。

オフィス向け受付アプリfor Pepper
谷野氏:

最初に手がけたのは、人型のコミュニケーションロボットとして、最も利用シーンが明確だった受付ロボアプリです。2015年のPepper App Challengeでベストビジネスモデル賞を受賞したものをベースに、現在は「オフィス向け受付アプリfor Pepper」としてリリースしています。オフィスの受付でPepperがゲストを出迎えて、ゲスト用QRコードをPepperが読み取ると、Pepperから社内の担当者に来客を通知する仕組みとしています。このロボアプリは、「受付完全無人化」というよりは、毎日、誰もが通るオフィスの受付にPepperがいることで「ロボットに触れる機会を多く持ってほしい」ということです。Pepperが働く姿に触れる中で、「この仕事もPepperに任せられるかもしれない」と業務上の課題を解決するきっかけになるかもしれない。そんな効果を期待しています。

得意とするヘルスケアの領域のアプリもあるそうですね。


医療機器と連携する「Bism(ビズム) for Pepper」
谷野氏:

医療機器連携の「Bism(ビズム) for Pepper」ですね。Pepperが血圧計、体重計、体温計と連携し、測定をサポートするものです。例えば、介護施設などで机に血圧計だけ置いてあっても特にワクワクしませんが、Pepperが血圧計などの機器の使い方をレクチャーしてくれることで血圧測定に新しい体験をもたらしてくれるかもしれません。血圧計測などの習慣化につながれば良いですし、測定中に健康意識を高める情報を提供しますので、ヘルスリテラシー向上も期待できるかもしれません。
デイサービスの施設向けには、さらに顔認証機能を追加しました。Pepperが、顔を認識して「Aさん、おはようございます」と名前を呼んで挨拶するだけでなく、顔をキーにしてAさんの会話の内容、日々の体調データをシステムに記録していきます。以前は同じことを職員の方がノートに書いて記録、共有していたのですが、システム化、自動化されたことで職員の負担が軽減した上、情報共有のレベルも上がりました。


医療機器と連携する「Bism(ビズム) for Pepper」

Pepperアプリの開発における、次のテーマは何でしょうか。

アプリ開発の次のテーマを語る谷野氏
谷野氏:

Pepperに触れた方に話を聞くと、最も多い感想は「会話したい」というものです。会話でのコミュニケーションがポイントになると思います。ユーザーの発話内容を理解して、適切な反応を返していくためにはどういったシナリオが適切か、会話自体のインターフェース設計が大事で、これまでのロボアプリ開発経験で知見を積んできました。
ユーザーとしても、ロボットに話しかけて、自分の言っていることを理解してもらえたらロボットと心が通じ合ったような気持ちになります。さらに自分が喋った内容を外部のAIやシステムと連携して処理してくれれば、本当にパートナーとしてPepperの活用方法は広まっていくと思います。

今後の展望をお聞かせください。

谷野氏:

社会が直面する課題に対し、テクノロジーで解決していけると考えています。そのためにもPepperをはじめとする新しいテクノロジー、デバイスに積極的に取り組んでいきます。そしてPepperに向けて培ってきたロボアプリの開発経験は他分野でも活かしていけると考えています。特に会話によるインターフェースでは多くの知見を得ることができました。Pepperに取り組むことで弊社もステップアップできたと感じています。
ぜひ、Pepper for Biz利用企業さま、これから利用される企業さまも存分に使い倒して経験を積んでいただければと願っています。
イサナドットネットは、お客さまが次の10年の事業発展するために必要なソフトウェア・技術を開発・提供していますので、ぜひ力になれればと思います。

イサナドットネットのロボアプリ開発は、さまざまな業種業態の企業と連携しながら具体化している。例えば、佐川急便が東京駅構内で運営する「TOKYO SERVICE CENTER」、GSK(グラクソ・スミスクライン)主催のイベント会場、JR倉敷駅、磯子の火力発電所など、さまざまな場所で同社のロボアプリを乗せたPepperが活躍している。今後は、会話のインターフェースをさらに磨き、外部のシステムやAIとロボットが連携することが当たり前になる世界に貢献していきたいと谷野氏は言う。要件もクオリティも納期も厳しい金融サービス向けの開発で培った経験を活かしながら、同社がどんなロボアプリを提案してくれるのか、ぜひ期待したい。

 

イサナドットネット株式会社
https://isana.net/

 

谷野 良樹氏
イサナドットネット株式会社
ビジネスデベロップメント

 

ソフトバンク ロボティクス
https://www.softbank.jp/robot/biz/

 

Pepper for Biz パートナープログラム
https://www.softbank.jp/robot/developer/partner/