Pepperに命を吹き込むオンリーワンの開発力の源泉とは

株式会社ジーアングル

Pepperに命を吹き込むオンリーワンの開発力の源泉とは

Pepperロボアプリ開発を行う企業としては、特殊な存在ともいえるジーアングル。実は、主力事業はイラストや映像、音楽の制作だ。全くの畑違いのようにも思えるが、実は、コンテンツ制作で培った「みせる」ためのノウハウや技術がPepperに大きな価値をもたらしている。

株式会社ジーアングル

イラスト制作、⾳楽制作、映像制作、CG制作、Web制作、ナレーションなどあらゆるデジタルコンテンツをオールジャンルで手掛ける総合制作会社。制作で培ったノウハウを生かし効果的なPepperの演出や、UX・デザインを数多く手掛ける。

絵コンテで利用イメージを共有
クリエイター集団ならではの開発手法

Pepperロボアプリの開発を行っている企業は、システム開発などに強みを持つ企業が多い印象ですが、御社は少し違うようですね。

森氏:

Pepperロボアプリの開発を行う企業としては、やや特殊だと思います。そもそも、当社は音楽の制作会社として始まり、創業当初は、携帯電話の着信メロディ制作が主力事業でした。現在も音楽制作は当社の中核事業です。自社レーベルの発足、音楽出版事業の立ち上げも行い、あらゆる音楽ビジネスをサポートできる体制を整えています。その後、ソーシャルゲームなどのデジタルコンテンツ、動画、3DCG・イラスト、ナレーションなどのコンテンツ制作にも事業の幅を拡大しました。「音」に関しては、自社スタジオを完備しており、ナレーション素材や映像素材の制作をワンストップでお引き受けできます。

Pepperロボアプリ開発とは接点がないように思えるのですが、開発を行うようになった経緯をお聞かせください。

森氏:

新しいものや面白いものに興味を持つ社員が多く、Pepperが発表された直後から、社内では大きな話題になっていました。それを受けて、「我々ならではの価値を提案できるならやってみよう」とチャレンジを決めたのです。

最初に開発したアプリはどんなものですか。

森氏:

初期では「仮想英語環境構築アプリ」というアプリがあります。Pepperの英語の発音ってかなり流ちょうなんです。しかも、こちらの拙い英語もかなりの精度で認識してくれる。それを活用できないかと考えて、Pepperと会話しながら英会話を学べるアプリを開発しました。このアプリは2015年に開催された「Pepper App Challenge 2015 Winter」でベストインタラクション賞を受賞しました。現在、英語教材コンテンツを持つイギリスのケンブリッジ大学出版とともに開発を継続しており、Pepperならではの英会話アプリをリリースする計画です。また、他にもPepperに夜間のオフィスの見回りなどを任せる警備アプリなどがあります。こちらは、すでに「どこでもセキュリティ」として「ロボアプリマーケット for Biz」で販売されています。

御社ならではの経験や強みは、開発にどう生きていますか。

森氏:

いわゆるUI(ユーザインターフェース)やUX(ユーザエクスペリエンス)といった「見た目」には自信があります。「Pepper App Challenge 2015 Winter」のベストインタラクション賞を受賞した際には、当社の開発するアプリは「本当にPepperが会話をしているように感じる」とソフトバンクさんからコメントを頂きました。普段、話をしていてもすごく感じがよくて、聞き手が自然に引き込まれてしまうような方っていますよね。Pepperアプリも作り方によって、そうした違いが作り出せます。これまで、私たちがコンテンツ制作でこだわってきた、どう「みせる」かにおける経験やノウハウがPepperの表現力につながっていると自負しています。

開発は、どんなメンバーが担当しているのでしょうか。

森氏:

当社のPepperロボアプリの開発はほとんどがオーダーメイドの受託開発です。案件が発生したら、ディレクターが中心となってプロジェクトチームをつくります。その際、エンジニアだけでなく、社外のさまざまなクリエイターとのネットワークを利用できるのも弊社ならではです。システム系のスペシャリストはもちろん、イラストレーター、デザイナー、アニメーター、声優、音楽家など、案件に応じていろんなスキルを持つクリエイターのアサインが可能です。

開発プロセスには、どんな特長がありますか。

森氏:

他では見たことがないといわれるのが「絵コンテ」です。どんなシーンで、Pepperがどんなことをして、利用者にどんな体験を提供できるのか──。それを、絵コンテにして、開発メンバー、場合によっては、お客さまとも共有します。アプリの開発仕様書から読み取るのは難しい具体的な利用イメージが湧き、「ここはこうしてみよう」とさまざまなアイデアが浮かんできます。

クリエイティブが本業の集団らしい開発プロセスですね。

森氏:

ありがとうございます。そうした評判が「今まで見たことのない、新しいことをPepperにさせてみたい」という強い思いを持つお客さまからの依頼につながっているようです。例えば、おもしろいことにチャレンジしたいとお声えがけいただいたプロジェクトが京都府の主催する合唱コンクールです。ここで、Pepperを3台使って3部合唱をさせたのです。まさに「観る」「みせる」ための舞台ですから、単に3台のPepperがプログラム通りに順番に音声を流しているのではなく、ちゃんとPepperが歌っているように見えなければなりません。ですから、Pepperの仕草、さらには連動した動作といった工夫を凝らしながら開発を行いました。結果は非常に好評で、お客さまにも喜んでいただけました。当社は、音楽制作も手掛けているのでそのノウハウも生かすことができ、当社だからこそできた案件だと自負しています。

今後のビジョンをお聞かせください。

森氏:

現在のPepperの使い方はこれまで人がやってきたことをPepperに代行させる既存の仕事の置き換えがほとんどです。私たちは、その次のステップとしてPepperにしかできない仕事を見つけてアプリを開発したいですね。キーワードになるのが「AI」や「感情」ではないでしょうか。想像力やクリエイティビティをフルに働かせながら、ジーアングルならではの提案を行っていきたいと思います。

取材日 2018年2月22日

ジーアングルは、音楽、映像、ビジュアル素材の制作がメインという、Pepperアプリ開発を行う企業の中では特殊な存在だ。しかし、その経験が人間の感性に訴えるという点において大きな強みとなっている。Pepperが、本当に生きているように感じる。人型のロボットにとって、当たり前のようで実現が非常に難しい課題をクリアする大きな力となっているのである。さまざまな経歴を持つ人や企業の参画──。ジーアングルのチャレンジは、ロボット市場に次のイノベーションのヒントをもたらしているのかもしれない。

 

株式会社 ジーアングル
執行役員 事業開発本部長
森 宏晃氏
https://www.g-angle.co.jp/

 

ロボアプリ開発およびPepperレンタルのご案内
https://www.g-angle.co.jp/robot/

 

Pepper for Biz パートナープログラム
https://www.softbank.jp/robot/developer/partner/