JR東日本管内のBRT(バス高速輸送システム)におけるバス自動運転の技術実証

JR東日本管内のBRT(バス高速輸送システム)におけるバス自動運転の技術実証

実験概要

東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」)、先進モビリティ株式会社、愛知製鋼株式会社、京セラ株式会社、ソフトバンク株式会社、日本信号株式会社および日本電気株式会社は、JR東日本が主催するモビリティ変革コンソーシアムにおいて、「JR東日本管内のBRTにおけるバス自動運転の技術実証」を実施しました。

BRT(バス高速輸送システム)とは
BRT(Bus Rapid Transit)は、連節バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステムであり、地域の実態に応じ、連節バス等を中心とする交通体系を整備していくことにより、地域公共交通の利便性の向上、利用環境の改善が図られます。(出典:国土交通省ホームページ)

【実験場所】
大船渡線BRT竹駒駅周辺(岩手県陸前高田市竹駒町)

実証実験の主な項目

車線維持制御実験および速度制御実験

  • BRT専用道上に設置した機器(磁気マーカ)の情報を高感度磁気センサ(MIセンサ)で読み取り、自車位置を正確に特定することで、専用道上を円滑に走行する実験
  • 車両のアクセルとブレーキを自動制御し、BRT専用道上を最高40km/hで走行し、決められた位置でスムーズに停止する実験

正着制御実験

  • 磁気マーカの情報を読み取り、自動でBRT駅のホームに寄せて停止する実験

無線を用いた信号制御による交互通行実験

  • 実験バスに取り付けたマルチGNSS端末車両の位置情報を無線でやりとりすることで、車両1台分の幅のBRT専用道を、自動運転バスと対向車両とが交互に通行するための実験

実験バスの衛星測位

  • QZSS(みちびき)などによる自動運転バス位置情報の測定実験や、無線機の電波到達距離の検証実験
実験バスに取り付けたマルチGNSS端末

ソフトバンクの関連サービス:準天頂衛星対応トラッキングサービス

試乗会の様子

実験バスが正着制御で駅に停車するところ

2019年1月24日~31日に、関係者に向けた自動運転バス試乗会が実施された。
試乗会は、実験場所近くの竹駒地区公民館で実験内容の説明、大船渡線BRT竹駒駅から自動運転バスに試乗、その後、公民館に戻って各社の実験内容をパネルで説明といった流れで行われた。

1月29日は未明から雪が降り、数センチの積雪があったため報道公開の開催が危ぶまれたが、早朝からの試験走行で安全を確認の上で、無事に実施された。早朝の試験走行では、積雪があっても問題なく磁気マーカを読み取ることが、改めて実証された。
試乗された方は、「思っていた以上に技術が進歩しており、確実に自動運転の時代が近づいてきていると感じた」と感想を述べていた。自動運転でのバス運行が実現されるまでには、技術面や法制面の課題を解決していく必要があるが、東日本大震災からの復興という観点でも、1日でも早い実現が期待される。

説明会の様子(竹駒地区公民館)

実証実験の各社役割分担表

企業名 役割分担
東日本旅客鉄道株式会社
(実証実験全体責任者)
  • BRT専用道に関すること
先進モビリティ株式会社(共同実験リーダー)
(自動運転車両責任者)
  • 自動運転車両に関すること
  • 自動運転車両制御システムに関すること
愛知製鋼株式会社
(磁気マーカシステム責任者)
  • 磁気マーカの敷設
  • 磁気マーカシステム制御管理に関すること
京セラ株式会社
(路車間通信責任者
  • 通信用路側機(LTE※1、ITS)の設置
  • 信号灯の路車間通信管理に関すること
ソフトバンク株式会社
(マルチGNSS※2端末責任者)
  • マルチGNSS端末の車両設置
  • 準天頂衛星の測位に関すること
日本信号株式会社
(信号装置敷設責任者)
  • 信号制御機、信号灯器の設置
  • 信号制御管理に関すること
日本電気株式会社
(目標走行軌跡作成責任者)
  • 自動運転車両の目標走行軌跡作成
  • 磁気マーカシステム制御管理に関すること

※1 LTE…携帯電話の通信規格(Long Term Evolution)

※2 GNSS…人工衛星を使用して地上の現在位置を計測する「衛星測位システム」のうち、全地球を測位対象とすることができるシステム。全地球測位システムともいう。(Global Navigation Satellite System)