PoCとは?意味・やり方・ポイント・事例10選

"PoCとは?意味・やり方・ポイント・事例10選"

(2020年7月10日 掲載)

目次

新規ビジネスの立ち上げにあたりPoC (Proof of Concept) の実施は不可欠である。かつて製薬会社やIT企業などを中心として取り組まれてきたPoCだが、近年ではビジネスプロジェクトの成否を計る試金石として幅広い業界に浸透し、多くの企業が取り組んでいる。PoCの意味、やり方、失敗しないためのポイント、事例まで、PoCの実施を検討する企業担当者のために詳しく解説する。

PoC (Proof of Concept) とは

"PoC (Proof of Concept) とは"

PoCの定義

PoC (Proof of Concept、読み:ポックまたはピーオーシー) とは、新しい技術や理論、原理、手法、アイディア、などに対し、実現可能か、目的の効果や効能が得られるか、などを確認するために実験的に行う検証工程のことである。
日本語では概念実証とも訳されることが多く、目的の効果を得るために必要な要素や仕様を洗い出すことを目的としている場合もある。理論や計算などによる検証ではなく、製品やシステムの簡易版を作り、実際に使うことで具体的な検証を行うことがPoCの特徴だと言える。

PoCのメリット・実施する理由

"PoCのメリット・実施する理由"

リスクを抑えることができる

PoCは小規模で試験的に行うため、製品やシステムの開発リスクを抑えることが可能だ。小規模とはいえ実物で動作の安定性や使い勝手を検証し、技術的に実現可能かを計ることができるほか、ユーザや現場の人間に使用してもらうことでフィードバックを得ることも可能だ。
また、PoC用の実物を作る過程で開発工程が長期化するなどの予測が立つこともある。多角的な視点から実現が可能かを計ることで、開発のリスクを抑えられることはPoCの代表的なメリットと言えるだろう。

コスト・工数の削減ができる

コストや工数を削減できることもPoCのメリットだ。
新しいアイディアを形にしようと考えたとする。そのアイディアは素晴らしいものかもしれないが、実現できるか、実現できたとしても社会に受け入れてもらえるか、利用してもらえるか、ということは別問題だ。そのため、検証を行わずに思い込みだけで進んでしまい、結果として実現性は低いとなった場合、それまで費やしてきたコストや工数が無駄になってしまう。
しかし、PoCは早期に実現可能か判断し、その後の展開を考えることが容易にできるので、コストや工数削減を行うことができる。

投資や技術開発の有力な判断材料になる

PoCによって技術的な問題がないことや、目的に対して効果的であることなどが示されれば、その製品やサービスの実現の可能性はぐっと高まるため、投資家によるプロジェクトへの出資も集めやすくなる。
投資家は効果の見えない、実現しにくいものにはコストをかけにくい。損失リスクを避けるためにも、PoCの結果は有力な判断材料になる。
また、PoCの段階で十分な効果や成果が示されたならば、開発者にとっても、これ以上コストや時間をかけての開発は無用との判断を行うことができるだろう。
PoCはそのプロジェクトに関わる多くの人の有力な判断材料になると言える。

PoCを活用している業界

"PoCを活用している業界"

医薬品業界

医薬品業界は古くからPoCを活用している業界だ。新薬の研究や開発とPoCは切っても切り離せない関係にある。
新薬は動物や人に投与された後、有用性や効果があると認められて初めて量産することができる。一般的に新薬の開発には9年〜17年という長い年月をかけて検証を行うことになる。
日本薬学会によると新薬は3段階で認証が進んでいき、第2段階である「第II相試験」前期のことをPoCと呼んでおり、この第II相試験で有効性と安全性が認められると「PoCを取得した」として最終段階へと進むことができるという。

映画業界

映画業界でもPoCは活用されている。90分や120分などの長編映像の制作費には多くのコストがかかるため、まずは短編映画や短い映像を作成して、PoCを行うケースがある。
長編映画を作成する前に低コストでアイディアやストーリー、新技術のCGなどを盛り込んだ短編映画を作成することで、視聴者の反応を見るとともに、視聴者の今後制作される映画への期待感を高めることができる。
また、作り手側も課題を見つけることができ、長編映画を作成する際の改善点を確認することができる。

IT業界

IT業界では新システムの導入やセキュリティの構築などを行う際にPoCを行っている。
例えばクライアントへのシステム導入を進めるとき、仮説を立て、それに基づきモデルタイプを作り、実際の現場でPoCを実施し仮説を検証することでシステムの有効性を調査、検証する。そして、新システムが導入できるのか、導入後に業務での利用が可能かなどの実現性を見ていく。
完全なシステムの開発にはコストがかかるため、目的に合わせた最低限の機能を持ち合わせてデモンストレーションを行うことも多々ある業界だ。

研究開発

研究開発の分野では主に予算獲得のためにPoCが行われる。研究開発には多くのコストがかかるのはご存知の通りだろう。PoCを行い、実現可能性を示すことで賛同が集まり、予算を獲得することができる。
バイオテクノロジーなど最先端の分野ではPoCによるデモンストレーションや提案を行い、実現に向けて動きだしていくケースが多い。

PoC、実証実験、プロトタイプの違い

"PoC、実証実験、プロトタイプの違い"

実証実験との違い

PoCは先述した通り、概念実証と訳されることが多いが、実証実験と訳す場合もあり、明確な線引きがあるとは言えないのが現状だ。
一方でPoCは目的達成のために実現可能性の検証のために実施するのが基本であるとするのに、実証実験は問題点の検証を行うので目的が少々異なるとの見解もある。
しかし、PoCでも実現可能性の検証によって新たな課題が見つかることもあるだろう。そのため、PoCと実証実験はほぼ同義語と考えても良い。

プロトタイプとの違い

PoCがアイディアや技術的な実現性を検証するために行われる工程を指すのに対し、プロトタイプはアイディアの方向性や技術的な実現性が確定した上で試作品を作る工程を指す。
つまり、PoCはゴールを探すための作業で、プロトタイプはすでにゴールが明確な物の最終確認というイメージだ。どちらも試作品というイメージがあるため混同しやすいが、目的に明確な違いがある。
そのため、流れとしてはPoCでまず実現性を確認、その後プロトタイプを製作する、という手順で進められることが多い。

DXにおけるPoC

"DXにおけるPoC"

DX(デジタルトランスフォーメーション)でもPoCは成功の鍵を握る。DXとは「ITが生活基盤に根付くことで、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるもの」という概念である。
DX推進は「小さく」「細かく」が鉄則であるとKaizen Platformの須藤氏は語る。
DX成功の鍵は、まずPoCを実施し、それにより数値など分かりやすい形で効果を出しておくことで、プロジェクトの価値を検証し、その価値を認めた他部署を巻き込みながら推進していくものだという。
そして、そのPoCは「小さく」「細かく」でなくてはいけない。なぜなら、いきなり全体を一気に行おうとすると、価値を理解していない非協力的な他部署との連携など障壁が多くプロジェクトが失敗する可能性が高いからだ。
小さくても実証・検証のプロトタイピングを積み重ねていくことで、最終的なプロジェクトのゴールに繋がっていくという。

PoCのやり方、4つのステップ

"PoCのやり方、4つのステップ"

STEP 1:PoCの目的・ゴールを明確にする

PoCは、なぜ行うのか、どんな効果やデータを得たいのか、必要になるのはどんなデータかなどを始める前に細かく決める必要がある。なぜなら、目的やゴールが明確でないと、指針がブレてしまいPoCを有効活用できなくなる。また、PoCそのものが目的やゴールになってしまうこともあるだろう。
仮に「定形業務効率化のためのRPAやAIの導入」を想定してみよう。この場合では、業務時間の削減はどれくらい効果が見込めるのか、部署や時期によって効果は異なるのかなど具体的な目標値や達成後の動きなどを設定すると良いだろう。

STEP 2:検証方法など具体的な実施内容を決める

明確な目的・ゴールを決めたら、次に行うのは実施内容の決定だ。
ここでも検証方法などを具体的にしていくことが大事になる。PoCの目的が明確になったことで、どんなものが必要になるかが見えてくるはずだ。そのため、必要なデータなどを得るために必要最低限のものを作ると良いだろう。
このとき大事なのは、なるべく現場に近いユーザ目線のものを作るように意識することだ。ユーザ目線のものを作ることができれば、より効果的で具体的な結果が得られるだろう。
先述の「定形業務効率化のためのRPAやAIの導入」の例では、実際に業務を担当する人の目線となって、どんな作業を自動化するために、どんなシステムを使うのか、どのように成果を計るのか、などを決める必要がある。PoCを実施する前に彼らの現場を見るなどをしておくと、よりユーザ目線となり具体性が増していくだろう。

STEP 3:実証する

準備が整ったらいよいよ実証だ。用意したものを本物の現場で試し、実証していく。小規模で実施する中でも、対象者全員に利用してもらい評価をしてもらうことで、より客観性と精度の高い実証が可能になる。
先述の「定形業務効率化のためのRPAやAIの導入」の例でも、一部の人間のみから得た評価やデータでは偏ったものになってしまうため、導入した部署全員に利用してもらうことで、より客観的で説得力を持ったデータを得ることができるだろう。

STEP 4:PoCの結果を評価する

最後はPoCによって得たデータを基に結果を評価するステップだ。
ここでの評価は感情に流されずに厳格に評価する必要があるので意識しておくと良いだろう。データを参考に実用性、リスク、投資家からの評価などを検証していく。
ポジティブな結果が出ていれば、本導入もしくは商品化に向けてプロジェクトは前に進んでいくだろう。
しかし、PoCは実現可能性を確認する作業のため、時にはネガティブな結果が出ることも十分想定できる。その際でも検証して初めて分かった課題や問題が可視化されたとして、次の検証に生かすことができる。
「定形業務効率化のためのRPAやAIの導入」では、STEP1で想定した以上の成果が得られ、現場の評価も上々であったかもしれない。あるいは、システム導入のために新たな作業が発生し、効率化とは程遠い結果になるかもしれない。
いずれにせよ、リアルな現場の声を真摯に受け止めることが重要だ。PoCを行ったことで、さまざまな判断につながる有用な材料が得られたことには変わりはない。

PoCで失敗しないための4のポイント

"PoCで失敗しないための4のポイント"

小さく、スピーディにスタートする

PoCは必ず小さく、スピーディにスタートさせることが鉄則だ。
大規模での実施をしてしまうとコストがかかってしまうのに加え、どうしても時間がかかってしまうばかりか、何を目的にしたのかが不明瞭になってしまう可能性がある。そのため、目的範囲を小さくし、小さな内容を積み重ねていくことが大事になる。
PoCを行う時はスモールスタートを意識すると良いだろう。

同じ条件で検証する

PoCは実際に導入を目指す環境と同じ条件で検証をするのもポイントだ。
同じ条件であるならばより正確なデータを取得できることに加え、その後の判断が容易になる。
ポジティブな結果を得た場合は、他部署や投資家への説得力も増していくだろう。
どうしても同じ条件が用意できない場合は、別の場所に仮想の似た環境を作って行うことで有用なデータを得ることができる。
PoCをより有効に利用するためにも同じ条件で検証することはとても大切なことと言える。

PDCAを回して失敗からも学ぶ

PoCを行ったことで、課題や問題が出るのは決して間違いではない。
なぜなら、その課題や問題は検証して初めて分かったものであり、PoCを行っていなければそもそも認識できないからだ。
大事なのはPoCによって洗い出された課題や問題に対し、なぜそうなったのか、次はどうすれば良い結果が得られるのかを考え、PDCAを回していくことだ。
「失敗は成功の母」ということわざがある通り、PoCはリスクを少なく行うことができるものだ。失敗で得たデータも次に生かしていけば有効なものとなっていくだろう。

PoCを行うことを目的にしない

PoCを連続して行っていくと、PoCを行うことが目的となってしまい当初立てた目的やゴールが薄れてしまうことがある。
そのため、PoCは手段であって目的ではないという意識を持ち続けることが大切だ。
目的は製品や導入するシステムが実現可能かどうかを判断することであり、PoCを実施するのは目的達成のための手段でしかない。
迷ったら、なぜこのPoCを行っているのかを今一度整理したほうが良いだろう。目的なき検証に意味はない。

PoC、実証実験の事例10選

"PoC、実証実験の事例10選"

BOLDLY(旧SBドライブ):自動運転バスの実用化

BOLDLYでは実証実験を月に1回以上のペースで行っており、2019年度は23回実施した。主に路線バス、テーマパーク内、イベントでの実証実験を実施しており、総試乗者数5,413人、走行距離12,019Kmをテストした。
2020年6月現在、実用化に向けて公道でのテスト走行も行っており、国内で初めて自動運転を前提に設計された車両の閉鎖空間を設けない公道での走行に成功している。

参考:国内初、自治体が公道で自律走行バスを実用化
参考:川口市で自動運転バスの実証実験を実施

大成建設:5Gを活用した工事現場の安全管理「i-Construction」

国土交通省が進める「i-Construction」とは工事現場に導入し、作業員の安全管理と生産性の向上を目指す取り組みを指す。
大成建設はi-Constructionの実現に向け、5Gを活用した実証実験をトンネル工事現場で実施。トンネル工事では落盤やガスの噴き出しなどによって近年でも死亡事故が発生しており、作業員の安全管理は最優先に考えなくてはいけないことから実証実験の現場として選択された。
5G通信を利用したセンサを取り付けることで、二酸化炭素などをリアルタイムで監視、非常時には作業員への通知も可能にした。
また、災害時を想定して建設機械の遠隔操作の実現性を検証しており、約1,400m離れた地点からの遠隔操作に成功している。災害現場の安全確認を遠隔操作の建設機械によって確認することができると期待されている。

参考: 5Gを活用したi-Constructionの実現に向けた実証実験を実施

ソフトバンクとWPC:5Gを活用したトラック隊列走行

ソフトバンクとWireless City Planningは5Gを活用したトラック隊列走行に世界で初めて成功している。実証実験を実施したのは長距離ドライバーが必ず利用する高速道路だ。
2020年2月には、東名高速道路の20kmの距離を時速約80kmで走行する3台のトラックの隊列走行について実証実験を行い、成功している。
5G通信を用いて先頭の有人車両と後続の無人車両の車間距離を10mに制御するもので、車両間制御の安定化や後方安全確認時の視認性の向上の期待がされている。また、少子化に伴うドライバーの人手不足への解消にも期待が持てる結果となった。

参考:5Gの車両間通信を活用して、新東名高速道路で車間距離10mのトラック隊列走行に成功

農林水産省:スマート農業実証プロジェクト

農林水産省では農業の労働力不足解消を目指すために「スマート農業プロジェクト」を実施している。全国の田畑や、果樹、畜産などあらゆる作目で実証を行っている。
宮崎県にある新福青果では職員が栽培情報を携帯から入力する作業を行っていたが、ICTを活用したことにより、入力の手間が減り、作業員一人当たりの作業時間が月間50時間減少したという。
また、青森県にあるもりやま園株式会社ではクラウド支援アプリを利用したりんごの生産管理を行い、管理作業を見直し業務効率化が図られたという。
これらは、農作業の効率化を実証したPoCの実例と言えよう。

参考: 農林水産省 スマート農業実証プロジェクト
参考:クラウド型農業支援アプリを活用したりんごの生産管理

防災科学技術研究所:防災チャットボット「SOCDA」

防災科学技術研究所では災害時の国民の避難と対応機関の意思決定の支援を行うために防災チャットボット「SOCDA」の実証実験を行っている。災害時に市民のTwitterのつぶやきを地図上に可視化させ、被害をシステムで分析し、安否確認を行うというものだ。
伊丹市の水防図上訓練(地図を用いて水害対策を検討する訓練)において実証実験が実施されており、全体での自動化を目指している。SOCDAが実用化となった際は減災に期待できると言って良いだろう。

参考:伊丹市水防図上訓練で「防災チャットボット『SOCDA』」の実証実験を実施

Pixar:実証用の短篇フィルム

Pixarは実証用の短編フィルムを製作している。主な狙いは新技術のCGを短編フィルムで取り入れ、顧客の評価を得ることだ。
大ヒット映画「トイ・ストーリー2」では布の質感や顔の表情をより鮮明に滑らかになるアニメーションが取り入れられている。これらの技術はトイ・ストーリー2公開前に制作された短編フィルムにおいてPoCを実施したという。
映画界ではPoCは活発に行われているが、Pixarの事例はその最たるものだ。今後、Pixarの短編フィルムを見る際はどんな技術が利用されているかを考えてみるのもおもしろいだろう。

参考:ピクサーの作品は、想像力と技術の融合から生まれる——。『トイ・ストーリー』に携わり続けた小西園子さんが夢見る、アニメーションの未来とは?

トヨタ:スマートシティ「ウーブン・シティ」

トヨタは近未来の都市のモデルケースとなるスマートシティ「ウーブン・シティ」を2021年に静岡県裾野市に設置する予定だ。
この街では、コネクテッドカーや自動運転、電気自動車などの次世代自動車技術やサービスを指すCASEや、AI、パーソナルモビリティ、ロボットなどありとあらゆる最先端技術を実際に街の中で利用することで実証する予定だという。
特徴的なのは3つの道だ。車両専用の道、歩行者と車両がともに通る道、歩行者専用の道とあり、車両専用の道にはe-Paletteと呼ばれる完全自動運転の車が走る予定だという。
また、歩行者と車両がともに走る道には速度の遅いパーソナルモビリティが人とともに共存するという。
街全体で実証を行う実証都市により、新たな価値やビジネスモデルを創出し、「街のプラットフォーム」を構築することが狙いだという。

イトーキ:実証実験オフィス「ITOKI TOKYO XORK」

イトーキは6者共同研究として5Gをオフィスに導入した際の実証実験として「ITOKI TOKYO XORK」を建設した。ここでは5Gが導入された際にはどんなデバイスが利用されるのか、働き方がどう変わるのかを確認することが目的だという。
オフィス内には部屋の数が93もあり、800人の従業員数を考えると非常に多い。さらにシステムでも新技術が導入されている。それがMRを利用した遠隔会議システムだ。MRは遠隔地にいる人があたかも目の前にいるような感覚になり、現在のテレビ会議システムの進化版であると言える。
今後はこのオフィスで「ワークプレイス」「IT」「行動」の3つの領域から働き方改革を促す実証実験を随時実施していくという。

参考:ITOKI TOKYO XORK

富士通:観光地での人の流れをIoTで可視化

富士通では北海道の3市6町村で人の流れをIoTによって可視化するシステムの実証実験を行った。街中に設置されたWi-Fiパケットセンサを利用し、街中にある40台のWi-Fiパケットセンサからスマートフォン用の固有IDを匿名で収集、収集データをグラフ化することで人の数や流れ、混雑状況、移動ルートなどを分析した。
この実証実験で得たデータを元に、今後はニーズを踏まえた観光施策などに生かしていくという。

参考:北海道広域で観光客などの人の流れをIoTで可視化する実証を開始

東芝テック:AI・IoTによる無人店舗

東芝テックは「オーバルコート大崎マークイースト事業所内売店」でAIとIoTを活用した無人店舗の実証実験を行った。実証実験の対象者は東芝テックの自社社員だ。
無人店舗の文字通り、店内には接客する店員はおらず、スマートフォンやタブレット、センサ技術を活用して店舗として成り立たせている。
特徴的なのはセンサカメラを利用したリフレクションレスだ。リフレクションレスとは、商品を購入する際の支払いの手間などをなくしたことだ。
センサカメラによって商品と利用者を特定し、利用者はレジを通らずに欲しいものを持ち帰ることができる。支払いは社員の給与から引かれるというシステムだ。
今後は、少子化による人材不足の解決と利用者の快適な買い物環境の実現に向けて、実用化を目指していくという。

参考:スマートフォン・タブレット・各種センサー技術を活用したマイクロマーケット向け無人店舗の実証実験

まとめ

PoCは、革新的な技術の実証のため、自社に新しい製品やサービスを導入するため、投資家からの支持を得るため、などさまざまな場面で利用されることが増えてきた。
ソフトバンクでも先述した事例の通り、5GやAI、IoTなど新たな技術について、日々PoCや実証実験を繰り返し行っている。特にDXの推進にはPoCで「小さく」「細かく」の実証・検証を何度も行い、プロジェクトをゴールへ導く進め方が重要となる。
企業にとってPoCは今後スタンダードなものとなっていくだろう。リスクを抑えた効率的な製品・サービスの開発や導入を通し社会を発展させていくため、ぜひPoCを活用してみてほしい。