現場発のデジタルシフトによる社会課題解決|SoftBank World 2020ダイジェスト

現場発のデジタルシフトによる社会課題解決|SoftBank World 2020ダイジェスト

(2020年11月24日 掲載)

目次

「人口減少」「高齢化」「人材不足」「生産性の低下」は、長らく日本の社会的課題として顕在化している。これらの課題をテクノロジーでいかに解決していくか。

本記事はSoftBank World 2020で開催された「社内の構造改革」「従業員の健康管理」「深刻な技能者不足に頭を悩ませる建設業・製造業の生産性向上」にまつわるセッションをダイジェストで紹介する。

ソフトバンクが挑戦する、4000人分の業務構造改革

ソフトバンク 法人プロダクト&amp;事業戦略本部デジタルワーカー推進室 室長 堀 晋也と財務統括 管理部門IT推進統括部 管理部門IT推進部 プロジェクト推進課 課長代行 藤 亘佑ガブリエル <プロフィール>
堀 晋也
ソフトバンク株式会社
法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルワーカー推進室 室長


藤 亘佑ガブリエル
ソフトバンク株式会社
財務統括 管理部門IT推進統括部 管理部門IT推進部 プロジェクト推進課 課長代行

堀:社内の業務プロセスを再定義し、デジタルツールやITを徹底活用しながら、デジタルシフトを進める史上最大級の構造改革のプロジェクト。それが「デジタルワーカー4000プロジェクト」です。推進体制、改革プロセス、デジタル化人材育成を推進の柱としながら、4,000人分の業務効率化を目標に新しい働き方改革の実現を目指しています。

デジタルワーカー4000プロジェクト

このプロジェクトは、単に人員や残業時間を削減することを目的としているわけではありません。業務効率化によって生まれた時間で、新しい仕事に取り組めたり、付加価値の高い業務へチャレンジできる状態になることを目指しています。

ソフトバンクの強み

藤:プロジェクトはまだ道半ばではありますが、業務の課題が全社的に俯瞰(ふかん)して見えるようになったのはこれまでの大きな収穫です。ソフトバンクはこのプロジェクト以前にも、さまざまな業務効率化・構造改革に取り組んできました。今後も業務効率化・構造改革のプロジェクトは継続的に発生すると考えています。その時のためにも我々の活動をアセットとして残し、プロジェクトの進め方そのものを効率化できればと考えています。

堀:ソフトバンクにおける改革の主役は、現場の社員です。社員自らがITを活用し「Smart&Funな働き方」を実現していきます。

バイタルと位置情報で現場を変える

三寺 歩 氏とソフトバンク テクノロジーユニットモバイル技術統括 5G &amp; IoTソリューション本部 本部長 野田 真 <プロフィール>
三寺 歩 氏
ミツフジ株式会社
代表取締役社長


野田 真
ソフトバンク株式会社
テクノロジーユニットモバイル技術統括 5G & IoTソリューション本部 本部長

野田:日本社会は、さまざまな課題を抱えています。その1つが人の「健康」。健康リスクを早期発見するためのソリューションの確立は急務です。ソフトバンクは体調管理・把握、危険エリア特定・通知、労働災害防止、ヒヤリ・ハット(※)の可視化など、テクノロジーによってそれらの課題解決にチャレンジしています。

※事故には至らなかったが「ヒヤリ」としたり「ハッ」とした事例のこと

三寺氏:今回紹介するウェアラブルデバイス『hamon(ハモン)』は、導電性が非常に高い銀繊維を電極として編み込んだ着衣型のウェアから、バイタルと呼ばれる連続した精緻な心電図のデータを計測し、ストレスや眠気、暑熱リスクなどの体調や健康状態を把握することができる仕組みです。

バイタルデータ取得とアルゴリズムの強み

ウェアから取得した生体データは、胸のあたりのトランスミッタデバイスからクラウド上に送られ、独自のアルゴリズムで分析して可視化することで、経営者や管理者が職場の状況や着用者の健康状態を把握していち早く対応することで未然に事故を防ぐ、働きやすい環境構築による生産性向上など、企業や社会が抱える課題の解決を目指す、そういったソリューションを展開したいと考えています。

正確なバイタルデータを取得することが非常に大事ですが、さらに、『正しい位置情報』が加われば、労働環境において大変大きな問題である事故の防止・抑制にも貢献できます。「正しい生体情報」と「正しい位置情報」をもとに、ミツフジとソフトバンクは2020年から協業を開始し、2021年度の商用化を目標にソフトバンクの高精度測位サービス『ichimill(イチミル)』とミツフジの「hamon(ハモン)」を活用した新しいウェアラブルソリューション開発を検討しています。今後の両社の共創にご期待ください。

高精度測位サービス『ichimill』

企業のDX推進とAR/MR技術活用の最前線

ホロラボ 代表取締役CEO 中村 薫 氏  SB C&amp;S ICT事業本部 インダストリービジネス推進部 遠藤 文昭氏 <プロフィール>
中村 薫 氏
株式会社ホロラボ
代表取締役CEO


遠藤 文昭
SB C&S株式会社
ICT事業本部 インダストリービジネス推進部

遠藤:人口減少・生産年齢人口の減少は、特定の産業に限らず、日本全体を取り巻く社会課題です。とりわけ建設業・製造業は深刻な人材不足に直面しており、デジタル技術を使った生産性向上による省力化、そして人材確保が大きな課題です。2017年に設立しAR /MR関連の受託開発・開発支援・パッケージ提供を行ってきたホロラボ、そしてSB C&SはDX及びAR/MR技術の業務活用を支援する『mixpace(ミクスペース)』を共同開発しました。

mixpaceは3D CADやBIM(Building Information Modeling)データのAR/MR化に必要な変換・管理・表示機能をワンストップで提供する『3D見える化ソリューション』です。

3D見える化ソリューション『mixpace』

例えば、2D画面上では把握できなかったパーツの重なり具合やサイズ感をより直感的に確認できたり、複数のデザインを同時に3D表示することで、製品完成前にデザイン・サイズ感を比較検討できます。

mixpaceとは?

中村氏:お客さまが3Dデータを取り扱う際には『顧客ごとに使っているCADやBIMのソフトウェアが異なる』『顧客ごとにプロパティ情報の管理ルールが異なる』など、さまざまな課題がつきまといます。そこでmixpaceではサービスを安心してお使いいただくため、お客さまがご利用予定の3Dデータをサービス契約前に検証しています。

将来的には『DX』『遠隔での現場支援』、そして『5G』などのテーマも盛り込みながらさらなる飛躍を狙っていきます。2020年10月にオープンしたイノベーション拠点『5G X LAB OSAKA』ではmixpaceを始めとしたAR/VRコンテンツが多数体験できますので、ぜひお越しください。

編集後記

ソフトバンク社内を実証の場としながら構造改革のユースケースを生み出そうとする「デジタルワーカー4000プロジェクト」。そのメンバーはセッションのなかで「改革の主役は現場の社員」と述べた。労働者の健康管理という大きな社会課題解決に挑む「hamon(ハモン)」と「ichimill(イチミル)」、そして建設業・製造業の生産性向上に寄与する「mixpace(ミクスペース)」もまた、ユーザが改革の主役になれるものだ。今こそ「現場」を主体とした企業の取り組みが求められている。

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