テクノロジーで総務・人事を再定義する|SoftBank World 2020

テクノロジーで総務・人事を再定義する|SoftBank World 2020

(2020年11月27日 掲載)

目次

ソフトバンクでは2017年から「Smart & Fun!」をキャッチフレーズとした「働き方改革」を推進してきた。そして、その取り組みはwithコロナの今、あらためて価値を創出しつつある。本記事では、ソフトバンク人事総務統括人事本部 本部長 長崎 健一のセッションとともに、人事・総務のメンバーによる「オフィス移転・見直し」「テレワーク下の人事制度」「テクノロジーを積極活用した採用活動」のセッション内容をダイジェストで紹介する。

ソフトバンク人事責任者が解説。新しい働き方を考える

ソフトバンク株式会社人事本部 本部長 兼 総務本部 本部長長崎 健一

長崎 健一

ソフトバンク株式会社
人事本部 本部長 兼 総務本部 本部長

新しいことを始めるには、イノベーティブあるいはクリエイティブな活動、そして自己成長のための時間が必要になる。ならば今やっている仕事の時間を削り、新しいことに取り組める時間を作ろう。それがソフトバンクの「働き方改革」の考え方です。「Smart & Fun!」のキャッチフレーズを掲げた2017年以前から、働き方改革に積極的に取り組んで参りました。

これまで新しい働き方を索引

そして今、社会は新型コロナウイルスに見舞われています。 緊急事態宣言の期間中、ソフトバンクの在宅勤務率は9割前後で推移しましたが、あらかじめ在宅勤務のインフラや運用ルールが整っていたため大きな混乱は生じませんでした。在宅勤務者が増え「組織の生産性」が下がることも危惧されましたが、管理職からはむしろポジティブな反応のほうが多かったのは非常に心強かったです。

2020年6月以降には「出社・在宅はベストミックス」という新たな方針を打ち出しました。9月末に東京・竹芝の新本社への移転を開始してからも出社・在宅・WeWorkなどを使い分けながら、場所に縛られない働き方を加速させています。

6月以降の働き方方針

これまで常識とされていたオフィスのコスト、社員の通勤手当などは、いまや必ずしも常識とされるコストではありません。ここでは3つの問いを掲げましたが、ワークスタイルは「経営課題」として議論していくようになってきたのだと、人事総務の責任者として考えております。

ワークスタイルは経営課題

2020年9月開始ソフトバンク新本社。新しいオフィスの在り方を解説

ソフトバンク株式会社 人事総務統括 総務本部 副本部長 吉岡 紋子

吉岡 紋子

ソフトバンク株式会社
人事総務統括 総務本部 副本部長

かねてより「Smart & Fun!」をスローガンに掲げてきたソフトバンクは、ワークスタイルのさらなる変革を目的に、今年9月本社移転を開始しました。移転は新型コロナウイルス感染症が流行した只中でしたが、当初の基本的な方向性はそのまま継続しながら、コロナによる環境変化に順応すべき見直しも一部行いました。

オフィス移転へのコロナの影響は?

新本社のオフィスフロアはWeWorkがデザインを手掛けました。「つながりを深める」「主体性を高める」「イノベーションを促進する」ための仕掛けがオフィスの至るところに施されています。この新しいオフィスにおいて、最先端のテクノロジーを駆使しながら最高のパフォーマンスを出す、そんな社員の姿に期待しています。

このような不確実な状況になるとは、誰も想定していなかったのではないでしょうか。そのため、一旦設計し終わり「後は工事を始めるのみ」という段階から、新しい働き方へのアプローチにむけて、再度手探りで移転計画を見直す必要に迫られました。一方で、今、全世界レベルで起こっている働き方の変化をうまく捉えることができれば、この危機がなかった場合よりも何倍も変革が進むという実感もあります。

本社移転自体はゴールではありません。ここで生まれたサービスがお客さまにも驚きと感動を覚えていただけるような活動を行い、オフィス自体を進化させていきたい。今日の話が皆さまのオフィス戦略に何らかの参考になれば幸いです。

ソフトバンクの実例で語る、テレワーク対応の人事制度

ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 戦略企画統括部 人事企画部 部長 野村 純也

野村 純也

ソフトバンク株式会社
人事総務統括 人事本部 戦略企画統括部 人事企画部 部長

ソフトバンクにおけるテレワークのベースとなるのは、モバイルワーク推進やペーパーレス化などの「IT活用」。そして、労働時間制度・評価制度を主とした「人事制度」です。

ソフトバンクは人事制度として「スーパーフレックスタイム制度」「在宅勤務制度」「ミッショングレード制度」などを導入しています。中でも「ミッショングレード制度」というのは、自らが担うミッション・実力に応じて等級(グレード)を決定する仕組みを指します。役割・実力に応じて、1つひとつ上がることもありますし、1つ飛ばし・2つ飛ばしで上がることもあります。もちろん下がることもあります。

ミッショングレード制度

テレワークの普及に伴い、旧来のメンバーシップ型と対比する働き方として「ジョブ型」という言葉を耳にする機会が増えてきました。ミッショングレードもジョブ型も「実力・成果に基づく制度」という意味では同じですが、考え方・定義書・認定・特徴に少し違いがあります。

ミッショングレードとジョブ制度

しかし、ソフトバンクでは「役割に応じて毎年グレードを認定する」「成果でメリハリを付けて処遇する」「社内外から適した人材を都度確保する」「年功的要素を廃する」など、ジョブ型において効果的だと言われている要素を取り入れた制度を従来から導入・運用 しています。テレワーク下においても大きな変更は不要なのです。

人事制度について皆さまが考えるときには、柔軟な制度の運用と適切な見直しを進めていただきたいです。コロナ禍で急速に広まったテレワークの世界、そしてこれからの新しい働き方をともに実現していきましょう。

採用手段を継続進化させるソフトバンクの採用人事戦略

ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 採用・人材開発統括部 人材採用部 部長 杉原 倫子

杉原 倫子

ソフトバンク株式会社
人事総務統括 人事本部 採用・人材開発統括部 人材採用部 部長

ソフトバンクは年間400〜500名ほどの新卒採用、600名超の中途採用を行っています。中でも「学生ファースト」を掲げる新卒採用においては、自由な時期に自分の意思で採用活動を可能とする「ユニバーサル採用」、最新の自社情報を採用担当者が自分で発信できる「採用ホームページのオウンドメディア化」などに注力してきました。

また、今年度はインターンシップとして就労体験型×採用直結型の「JOB-MATCHインターン」を実施予定でしたが、コロナ禍の影響もあり、オンライン型のワークショッププログラムに切り替えました。地方創生インターン「TURE TECH」(ツレテク)とともに、非常に高い満足度を得ています。

他方、こうした特徴的取り組みのほかにも当社は10年以上前から採用テクノロジーを積極的に活用しています。過去には面接官アサインシステムを導入し、面接官のアサイン、日程調整などの業務を省力化しました。

近年はエントリーシートの一次評価、動画面接におけるスクリーニング、チャットボットなどのAI活用にも積極的に取組んでいます。エントリーシート一次評価と動画面接に関しては70〜75%の年間工数削減につながりました。

WatsonエントリーシートAI活用方法

動画面接

採用プロセスの中で生まれる工数を効率化。それによって浮いたリソースを充て、母集団をたくさん集めるという旧来の採用から脱却し、「攻めの採用」にシフトする——。それこそがソフトバンクが目指す採用活動の方向性です。

編集後記

総務・人事の切り口から、ソフトバンクの取り組みを追った。中でも新本社「東京ポートシティ竹芝」は「Smart & Fun!」を体現したコミュニティー型ワークスペースとして、ビジネス界隈でも大きな関心事になっている。すべての部門が移転し終わるのは年末年始、その後新本社のすべての構築を完了するのは2021年2月を予定している。今後もこの新拠点においてどのようなオフィス革命が巻き起こるのか、注目していきたい。

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