ニューノーマル時代の働き方を考える|SoftBank World 2020ダイジェスト

SoftBank World 2020  ニューノーマル講演

(2020年11月11日掲載)

目次

新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、人々の生活スタイル・ワークスタイルが変わった。ではこのコロナがやがて収束したafterコロナにおいて、我々はもとスタイルに戻るべきなのか。そして今、企業が取り組んでおくべき課題解決はどんなことなのか。

本記事では、ニューノーマル時代の働き方にテクノロジーで貢献する7つのセッションをダイジェストで紹介する。

Zoomで実現するコミュニケーションとコラボのニューノーマル

佐賀 文宣 氏

ZVC JAPAN株式会社 (Zoom)
カントリーゼネラルマネージャー

昨年2,500社だった有償ビジネスプラン(10IDからの企業向けスタンダードプラン)ユーザ数は、今年2万社を超えました。NPSも70超に達するなど、Zoomミーティングはお客さまからたくさんのご評価をいただいているサービスだと自負しております。

Zoomミーティング

このコロナ禍は必ずや終息に向かうと信じておりますが、そのときにまた、私たちはもとの世界に戻るのでしょうか。私はリアルとリモート双方の世界をバランス良く取り入れるフェーズに入っていくと考えています。

リモートがスタンダードなコミュニケーションになったとはいえ、これからはリアルのフェイスtoフェイスが今よりもっと見直され、プレミアムなコミュニケーションを皆さまが欲するようになる。リアルとリモート双方のコミュニケーションが掛け合わせられて深化する。そんな未来が到来します。

普段使いのリモートコミュニケーションへ

リモートワーク格差、場所の問題、インフラの複雑さ等々、既存のリモートワークにはまだまだ課題が存在し、当社はそれらに応えるべくZoom for HomeやZoom Rooms、Zoom Phone、OnZoomといった新たな戦略も打ち出しています。

これから皆さまがオフィスに戻り始め、オフィス勤務と在宅勤務を共存させながら働くようになってもなお、ビジネスコミュニケーションの壁——地域の壁、時間の壁、言葉の壁——は存在するはずです。今後もそれらの壁を克服し、コミュニケーションのインフラをよりシンプルに、誰にでも使えるものにしていきたい。それこそがZoomの果たすべき責任です。

デジタル化、働き方の変革 共創・協働を支えるビジネス基盤

水嶋ディノ 氏

Slack Japan株式会社
事業開発部 部長

Slackの独自調査『The State of Work』では、世界のナレッジワーカーのうち40%は企業と社員が目指す方向を揃えられていないと感じていました。特に日本の場合は世界平均を上回り、その割合は60%にまで上昇します。

2020年、コロナ禍で働き方がリモートへシフトしてもなお、企業は「素早い適応と実行へのプレッシャー」「目指す方向を揃え調整することの必要性」「他の従業員とつながっていたいという気持ち」など、従業員が直面するハードルに対応しなければいけません。

slack特徴1

企業内でアプリケーションが増え続けることにより、システム間の切り替えによる生産性低下、システム間での情報共有の困難さも生じています。

2020年設立のSlackによるシンクタンク・Future Forumが発表した「リモートで働く従業員体験レポート」では「9時~5時の就労スケジュールはベストではなく、より柔軟な勤務時間で働いた人の方が高い従業員体験・高い生産性を得られた」「定期的な会議は過大評価されていて、むしろそれらはチーム・組織に悪影響を及ぼしている」とも指摘されています。人はもっと非同期コミュニケーションを得意になるべきです。

slack特徴2

もはやメールは時代遅れ、リモート会議ツールだけで解決できるものでもありません。皆様のビジネスライフを「よりシンプルに、より快適に、より有意義に」をコンセプトとするSlackは、企業向けのチャンネルベースのメッセージプラットフォームとして、デジタル化・働き方変革をサポートしていきます。

マイクロソフトが実現するニューノーマル時代の働き方

山崎 善寛 氏

日本マイクロソフト株式会社
Microsoft 365 ビジネス本部 本部長

今回のコロナ禍による働き方の変容、すなわちニューノーマルの時代のビジネスには、生産性、ウェルビーイング、セキュリティなど、いくつかの課題が見えてきました。特にウェルビーイング(Wellbeing:心身および社会的にも健康で幸福な状態)については、リモートワークという働き方が人々の心の健康に影響を与えていることが如実に現れてきています。

マイクロソフト特徴1

こうした心の健康を配慮して、当社は新しいMicrosoft Teamsの機能を開発しています。例えば、「MyAnalytics」という働き方の分析サービスにより、当社がユーザの皆さまからお預かりしているスケジュールやコミュニケーションに関するデータに基づいて、会議が多いユーザに向けて、息抜きになるような時間をAIが提案する、それでも休憩が取れないような場合には常にPCに向かわないよう、休憩時間をブロックするなど、健康や生産性に関するインサイトを提供できます。また、Headspace社と提携しマインドフルネスや瞑想の体験をMicrosoft Teamsに導入するプロジェクトも計画中です。

TeamsのDAU(Daily Active Users:一日あたりのサービス利用者数)は2020年5月時点で世界7,500万人。おかげさまで日本国内でも日経225社のうち84%のお客さまにTeamsをご利用いただいております(本イベント収録後、TeamsのDAUが約半年で50%増加し、2020年10月時点で1億1500万人を超えたことが発表されました)。

マイクロソフト特徴2

お客さまにとってMicrosoftといえば、WordやExcelなどのITサービスのイメージが強いかと思いますが、今後は「より多くのことをリモートに」「すべてのコトを自動化で」「あらゆるコトに道しるべを」をDXの3本柱としながら、ニューノーマルのなかでの経済活動、そして新たな働き方改革を支援していきます。

ニューノーマル時代におけるデジタル競争力強化(DX)のご提案

馬場 健太郎 氏

デル・テクノロジーズ株式会社
データーセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括 パートナーセールスエンジニアリング本部 本部長

COVID-19という外部環境の変化により、ビジネスにはさまざまな制約が生じました。既存のビジネスモデルを仕立て直しながら、新しいビジネスモデルを開発していく必要があります。 当社がその打ち手と変革となるべき「3つの柱」と考えているのが「データドリブン経営」「ビジネスへの素早い対応」「ITリソース最適化」です。

dell特徴1

例えばIT企業であれば、その企業における分析チームがデータを分析し、新しいインサイトを発見。その気づきは業務部門におけるビジネスアイデアの創出、既存ビジネスの改善につながります。

またそこで生まれたアイデアはIT部門・アプリ開発部門の手でアプリケーションに反映され、市場にサービスとして提供。提供後にはそこからまたデータを得られ、それをまた分析チームにフィードバックされます。

そうしたサイクルの中核にあるべき存在が、当社が提供する統合データ基盤、クラウドネイティブアプリケーション基盤、マルチクラウド/ハブリッドクラウドソリューションです。

dell特徴2

Dellは年間売上10兆円の統合ITカンパニー。サーバー、ネットワーク、ストレージのみならず、PC、仮想化、デジタル変革ソリューション、セキュリティ、ミッションクリティカルクラウドといった総合的なインフラストラクチャーのソリューションを提供しています。今後もお客さまのニューノーマル時代におけるデジタル変革に上手く寄り添ってサポートさせていただければ、と思っております。

Dialpadがアップデートするコミュニケーションの未来

安達 天資 氏

Dialpad Japan株式会社
GM

Dialpad Japanの安達氏はソフトバンク株式会社 常務執行役員 藤長国浩とともに講演を行った。

ビジネスコミュニケーションの主役は、やはりボイスコミュニケーションです。「未だ92%の顧客接点が電話」「61%の顧客が必ず購買プロセスの中でサプライヤーに電話をしている」「74%の顧客がカスタマーサポートの不満からそのサプライヤーとの購買をストップした」といったデータもあります。

dialpad特徴1

Dialpadは2011年米・シリコンバレーで創業したスタートアップで、その歴史のなかでVoIP(Voice over Internet Protocol)と言われる、インターネット回線を利用した音声データの送受信技術のプロダクトを開発してきました。

コロナウイルスの影響が拡大し始めた2020年3月、オフィスへの出社における最大の懸念・課題のひとつである、会社への電話を出社せずとも対応いただける環境づくりをサポートさせていただくべく、Dialpadの無償提供を開始しました。250社、1万5,000ユーザにお使いいただき、多くのお客さまの事業継続や働き方の変革をサポートさせていただきました。

dialpad特徴2

他方、ソフトバンクとDialpadは戦略的なパートナーシップを締結しています。両社で取り組んでいきたいビジネスの1つが「対話のアップデート」です。例えばコールセンターに集まるアナログなボイスデータのデジタル化は、感情・対話分析、スコアリングによるフィードバックやコーチング、さらには対話スキルアップなどに役立てられます。ニューノーマル時代に、心の知能指数「EQ」を——。対話のアップデートはビジネスにより豊かで充実したコミュニケーションをもたらしてくれるはずです。

デジタル時代を生き抜くためのデータ活用方法とは

久永 航 氏

Sansan株式会社
Sansan事業部 Sansan Plus推進部 副部長

ニューノーマル時代、デジタルシフトが企業の生命線です。そして、その変革のカギを握るのは顧客データ基盤の構築にあります。特に新型コロナウイルスの影響で旧来式のコミュニケーションが行えない営業活動においては、十分な成果を出すためにデジタル活用が欠かせません。しかし企業にアセットが蓄積されていなければ、何のデジタル活用も行えません。

Sansanは“名刺をスキャンするだけ”で「AI×人」によるデータ入力、データベース化を行える法人向けクラウド名刺管理サービスとして、多くの皆さまにご利用いただいています。最近では“発行したURLを相手に送るだけ”で行える「オンライン名刺交換」もリリースしました。今後もさまざまなウェブコミュニケーションツールとの連携によって、その活用の幅を広げていきます。

sansan特徴1

他方で、名刺管理で蓄積された“名寄せ”の技術・ノウハウを結集し「Sansan Data Hub」もリリースしました。同サービスでは名刺データベースと、企業でご利用されているSFA、CRM、MAといった顧客データベースを名寄せ統合し、社内のあらゆるデータを正規化、リッチ化します。

つながりを活用した新しい営業のかたちには「名刺を個人で活用」「企業としての集約・共有」「名刺を起点としたデータ活用」の3ステップがありますが、その第一歩になるのが、全社の出会いをデータベース化することです。Sansanはこれからも皆さまのビジネスの出会いにイノベーションを起こし、世の中の働き方を変えていきたいと考えています。

sansan特徴2

ニューノーマル時代に求められる新しいオフィスのあり方

髙橋 正巳 氏

WeWork Japan 合同会社
最高戦略責任者

コロナ禍、そして働き方の多様化によって、オフィスに対する考え方も変わってきています。今までは、毎日満員電車に乗って会社に行き、自分のデスクに座る、それがある意味「仕事をしている」ことの象徴でしたが、これからは、「仕事をする個々人が働く場所を選ぶ」という時代が来るだろうと考えております。

WeWork特徴1

今後のオフィスが果たすべき役割を考える上でご提案したいのが、フレキシブルオフィスとしての WeWork です。世界38ヵ国・150都市に843拠点の拠点を置いています。日本国内だけでも6都市・36拠点があり、2万3,000名以上のメンバー(入居者)にご利用いただいています。

WeWork特徴2

最近では、国内全拠点の共用エリアに自由にアクセスできる「All Access」、契約した専用オフィスに全従業員がアクセスできるようになる「専用アクセス」、WeWork コミュニティチームが課題をヒアリングし、独自のデータベースでメンバー・サービス・イベントなどをマッチングする「Connect by WeWork」などの新プランをリリースしました。

WeWork特徴3

WeWork 最大の特徴は「スペース(=契約の柔軟性、充実したオフィス機能)」、そして「コミュニティ(=業界業種を越えたつながり)」です。

我々が最終的に目指しているのは、入居することで新時代の働き方が実現できるような「働き方のソリューションプラットフォーム」です。新時代の働き方をリードする、企業としてこれから進化していきたいと考えています。

編集後記

東京都が都内に拠点とする企業(従業員30人以上)を対象に行ったテレワーク導入実態調査(2020年6月30日実施)によると「導入している」と回答した企業は57.8%だった。 これは2019年度の調査結果(25.1%)の2.3倍。通常であれば数年単位で起こるようなデジタルシフトが、たった数ヵ月のうちに起こったことがうかがえる。 しかし他方で「小規模な企業ほどテレワークに踏み出しにくい」「企業文化的な問題からDXがなかなか加速しない」など課題もいまだ存在する。本記事で取り上げた各社の取り組みはいずれもその課題解決策になるべきものだった。今後の動向にも注目したい。