デジタル時代を支えるマーケティング戦略|SoftBank World 2020 ダイジェスト

デジタル時代を支えるマーケティング戦略|SoftBank World 2020 ダイジェスト

(2020年11月13日 掲載)

目次

急速に進むデジタルシフトと顧客接点や価値観・行動の多様化によって、B2BとB2C共に顧客理解や新規獲得、ファンエンゲージメントの醸成が難しくなっている。これからの時代を生き抜くために企業が考えるべきこと、やるべきことは何か。

本記事では、誰もが知るべき最新マーケティング事例を含めた3つのセッションをダイジェストで紹介する。

MAで改善するこれからの時代に必要な「捕捉率」

株式会社セールスフォース・ドットコム ソリューション営業本部Pardot第二営業部 部長 広瀬 佑貴 氏

広瀬 佑貴 氏

株式会社セールスフォース・ドットコム
ソリューション営業本部Pardot第二営業部
部長

セールスフォース・ドットコムでは、SFA(営業支援)やCRM(顧客管理)によって「戦ったときに負けない仕組み」を提供してきました。しかし、インターネットの登場によって、お客さまは営業担当から直接話を聞かなくても、製品やサービスを検討できるようになりました。

そこで生まれた新たな課題が「戦わずして負ける」企業の増加です。つまり、SFAやCRM で受注率は改善しても、捕捉率が低下したことで、売上が伸び悩むようになったということ。捕捉率とは、市場のニーズに対して自社の持つ商談数の割合のことを指します。

捕捉率とは

例えば、市場のニーズが100件、捕捉できた割合が40%、受注率が63%、単価が1億円の、25億円のビジネスがあったとします。

捕捉率を意識しなければならない理由

この方程式を見ると分かるように、受注率や単価を改善しても、捕捉率が尻すぼみになっていると売上は最大化しません。

しかし、受注率が同じでも、捕捉率を改善した分、売上は伸びます。だから、捕捉率をテコ入れすると大きなインパクトにつながるのです。

そこで、捕捉率の改善対策として注目を集めているのが、見込み顧客のオンライン上の行動を捕捉できるマーケティングオートメーション(以下、MA)です。

Webサイトやメルマガ、営業担当が商談後にメールで送った提案書なども、お客さまにとっては重要な情報源。これらをトラッキングして、お客さまの動きをキャッチできれば、営業の動き方が変わって受注率も向上します。

しかも価格勝負になる前に提案に行けるので、商談単価の向上にも期待できる。つまり、MAツールによって捕捉率の向上はもちろん、受注率や商談単価にも寄与するわけです。

ただ、MAツールだけで全体最適はできません。見込み顧客がターゲット企業の母数に対して少なければ、リード獲得施策は必要ですし、インサイドセールスの仕組みも必要。セールスフォース・ドットコムなら、ソリューションに限らず、ノウハウも含めてご提供できるので、困り事があれば、ぜひご相談ください。

導入企業と語る、データ活用による顧客理解

トレジャーデータ株式会社 エバンジェリスト 若原 強 氏 氏

若原 強 氏

トレジャーデータ株式会社
エバンジェリスト
株式会社SUBARU IT戦略本部  デジタルイノベーション推進部 小川 秀樹 氏

小川 秀樹 氏

株式会社SUBARU
IT戦略本部
デジタルイノベーション推進部

「急速に進むデジタルシフトの中、顧客行動や接点の多様化が進み、従来の営業活動のみでは顧客理解が難しくなるケースも増えてきています。

加速するデジタルシフトと顧客接点の多様化

そこで重要になるのが、あらゆるデータを収集、統合し、データ活用によって顧客を理解することです。それは、顧客の見えない行動を知ることにもつながります」(若原氏)

「車購入に至るまでの販売店への来訪回数が減少し、お客さまの理解が難しくなる中、SUBARUではもともと各部署でお客さまのデータを集めていましたが、部門内に閉じていて共有されていませんでした。それらのデータをTreasure Data CDPを使って一元管理できるようになったことで、車購入に至るまでの細かい『旅路(カスタマージャーニー)』がお客さまごとに全て分かるようになりました。これらの旅路をモデル化することで、販売店に来店するお客さまの購買見込みを個々に高い精度で推測できるようになり、販売店の接客が最適化され、成約率の向上につながっています。

Treasure Data CDPの良さは、コネクタが豊富で、あらゆるマーケティングツールとつながること。ソリューションがパッケージされているような製品群とは異なり、部署ごとに違うツールを使っていても、柔軟に組み合わせることができます。
また、ともすると試行錯誤が多くなりがちなデータ活用の世界で、ローデータを保有していて、自分たちの興味ややりたいことに合わせてあらゆる切り口でデータを活用できるのもポイントでした」(小川氏)

データによる顧客理解を支える基盤「Treasure Data CDP」

「いろいろなツールを使い分ける上でも、データの収集、統合のしやすさ、中立性の高さは大切なことです。データ活用においてはさまざまなハードルが存在しているので、それを乗り越える1つの手段として、Treasure Data CDPが広くお役に立てると嬉しいです」(若原氏)

デジタル時代の価値創造を支える顧客体験マネジメント

アドビ株式会社 DXマーケティング&セールスデベロップメント 本部長 祖谷 考克 氏

祖谷 考克 氏

アドビ株式会社
DXマーケティング&セールスデベロップメント
本部長

世界を動かすデジタル体験を

アドビでは「Changing the World Through Digital Experiences(世界を動かすデジタル体験を)」をミッションに、3つのクラウドサービスを提供しています。

1つはPhotoshopやIllustratorなどクリエイティビティを発揮するためのAdobe Creative Cloud。次にAdobe Acrobatや電子サインソリューションのAdobe Signを含むAdobe Document Cloud。そして、デジタルビジネスを推し進めるためのAdobe Experience Cloudです。

新型コロナウイルスによって世界中でデジタルシフトが加速し、オンライン購入や、チャネルをまたいだコミュニケーションに価値を感じる方が増えました。

変化する時代に、企業はどのような価値を届けるべきか。米国プロゴルフのPGAツアーの取り組み事例をご紹介します。

PGAツアーはコロナ禍で無観客試合を余儀なくされました。そこで、アドビのクラウドソリューションを活用して、ファン一人一人に向けたより良い体験の提供、新しい価値の創造に取り組みました。

ゴルフの楽しみ方は人それぞれのため、関わり方に応じて興味の範囲が異なります。テクニカルな部分に興味を持つ方もいれば、プレーヤーの言動に興味がある方もいます。

そこでPGA ツアーは、Adobe Audience ManagerにCRMデータやWebのトラフィックなどさまざまなデータをつなぎ、ファンをセグメントで管理し、セグメントごとに適切なコミュニケーションやオファーを実施。

Creative Cloudとコンテンツ管理システムで、全プレーヤーの全ショットや3Dの打球の軌道など、ファン視点のサービス拡充にも力を入れながら、数年前の3倍以上のコンテンツを生み出しています。

この取り組みを通じてPGAツアーのグローバルでのユニークユーザ数は9%、訪問数は26%増加し、Webやアプリなどチャネルをまたいで楽しむファンも22%も増加しました。

Adobe Experience Cloud

今後の成長の鍵は、デジタルを活用した新しい価値提供による差別化と顧客体験マネジメントが握っており、そのためのプラットフォームが、Adobe Experience Cloudです。アドビはデジタルテクノロジーカンパニーであると同時に、顧客体験マネジメントのリーディングカンパニーでもあり続けたいと考えています。

編集後記

コロナ禍により、営業・マーケティング領域におけるデジタルシフトは急速に進んでいる。これまで対面で行っていた顧客管理、顧客理解、そして提案業務は今後オンライン化していく。そのとき、中心にあるのが顧客データであり、今回紹介したマーケティングツールだ。今、企業の営業、マーケティングは大きく変わろうとしている。