Meet the Global Tech Leader「デジタル化の先にある未来」|SoftBank World 2020ダイジェスト

Meet the Global Tech Leader「デジタル化の先にある未来」|SoftBank World 2020ダイジェスト

(2020年12月14日掲載)

目次

SoftBank World 2020では、デジタル時代を牽引するグローバルリーダーが集結した特別プログラム「Meet the Global Tech Leaderデジタル化の先にある未来」を開催した。

登壇した企業は、Microsoft、Google Cloud、IBM、Adobe、Zoom Video Communications、Slack Technologiesだ。グローバルリーダーたちは現状をどう捉え、どんな未来を描いているのか。本記事ではセッションの一部をダイジェストで紹介する。(本講演は、2020年11月29日、30日に「東京ポートシティ竹芝 ポートホール」よりライブ配信された。)

Meet the Global Tech Leaders

【Slack×Zoom】コミュニケーションのエキスパート対談

エリック・ユアン 氏とスチュワート・バターフィールド 氏 <プロフィール>
エリック・ユアン 氏
Zoom Video Communications, Inc.
創業者 兼 CEO

スチュワート・バターフィールド 氏
Slack Technologies, Inc.
CEO 兼 共同創業者

宮内 謙
ソフトバンク株式会社
代表取締役 社長執行役員 兼 CEO

宮内:コロナ禍ではネガティブインパクトを受ける一方で、「デジタルコミュニケーション」「デジタルオートメーション」「デジタルマーケティング」の3つのデジタル革命が一気に加速しています。

ソフトバンク株式会社代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙

これからの働き方は、オフィスワークとリモートワークのハイブリッド型になることが想定されます。SlackとZoomはコミュニケーション・テクノロジーのエキスパートとして、働き方革命を率先していますが、これから2〜3年先の未来をどう考えていますか?

スチュワート氏:1つは組織を横断したコミュニケーション「Slack コネクト」が当たり前になること。Slack コネクトは、顧客やベンダーなど社外メンバーとのやりとりを集約できるので、サプライチェーンが複雑な製造業界などにも普及させるチャンスがあると考えています。

もう1つは、イベント・ドリブン・エンタープライズの領域です。Slackがさまざまなソフトウェアと連携することで、営業、契約、採用などの業務イベントをSlackに通知し、ワークフローのトリガーになります。

しかも、Slack コネクトを併用すれば、請求書や契約書の発行といったイベントもSlackを通じて組織を越えることができます。これまでは、組織の境界を越えられるソフトウエアはありませんでした。

エリック氏:Zoomはシームレスな体験の提供が重要だと考えています。また、将来的には、ビデオコミュニケーションが対面式のミーティング以上のエクスペリエンスを提供できるようになると考えています。Zoomを通じて同じ場所にいなくても同じ場所にいるように感じたり、ハグをすれば感触が伝わり、コーヒーの香りも感じられるようになる。

また、Zoom上での会話をリアルタイムでA Iが翻訳するということもできるようになる。 それがZoomの戦略でもあるし、そのような未来をビデオコミュニケーションをベースに作りたいと考えています。

【Microsoft】改革者サティア ナデラ 氏が描く未来

サティア ナデラ 氏

<プロフィール>
サティア ナデラ 氏
Microsoft Corporation
CEO

宮内:コロナ禍の中で、企業がデジタルシフトによる変革を加速するためには、どうすれば良いでしょうか。

サティア:あらゆる業界の企業がテクノロジーで先陣を切るという姿勢を見せなければなりません。そのために、世界トップクラスのテクノロジーを開発する能力、イノベーションの連鎖を生み出すテックインテンシティを社内に築く必要があります。

今、コロナ禍で私たちが経験しているのは新しい働き方の壮大な実験です。オンライン会議やチャットなど業務上のコラボレーションのやり方は変わり、コラボレーションから生み出された知恵を蓄積することで学びも変わります。そして企業で働く個人の〝ウェルビーイング(幸福度)″の重要性が増すでしょう。

現在、世界中でテクノロジー企業に対する信頼が大きな問題になっています。ビジネスモデルのアラインメント、整合性への信頼のほか、テクノロジー自体への信頼も得なければなりません。サイバーセキュリティやAIの倫理など、一度、信頼を失うようなテクノロジーを作ってしまうと信頼を取り戻すのが難しいため、そうしたことの無いように検査できる仕組みを予め盛り込んでおく必要があります。

コロナ禍以前から、人類は気候変動や格差社会などの大きな課題に直面していました。どのような企業も社会的な存在意義を持っています。

我々企業が進むべきは、アフターコロナに向けて「人類と地球の課題を解決する収益性のあるソリューションを生み出すこと」。それが先端企業への道だと信じています。

【Google Cloud】DXを支援

トマス・キュリアン 氏

<プロフィール>
トマス・キュリアン 氏
Google Cloud
CEO

トマス氏:GoogleCloudは、データの力を活用して、企業のDX、そしてビジネスモデルの再構築を支援します。

Google Cloudの特徴は3つあります。1つ目は小売・製造・金融・通信など業界に特化したソリューション群。2つ目はデータ処理と分析。そして、3つ目がグローバルな規模で提供される分散型のインフラストラクチャーです。

私たちの提供するインフラストラクチャーは、世界中のお客さまのDXプラットフォームを支えており、日本のお客さまがビジネス変革を起こす上で強い味方となります。

また、最近私たちが注力している事業の1つが、GoogleWorkspace(旧G Suite)です。メール、チャット、音声、ビデオ会議といったツールを1つにまとめ、今ニーズが高まっている自宅とオフィスのハイブリッドな働き方に対応します。

GoogleWorkspaceは、エンタープライズと言われる大企業から中小企業まで、さまざまな企業が簡単に活用できるコラボレーションツールです。

【IBM】ハイブリッドクラウド×AI戦略×量子技術

アービンド・クリシュナ 氏

<プロフィール>
アービンド・クリシュナ 氏
IBM
CEO(最高経営責任者)

アービンド氏:今日はイノベーションを推進する3つの大きな力「ハイブリッドクラウド」「AI」「量子コンピューティング」についてお話させていただきます。

パブリッククラウドがもたらすメリットはすでに知られていますが、これまで企業で稼働するコンピュータの約2割程度しかクラウドに移行できていません。私たちはハイブリッドクラウドこそが、残り8割の価値を引き出す方法だと考えています。

ハイブリッドクラウドとは、オンプレミス、プライベートクラウド、複数のパブリッククラウドを組み合わせた環境のこと。クラウドコンピューティングのメリットであるアジリティやスピード、複雑さの軽減といったあらゆるメリットをすべてのIT環境にもたらします。

実際、IBMのオープンパブリッククラウドプラットフォームのお客さまは、単一のパブリッククラウド のみの場合と比較して、2.5倍の価値を生み出しています。

次にAI戦略です。AIは言語翻訳、物体検知、顔認識などに応用されていますが、IBMでは人間の言語のニュアンスや曖昧さ、複雑さを理解できるAIシステムに取組んでいます。複雑なテーマについて人間と討論できるAIシステム「IBM Project Debater」は、人間のスピーチを聞き、相手の主張を予測して「反論」を作るものです。「IBM Project Debater」は、多くの画期的な自然言語処理機能に基づいています。

そして、AIがゲームチェンジャーであるなら、次に私たちの世界を根本から変える技術は量子コンピューティングだと考えています。

量子コンピュータを使えば、物質を原子レベルでシミュレーションできるので、新薬や素材開発に要する時間を劇的に短縮可能です。1000倍効率が良い電池や、エネルギー消費の少ない肥料製造方法を開発し、気候 変動危機に役立てることもできるのです。

【Adobe 】デジタルビジネスを強化するExperience Cloud

シャンタヌ ナラヤン 氏

<プロフィール>
シャンタヌ ナラヤン 氏
Adobe Inc.
会長、社長 兼 CEO(最高経営責任者)

宮内:Adobeは、圧倒的な強みを持つクリエイティブソリューションや、デジタル上でのより良い顧客体験のためのビジネスソリューションを提供しており、デジタルシフトには欠かせない存在だと思っています。

シャンタヌ氏:Adobe Creative Cloudは、誰でもどこでも、自分のストーリーを伝えることができるツールを提供し、すべての人の創造性を解き放つことで、コンテンツの爆発的な成長を支えています。特にリモートワーク環境では、事業の主役となるドキュメントの生産性を向上させ、個人や企業の業務を成功に導いています。

また、企業が顧客とオンラインでつながるために、Adobe Experience Cloudであらゆる規模のデジタルビジネスを強化し、素晴らしい顧客体験を提供できるよう支援しています。

人はパーソナライズされた簡単なインタラクションを求め、シームレスで安全な体験を期待しています。企業が顧客の期待に応え、信頼を得るには、コンテンツデータやAIを統合して、パーソナライズされた体験をリアルタイムで提供する必要があります。

そこで私たちは、リアルタイム顧客プロファイル機能を開発しました。これにより企業のデータポイントを統合し、即座に行動に移すためのインサイトを提供。顧客が期待する体験が実現します。Adobe Experience Cloudは、今日のデジタルビジネスを強化する上で極めて重要な役割を果たしているのです。

編集後記

テック業界を代表する6社のグローバルリーダーによるセッションは、すべての産業がデジタル化していく未来を想像させた。今後、あらゆるビジネスモデル、そして働く環境にはデジタルが不可欠なものとなる。コロナ禍によって直面している危機を世界はどのように乗り越えるか。その鍵もまた、デジタルが握っているのだろう。

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