Future Stride

入居企業が実感したつながりが深まる働き

WeWork Japan 合同会社 高橋正巳 × 株式会社アクアリング 吉村卓也

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  • 働き方改革

2018年2月に日本に上陸して以来、1年を経たずして年内までに11拠点を開設、東京以外にも横浜に進出し、さらには大阪、福岡での開設も控えるWeWork。従来のコワーキングスペースとは一線を画すコミュニティ型ワークスペースであり、日本でもスタートアップから大企業まで多種多様な企業が入居している。

企業は何を求めてWeWorkを活用し、実際にどんなメリットを得ているのか。今回は今年8月にオープンした旗艦店、「WeWork Iceberg」(東京都渋谷区)においてWeWork Japan 合同会社のゼネラルマネージャーである髙橋正巳氏に話を聞くとともに、WeWorkを活用する企業の1つである株式会社アクアリングの吉村卓也氏に入居を決めた動機について聞いた。

WeWork Japan 合同会社 ゼネラルマネージャー
髙橋正巳
シカゴ大学卒業後、ソニーに入社。2007年パリ転勤。2011年に INSEAD で MBA を取得後、シリコンバレーで勤務し、ベンチャー企業の発掘、買収・投資案件に従事する。2014年に Uber Japan 入社、執行役員社長として日本における事業展開を牽引。東京で Uber Eats を立ち上げ、過疎化が進む地域で住民の移動を支える実証実験を手がける。
2017年に WeWork Japan 入社、ゼネラルマネージャーに就任。
株式会社アクアリング プランナー/プロデューサー
吉村卓也
Web黎明期の1999年からデザイナーとしてキャリアをスタートし、主に独立系制作会社にてコーディング・Flash・システム・ディレクション業務に従事後、2011年アクアリング入社。現在は、東京を拠点としコミュニケーション戦略立案とクリエイディブに関する企画を担当。

ビジネスニーズに合わせて、柔軟に環境を変えられる

世界各都市で300以上のコミュニティ型ワークスペースを提供しているWeWork。ニューヨークにはすでに約60拠点があり、ニューヨークで起業する人の5人に1人がWeWorkを活用しているといわれている。日本でも上陸からわずか1年で11拠点に拡大し、企業のオフィス選択の1つとして存在感を発揮。企業が一般的なオフィスやコワーキングスペースではなく、WeWorkを選ぶ理由とは何だろうか。

髙橋:

WeWorkを選んでいただく理由の1つとして大きいのが、コスト面です。WeWorkにはオフィスに必要な環境がすべてそろっています。自分たちでオフィスを設ける場合は敷金や内装工事費などが発生しますが、WeWorkで必要なのは月額の利用料だけ。はるかにコストを抑えることができます。

もう1つの理由は柔軟性の高さ。WeWorkは月単位での契約となるので、ビジネスの規模に合わせて最適な拠点を持つことができます。例えば、はじめは4人でスタートした企業が人数が増えたタイミングで10人部屋、20人部屋に移ることも簡単です。また、国内外の複数の拠点を使うことができるので、サテライトオフィスとして活用する企業もあります。

吉村:

アクアリングは名古屋に本社があるWeb制作会社ですが、東京、横浜、大阪、アジアと各地にクライアントを抱えています。そのため、オフィスに人がいつかずに、会議室などもあまり利用されていない状態になっていたんです。こういう無駄なコストを削減しつつ、国内外のクライアントやパートナーとつながれる場所を設けたいと考え、WeWorkへの入居を決めました。

コスト面と効率面のほかに、WeWorkのブランドを活用させてもらいたいという意図もあります。これまで東京拠点の役割がぼんやりしていたのですが、オフィスの移転のタイミングで役割を改めて考え、最終的に「東京のパートナーさまとのつながりを作る場所」という方向性を定めました。我々のオフィスがWeWorkにあると伝えると、「じゃあ見学したい」と気軽にお越しいただくパートナーさまもいらっしゃって、関係性を深めるのに役立っていると感じています。

髙橋:

そういう声はよく聞きますね。WeWorkに入居することによって採用で人が集まりやすくなったり、WeWorkで会議をしたいという理由で本社からメンバーが訪れたりとか。こういったオープンな環境を体験することによって感化されるものが皆さんあるのではと思います。

「WeWorkとは何か?」といえば、利用していただいている企業のコミュニティの集合体です。WeWorkのブランドが入居企業のブランディングにつながるというのは私たちとしてはうれしいことですし、お互いwin-winの関係性が築けていると思います。

有機的な人のつながりを生み出す空間づくり

さまざまな企業で働く人が同じ環境を共有し、ふとしたきっかけで出会いが生まれるのがWeWorkの魅力。実際に、カフェスペースでの立ち話やイベントなどから企業のコラボレーションや業務提携が生まれたり、投資先を見つけたりといった共創事例が日常茶飯事に生まれている。こうしたつながりやひらめきを生み出すために、WeWorkのオフィスにはさまざまな仕掛けがあるという。

髙橋:

新たな拠点を構える時は定性的、定量的にデータを分析し、スペースの効率や利用者の作業効率のほか、エンゲージメントを高めることも意識して空間を設計します。例えば、廊下は人がすれ違う時にお互いを意識する距離感にしていたり。それによっていろいろなつながりや創造性が生まれると考えています。

また、私たちがスペースを見る時に重視しているのは「何のためのスペースなのか」ということ。ミーティングとひと言でいっても、ブレストしたい時とプレゼンテーションをしながら会議をしたい時、面接をしたい時では適した空間が異なります。どの部屋がどのように使われているかを分析しながら、仕事の効率を高める空間作りを意識しています。

吉村:

私たちもミーティングルームを利用することがありますが、「ちょうどいいな」というのが感想です。使いやすくて、話が自然と進んでいくような気がします。

髙橋:

単にスペースを提供するだけでなく、サービスの1つとしてスペースがあるというのがWeWorkの考え方。そのため、コミュニティが活性化されやすいようにスペースを設計しているんです。

WeWorkが提供するのはリアル版SNS

サービスとしてスペースを提供するほかに、WeWorkが提供するもう1つの価値。それが「つながり」です。異なる業種や企業と同じ場を共有することで生まれるリアルなコミュニティ、世界中のメンバーとつながれるデジタルなコミュニティ。その両方を提供するWeWorkは、リアル版SNSのようなものだと髙橋氏は話す。

髙橋:

コワーキングスペースやシェアオフィスはこれまでもありました。WeWorkの場合は、スペースとコミュニティの両方を提供しているのが新しい点です。リアルとデジタルでメンバーどうしのつながりを作り、ビジネスの促進をサポートしています。WeWorkにはメンバーどうしの交流を促進するために、各拠点にコミュニティマネージャー、コミュニティチームがいます。メンバーとの日々のやりとりの中からさまざまなニーズを集めて、メンバーどうしをつないだり、イベントの実施につなげたりしています。

吉村:

私自身はまだあまりイベントを活用しきれていないのですが、ビールを飲みながらおしゃべりするような気軽ものから、ビジネスの新しい視点を得られるようなイベントまで、幅広く定期的に開催されていますよね。

髙橋:

イベントで重視しているのは、一方的に何かのプロモーションになるのではなく、全く関係のない業種の人が参加しても、新しいヒントや出会いにつながっていけるかという点です。WeWorkでは、普通に会社に行くのでは得られないような、ひらめきにつながるイベントを実施していきたいと考えています。メンバーのニーズを吸い上げて、コミュティの活性化を促していく。それがコミュニティマネージャーの役割です。

吉村:

そういえば弊社が入居を決める際も、「どんなコミュニティを求めていますか?」と聞かれたのが印象的でした。

髙橋:

同じ業界の方と集まりたい企業もいれば、全然違う業界の方と関係を築きたいという企業もいますから。WeWorkに参加しているメンバーは、つながりや刺激、アイデアを求めているので、それを後押しする環境を作っていきたいと考えています。

WeWorkではスペースを媒介としたリアルなコミュニティのほか、メンバー専用のアプリケーションもコミュニティ形成に重要な役割を果たす。アプリでは、メンバーどうしやWeWorkスタッフとのコミュニケーション、イベントの告知や参加、そして求人まで行うことができる。

また、コミュニティーの近況について情報収集するだけでなく、スペースの予約、ゲストの招待まで行えるアプリケーションは、まさにWeWorkが提供するもう1つのサービス。オンラインとオフラインそれぞれで企業のコミュニティを支援していく、WeWorkの中枢である。

1都市の密度を上げて、基盤を作る

これまでは都内に拠点を増やしてきたWeWorkだが、今後はすでにオープンした横浜のオーシャンゲートみなとみらいをはじめ、大阪、福岡と各地に展開していく予定。しかし、単に都市数を増やすことが狙いではないといいます。

髙橋:

新しい都市に進出する時は、1拠点2拠点に留まることは考えていません。同じ都市内に複数の拠点があることで、WeWorkが提供できる価値が高まると思っています。東京の場合なら、今日は東京駅近くで用事があるから丸の内北口の拠点へ、明日は渋谷で用事があるから神宮前のアイスバーグで仕事するというような、場所にとらわれないフレキシブルな働き方を提供していきたい。そのためにも、1つの都市で密度を上げて基盤を作ることを重視しています。

吉村:

各地に拠点が増えればメンバーとしてはとても便利ですね。東京にもNYのようにたくさんのWeWorkができるかもと思うと楽しみです。

フレキシブルな勤務に、テレワーク、副業推進。日本の「働き方」をめぐる環境は、めまぐるしく変化している。オンラインで会社のメンバーが、ストレスなく会議し、勤怠管理もできるほどにICTが発達した体験すること。オフィスないしリアルな場所には、どんな役割が残されているだろうか?そのヒントがWeWorkにあるように思う。

■後記

東京を中心に拠点を増やしていたWeWorkだが、横浜、大阪、福岡と、最近になって新たな都市へ進出する動きをみせている。横浜エリアの最初の拠点として、2018年11月にオープンの「オーシャンゲート みなとみらい」は15階建てのビルの4フロア、約2,800席の大型拠点。日本最大級の「産官学連携オープンイノベーション拠点」として期待されている。

また、初の大阪エリアへの進出となる「なんばスカイオ」も2018年12月にオープン。南海なんば駅に隣接する大阪の新たなランドマーク「なんばスカイオ」の3フロアにまたがる、こちらも大型拠点だ。「大阪の玄関口」として関西空港へのアクセスも良好。グローバルでコミュニティをつくりあげてきたWeWorkが大阪の地でどのようなコミュニティを形成するのか。それぞれの都市での今後のWeWorkの動向に注目したい。

(取材日 2018.11.6)

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