2026.3
スマートフォン活用で500名規模の現場運用基盤を最適化。勤怠の一元管理と研修コストの大幅削減を実現
概要
株式会社エフ・ジェー・コミュニティでは、マンションの管理人や清掃員など約500名の勤怠管理を行っていますが、打刻方法が「固定電話」と「スマートフォン」に分かれていたため、データ集計が煩雑になり、担当者に依存する状態が課題となっていました。
この課題を解決するため、同社は勤怠管理をスマートフォンに完全移行することを決断しました。しかし、現場には高齢のスタッフも多く、「操作が難しくならないか」という不安や、約500台の端末を一斉に管理・運用するという大きなハードルがありました。
そこで導入したのが、KIOSTA※です。KIOSTAを活用することで、スマートフォンの機能を業務に必要なものだけに限定し、「誰でも迷わず使える業務専用端末」として整備することができました。その結果、勤怠管理のデータ集計や締め作業にかかる時間を最大で3日間短縮することに成功しました。さらに、整備されたスマートフォン端末を活用し、これまで数百万円のコストをかけて実施していた集合研修を動画配信へと切り替えることができ、現場スタッフの負担軽減と大幅なコスト削減を同時に実現しました。
※KIOSTA:Android端末をキオスク端末として利用できるサービスです。
課題
- 勤怠を固定電話とスマートフォンの二系統で行っていたため、データ作成や集計業務の工数も多く、勤怠情報の更新や締め作業を行う担当者に大きな負担がかかり、業務が逼迫していた。
- 研修を500名規模の会場で開催していたため、会場費・交通費など毎回数百万円規模のコストが発生していた。
- KIOSTAによるスマートフォンでの運用に統一したことで勤怠データを一元化。締め作業は最大3日間短縮され、作業量が軽減されたことでミスが減り、修正作業も激減した。
- 業務の基盤として整備したスマートフォンを活用し、研修も動画配信へと移行。費用の削減や時間・場所にとらわれない参加が可能になった。
導入サービス
「勤怠データを一元化できたことで集計作業の工数が大幅に削減し、
管理業務も格段に効率化できました」
固定電話とスマートフォンに分断された勤怠管理ツールとデータ集計の課題
ガーラマンションを中心に高品質なマンション管理・清掃業務サービスを提供している株式会社エフ・ジェー・コミュニティ(以下、エフ・ジェー・コミュニティ)では、管理人・清掃員約500名のスタッフが日々現場業務に従事しています。この大規模な体制を支える勤怠管理には長年複雑な構造がありました。
ガーラマンションの管理人室には固定電話が設置されており、「出勤なら1番、退勤なら2番を押す」という昔ながらの固定電話型の勤怠システムを利用していた一方で、ガーラ以外の物件ではスマートフォンにアプリを入れて打刻する方式が採用されており、運用が二つに分断されていました。
当時を振り返り、マンション管理をご担当されている長木氏は次のように語ります。
「固定電話を活用した勤怠システムを提供されていた企業の撤退が増えているという情報をキャッチしていました。固定電話が設置できない現場ではすでにスマートフォンを活用していたこともあり、勤怠管理のデータが2つ存在していたのですが、最終的に給与システムに合わせて2つのデータを集約する作業が大きな負担になっていましたので、いずれ勤怠管理の方法自体を見直さなければならないと考えました」(長木氏)
そんな中、固定電話側のサービス終了が決定し、システムの見直しは急務となったと言います。
「固定電話での勤怠システムの利用終了が決まるなか、スマートフォンによる勤怠管理にも課題が残っていました。当時のスマートフォンにはMDMを導入しておらず、電話・メール・写真のみが利用できる「打刻専用端末」として運用していました。
その結果、アプリの追加や変更、ソフトウェアの更新といった作業を現場で行うことができず、対応のたびに端末をベンダーや通信事業者へ郵送する必要があり、運用は煩雑化していました。ソフトウェアの更新が滞ることによるセキュリティ面のリスクも抱えていたので、最適な環境を維持することが非常に大変となっていました」(長木氏)
勤怠データの管理作業における課題もあったそうです。
「月末から月初にかけて行う勤怠の締め作業は、Excelを使って管理していました。固定電話とスマートフォン、2つのデータを集計・集約する作業自体は比較的迅速に行えていたものの、業務が特定の担当者に依存する状態が続いていました。そのため、担当者が休暇や不在になるだけで業務が滞ってしまうリスクがあり、安定した運用を行ううえで大きな課題となっていました」(長木氏)
KIOSTAを導入するに至るまで 勤怠DXの検討
以前からソフトバンクと情報交換を行い「管理人や清掃員の業務をデジタル化できないか」という相談をしていた同社。当時は現場のスマートフォンの浸透率が低く、 勤怠アプリの運用も時期尚早として断念していたそうです。
「ちょうどDXという言葉が流行りだした7年前に、ソフトバンク様と管理員業務のDXについて検討を重ねていました。DXというよりは業務の簡素化というのが目的で、勤怠管理・消耗品の発注・業務レポートをスマートフォンで行えるようにしようとしました。DX導入で業務が捗ることを賢明に説明しましたが、管理員の皆さんや管理員をサポートするスタッフの反応はイマイチでした」(篠原氏)
「以前は、従来型の携帯電話(いわゆるガラケー)を利用している管理員が多い状況でしたが、現在ではスマートフォンの利用が当たり前になってきています。こうした変化を受け、スマートフォンを活用した勤怠システムへ移行するのであれば、まさに今が適切なタイミングだと判断しました。また、勤怠システムのSaaSサービスも増えて比較検討がしやすくなったことや、ブラウザから利用できるサービスも出てきたことで、スマートフォンでの運用が現実的になった点も大きな後押しとなりました。これを機に、端末の選定や運用方法、セキュリティ対策を含めた全体の仕組みづくりの検討が本格的に始まりました」(長木氏)
勤怠管理システムのスマートフォン活用に向けて検討の候補に挙がったのは、複数の端末管理ソリューションでした。しかし高齢の管理人が多い現場では、「アイコンを大きく表示したい」「必要なアプリだけに限定したい」といった操作性の要件が極めて重要でした。そこで同社が注目したのが、Android 端末を利用者自身が操作するための専用端末「キオスク端末 ※」として管理・運用するための一元管理型ソリューション「KIOSTA」でした。
「KIOSTAは、1画面に表示されるアイコン数を約6つに絞ることができ、操作が非常にシンプルな点が特長です。直感的に操作できるUIのため、利用時に迷うことが少なく、操作方法に関する問い合わせは多くならないと思いました。こうした使いやすさが、導入を決定する大きなポイントとなりました」(長木氏)
また、同社の勤怠管理システムは、最新のブラウザ環境での動作保証が求められていたため、端末側で常に最新の環境を維持できることも重要な要件でした。
「コストを考慮して当初検討していた中古のiPhoneも検討しましたが、ブラウザが古くなることで動作保証の対象外となるリスクがありました。そこで、比較的安価に導入できる新しいAndroid端末を採用し、KIOSTAを組み合わせて運用することで、この課題を解消できました。端末とブラウザを最新の状態に保ちながら、安定した勤怠システムの運用を実現しています」(長木氏)
最終的に、管理員の皆さんや現場スタッフが迷わず使える操作性に加え、最新ブラウザへの対応、アプリ配信や利用制限の柔軟さ、遠隔操作やアップデートを確実に行えることといった、管理部門にとって運用しやすい機能をすべて備えている点が評価され、KIOSTA の導入が決まりました。
KIOSTAの特徴
・現場スタッフに最適化されたUI
以前よりも IT に不慣れな管理員やスタッフも少なくなってきたとはいえ、不安もありましたが、KIOSTA は必要なアプリだけを大きなアイコンで配置できるため、研修時の説明もスムーズだったと言います。
「業務に必要なボタンをできるだけ少なくしたので、管理員の皆さん向けに行ったオンボーディングでもすぐに理解いただくことができました。スマートフォンに不要なアプリがたくさん並ばないので、レクチャーもしやすいです」(長木氏)
・アプリ配信の柔軟性
「KIOSTAでは、管理人・清掃員・巡回スタッフなど、業務内容に応じてグループを分け、それぞれに必要なアプリのみを配信できます。たとえば、交通費精算アプリを利用するグループにだけ個別配信したり、研修期間中に動画視聴用アプリを一時的に追加したりと、業務に合わせた柔軟な運用が可能になりました」(長木氏)
・更新作業の遠隔化、紛失やセキュリティ対策
ソフトウェアの更新やアプリ配信をすべて遠隔で行えるため、現場での作業負担をゼロにできました。また、スマートフォンの紛失時にはリモートロックや遠隔ワイプを実行できるため、セキュリティ面でも安心して運用できる環境を整えました。結果として、セキュリティレベルは大きく向上したそうです。このようにKIOSTAは、現場で働くスタッフと本社スタッフの双方にとって、扱いやすく安全な業務基盤となっています。
KIOSTA導入による勤怠管理の効率化
KIOSTA導入以前は、固定電話とスマートフォンからそれぞれ出力された勤怠データを突き合わせ、給与システム用に再加工する必要がありました。導入後は勤怠管理の運用が統一され、データを一元管理できるようになったことで、作業効率が大幅に向上しました。
「勤怠データに関わる作業の工数を大幅に減らすことできました。日数にすると最大で約3日間の短縮となります。Web上で勤務記録や作業状況も確認できるのは、関係者の情報共有もしやすくなりました」(長木氏)
業務基盤をスマホ化したことでのさまざまな効果も実感
同社では、これまで約500名規模の管理員業務研修を大型会場で開催しており、会場費・人件費・交通費など多くのコストが発生していました。しかし、KIOSTA導入後はスマートフォンでYouTubeを視聴する形式の動画研修へ切り替えることが可能となり、数百万円規模の大幅なコスト削減を実現しています。
「研修コストの抑制というメリットもありますが、動画研修は研修期間中に何度も視聴することができるので、業務の理解度も以前より上がっていると感じています」(長木氏)
さらに、これまで課題となっていた「ファックスが届かない」「電話がつながらない」といった問題も解消されたそうです。KIOSTAを通じてリアルタイムでのコミュニケーションが可能になり、写真による状況共有によりトラブル対応のスピードも向上。業務全体の効率化に加え、オンライン化による調整負荷の軽減や、部門間の連携強化にもつながっています。
「人手不足と言われる現在において、OJTの強化や関係者の連携強化は、未経験者の即戦力化と離職を防ぐための重要な施策と考えています。現場任せでは指導者の負担増や育成の停滞を招くため、管理員向けのマニュアルが確認しやすい環境であったり、相談しやすい環境づくりといった組織的なサポートにも活用をしています」(篠原氏)
「採用担当者・指導担当者・現場の責任者と管理員・清掃員が顔を合わせる場をWEB会議で行うことを開始しました。時間的な調整が容易になったのも効果のひとつです。現場ごとに注意点の共有がしやすくなりましたし、何より担当者同士のコミュニケーションがしやすくなりました」(長木氏)
今後の展望
KIOSTAの導入で大幅コスト削減と業務効率化に成功した同社では、今後もKIOSTAを活用した運用高度化を計画していると語ってくれました。
「以前と比較しても、社員のデジタル化ニーズは高まっていると感じます。管理員や現場スタッフにおいても同様に高まると思いますので、改めて消耗品の発注や業務報告をスマートフォンから直接入力できるようにして業務をさらに効率化したいです。またスマートウォッチなどのデバイスと連携して熱中症アラートを出すなど、社員の安全を高める取り組みも検討しています。将来的には AI連携なども視野に、現場で働く社員の業務に適した環境を整備して、さらなる ES の向上や業務効率の向上につなげたいと思います」(篠原氏)
KIOSTAを中核に、現場の働きやすさを追求した同社の持続的な業務改革に期待が高まります。
お話をうかがった方
マンション管理部 部長
篠原 慎貴 氏
マンション管理部 建物管理3課 次長
長木 伸弘 氏
掲載内容は2026年3月現在のものです。
本事例での導入サービス
KIOSTA(キオスタ)
Android EnterpriseのキオスクモードでAndroid端末をキオスク端末に変えて一元管理するサービスです。MDMとして必要な機能も搭載し、利便性とセキュリティが大きく向上します