1対1の通話から一斉共有へ。介護現場の連絡工数を大幅に削減して連携を強化

2026.4

1対1の通話から一斉共有へ。介護現場の連絡工数を大幅に削減して連携を強化

概要

介護現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の第一歩として、社会医療法人財団 白十字会 介護老人保健施設 サン(燦)(以下、白十字会)では、長年使用してきたフィーチャーフォン(従来型携帯電話)をスマートフォンへと刷新しました。その際、新たな通信手段として導入したのが、ビジネス現場向けIP無線アプリLINE WORKS ラジャー(以下、ラジャー)です。ラジャーの導入により、一人の発信がドライバーや事務室、リハビリ担当などの関係者全員へ即時に伝わる体制を構築。電話の掛け直しや取り次ぎによるタイムロスを削減し、朝の多忙な時間帯における業務スピードを飛躍的に向上させました。

課題

  • 連絡手段が電話中心のため、利用者さまが欠席の際の各セクションへの連絡に時間と手間がかかっていた。
  • 出先のスタッフが朝礼や終礼に参加できず、情報の連携内容にばらつきがあった。
  • 利用者さまの不在連絡を全スタッフに一斉共有できるようになり、連絡工数の大幅な削減につながった。
  • 朝礼や終礼での情報共有を統一したことで、出先スタッフとも認識のズレがなくなり、業務のスピードと正確性が向上した。

導入サービス

目次
「従来の携帯電話だと1対1の通信しかできず、その都度電話をかける手間がありました。 ラジャーを使うと、モニターしているスタッフへ一斉に情報が伝わります。 情報共有という点ですごく便利なツールだと感じています」
社会医療法人財団 白十字会 介護老人保健施設 サン(燦) 車輛管理室 上田 厚 氏

スマートフォンへの刷新で通信手段を高度化

長崎県佐世保市にて多角的な介護サービスを展開する社会医療法人財団 白十字会 介護老人保健施設 サン(燦)。同法人では、日々の送迎業務や現場連携における「情報の伝え方」に長年の課題を抱えていました。かつての主流はフィーチャーフォンによる電話連絡でしたが、その手法には限界が見え始めていました。

「当時は送迎業務において、利用者さまのお休みやルートの変更といった連絡が、どうしても個人対個人のやり取りで完結してしまっていました。その情報が現場全体、あるいは事務室の隅々まで伝わっていないという課題があったことが、検討の大きなきっかけとなり、前任の事務長が導入を決めました」(下田氏)

情報が点在し、組織全体としての動きが鈍くなる。この状況を打破するために浮上したのが、組織全体のIT化とデバイスの刷新だったと話します。

「当時は通信手段がフィーチャーフォンでしたので、IT化を推進しようと考え、スマートフォンに変えることに決めたようです。スマートフォンであればさまざまなアプリケーションを後から自由に取り込めます。そこで単なる電話の代替ではなく、新しい通信手段として導入しようという思いがあったと、導入担当者から引き継いでいます」(上田氏)

1対20の同時共有が、送迎業務のボトルネックを解消する

求めていたのは、送迎ドライバー、添乗するスタッフ、事務室、そしてリハビリテーション担当の職員が、一つの部屋にいるかのように情報を共有できる環境でした。そこで導入検討したのがスマートフォンをトランシーバーのように使えるラジャーでした。

「私は主に送迎のドライバーを担当しているのですが、これまでのフィーチャーフォンによる通信だと、1対1の通話しかできませんでした。何か変更があれば、その都度電話をかけなければならず、非常に手間がかかっていました。しかしラジャーを使うと、現在モニターしているスタッフ、おおよそ20名近い人数に一斉に情報を届けることができます」(上田氏)

単に「話せる」だけでなく、「誰がどのような状況にあるか」を、関係者全員がバックグラウンドで把握できることが、介護現場においては決定的な価値を持ったと話します。

「どこかで誰かが発信をすれば、自分に直接関係がない内容であっても『ああ、今日はあの利用者さまがお休みだな』とか『今、送迎車はこういう状況だな』というのが全員の耳に同時に入ってきます。情報共有という点では、電話とは比較にならないほど便利なツールだと感じています」(上田氏)

朝の「電話の連鎖」を断ち切り、5〜10分のタイムロスを1回で完結

特に導入効果が顕著に現れたのが、毎朝発生する利用者さまのお休み連絡への対応です。従来の運用では、一つの電話が職員の動きを数分間拘束し、さらなる「連絡の連鎖」を生んでいました。

「以前であれば、利用者さまからお休みの電話を事務室で受けた後、まずその方がどのバスの号車を利用される方かを調べ、次にそのバスの担当者に電話をし、さらに現場のフロアにも連絡を入れるという作業が必要でした。これが、いわば『電話の連鎖』のような状態になっていました」 (橋村氏)

この作業が、ラジャーの導入によって劇的にシンプル化されたことを次のように語ります。

「今はラジャーを使って一言『◯◯さん、今日はお休みです』と発信するだけです。それだけでバスのドライバーにもフロアのスタッフにも、関係者全員に一瞬で伝わり、かなりの時間短縮になりました。つながるまで電話をかけ直す時間なども含めると、以前は一人の欠席対応につき5分から10分は毎日取られていた作業が、たった1回の発信で済むようになりました」(橋村氏)

白十字会では、情報の確実性を担保するための運用ルールも定着させています。

「一斉に伝わるとはいえ、一方通行ではいけません。発信に対して必ず『承知しました』と返事をしてもらうように徹底しています。これによって確実に情報が届いたという疎通確認ができ、安心感を持って業務にあたることができます」(橋村氏)

現在では、事務室だけでなく、リハビリテーションの担当者などもタブレット端末にラジャーを常時接続し、施設内のどこにいても送迎の進捗や変更を把握できる体制を整えています。

30分のレクチャーから始まった、全世代での現場活用

どんなに便利なツールでも、現場で使われなければ意味がありません。導入当初は操作への戸惑いや世代間での習熟度の差という懸念があったと言います。

「導入の浸透具合については、やはり個々のITリテラシーに左右される部分はありました。若い職員はスマートフォンに慣れているので、直感的に『これはこう使うんだね』とすぐに使いこなしてくれましたが、やはり職員の中には機器の取り扱いに不慣れな者もいました」(上田氏)

この課題に対し、同法人は丁寧なレクチャーと実戦形式の運用で進めました。

「導入時に、前任の事務長から全職員に対して30分程度の簡単なレクチャーを行いました。ログインの方法やボタンの意味など、基本的なことを周知した後は、とにかく実際に現場で使ってみる。使っていく中で『ここはこうするんだよ』と教え合ったり、自分たちでコツを掴んでいったりすることで、今ではほとんどの職員が問題なく使いこなせるようになっています」(下田氏)

業務の邪魔にならないよう、デバイスの装着感にもこだわりました。

「イヤホンマイクについては、3種類ほどの候補の中から、それぞれのスタッフが自分に合ったタイプを選んで使用しています。耳に引っ掛けるタイプや、耳の中に入れ込むタイプなどです。これを常に装着しているので、誰かが喋ればすぐに内容が耳に入ってきます。手が離せない介護の現場だからこそ、この『常につながっている』状態が重要です」(上田氏)

さらなるサービス向上の実現へ向け

導入から一定期間が経過し、ラジャーは同法人のインフラとして定着しました。しかし使用するスマートフォンのOSによる挙動の違いについて、現場ならではの気づきについて次のように続けます。

「実際に使い込む中で、端末のOSにより、音質や通信状態も変化しているように感じることがあります。屋外や騒音がある場所における利用は、現場ならではの課題も見えてきました。こうしたリアルな困りごとをソフトバンクさんに相談したり、設定の工夫や運用ルールのブラッシュアップを重ねて行くことで、最適解を見つけ出して行きたいと思います」(上田氏)

白十字会のDXは、まだ始まったばかりです。デバイスの特性を理解し、最適化を検討しながら、現場のストレスを一つずつ取り除いていく。その積み重ねが、結果として利用者さまへのより質の高いサービス提供へとつながっています。

お話をうかがった方

社会医療法人財団 白十字会
介護老人保健施設 サン(燦)

事務課 主任 橋村 明子 氏

社会医療法人財団 白十字会
介護老人保健施設 サン(燦)

車輛管理室 上田 厚 氏

社会医療法人財団 白十字会
介護老人保健施設 サン(燦)

通所リハビリテーション 下田 治彦 氏

本事例での導入サービス

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企業向けに設計されたビジネス版LINEです。LINEでおなじみのチャットやスタンプはもちろん、掲示板、カレンダー、アンケート、Drive(ファイル管理)といった仕事で使いたい機能がまとまっています。仕事の仲間をつないで、情報共有をスピードアップします。

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LINE WORKSラジャー

「声」でも「文字」でもコミュニケーションができるスマホ版トランシーバーです。ラジャー同士でも、LINE WORKSとの連携でもつながることができ、現場のコミュニケーションがより便利になります。

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