ソフトバンク株式会社 Zimperium導入事例

2026.5

セキュリティの空白を解消。40,000台のモバイル端末を守るエンドポイント対策

概要

ソフトバンク株式会社は、自社およびグループ会社を対象とした専門のセキュリティ組織を擁し、24時間365日体制で高度な監視・対応を行っています。一方で、約40,000台にのぼる業務用モバイル端末については、セキュリティ対策が十分に整備されていないことが課題となっていました。
そこで同社は、MTD(Mobile Threat Defense:モバイル脅威防御)ソリューション「Zimperium(ジンペリウム)」を導入。モバイル端末のセキュリティを大きく向上させた上で、SOCの監視対象にも組み込み、緊急度の高いアラートを検知した際の運用フローも確立しました。これにより、モバイルを含むエンドポイント全体のセキュリティレベルを底上げするとともに、検知から初動対応までを一気通貫で実行できる体制を構築しました。

課題

  • PCにはEDRなどの対策が施されていた一方で、約40,000台の業務用モバイル端末には、十分な対策が講じられておらず、セキュリティリスクが存在していた。
  • フィッシングや中間者攻撃など、モバイル特有の脅威が国内外で拡大する中で、社内SOCが端末の状態をリアルタイムに把握し、即座に対処できる体制が必要とされていた。
  • これまで対策が行き届いていなかったモバイル領域に「Zimperium」を導入したことで、高度なサイバー攻撃対策が実現し、全社的なエンドポイントのセキュリティレベルが底上げされた。
  • 緊急度の高いアラートを検知した際には、SOCから即座にユーザーへ電話連絡やヒアリングを行う運用フローを整備し、検知から初動対応までを一気通貫で実行できる体制が構築された。

導入サービス

目次

「セキュリティの空白」をゼロにする

ソフトバンクでは、社内SOCを自社で保有し、24時間365日体制でサイバー攻撃の監視・対応を行っており、その対象はソフトバンク本体のみならず、グループ会社まで広範囲にわたります。これまで、PC端末などについてはログの収集・分析による対策が講じられてきましたが、社員に貸与されている約40,000台のiPhone やiPad については、十分なセキュリティ対策が整備されていないことが長年の課題でした。PCであればEDRによって詳細な挙動を追うことができますが、モバイル端末に関してはSOC側で脅威を検知する手段が乏しく、いわば「見えない領域」となっていました。導入を推進した横山は、当時の状況を以下のように語ります。

「PCの対策が高度化する一方で、モバイル端末が対策の『空白地帯』になっていることに強い危機感がありました。この状況を改善し、モバイル端末のセキュリティレベルを引き上げることは、通信事業者として、またDXを推進するリーディングカンパニーとして避けて通れない取り組みでした。
近年、モバイル端末を標的にした攻撃は巧妙化の一途をたどっており、フィッシングや、不審なWi-Fiアクセスポイントを経由した中間者攻撃、OSの脆弱性を突く攻撃など、モバイル特有のアプローチによる脅威は無視できない規模に成長しています。当社では、MDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)による端末の資産管理やアプリケーションの利用制限、さらにはVPNを用いた社内ネットワークへのセキュアな接続環境の確保など、基本的な対策はすでに講じられていました。しかし、巧妙化するサイバー攻撃をリアルタイムに検知し、能動的に防御する「MTD」の領域は未着手のままでした」(横山)

こうした中、経営層からもモバイルセキュリティの強化が重要事項として位置づけられ、具体的な対策の検討が開始されました。

導入に向けた現場の評価ポイントと既存インフラの活用

製品選定において重要だったのは、セキュリティ製品単体の性能に加え、すでに法人向けソリューションとして多くの導入事例があり、知見が蓄積されていることでした。その中でZimperiumは大規模顧客への導入実績が豊富で、約40,000台という大量の端末を管理するソフトバンクにとって安心材料となりました。

「既存の運用フローに組み込めるかどうかも重要視したポイントでした。当社では、あらゆるセキュリティログを収集し、相関分析を行っています。Zimperiumが検知した脅威情報をSIEMへ連携し、ほかのログと突き合わせて解析できる点は、SOCの運用を高度化させる上で大きなメリットとなりました。
これら製品面の評価に加え、実際の導入プロセスにおいても既存の資産を最大限に活用する工夫をしました。約40,000台の端末へ迅速かつ確実にZimperiumのアプリケーションを展開するため、すでに社内で利用していたMicrosoft Intuneの一括配信機能を活用することにしました。現場の管理者に大きな負担をかけることなく、大規模な導入を極めて効率的に進めることができました」(横山)

可視化が生んだ「安心感」と「初動対応の迅速化」

導入後に得られた最大の成果は、これまで把握が困難だったモバイル端末のリスクを可視化できたことで、組織全体に安心感が生まれたことです。不審なネットワークへの接続や中間者攻撃の予兆など、モバイル特有の脅威が24時間365日の監視対象となったことで、運用側の心理的な不安も解消されました。

「以前はモバイルに関してはノーガードに近い状態でしたが、一定の防御ラインを確立できたことは大きいです。さらに、本プロジェクトの核心は、単なるツールの導入にとどまらず、検知した後の具体的なアクションまでを仕組み化した点にあります。緊急度の高いアラートを検知した場合、SOCから対象ユーザーへ即座に電話連絡を行い、並行して状況確認やヒアリング依頼のメールを送信する運用フローを構築しました。これにより、インシデントの予兆を捉えるだけでなく、実効性のある初動対応までを一気通貫で実行できる体制が整いました」(横山)

「把握できていない端末」をなくす。シャドーIT対策を見据えた監視網の拡張

ソフトバンクのモバイルセキュリティにおける取り組みは、今回の導入によって全てが完了したわけではなく、今後はほかの端末への導入拡大を予定しています。また、部署単位で購入された端末や、現状の資産管理の枠外にある可能性のあるデバイスなど、いわゆる「シャドーIT」に対しても、どのように監視の目を広げていくかが次なる重要なステップとなります。

「現状では管理が行き届いていない端末で何かあっても、こちらで状況を把握できないため、今後はそうした部分へも監視の目を広げていく必要があります。現状では把握しきれていない領域でのリスクを最小化するため、最新の脅威トレンドやコストバランスを見極めながら、端末管理のあり方そのものをアップデートし続けていく方針です」(横山)

モバイル端末は今やビジネスに不可欠なツールである一方、電話やSMSを通じて攻撃者とユーザーの距離が非常に近いという特性を持っています。ソフトバンクは今後もZimperiumの機能を活用し、監視の精度を磨き上げ続けることで、あらゆる業務用デバイスにおいて「見えない領域」をなくし、安全な業務環境の構築をさらに推進していきます。こうした取り組みは、同様にモバイル端末の管理やセキュリティ対策に課題を抱える企業にとっても、有効なアプローチとなるでしょう。

お話をうかがった方

ソフトバンク株式会社 横山 佳紀
ソフトバンク株式会社
技術統括 サイバーセキュリティ本部
SOC統括部 セキュリティ開発部 導入課
横山 佳紀

本事例での導入サービス

Zimperium

デバイス上で発生する異常なふるまい、OS上のプロセスから攻撃を察知する独自のAI技術を使ったモバイルセキュリティソリューションです。脅威の侵入経路を問わず、モバイル端末に降りかかる攻撃を瞬時に検知することが可能になります。

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