2026.10
数百台のAndroid 端末を効率的に管理。KIOSTAとSEの伴走でキッティング・再配置まで見据えた運用を構築
概要
決済ソリューションを展開する株式会社フライトソリューションズ(以下、フライトソリューションズ)では、顧客の店舗や拠点に数百台規模のAndroid 端末を展開しています。多数の端末を効率的に管理するため、MDM※1は不可欠でした。一方、端末数が多いほど導入コストが顧客の負担となるため、必要な機能とコストのバランスが取れたサービスの選定が課題でした。
そこで同社は、タブレット版Tapion※2を使用する案件において、必要な端末管理機能を備えていることに加え、ソフトバンクのSEに相談しながら導入・運用できる点を評価し、Android 端末向けMDMサービス「KIOSTA(キオスタ)※3」を採用。シンプルで分かりやすいUI(ユーザーインターフェース)により、大量の端末をキッティングする際の作業を標準化しやすくなったほか、端末の回収・再配置まで考慮した運用を構築しました。
MDM(Mobile Device Management):企業が業務利用するスマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイスを一元管理し、セキュリティを強化するツールTapion(タピオン):スマートフォンやタブレットなどを、そのままキャッシュレス決済の端末に変えることができるアプリケーションKIOSTA(キオスタ):Android 端末をキオスク端末として利用できるサービス
- 顧客の店舗や拠点に展開する多数のAndroid 端末を管理するためMDMが不可欠だったが、流通・小売業ではコストへの要求が厳しく、必要な機能と価格のバランスが課題だった。
- 数百台規模の端末を効率的にキッティングするとともに、導入後の回収や店舗・拠点間での再配置まで見据えた運用を構築する必要があった。
- 必要な機能とコストのバランスを評価してKIOSTAを採用。シンプルで分かりやすいUIにより、MDMの利用経験がない担当者でも操作しやすく、外部委託するキッティング作業のマニュアル化にもつながった。
- ソフトバンクのSEと事前に設定や運用方法を協議。初期登録用と本番運用用のグループを使い分けるなど、端末の回収・再配置を想定した運用を構築した。
導入サービス
大量のAndroid 端末を扱う法人ビジネス。MDMは「なくてはならない存在」
フライトソリューションズは、スマートフォンやタブレット端末を活用した決済ソリューションなどを展開しています。同社の顧客が多い流通・小売業界では、人手不足を背景にセルフレジやタブレット端末などのデジタル活用が広がっています。フライトソリューションズ 代表取締役社長の片山 圭一朗氏は、こうした市場の変化について次のように話します。
「一番の課題は、店員さんが集まらないことです。少子化で人口も学生も減っていますので、なるべく少ない人数でオペレーションできる店舗にしていくことが重要になっています。私たちが決済端末を導入している大手流通・小売のお客さまでも、お客さま側にiPadを向けて案内を表示したり、スタッフが説明しなくても済むようにメッセージを表示したりしています。最近ではセルフレジも増えていますし、私たちが『Tapion』を提供している飲食店では、タブレット端末でお客さま自身が注文し、そのまま決済する仕組みもあります。ピークタイムでも少人数での店舗運営が可能となり、従来よりも人手を削減できるなど、省人化の効果が出ています」(片山氏)
こうした店舗のデジタル化が進む一方で、フライトソリューションズには別の課題も生まれていました。顧客の店舗や拠点へ展開する多数の業務端末を、どのように効率よく管理するかという問題です。全国規模で数百台、数千台の端末を展開すれば、アプリケーションの配信や設定変更、アップデートなどを1台ずつ現地で行うことは現実的ではありません。そのため同社では、端末を一元管理するMDMを不可欠な仕組みと捉えていました。一方、MDMを顧客へ提案するうえでは、流通・小売業特有の難しさもあったと片山氏は振り返ります。
「スマートフォンでもタブレット端末でも、集中管理はせざるを得ません。私たちの立場からするとMDMは必須のものだと考えています。一方で、流通・小売のお客さまはコストに対する意識が非常に高く、わずかな追加コストについても慎重に判断されます。MDMの必要性をご理解いただきながら、その導入効果や価値をどのようにお伝えするかは、毎回難しさを感じるところです」(片山氏)
こうした事情から、案件ごとに必要な機能を見極め、コストとのバランスが取れたMDMを選定する必要がありました。
Android 端末に適したMDMを求め、展示会でKIOSTAと出会う
フライトソリューションズでは以前からiOS 端末向けのMDMを利用していました。しかし、Android 版の展開にあたっては、同社が求める運用要件に合わせて改めて最適な環境を検討する必要があったといいます。一方、数百台規模の端末を導入する案件では、端末価格も重要な選定要素になります。
「例えば私たちは、数百拠点ある企業にも端末を導入しています。何百台となれば端末価格の影響は大きくなります。iOS の方が管理しやすい部分はありますが、比較的安価なAndroid 端末は、多数の端末を必要とする案件でも採用しやすい。法人ビジネスではAndroid を避けて通れません」(片山氏)
Android 端末で利用できる新たなMDMを探していた中、同社が展示会で知ったのがソフトバンクの「KIOSTA」でした。MDMにはさまざまな選択肢がありますが、高機能になるほど料金も高くなります。片山氏は、顧客が必要とする機能を備えながら、コストとのバランスを取りやすい点をKIOSTAのメリットに挙げます。
「もちろん一番高機能なものを入れていただければよいのですが、500台、1,000台となれば、お客さまは簡単には納得できません。その案件でどのMDMならうまく運用できるのかを考えながら提案する必要があります。そういう意味では、KIOSTAは機能とコストのバランスがいいと思います」(片山氏)
「普通のことがちゃんとできる」。選定を後押ししたSEへの信頼
KIOSTAの選定で重視したのは、多数の端末を安定して運用するために、必要な機能が確実に利用できることでした。
「マニュアルに書いてあることがちゃんと全部動くということですね。遠隔でソフトウェアをアップデートしたり、セキュリティパッチを適用したりといった、普通のことがちゃんとできる。それが重要です」(片山氏)
加えて、大きな決め手になったのがソフトバンクのSEによるサポートでした。フライトソリューションズとソフトバンクは、KIOSTA以前から通信回線やデータセンターなどさまざまな領域で取引を重ねており、日頃からSEと技術的な相談を行う関係が構築されていました。
「私たちはソフトバンクさんとは、売る側、買う側の両方で非常に多くの取引があります。仕事で何万回線も仕入れさせていただいていますし、データセンターもソフトバンクさんに集約しています。KIOSTAであれば、何かあってもSEの方といろいろ相談できる。最初のお客さまの案件がスタートする前にも、SEの方と密に連携して『どう設定するか』というところから相談しました。SEがしっかりついてくれることは、一番の選定理由だったと思います」(片山氏)
実際の運用を担当するプロダクト&フィナンシャルサービス事業部 マネージャーの豊島 伊作氏も、そのサポートを評価します。
「分からないままで終わらせず、『ここまで確認しました。その上で、こういう可能性が考えられます』というところまで必ず説明してくださいます。その点はすごくありがたいです」(豊島氏)
決済端末のトラブルでは、顧客から原因や対応状況の報告を求められることもあります。問題発生時に技術的な情報を共有し、原因究明まで一緒に進められるSEの存在も、同社がKIOSTAを利用する上での安心感につながっています。
「どうしてもトラブルは発生します。そのときにベンダーが協力してくれなければ、私たちもお客さまへ十分な対応ができません。私たちはいろいろなITツールを利用していますが、必ずSEのサポートを重視しています」(片山氏)
シンプルなUIで数百台のキッティングを標準化
KIOSTAを導入した案件では、300台、400台といった規模の端末をキッティングして出荷することもあります。大量の端末を効率的に準備するため、フライトソリューションズではキッティング作業を外部の委託業者にも依頼しています。そこでメリットとなったのが、KIOSTAのシンプルで分かりやすいUIでした。
「私はこのプロジェクトで初めてMDMを扱いました。それまではハードウェアの担当だったのですが、MDMのような目に見えないシステムを操作するのは初めてでした。それでもKIOSTAは初心者でも使いやすいUIで分かりやすかったです。大量の端末を出荷するため、キッティングは外部の委託業者にもお願いしていますが、シンプルなUIなのでマニュアル化もしやすかったですね」(豊島氏)
また、顧客に納品した端末を回収し、別の店舗や拠点へ再配置することもあります。フライトソリューションズでは、こうした端末の循環まで考慮してKIOSTAの運用を設計しました。
「初回登録するときのグループと、本番運用するグループを分けています。端末が戻ってきたら工場出荷状態にして初期のグループへ戻し、そこからまた本番用のグループへ移すという運用です。この運用設計についてもソフトバンクのSEの方と協議しました。『こういうやり方をすれば本番の仕様にできます』と提案していただいたので、すごくやりやすかったです」(豊島氏)
アプリケーションのアップデートは年1~2回程度実施しています。多数の端末が各地へ配布された後も、MDMを利用して継続的に管理できる環境を整えています。
大規模運用を見据え、「通信会社だからこそ」の機能に期待
KIOSTAを実際に運用する中で、フライトソリューションズでは今後さらに期待する機能も見えてきました。その一つが、端末をより細かな単位で管理するための階層管理です。
「私たちのお客さまには店舗数や支店数が多い企業が多いので、例えば関東支店、中部支店といったように、もう少し複数の階層に分けて管理できるとより良いと思っています。何百台、何千台という端末を一斉にアップデートするのはリスクがあります。まず特定の地区だけで実施して問題がなければ広げる、といった運用をしたいですね」(片山氏)
さらに期待しているのが、通信状況を把握するための機能です。
決済端末で通信トラブルが発生した場合、端末やアプリケーションを調査しても原因が判明せず、最終的に基地局やハンドオーバーなど通信側の問題だったと分かるケースもあるといいます。
「基地局や通信の状態までKIOSTAで分かるようになると良いですね。そういうことは通信会社だからこそできると思いますし、KIOSTAにはまだ成長の余地があると思っています」(片山氏)
同社はコインパーキングにおける決済にも関わっており、さまざまな環境に設置された端末の安定運用を支えています。そのため、将来的にはリモートで端末の状態やログを確認できる機能にも期待を寄せています。案件や顧客によってMDMに必要な機能は異なります。そのためフライトソリューションズでは、今後も要件に合わせて適切なサービスを選択していく考えです。
「MDMなしで決済端末を売ることはあり得ませんので、MDMはこれからも使い続けます。案件やお客さまの要件を見極めながら、KIOSTAを活用していきたいと思います」(片山氏)
流通・小売業界でデジタル活用が進めば、店舗や拠点で利用される業務端末もさらに増えていきます。フライトソリューションズは、顧客ごとに求められる機能とコストを見極めながらKIOSTAが適する案件で活用し、多数のAndroid 端末を安定して運用できる環境づくりを進めています。
お話をうかがった方
株式会社フライトソリューションズ
代表取締役社長
片山 圭一朗 氏
株式会社フライトソリューションズ プロダクト&フィナンシャルサービス事業部
マネージャー
豊島 伊作 氏
掲載内容は2026年10月現在のものです。
本事例での導入サービス
KIOSTA(キオスタ)
Android Enterprise のキオスクモードでAndroid 端末をキオスク端末に変えて一元管理するサービスです。MDMとして必要な機能も搭載し、利便性とセキュリティの向上を支援します。