トランシーバーアプリが現場業務に選ばれる理由 ~無線機との比較でメリットを解説~
2022年9月13日掲載
2022年12月20日更新
電波法の改正により、2024年12月1日から350MHz及び400MHz帯のアナログ方式の周波数を利用したアナログ簡易無線機やトランシーバーが使えなくなります。無線機はチームでのコミュニケーション手段として幅広い業種の現場で利用されており、現在使用しているものが法改正の対象となる場合、代替の手段を検討しなければなりません。
そこでおススメの方法となるのが、トランシーバーアプリを活用して、スマートフォンをトランシーバー化することです。
本ブログでは、トランシーバーアプリの活用にどのようなメリットがあるのか、無線機との比較を交えて解説します。
トランシーバーアプリとは
トランシーバーアプリとは、スマートフォンなどに専用のアプリケーションをダウンロードすることで、それらを無線機のように活用できるサービスです。スマートフォンやタブレット、PCなど、利用シーンにあわせてさまざまなデバイスから利用できることに加え、次のようなメリットがあります。
〈トランシーバーアプリのメリット〉
・通話できる範囲が広い
・独自の機能が豊富にある
・安価に導入できる
・面倒な免許取得や登録の手続きが不要
では、具体的に従来の無線機とトランシーバーアプリにはどのような違いがあるのでしょうか。機能や導入方法の違いを一つずつ見ていきましょう。
トランシーバーアプリは無線機よりも広範囲で利用できる
コミュニケーションツールとして、通話ができる距離や音声品質は大事なことです。
無線機を使っていると、通話できる距離が制限されたり、周りの環境に影響を受けて通信が不安定になることがよくあります。また、機種によっては混信しやすく、通話内容の傍受や盗聴の心配もあります。
トランシーバーアプリは、携帯電話回線(4Gや5G)とWi-Fiなどを使って通信を行うため、携帯電話がつながる場所であれば距離に制限がなく、お互いがどれだけ離れていても通話することができます。もちろん1対1での通話だけでなく、複数のメンバー間やグループでの同時通話も可能です。
多少電波の入りが悪い場所であっても、低ビットレートモード(音質を下げて必要帯域を減らす)に対応しているので安定して通話することでき、無線機のような混信の心配もなくセキュリティ面でも安心して利用できます。
トランシーバーアプリ
無線機
利用範囲
(携帯電話がつながる場所全て)
(半径数百m~2km程)
音声品質
セキュリティ
つながる範囲に制限がないことで、例えば建設現場や店舗内で働く従業員と、離れた場所にある事務所で働く従業員との間でもリアルタイムなコミュニケーションが可能になります。
ちょっとした確認や情報共有のためだけに外出する手間を省けるので、移動時間の削減やクイックな情報連携が可能になります。
トランシーバーアプリ独自の機能で業務を効率化できる
トランシーバーアプリは、スマートフォンなどを利用することから音声通話以外にもさまざまな機能を活用してコミュニケーションを取ることができます。
ここではトランシーバーアプリの一つである「Buddycom(バディコム)」を例を挙げ、機能の一部をご紹介します。
・通話音声のテキスト化
音声が自動で文字に変換されることで通話内容がログとして残り、聞き逃した箇所を後から確認できるため、双方の聞き間違いを防止することができます。
・映像の配信
スマートフォンで映像を共有しながら通話できます。言葉だけではうまく伝えられないことも映像を見せながら会話することで、より正確に伝えることができます。また、現場と事務所の間でやり取りしたいときや、実践指導をしたいときなど、その場に移動する必要がなくなります。
・位置情報の確認
スマートフォンのGPS機能により、ユーザの位置情報を確認できます。従業員がいる場所をマップ上で確認しながらコミュニケーションを取ることができます。
・音声の自動翻訳
通話音声が設定した言語に自動で翻訳されます。外国人労働者が活躍する現場でも、円滑にコミュニケーションを取ることができます。
上記のようなトランシーバーアプリ独自の機能を活用することで、従業員どうしの連携が深まり、現場の業務をより円滑に進められるようになります。
トランシーバーアプリは初期費用不要!無線機よりも安価で導入できる
トランシーバーアプリはスマートフォンやタブレット、PCなどから利用できるので、無線機のように専用機器を購入するための初期費用がかからない分、導入しやすいサービスです。
無線機の場合・・・
電波法改正後も引き続き使用できる無線機を導入する場合、デジタル簡易無線機やIP無線機、新規格の特定小電力トランシーバーといった専用機器を購入する必要があります。
現在アナログ方式の無線機を使用している場合に主な買い替え先の候補となるのはデジタル簡易無線機であり、1台あたり3〜5万円程。トランシーバーアプリ同様、携帯電話回線を使用して広範囲で利用できるIP無線機は1台あたり6〜10万円程。比較的安価な特定小電力トランシーバーは1台あたり1万円以内が目安となります。
使用目的や性能によって価格に差はありますが、1台ずつ専用機器を購入しなければならない無線機は初期費用が高額になってしまいます。
初期費用
(本体価格)
その他費用
特徴
デジタル
簡易無線機
3,000~4,000円
電波利用料400円/年間
・手続きの費用がかかる
・5年ごとに更新が必要
IP無線機
約2,000円/月
・別途、通信費がかかる
・通信範囲が広い
・免許や登録が不要
特定小電力
トランシーバー
※新規格のもの
・耐年数が短く壊れやすい
・通信範囲が狭い
トランシーバーアプリなら・・・
トランシーバーアプリは専用機器が不要なので、導入の際に初期費用がかかりません。スマートフォンなどに無料でアプリケーションをダウンロードし、必要な分だけ月額利用料を支払って利用できます。また、複数の料金プランが用意されているので、人数や期間にあわせて最適な価格でご利用いただけます。繁忙期や閑散期など、需要にあわせたライセンス数の増減も簡単です。
初期費用
利用料金
トランシーバーアプリ
トランシーバーアプリは免許や登録の手続きも不要!すぐに現場で活用できる
新しいサービスを検討する際、やはり気になるのは導入にかかる期間ではないでしょうか。
電波法の改正によって現在の無線機を買い替えなければならない場合も、導入期間における業務への影響を考慮して検討しなければなりません。
その際、トランシーバーアプリの「導入のしやすさ」が大きなメリットになります。トランシーバーアプリは免許の取得や登録が不要であり、お持ちのスマートフォンなどにアプリケーションをダウンロードするだけですぐに使いはじめることができます。
無線機を利用するには、事前に免許や登録が必要である場合があり、その手続きには通常2週間〜1ヵ月程度かかります。そのため、実際に利用開始するまでの期間が1ヵ月以上になるなど、導入までにある程度の期間が必要になります。また、申請後も5年ごとに更新手続きをしなければならず、管理の手間が継続的に発生する点も管理者への業務負荷になります。
図のように、トランシーバーアプリは専用機器の準備と、免許や登録が不要であるため、利用開始までにかかる期間が無線機よりも短く、すぐに現場で活用することができます。
電波法改正への対策にも!トランシーバーアプリがおススメ
トランシーバーアプリには、導入の手軽さに加え、広範囲で利用できたり映像や文字でのコミュニケーションが可能であるなど従来の無線機にはない多くのメリットがあります。
スマートフォンにトランシーバーの機能を持たせることで、従来の無線機以上の機能を発揮させることができ、コミュニケーションの円滑化、さらにはあらゆる現場業務の効率化につながります。
電波法改正後も引き続き使用できるので、法改正を理由に無線機の買い替えを検討している方はもちろん、新たに現場でのコミュニケーション手段を探している方にとって、トランシーバーアプリの活用は最もおススメできるサービスであると言えるでしょう。
トランシーバーアプリを活用することで業務をどのように改善できるのか、「IP無線アプリ(トランシーバーアプリ)活用事例5選」でご紹介しています。ぜひご覧ください。
おススメのトランシーバーアプリ
スカイトランシーバー プラス
リアルタイムな音声通話はもちろん、グループ通話、チャット、位置情報の共有など、アナログ無線機やトランシーバーで欲しかった機能を搭載しています。現場での連絡手段のほか、災害への備えとしてなど、幅広く活用できます。
Buddycom
無線機やトランシーバーのように一斉通話ができるIP無線アプリです。現場のコミュニケーションをスマートフォン1つで実現でき、現場の状況をリアルタイムに確認することができます。音声通話やグループ通話のほか、翻訳機能やライブキャスト(映像配信)がついているため、多国籍な現場や綿密な作業を必要とする現場でも活用いただけます。
スカイトランシーバープラス
スマートフォンにインストールするだけで簡単に使えるIP無線アプリです。現場の情報共有を円滑にし、コミュニケーションを活性化します。
Buddycom
無線機やトランシーバーのように一斉通話ができるトランシーバーアプリです。現場のコミュニケーションをスマートフォン1つで実現でき、現場の状況をリアルタイムに確認することができます。