店舗責任者がマスターしたい店舗集客アイデア10選~チラシ・SNS・フリーWi-Fiなど集客方法を幅広くご紹介~
2022年10月19日掲載
飲食や小売など実店舗を伴うサービスを提供する企業にとって、店舗集客は売上に直結する重要な課題です。店舗責任者にとっては日々の店舗オペレーションを維持しつつ客数アップの方法を検討する必要があるため、常に頭を悩ませる種とも言えます。スマートフォンの普及で集客方法も多様化し、どの集客方法が自店舗にとって最適なのか分かりにくいのが現状です。
本ブログでは、効率よく集客を始めるための基本的な考え方をご紹介します。後半では、具体的な集客手法10選として、無料の集客ツールやAIを使った最新サービスまでを幅広くご紹介しますので、集客について課題をお持ちの方はぜひ最後までお読みください。
自店舗の「魅力・強み」を整理する
集客力を上げるためにまず最初に取りかかることは何でしょうか?
顧客分析?エリア分析?どちらも大事な要素ですが、まず取り組むべきは自店舗の「魅力・強み」を確立することです。新規顧客の獲得や再来店を促進するためには「自店舗を選んでもらう」ための理由作りが必要だからです。
では「魅力・強み」とは何でしょうか。
実際に店選びをする際、次のような条件が頭に浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
- ほかのお店よりも価格が安い
- 接客が心地よい、スタッフの印象がよい
- 商品やサービスが斬新(新しい技術や他店が行っていないサービスがある)
- 店内が清潔である(コロナ対策なども)
- 立地条件がよい(駅の近くなど)
そして最も土台となる「魅力・強み」は、本業の品質にあると考えます。
飲食店であれば美味しい料理やお酒があること、美容室であればカットやカラー技術の高さといった、自店舗の核となる商品・サービスがお客さまに評価してもらえているかどうかです。品質が伴っていなければ、どんな方法で集客してもお客さまは定着してくれません。その「魅力・強み」を材料にどのような方法でアピールし認知してもらえるか、そのプロセスを考えていく必要があります。
店舗集客の方法を検討する前に
まず、どのターゲット・エリア・タイミングにアプローチしたいかを明確化しておくことで、選ぶべき集客手法が変わってきます。どのような観点に注意すべきなのか確認していきましょう。
集客したい「顧客(ターゲット)」を明確にする
最終的には継続して利益をもたらしてくれるリピート顧客を増やし、売上向上を図ることが目的です。当然ながらお客さまは急にリピート顧客とはならないため、顧客のステージにあわせた自店舗のアピールポイントを伝える必要があります。そして徐々にリピート顧客へ近づけていくことが重要です。顧客のステージは以下のように分類されます。
●潜在顧客
自社の商品・サービスを認知していないお客さまです。認知してもらえれば購入の可能性があるため、まずは知ってもらうというアプローチが必要です。
●見込み顧客
自社の商品・サービスを認知しているけれど、購入するまで興味を抱いてもらえていない顧客です。購入に踏み切ってもらう動機付けが必要です。
●新規顧客
初めて自社の商品・サービスを購入したお客さまです。より魅力を感じてもらい、再度の購入を促せられれば、リピート顧客になる可能性が高い層のお客さまです。
●既存顧客
購入履歴はあるけれど、長期間購入がないなど興味が薄れてしまっているお客さまを指します。再び自店舗のことを思い出して魅力を再認識してもらうことで再購入が期待できます。
●リピート顧客
定期的に自社の商品・サービスを購入してくれるお客さまです。安定的に売上をもたらしてくれるため、この層に対しては顧客満足度を高めて継続利用を促すアプローチが必要です。
集客したい「エリア」を明確にする
店舗という物理的な縛りがあるため、足を運んでもらえるお客さまの生活エリアへの意識が必要です。エリア外のお客さまへ集客をかけても思うような来店に繋がらず、費用対効果の低い結果となる可能性があります。
こうしたエリアに関する分析は、エリアマーケティングと呼ばれ、地域特性や顧客ニーズの把握に有効です。地域別の習慣、交通事情、住民の年代・世帯構成などさまざまな要素が絡み合います。さらに自店舗が取り扱う商品・サービスの内容によってもエリアが異なります。例えば日用品は購入頻度も高いので近場で購入したいが、電化製品はじっくり検討したいので比較的遠方まで足を延ばすといった違いです。
こうして集客したいエリアを明確にし、適切な集客手法が選択できれば、より集客力を高めることが可能です。
集客したい「時期・時間」を明確にする
集客するタイミングも重要です。
ビジネスマンをターゲットとする飲食店がお客さまへランチに関する情報発信を行う場合、朝の通勤時間にスマートフォンを触る時間帯が狙うタイミングのひとつです。
年末年始など予約が取りづらくなる美容院においては、比較的空いている平日や10月など早い段階での予約案内などをすれば、より顧客満足度をアップできます。
このようにターゲットの行動スケジュールや季節イベントなどをイメージすることで、アプローチするタイミングの目安にもなります。
店舗集客手法を選ぶコツ
エリアを絞れる手法を選ぶ
効果のないエリアへの集客を極力減らすため、反響を見ながら施策を行います。購入に至ったお客さまのエリア傾向をつかみ、過去の施策データがあれば活用しながらエリアを絞り込んでいきましょう。Web上に表示されるオンライン広告などチューニングがしやすい集客手法であれば、より柔軟にエリアの修正も可能になります。
効果測定しやすい手法を選ぶ
集客の基本はトライ&エラーです。行った施策に集客効果があったのかを検証し、改善ポイントを見つけましょう。チラシにつけたクーポンの利用率や、Webに出した広告からのイベント参加率など数値で可視化できると効果が見えやすくなります。多くの店舗で複数の施策を同時並行で行うため、どの施策が功を奏したのかを可視化し、施策の継続や別の手法へ切り替えるという判断をすることが重要です。
代表的な店舗集客アイデア10個をご紹介
では具体的な集客アイデアを見ていきましょう。
オンラインの集客手法
①Google ビジネスプロフィール(旧 Google マイビジネス)
Google 検索や Google マップの検索結果に店舗情報を表示させる無料のサービスです。企業側が自ら作成しなくても、 Google が自動作成 ※ している場合もあり、そこからオーナー登録を行うことで、自店舗の情報を修正することができます。
お店を探している人の多くが、「地域名+キーワード(ランチとか)」などで調べるため、自店舗名でダイレクトに検索されなくても Google ビジネスプロフィールで表示されることで集客に繋がります。しっかりと情報整理や自社ホームページ・ブログへの接続など行って、更新頻度が高ければ検索結果の上位に表示することができます。
【メリット】
- 無料で店舗紹介やクーポン発行が使える
- Google 検索/ Google マップ上に表示されることによる認知力アップ
- 口コミ機能がある
【デメリット】
- 定期的な情報更新が必要
- 表示が目立たない場合もある
②SNS(Twitter、Instagram、Facebook、LINE、Youtube、TikTokなど)
ICT総研が行った「2022年度SNS利用動向に関する調査」によると、国内のSNS利用者数は2022年末には8,270万人に達し、ネット利用人口に占めるSNS利用率は82%と非常に高く推移しています。そのため情報の拡散力が強く、集客の最初のハードルであるお客さまに自店舗を「知ってもらう」点で、SNSは非常に効果を発揮できるツールと言えます。
SNSごとに利用者の多い年代や利用用途が異なるため、自店舗のターゲットがよく使うSNSを選ぶことになります。そこで継続して情報発信をすれば、徐々にフォロワーが増えて集客に繋がりやすくなります。
【メリット】
- シェアやリツイートなどによる情報の拡散力が強い
- 従来の手法では獲得できないお客さまとの接点が持てる
- 無料で利用できるものが多く、運用コストも比較的低い
【デメリット】
- コメントが炎上する場合もあり、企業イメージの低下のリスクが伴う
- 定期的な投稿でお客さまの目に留まりやすくする工夫が必要
- 店舗集客によく利用されるSNSをまとめました。
SNS
拡散力
(SNSの中で)
特長
(LINE公式アカウント)
③Webサイト制作(ホームページ、ブログ)
自社のホームページやブログを開設しておくと、一年中いつでもサービス内容や店舗情報を確認してもらうことができ、集客に繋げられます。ページの構成は自由に決められるため、ブランドの向上や他店舗との差別化をアピールしやすいのもポイントです。検索エンジン、SNS、有料広告などの出口としてホームページやブログを設置することが多くなります。お問い合わせへの動線やページ内での検索のしやすさ、新商品・サービスの情報など、ページ上での顧客満足度を満たすような設計が必要です。
【メリット】
- 他店舗との差別化/ブランド強化を図れる
- 閲覧者の満足度アップや信頼感を得ることが可能
- 検索結果を上位表示させる対策(SEO ※ )ができれば集客力向上ができる
【デメリット】
- 制作と運用を委託するとコストがかかる
- 業態によっては情報のアップデートやメンテナンスが大変
④Web広告(リスティング、ディスプレイ)
Web広告であるリスティング広告 ※1・ディスプレイ広告 ※2 は、③で紹介した自社のWebサイトなどの露出を上げるために有料で出稿する広告のことを指します。Webサイトへの流入数をもっとアップさせたい、即効性のある広告で反応を見たい場合に有効です。
広告配信した結果は、他の媒体と比べて効果測定がしやすく、改善ポイントの洗い出しがしやすいという点もおススメです。
【メリット】
- ターゲットを絞った配信が可能
- 即効性がある
【デメリット】
- 広告費用がかかる
- 長期的な出稿は効果が出にくい
※2 ディスプレイ広告:テキストや画像でWebサイトの広告掲載枠に表示される広告。課題がまだ顕在化していない潜在顧客をターゲットとする場合に有効。
⑤ポータルサイト
「食べログ」や「ぐるなび」、「ホットペッパービューティー」のような、お客さま自身で検索・予約が行えるポータルサイトへの情報掲載も重要です。特定分野の情報がまとまっているため、他店舗との比較を行うお客さまが多く訪問します。アクセス数も多いため自店舗の認知度向上に役立ちます。お客さまのステージもより購入段階に近いため、他店舗と差別化できる情報の掲載や多くの口コミを集めればより強い集客ツールとなります。
ポータルサイトを複数利用していて、管理が煩わしく感じる場合には「サイトコントローラー」の導入をおススメします。「サイトコントローラー」は予約サイトを一元管理するシステムで、個々のポータルサイトの連携以外にも顧客台帳やPOS連携といった機能をもつサービスもあり、非常に有効なツールです。
【メリット】
- 新規出店したばかりでも集客可能
- ポータルサイトへのアクセス数が多いため認知度向上できる
【デメリット】
- 掲載料などのコストがかかる
- 定期的な情報更新が必要
オフラインの集客手法
⑥チラシ(ポスティング・折り込み)
近隣住民やインターネットを利用しない層へのアプローチが可能な方法です。印刷やデザインのコストがかかりますが、手元に残りやすいため後からまた読み返すことができるのもメリットです。配布した日に見てもらえる可能性が高いため、即効性を求める場合には有効な手法です。
【メリット】
- 配布エリアを指定できるので、店舗周辺の集客が可能
- 手元で保管が可能で読み返ししやすい(=Webより印象に残りやすい)
- インターネットを利用しない層への訴求ができる
【デメリット】
- ターゲット外に届く可能性があり費用対効果が下がる
- クレームになる場合がある
- 手に取ってもらうためのデザインやキャッチコピーの工夫が必要
⑦DM(ダイレクトメール)
住所が判明しているお客さま向けに送付するため、既存・リピート顧客向けとして再来店を促すことができます。宛名が個人名で届くため開封率も高い傾向があります。新商品サンプルやクーポンなどを同封すれば、商品・サービスの良さを実感してもらうことができ、さらに集客効果を期待できるでしょう。
【メリット】
- 既存顧客の掘り起こしに有効
- お客さま個人に宛てた内容にすることで、開封率を高めることができる
【デメリット】
- 送付先である顧客情報の獲得とメンテナンスが必要
- 郵送エリアをどこまで広げるかで費用対効果が異なる
⑧スタンプ・ポイントカードの発行
再来店を促す仕組みとしてスタンプ・ポイントカードも必要です。「どんなお客さまがいついくら使ったのか」という購買情報を読み取ることができるので、スタンプ・ポイント獲得のルールや設計を工夫することで顧客分析に役立ちます。コストをかけずに導入できますが、紛失や持参忘れの可能性が大きいため注意が必要な手法でもあります。先にご紹介したLINE公式アカウントのショップカード機能のように、スマートフォンでいつでも持ち歩ければそのような心配も解消されます。
【メリット】
- 低コストでできる
- リピート顧客を囲い込みやすい
【デメリット】
- 入会のための書類記入などのお客さまへの負担がある
- 紙のカードだと紛失や持参忘れの可能性がある
- スタンプの管理や確認など、運用に手間がかかる
⑨看板・店舗外観(ファサード)
通行人を集客するためには、看板や店舗の外観にも気を付ける必要があります。デザインや看板に記載される内容が適切か見直しましょう。店舗外観は清潔を保つ心がけが必要です。看板単体での集客はもちろんですが、ほかの手法で集客したお客さまを、しっかりと店舗まで誘導する役目も担っています。店舗名、入口の案内など視認性を高めておく必要があります。特に空中店舗や地下店舗は、路面店舗よりも気付きにくいため、看板でのサポートが必要になります。
【メリット】
- 目立つ看板が設置できれば新規顧客獲得にもつながる
- しっかりしたものを作れば追加コストはほぼかからない
【デメリット】
- 店舗前の人通りの多さに影響される
- 効果測定しにくい
- 設置できる場所や表現方法に制限がある
⑩店舗の環境整備(インターネット環境、決済手段など)
集客は来店して終わりではありません。店舗内で快適に過ごしてもらうことでリピート顧客に繋げることができます。例えば店舗内のインターネット環境や決済手段も集客に影響する大事な要素となります。
店舗内で来店客が通信制限を気にせずインターネットを利用できるようにフリーWi-Fiを整備することも有効です。また近年多様化している決済手段についても、キャッシュレス決済などの手段を増やすことで、現金払いへの不満解消やレジ待ち時間の短縮など顧客満足度を向上させる効果も期待できます。
こうした取り組みもアピールポイントになります。対策したのであればぜひお客さまへ見える形で宣伝していきましょう。
関連記事リンク▶ 店舗用フリーWi-Fiのおススメは?導入効果や選び方を解説
【メリット】
- 店舗内のスムーズで快適なやり取りが再来店を促す
- 客単価の増加も期待できる
- 店舗スタッフの業務効率化が図れる
【デメリット】
- 機器の購入など導入コストがかかる
- メンテナンスやセキュリティなどの運用の手間がかかる
- 回線工事が必要。回線が引き込めない場合がある
回線工事不要のフリーWi-Fiがあります!詳しくはこちら
効果的な店舗集客のために
これらの具体的な手法を実践するためには冒頭お伝えした通り、自店舗の強みをしっかり整理できていることが大前提 です。その強みをどのようなターゲット・エリア・タイミングでアピールしていくのかを確認し、複数の集客手法を組み合わせて検討・実践しましょう。特定の手法に固執する必要はありません。かかった広告費以上に利益を生み出せる施策だったか、実践した施策はPDCAを回しながら集客アップにつなげましょう。
来店可能性の高いターゲットをAIが分析する集客手法のご紹介
忙しい店舗業務の中で、「複雑なエリアマーケティングなどに時間を割けない」「広告に対する知識不足でデジタル広告まで手が及ばない」という課題も考えられます。そんな店舗責任者向けに、専門知識不要で運用可能なデジタル広告をご案内します。店舗とお客さまのつながりを強化し、店舗への集客を促進します。