カスハラ対策奨励金とは? 東京都が実施する制度について分かりやすく解説


2025年12月19日掲載

カスハラ対策奨励金とは? 東京都が実施する制度について分かりやすく解説

近年、社会問題として捉えられているカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)。 顧客や取引先からの不当な要求や行き過ぎた迷惑行為は、従業員の健康被害や企業の事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。この問題の解決を後押しするため、東京都では中小企業のカスハラ対策費用を支援する奨励金制度を設けています。本記事では、この奨励金導入の背景や概要、申請手続きについて解説します。

目次
ソフトバンク株式会社 中谷 敏之

ソフトバンク株式会社
IT統括 AIテクノロジー本部 AI&データ事業推進統括部 AI事業組織開発室 担当部長
中谷 敏之

インフラ事業に従事し、次世代インフラ整備に関して政府への提言も実施。生成AI活用コンテストで優勝するなど成果を上げ、実績を重ねている。4年前から社内起業制度を通じ、CS向けカスハラ対策「SoftVoice」を立ち上げ、東京大学と連携しAI音声技術の研究を推進。昨年度はプレスリリースを発表し、多くのメディアで大きな反響を獲得し、企業CS現場や学術分野からも広く注目を集めている。

カスハラ対策が条例化に──東京都の防止条例施行の背景

カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先からの不当な要求や、従業員の就業環境を害する行き過ぎた行為を指します。近年、このカスハラは従業員の心身の健康や企業の安全配慮義務の観点から深刻な課題として認識され、積極的な対策が急務となりました。

企業規模を問わず「都内全企業」が条例の対象となる
東京都は、”顧客と働く人が互いに尊重し合う公正で持続可能な社会の実現”を目指し、2025年4月に「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を施行しました。

この条例により、都内企業(事業者)すべてに、カスハラ防止のための取り組みを講じるよう努めることが定められています。この条例の適用は、過去に義務化されたパワーハラスメント対策のように、大企業から段階的に適用されるのではなく、企業の規模(大企業・中小企業)を問わず一律に適用されるのが大きな特徴です。

条例化に伴う東京都の支援策
東京都は全企業一斉の適用という背景のもと、この新たなルールを現場へ円滑に浸透させるため、中小企業への支援を含む、複数の支援策を講じています。これは、従業員の安全確保と企業の持続的成長を両立させるための、実践的な後押しと言えます。

奨励金・補助金の種類

東京都では、3種類の奨励金・補助金の制度を設けており、それぞれ対象となる組織や支援内容が異なります。

種別
対象
支給金額
詳細
企業向け奨励金
都内中小企業等
(常時雇用300人以下など)
定額40万円
▶︎カスタマーハラスメント防止対策推進事業 企業向け奨励金
団体向け奨励金
都内業界団体等
(都内に住所または主たる事務所を有する団体)
最大100万円
TOKYOはたらくネット カスタマーハラスメント防止対策推進事業 団体向け奨励金
団体向け補助金
都と連携して防止・普及啓発を行う団体
補助限度額・補助率等
(1)補助限度額 1団体当たり5,000万円 計10団体(第1,2回の合計)
(2)補助率 1/2
(上限額・対象事業は年度により異なる)
TOKYOはたらくネット 団体連携によるカスタマーハラスメント防止条例普及促進事業補助金
注1)各制度とも、申請には所定の要件を満たす必要があり、対象事業の実施や対象経費の範囲が定められています。申請を検討される際は、最新の募集要項をご確認ください。
注2)募集回によって内容が異なる場合がありますので必ず最新の情報をご確認ください。

ここからは、3つのうち最も募集規模の大きい 「企業向け奨励金」 について詳しく紹介します。

これは2025年4月1日以降に、カスハラ対策を実施した都内の中小企業および個人事業主を対象に、定額40万円を支給するという内容で、カスハラ防止に向けた取り組みを促進し、従業員が安心して働ける環境づくりを進める企業を支援することを目的としています。

各回募集枠に対し、上限を超える申請が殺到するなど企業の関心が高い制度です。

カスハラ対策奨励金の支給要件

・支給金額:定額40万円

・支給要件のまとめ:

令和7年(2025年)4月1日以降に、 ①②を行い、さらに③のいずれか1つを実施した都内中小企業が対象。

① カスハラ対策マニュアルの整備・周知

② 基本方針の社内外への周知

③実践的な取り組み(次のいずれか1つが必要)

区分
内容の概要
1. 録音・録画環境の整備
カスハラ防止のため、録音・録画機器を導入(購入または6カ月以上のリース契約)したこと。
2. AIシステム等の導入
AI を活用したカスハラ防止システム等の導入(購入又は 6カ月以上のサービス契約)を行うこと。
3. 外部人材の活用
弁護士・社労士・産業カウンセラーなどの専門家や警備会社等と、カスハラ対策(研修・相談・体制強化)を目的とした委託契約を結び、活用する。

奨励金の申請日時点で、要件を全て満たしている事業者が対象となります。詳しくは公式サイトをご確認ください。

奨励金の申請方法

奨励金の申請は、取り組みの実施から支給まで、以下の7つのステップで進めて行きます。

①2025年4月1日以降に、カスハラ防止対策を実施する

② 支給申請書類の作成

③ 申請(申請にはGビズIDの事前取得が必要)

④ 審査

⑤ 決定通知

⑥ 奨励金請求兼口座振替依頼提出

⑦ 奨励金の振込

※本記事は2025年12月時点のものです。最新の募集情報はカスタマーハラスメント防止対策推進事業 企業向け奨励金のサイトで必ずご確認ください。

企業が奨励金の支給に向けて準備すべきこと

奨励金の活用を目指す上で重要なのは、単に条件を満たすことではなく、従業員が安心して働ける仕組みを継続的に運用できる体制を整えることです。

そのためには、マニュアルやルールを「作って終わり」にせず、現場の声を反映しながら運用をアップデートしていく視点が欠かせません。

こうした取り組みを支える手段として、デジタルの力を活用した仕組みづくりが有効です。

ソフトバンクでは、誰もが安心して働ける社会の実現に向け、威圧的な電話応対をAIで抑制する技術の開発を進めており、サービス提供に向けた準備を行っています(カスハラ対策奨励金の支給要件の一つである「AIシステム等の導入」にも該当予定)。

関連記事:社会問題化するカスハラへの対策。東京大学と取り組む威圧的な電話音声をAIで抑制する技術開発

奨励金の申請は、制度を活用するための「入口」に過ぎません。この制度をきっかけに、デジタルの力を取り入れながら従業員を守る企業文化を育てていくことが、これからの時代に求められるカスハラ対策の形といえるでしょう。

AIによる記事まとめ

カスタマー・ハラスメントとは、顧客からの要望等の手段が社会通念上適切な範囲を超え、就業環境が害されてしまうことを指します。東京都では、2025年4月施行の「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」に基づき、対策に取り組む企業や団体に対し奨励金を支給する制度を用意しています。この記事は、東京都の特設サイトの情報をわかりやすくまとめたものを記事化してお伝えします。

※上記まとめは生成AIで作成したものです。誤りや不正確さが含まれる可能性があります。

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