“街と人の未来をつなぐ” ― TOKAIケーブルネットワークが挑む地域DX
2026年1月6日掲載
地域インフラを支える企業として知られるTOKAIケーブルネットワーク。その中でイノベーション企画部に所属する山内崇資さんは、新規事業の創出を通じて“街と人の未来”をつなぐ挑戦を続けています。ガス・通信・放送など多様な事業を経験してきた彼の視点は、地域の課題をビジネスの可能性へと変えていく力を持っています。この記事では、FM AICHIで2025年10月15日(水)に放送された「TOKAI リーダーズ・コンパス」におけるインタビューをもとに、彼らがどのように“地域共創の挑戦”へ挑んでいるのか。そのリアルなストーリーをお届けします。
TOKAIリーダーズ・コンパス
FM AICHIで放送中(2025年12月現在)の『TOKAIリーダーズ・コンパス』はソフトバンクが提供するラジオ番組です。日本のモノづくりの中心地である愛知県・東海エリアで「イノベーションに挑む企業」のキーパーソンに、挑戦へのストーリーをうかがっています。
放送局:FM AICHI(株式会社エフエム愛知 名古屋 FM80.7MHz / 豊橋 81.3MHz)
放送時間:毎週水曜 20:00~20:30
出演者紹介
ゲストのご紹介
大野:FM AICHIをお聞きの皆さん、こんばんは、大野泰敬です。
渡邊:FM AICHIパーソナリティの渡邊晶子です。
大野:さて、今日お話をおうかがいするのは、株式会社TOKAIケーブルネットワーク次世代成長戦略本部 イノベーション企画部 部長の山内崇資さんです。よろしくお願いいたします。
山内:よろしくお願いいたします。
キャリアを通じて磨かれた挑戦心
大野:今日は聞きたいことが色々あるんですけど、何よりもプロフィールといいますか、ご経歴すごくないですか?
渡邊:入社20年で異動が9回、転勤6回。
大野:すごいですね。何かやっちゃったんですか?(笑)
山内:そう言われるんですけど、悪いことはしてないです(笑)
大野:最初は営業、そこから出向したりして、社長秘書みたいなものもやられてきたんですか?
山内:そうですね。入社してから4年間はエネルギー部門でB to Cの営業をやらせていただきました。その後、通信業界でB to Bの営業と2年間の海外出向を経て、本社で経営管理とか、社長の秘書みたいな仕事もさせていただいていました。
大野:会社のほかの皆さんも、これぐらい異動されているんですか?
山内:ちょっと異色なキャリアだなって社内でも言われていますね。
大野:自分で手を挙げて「異動したいです」なのか、辞令で「異動しなさい」なのか、どちらなんですか?
山内:そういう意味で言いますと、会社の制度に2回応募しています。1回目はガスの営業から、当時新規事業で立ち上がったB to B向けの通信事業の営業に移るときに、新規事業の立ち上げをやってみたいということで、「社内人材公募制度」に手を挙げました。もう1回は、三菱商事の子会社のアストモスエネルギー(アストモスエネルギー株式会社)というエネルギー商社に出向するときに、初めての制度だった「社外出向研修制度」というのに、手を挙げて参加しています。
大野:海外だと、どの辺に赴任されていますか?
山内:トータルで2年間、アブダビとロンドンに行きました。
大野:中東と欧米。
渡邊:全く違う雰囲気の国に行ったんですね。
大野:それってやっぱり現地へ行って、今までの仕事の仕方とか、人との付き合い方というのは全然違ったんですか?文化が違うから違いますよね。
山内:そうですね。やはり中東は宗教がこんなに生活に影響があるのかと体感したっていうのもあるんですけど。私自身はそれ以上に、商社で働いたという経験が非常にインパクトがありましたね。
大野:渡邊さんって元々NHKのアナウンサーでしたっけ?
渡邊:契約キャスターをしていました。
大野:キャスターにも異動とかあるんですか?
渡邊:所属している職員の方々だと、定期的に全国各地に異動される方がほとんどですね。
大野:異動とか転勤って、考えてみると転職しているのに近いですよね。
渡邊:転勤の回数もさることながら、業務内容がその都度全く変わっていて、しかもお話を聞いていると、ご自身で手を挙げて、新しく始まるものに飛び込んでいかれている印象が強いんですが、そういったことは昔からお好きなんですか?
山内:そうですね、悪く言うと飽きっぽい、よく言うと好奇心が強いですね。新しいことにどんどんチャレンジするっていうのは、昔から性格的にそういうところがありますね。
大野:今まで多分色々なことを経験されていると思うんですが、その中で今は次世代成長戦略本部。これはどういうミッションを担っている部署なんですか。
山内:我々のグループの中でいうと、TOKAIケーブルネットワークという会社は、ケーブルテレビ事業、いわゆる放送事業を担う、いち事業会社です。ケーブルテレビ事業というのは、どうしてもテレビの視聴環境の変化ですとか、外部環境の変遷によってシュリンクしていく事業だというふうに言われています。そんな中で、次世代成長戦略本部は目先の売上1,000万円、2,000万円よりも、5年後、10年後の何億、何十億円を作るビジネスの種を探すように、というふうに会社からは言われて動いている部隊です。
新たに取り組むシェアサイクル事業「PULCLE(パルクル)」に込めた想い
大野:その中から生まれたのが、シェアサイクルの事業ですね。これは今どれくらい経つんですか?
山内:今年で5年目になります。
大野:どういうサービスを展開されているんですか。
山内:これは東京や名古屋にもあるシェアサイクルのサービスになります。名古屋市内ですと「HELLO CYCLING」というブランドで、ソフトバンクグループが直営ブランドでやっているんですけど、同じプラットフォームを使って、静岡市では「PULCLE」という、静岡にあるクラブチームの清水エスパルスとのコラボブランドとして事業を展開しています。
大野:素朴な疑問なんですけれども、なんでケーブルテレビ会社がシェアサイクルをやってみようってなったんですか?
山内:よく皆さんからご質問いただくんですけど、会社からは「なんでもやっていいよ」って言われている中で、我々TOKAIグループは、もともとエネルギーからスタートして、情報通信、放送、家庭インフラといった、比較的インフラに近いB to C向けのサービスをずっとやってきたんです。その中で一つまだ手をつけていなかったのが、交通という領域で、そこで何かできないかと検討を始めたのがきっかけです。
大野:なるほど、交通という軸なんですね。
山内:当時「MaaS(マース)」っていう言葉がすごく流行っていて。
渡邊:マワスですか?
大野:(笑)「MaaS」って我々にとっては普通だけれども、経済用語なのかな? ビジネス用語?
山内:「Mobility as a Service」っていう、移動をサービスで使うっていうような言葉なんです。最初は4輪の初めての商用MaaSサービスみたいなことをやりたいなと思って検討をスタートしたんですけれども、なかなか法改正がうまく進まない中で、ちょっと諦めかけたときに、当時OpenStreet(OpenStreet株式会社)というソフトバンクグループの社内ベンチャーで生まれたスタートアップと出会って、これを静岡でも展開しようということで、ご一緒させていただきました。
大野:清水エスパルスとか、自治体さんとか、そういったところともやりとりをされたと思うんですけれども、こういう話をしたときの反応はどうだったんですか?
山内:そうですね。静岡市の場合は、プロポーザル型公募という形でもともと静岡市が公募を出したもので、官民連携ありきだったんです。強いて言えば官がやりたいサービスモデルと、商業ベースに定着させるためのロジックをどうすり合わせるかっていうところが、なかなか最初は苦戦したかな。
大野:私も自治体さんとか、公共サービスをやっている人たちとかへ提案とかするんですけれども、協力的な人もいれば、あんまり関心がない方もいるじゃないですか。そういう方の場合は、どうやって説得するというか、その人たちを味方に巻き込むようなことをしていったんですか?
山内:この「PULCLE」に関して言うと、静岡市の当時のメンバーと、清水エスパルスのクラブチームのスタッフ含めて、みんなすごくポジティブな人が多くて。「静岡の街の中にオレンジ色の自転車が走っていたら格好いいよね」とか「街のあちこちに清水エスパルスののぼり旗がはためいていて、そこにアウェーの人たちが来たら嫌だよね」っていう、そういうポジティブな妄想をどんどん形にしていったっていう記憶がすごく強くて。あんまりこう、無理に説得したみたいなのはなかったですね。
大野:それは非常にいいですね。やっぱり情熱というか、「この市を良くしたい」「この街を良くしたい」っていうのが伝わったから、少しずつ皆が動いていったんですかね。
山内:あとから清水エスパルスの方とか静岡市の方に言われたのは、「もう山内さんが熱いから」と(笑)
渡邊:伝わったんですね。
大野:大事、大事。
渡邊:名前もすごく可愛らしいですよね。清水エスパルスの「パル」とサイクルの「クル」で「PULCLE」って、キャッチーで。
山内:名付け親は今の清水エスパルスの本部長さんかな。いくつか我々も考えて、3つの中から決めようってことで、清水エスパルスのチームスタッフの人が考えてくれた名前になりました。
渡邊:静岡ならではといいますか、静岡市でやる意義といいますか、そういうものも組み込まれますよね。
山内:そうですね。ネットで調べてもらうと出てくるんですけれども、Jリーグが主催する社会連携事業(シャレン!)っていうのがあるんですけど、その社会連携事業の「シャレン!アウォーズ」っていうのを受賞をして、Jリーグから立派な楯をいただきました。Jリーグというプロスポーツチームが、自治体や企業、そして学校とも連携して地域課題解決に取り組んだっていう、「産官民学連携」の好事例として評価いただいて、メディアにもいっぱい取り上げていただきました。
大野:今さらっとお話しされていますけど、非常に大変だったと思います。新しいことをやるってときに、だいたい最初は「いいね」って言ってくれる人なんて本当にひと握りで、あとはもう疑いの目でしか見てないでしょうから。疑いの目でしか見られていないところを、空気を読まず突っ走る。
渡邊:やろうよ、やろうよと。
大野:そうなんですよ。だから多分いろんなことがあったんじゃないかなという気がするんですが、心が折れそうになったときとか「なんでこれうまく進まないんだろう」とかって、悩んだことはあるんですか?
山内:多分あったと思うんですけど、根がすごく楽観的なもんですから、大変だったことは忘れちゃうんですよね。
大野:分かる。
渡邊:そういうものなんですか。
大野:じゃないと多分やっていけないですよね。
山内:やっていけないですね。
大野:最初は反発しかないですから。嫌われるのが仕事みたいな。「なんだあいつは」っていう、そういう目線に耐えながらなので、いちいち気にしていたら、もたないですよ。新しいものを提案するというのは、アナウンサーにもありますよね。「こういう番組を作りたいです」とか「こういう企画をしたいです」とか。
渡邊:所属していたときは、何か取材をするとかコーナーを作るというのも、自分たちから発信してやることも多かったですし、私はなぜか新しいコーナーの第1回と言いますか、なんなら1回目の前のパイロット版の0回を任されることが多くて。そう言われてみると、新しいことやるって大変ですよね。
大野:ちなみに、なんで任せられたんですか? 自分でアピールしていたんですか、「新しいことやりたいです」とか。
渡邊:言った覚えはないんですが、なんでですかね。
大野:なんで聞いたかというと、やっぱり新規事業とか新しいことをやる人たちって何かあるんですよ。山内さんは、自分自身でも情報を追い求めていくし、何かあってもへこたれず、とにかく努力して頑張り続けるみたいなものがある人もいれば、自然とそういう話が来る人もいる。これはなんなんですかね。
山内:なんか、言っていること分かります。ありますよね。
大野:多分タイプが何種類かあるんですけど、そのうちの1種類だと思います。
渡邊:強いて言うなら「まあとりあえず、やってみましょうか」と走り出してから考えるタイプではあるので、もしかしたら、そういうところを誰かがいいなと思ってくださっていたのかもしれませんね。
大野:そういうのは非常に大事ですよね。新規事業とか新しいことを進めていく、しかも今までの事業と全然違うことをやるときって、会社から「本当にこれは儲かるのか」とか「なんか楽しそうなことをやっていて羨ましい」とか言われると思うんですけれども。
山内:そういう意味で言うと、我々TOKAIグループは、本当に忖度なくすごくいい会社で。比較的新しいチャレンジに対しては応援してくれる土壌があるのかなと思いますね。特に次世代成長戦略本部というところは「目先のことじゃなくて、もう少し先のことを」と、常にトップから言われ続けているものですから。もちろん利益構造や儲かるかっていうところは大事にしているんですけど、もうちょっと先のことを言われるので、あんまり細かい数字は考えずに、もうちょっと大きい、先の数字を追いかけているっていう感覚でやってきていますね。
大野:なるほど。
山内:具体的な例として、これは事業をスタートしてからの話なんですけど、収益がどうしても伸びなかったときに、僕らは値上げをしたかったんですよ。ほかの都市に比べて、うちは非常に安かったので値上げをしようかなって思って。値上げをすればすごく収益が楽になるので、収益目標をクリアして新しい投資に行きたいなっていう絵を描いたんですけど、社長からストップがかかったんです。
大野:すごい。
山内:ここで何百万を取りたいのは分かるけれども、それをやると、せっかく始まった「PULCLE」が、これだけ市民に認知が進んできたのに「やっぱり金儲けの目的か」というふうに言われる。そこで失う信頼の方が大きいと。だからここは我慢して、値上げはもう少し先延ばしにして、できることをやって、目標達成をした方がいいっていうアドバイスをもらいました。
渡邊:社長からその言葉が出てくるんですね。逆のイメージでした。現場が「もうちょっとこのまま頑張りたいです」と説得するっていうイメージがありました。
大野:なにその哲学、すごい。
渡邊:大野さん、震えていますね。
大野:なかなか経営層の人で、そういうのをバチッと言える人っていないですよ。でも逆に言うと、やはりインフラをやってきた会社だからこそ、地域とすごく密着しているし、地域の状況を知っているからこそ、全体のことを考えたら、自社だけではなく社会全体のことを考えているから、そういう発言になるんじゃないかな、というのを思ったんですけれども、その辺どうですか。
山内:そうですね。やはり、我々TOKAIグループ自体が、非常に生活に近いインフラ事業を長くやってきたっていうのは、社風に染み付いている部分があるのかなと思います。ガス代の何十円、何百円のところをやっているので、数字に細かいところもあるんですけど、一方で20年、30年の償却、大きい投資に対しては、理解が得られやすいっていうのはあります。それプラスもちろん目先の利益も追うんですけど、「地域のために」とか「街のために」とか、もっと言うと、それを通して我々社員とか現場のスタッフが育つかとかという、そういうことをよく社長からは今も言われていますし、当時も言われていましたね。
大野:良い会社だな、俺入りたいな(笑)だって、すごくないですか。
渡邊:すごく頑張れそうな気がしますよね。それに、いろんなことを提案したくなりますよね。
大野:モチベーションが上がりますね。もっとチャレンジしようっていう雰囲気になりますよね。
渡邊:そうですね。残念ながら、そろそろお時間となってしまいました。今日は株式会社TOKAIケーブルネットワークから、次世代成長戦略本部 イノベーション企画部 部長の山内崇資さんにお話をうかがいました。
“陽転思考”が導く、未来志向のリーダー像
大野:それでは最後にですね、今までいろいろ努力ですとか、いろいろな困難を迎えてきたかなと思うんですけれども、人生の座右の銘みたいな、そういった言葉はどういったものがあるでしょうか。
山内:座右の銘、大した言葉ではないんですけど、一ついつも大事にしているのは「陽転思考」っていう言葉です。言葉の由来とかは詳しくないんですけど、例えばコップの中に水が半分入っている状態を見て「あと半分しかない」って思うよりは「まだ半分も残っている」っていうふうに見た方が幸せだと。だから、どんなものを見るときも、基本的にはポジティブに捉えて、自分をワクワクさせるみたいな、そういう生き方をしようっていうのは心がけるようにしています。
大野:いやあ、いい言葉ですね。山内さん、ありがとうございました。
山内:ありがとうございました。
まとめ
株式会社TOKAIケーブルネットワーク 山内さんの言葉から伝わるのは、困難を前向きに変える“陽転思考”の力。挑戦を恐れず、地域や仲間とともに新しい価値を生み出していく姿勢は、まさに次世代リーダーの理想像です。短期的な利益よりも、街と人が豊かに共存する未来を描く――。TOKAIケーブルネットワークの挑戦は、地域に根ざした企業の新しいDXモデルとして、多くのヒントを与えてくれます。
AIによる記事まとめ
FM AICHIのラジオ番組『TOKAIリーダーズ・コンパス』にて、TOKAIケーブルネットワークの山内崇資氏が地域DXの軌跡を語りました。同氏は静岡市や清水エスパルスと連携し、シェアサイクル「PULCLE(パルクル)」を成功させたキーパーソン。放送で明かされたのは、短期利益より信頼を重んじるインフラ企業の経営哲学と、MaaS領域への挑戦です。陽転思考を軸に、産官民学の共創で街と人の未来をつなぐ戦略が示されています。
※上記まとめは生成AIで作成したものです。誤りや不正確さが含まれる可能性があります。
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