公共測量のDXを支える基準の力。高精度測位サービス「Ntrip(G-VRS)」が現場に選ばれる理由
2026年6月19日掲載
日本のインフラを支える「測量」の現場がいま、大きな転換期を迎えています。人手不足や熟練技術者の高齢化という課題に対し、GNSS(衛星測位システム)を活用した高精度測位は、作業効率化の切り札となっています。
しかし、ひと口に高精度と言っても、その裏付けとなる補正情報の選択が、成果物の公的信頼性を左右することは意外に知られていません。今回は、公共測量の第一線で活躍する「かなめ測量株式会社」の後藤社長に技術指導を仰ぎ、ALES※1が開発しソフトバンクが展開する補正情報配信サービス「Ntrip(G-VRS)」※2の真価を、ソフトバンクの野村が紐解きます。
※1 ALES株式会社は、ソフトバンク株式会社と衛星測位に関する技術知見をもつイネーブラー株式会社との共同出資により設立された会社
※2 ソフトバンクが提供するIoTサービス「ichimill(イチミル)」の新プラン名称
公共測量対応の高精度測位サービス「Ntrip(G-VRS)」 とは?
「Ntrip(G-VRS)」は、 国土地理院が全国に設置した「電子基準点」のリアルタイム観測データを用い、高精度な補正情報を配信するサービスです。
最大の特長は、ALES独自の高度なアルゴリズムにより、従来のVRS(仮想基準点)方式の利便性を維持しつつ、極めて安定した測位を可能にしている点にあります。
「cm級」ならどれも同じ? NtripとNtrip(G-VRS)の決定的な違い
ソフトバンクでは、独自基準点(全国3,300カ所以上)を活用したNtripも展開しています。NtripもNtrip(G-VRS)と同様に誤差数cmという高い精度を誇りますが、かなめ測量の後藤社長は「用途による使い分けが不可欠」と指摘します。
「Ntripは独自基準点密度が高く、建機の自動運転や農業、物流といった動体管理において圧倒的なパフォーマンスを発揮します。しかし、成果物を官公庁に納品する『公共測量』や、国家座標に基づく測量においては、国土地理院の電子基準点と直接整合するデータを用いることが大前提となります」(後藤社長)
Ntripとの比較においても、両者は同じcm級測位であっても前提とする基準が異なります。公共測量という国家の基盤を作る業務においては、公的な基準点に基づいた補正情報である「Ntrip(G-VRS)」を用いることが、実質的な唯一の選択肢となるのです。
後藤社長は、Ntrip(G-VRS)の精度について「ほかのVRSサービスと比較しても、精度面で遜色ない高い水準にあると感じています」と評価します。
さらに今回の取材にあたり、Ntrip(G-VRS)を用いたネットワーク型RTK法による精度検証を実施しました。スタティック法で求めた座標を基準とした比較では、測位精度は観測環境に依存するものの、本検証環境においては、水平は最大でも15mm以内、鉛直方向は±2.5mm以内に収まる結果となりました。
スマートフォン上のDroggerアプリを操作する様子
今回の取材時に使用された測量用受信機は、ビズステーション社製Droggerシリーズ「RZX.D」。スマートフォンにNtrip(G-VRS)の必要な設定を入力することで、簡単に高精度な測位が可能となります。
現場が語る「公共測量ならNtrip(G-VRS)一択」の理由
公共測量においてRTK測位を行う場合、作業規程では、電子基準点の観測データに基づくネットワーク型RTK方式など、測量成果の再現性および検証可能性を確保できる手法の採用が求められています。Ntrip(G-VRS)は、この電子基準点データを用いて仮想基準点を生成するVRS方式を採用しており、制度要件に適合した測位を実現します。
その上で現場では、理論上の精度だけでなく、測位の安定性や作業効率も重要になります。後藤社長は次のように指摘します。
「現場の時間はコストです。Ntrip(G-VRS)は初期化(Fix)までのスピードが速く、かつ安定しています。公共測量では一カ所のミスが大きな手戻りにつながりますが、Ntrip(G-VRS)が提供するデータの安定性は、我々プロの作業品質を裏支えしてくれます」(後藤社長)
制度要件を満たすことに加え、現場における安定した測位性能により手戻りのリスクを低減できる点が、公共測量においてNtrip(G-VRS)が選択される理由といえます。
これからの測量インフラに求められるもの
今後、BIM/CIM※の普及や建設DXの加速により、3次元データの活用はますます一般化していきます。その基盤となる「位置情報」が、公的な国家座標と合致していることは、データの利活用における大原則です。
「単に位置が分かるだけでなく、それが公的に正しいと言えるかどうか。 Ntrip(G-VRS) は、デジタル時代の測量インフラとして欠かせない存在になるでしょう」(後藤社長)
ソフトバンクとALESは、 Ntrip(G-VRS) を通じて、正確で信頼性の高い位置情報を社会に提供し、日本のインフラ維持・管理の効率化を支援してまいります。
※調査・設計から施工・維持管理に至る建設プロセスの全段階で3次元モデルを連携させ、関係者間で情報共有を円滑にして業務効率化や高度化を図る取り組み。
【プラン名称補足】
Ntrip(G-VRS)は、ソフトバンクが提供する ichimill(イチミル) のプランの名称です。
Ntrip:ソフトバンク独自基準点を利用したRRS方式の配信サービス。
Ntrip(G-VRS):電子基準点を利用したVRS方式の配信サービス。
AIによる記事まとめ
ソフトバンク等が展開する「Ntrip(G-VRS)」は、国土地理院の電子基準点データを用いる高精度測位サービスです。国家座標と直結するため公共測量の制度要件を満たし、高い安定性と迅速な初期化で現場の手戻りリスクを低減します。建設DXの基盤として、信頼性の高い位置情報を提供する強みを持っています。
※上記まとめは生成AIで作成したものです。誤りや不正確さが含まれる可能性があります。
関連サービス
誤差数センチ・リアルタイム位置測位 ichimill(イチミル)
全国3,300以上の独自基準点と衛星(GNSS)信号で高精度・リアルタイムに位置測位。2,000社以上のお客さまにご活用いただいています。