百五銀行が描くDXと地域共創の未来
2026年7月6日掲載
三重県を拠点に地域経済を支えてきた株式会社百五銀行。創立150周年に向け「デジタル&コンサルティングバンク」という新たなビジョンを掲げ、DX推進に取り組んでいます。FMAICHIで2026年2月4日(水)に放送された「TOKAIリーダーズ・コンパス」では、経営企画部DX推進室室長の諸岡仁司氏が出演し、銀行業務におけるDXのリアルと、地域とともに進化するための挑戦について語りました。
この記事では、そのインタビューをもとに、百五銀行が描く変革の姿を紐解きます。
TOKAIリーダーズ・コンパス
FM AICHIで放送中(2026年6月現在)の「TOKAIリーダーズ・コンパス」はソフトバンクが提供するラジオ番組です。日本のモノづくりの中心地である愛知県・東海エリアで「イノベーションに挑む企業」のキーパーソンに、挑戦へのストーリーをうかがっています。
放送局:FM AICHI(株式会社エフエム愛知 名古屋 FM80.7MHz / 豊橋 81.3MHz)
放送時間:毎週水曜 20:00~20:30
出演者紹介
銀行DXの進化と変化の実感
大野:FMAICHIをお聴きの皆さん、こんばんは。大野泰敬です。
渡邊:FMAICHIパーソナリティ、渡邊晶子です。さて、本日は株式会社百五銀行 経営企画部 DX推進室 室長の諸岡仁司さんにお越しいただいております。本日はよろしくお願いいたします。
諸岡:よろしくお願いいたします。
大野:「銀行」と「DX」というのは、あまりイメージが湧かないかもしれませんが、私たちがかなり恩恵を受けていると思うものの一つはインターネットバンキングですよね。あれがないと私はおそらく生活していけないかもしれません。
渡邊:便利ですよね。登場したときは驚きましたが、だいぶ生活の中になくてはならない存在になったなという印象です。
大野:そうですよね。諸岡さんは銀行員として2001年からスタートされていますが、2001年の入社当時と比べると、かなり進んできたという印象はお持ちでしょうか。
諸岡:だいぶ進んできたなという印象はあります。以前は店舗に行かないとできなかったことが電話でできるようになり、インターネットでできるようになり、今ではより身近なスマートフォンで色々できることが増えてきていますので、時代に合わせて変わってきているなという印象はあります。
大野:ただ、通常のWebサービスを立ち上げるのとは訳が違いますよね。扱っている情報であったり、預金データであったり、絶対にミスが許されないという領域の中で、相当なプレッシャーなのではないかと思いますが。
諸岡:とにかく止めてはいけないシステムになりますので、安全性を優先しつつも、お客さまにとってどのような価値を提供できるかというところは、やはり大変なところだと思います。
大野:そのような中、2022年に経営企画部の中にDX推進室というものができたわけですが、どのような背景でこの部署ができたのでしょうか。
諸岡:中期経営計画で、「デジタル&コンサルティングバンク」を目指すというような、デジタルとリアルの融合といったことを進めていく中で、より経営戦略であったり、経営に近いところでDXを進めていくべきだという考えから、経営企画部内にDX推進室ができたという形です。
地域を支える新たな銀行モデル
大野:2028年に向けてそのようなビジョンを対外的に情報発信されるということは、その裏側で色々な危機感や課題といったものがあったのではないかと思うのですが、どのような思いがあったのでしょうか。
諸岡:元々2019年に、2028年に迎える創立150周年に向けた10年間の長期ビジョンの第1弾として、先ほどの「デジタル&コンサルティングバンク」というビジョンを掲げました。その背景には、従来型の銀行モデルでは地域を守り切れないという危機感がありました。三重県もそうですが、特に人口減少で地域経済が縮小し、2019年当時は超低金利時代で金利収入は細っていき、さらに異業種が金融サービスを提供するという時代になってきました。お金を預かって貸すだけの銀行では、地域に対して十分な価値を提供できなくなるのではないかという現実があり、デジタルによる業務改革とコンサルティングによる価値の提供という両輪で、銀行自体のビジネスモデルも変えていかなければならないという危機感があったと感じております。
大野:最終的には、例えば中小企業の方が「このようなことで今悩んでいるのですが」ということがあったときに、銀行側から「皆さんの持っている技術を使うと、このような領域で活用できるのではないか」といった部分をコンサルティングできるようにするというのが最終的な目標、そのようなイメージでしょうか。
諸岡:そうですね。やはり銀行のこれまでの「お金を貸す」「預金を預けていただく」というところ以外に、地域とお客さまの持続可能性というところを伴走支援していくというのがこれからの銀行のあり方だと思いますので、先ほどおっしゃったようなことは、目指すべき姿の一つなのだろうと感じております。
渡邊:余談ですが、数年前にニュースで見た記憶があるのですが、三重県の方は非常に堅実でなかなかお金を借りないというのを見たことがありまして。
諸岡:そうですね。貯蓄額は全国でも上位の方だと言われたりしますね。
渡邊:しっかり貯蓄されるのですね。何か大きな買い物をするときも、しっかり貯めているから買える。そのため、新たにお金を借りるということがあまりない県なのだというのを見た記憶があります。
諸岡:そうですね。ただ企業に関していえば、成長していくためには設備投資をして効率化を図っていく必要がありますので、そういった意味では銀行の融資を頼りにされている企業様も多いと思っています。
大野:企業では、それが事業のためにも必要なわけですよね。諸岡さんは、組織を作っていくという点では、どのようなことを心がけていらっしゃるのでしょうか。
諸岡:DX推進室内では、日頃からさまざまな情報に目を向けながら、誰かが得た情報は室内でしっかりと共有し、レベルの底上げを図っているというところがあります。銀行全体でいえば、DX推進室が旗を振るというよりは、人材開発課という研修部門がありますので、そことしっかりと連携しながら、行内に広く浸透させるための研修や資格の補助制度などを活用して、リテラシーの向上を一緒に進めているところです。
大野:それで、ITパスポート試験などの支援もされているということですね。
諸岡:そうですね。ITパスポートも、経営計画の中でしっかりと目標を立てて取り組んでいるところです。
小さな変革から進めるDX戦略
渡邊:実際に百五銀行の中で、本番環境で稼働しているDXのツールがあると思うのですが、どのようなことができるようになっているのか、差し支えない範囲で教えていただけますでしょうか。
諸岡:まず、銀行内で情報共有ができる仕組みということで、グループウェアを刷新しています。それによって、しっかりと行内でコミュニケーションを取っていこうというところと、お客さまにはペーパーレス化などをしっかりと進めていくための基盤づくりなどにチャレンジしているところです。
大野:個人的には、ペーパーレスは非常に大きそうな気がします。あとは、色々なところでハンコを押さなければならないというイメージがあるのですが、ハンコはどうされているのでしょうか。
諸岡:ハンコは一応ございます。まだハンコで確認するものと、スマートフォンバンキングアプリのような、印鑑なしで本人特定をした上でしっかりと色々な手続きができる仕組みと、両面があるような状況です。
大野:そうなのですね。行内の色々な書類もやはりたくさんハンコを押すイメージがあります。
諸岡:行内の書類についてはそうですね。まだハンコの文化もありますが、徐々に電子申請などでハンコが不要になるような仕組みづくりにチャレンジしているところです。
渡邊:その辺りの押し引きであったり、整えたりといったことも、諸岡さんたちの部署で担当されているのですか。
諸岡:そうですね。DX推進室や色々な部署と連携しながら進めています。
大野:これは難しいところですね。特に決裁系の重要なものから物理的なハンコをなくすと、デジタルの場合はつい簡単にクリックできてしまう。
渡邊:本当にそうですね。
大野:私も昔サラリーマンだった時代に記憶があるのですが、ちゃんと見ずに「承認」を押しているということがありました。でも、銀行でそのようなことがあってはいけませんよね。流れ作業でついやってしまうといったミスを減らさなければいけない。この守りと攻めのバランスが非常に難しいと思うのですが、その辺りはどのように舵取りをされているのでしょうか。
諸岡:非常に難しいポイントです。やはり重要な書類になればなるほど、デジタルの場合は簡単に済ませられてしまうというイメージもつきものですので、その濃淡をつけて、いきなり難しいところからチャレンジすると抵抗に遭うこともあります。そのため、本当に簡単な書類の電子申請からスタートして、「便利ではないか」「紙と同じようにしっかり確認できるではないか」という積み重ねを経て、大きなものにチャレンジしていくという流れで進めています。ただ、デジタル化を早く進めたい側からすると、「遅い」とか「まだ変わらないのか」というお言葉もいただきますので、この辺りのバランス感覚が難しいですね。
大野:銀行はミスが許されず、ミスをした際の影響も大きいですからね。難しい部分もあるでしょうが、本当に重要なミッションを担っている部署だと思います。今後、百五銀行のDXをどのような戦略で推進していきたいとお考えでしょうか。
諸岡:中期経営計画にもあるように、やはり支店などでのリアルな対面業務とデジタルをいかに融合させ、お客さまサービスの向上を図っていくかというところに、一番力を入れていきたいと考えております。
渡邊:さて、本日は株式会社百五銀行経営企画部DX推進室長の諸岡均様にお話をうかがいました。
大野:本日お話をうかがって、重要だと感じたことが2つありました。1つ目は、現場に課題があり、その現場に答えがあるということです。そこをしっかりと引き出すために日々コミュニケーションを取っていく。当たり前のことではありますが、ここを無視してしまうと少し違った戦略になってしまいますので、ここをしっかりと行うということです。2つ目は、DXとなると格好いいことや大きなことを目指しがちですが、やはり小さなことからコツコツと進めていく、その積み重ねが大切なのではないかと思いました。これが最も重要なポイントだと思いますので、小さなところから改善を図り、現場とコミュニケーションを取るということを意識されると、現在DXで会社をどのように変えていこうかと悩んでいらっしゃる方にとって、突破するきっかけになるのではないかと思いました。
渡邊:本日のゲストは、株式会社百五銀行 経営企画部 DX推進室 室長の諸岡仁司さんにお越しいただきました。本日はありがとうございました。
諸岡:ありがとうございました。
まとめ
百五銀行 諸岡氏の言葉から見えてくるのは、「守り」と「攻め」を両立するDXの難しさと、その本質です。ミスが許されない銀行だからこそ、派手な変革ではなく、小さな改善を積み重ねる。その姿勢は、あらゆる業界のDXにも通じる重要なヒントと言えるでしょう。地域とともに歩み続ける銀行が、デジタルとリアルをどう融合させていくのか。その挑戦は、これからの企業変革のあり方を示しています。
AIによる記事まとめ
FM AICHIのラジオ番組「TOKAIリーダーズ・コンパス」より、地域経済縮小の課題に対し「デジタル&コンサルティングバンク」を掲げDXで変革に挑む百五銀行に迫ります。ペーパーレス化やグループウェア刷新など現場起点の取り組みから、守りと攻めを両立して地域共創を目指すリーダーの哲学をお届けします。
※上記まとめは生成AIで作成したものです。誤りや不正確さが含まれる可能性があります。
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TOKAIリーダーズ・コンパス
ソフトバンクが提供する東海地域で放送中のラジオ番組です。番組では、東海圏から未来を切り拓くリーダーたちを迎え、経営の舞台裏や挑戦へのストーリーをうかがいます。普段は聞けないキーパーソンの素顔やエピソードから、明日へのヒントが見つかる…そんな「羅針盤(コンパス)」のような番組です。