2007年3月期 第2四半期 決算説明会

ソフトバンク株式会社は平成18年11月8日(水)、平成19年3月期 第2四半期 決算を発表しました。同日開催した決算説明会の概要についてお伝えします。なお、決算説明会の模様は、オンデマンド配信でご覧いただけます。

決算説明会の模様

平成19年3月期 第2四半期 決算説明会資料 表紙

決算説明会には、代表取締役社長の孫 正義、取締役の笠井和彦、財務部長兼関連事業室長の後藤芳光、経理部長の君和田 和子のほか、ソフトバンクBB株式会社常務取締役の宮川(みやかわ) 潤一、取締役CFOの藤原(ふじはら) 和彦が出席しました。

ボーダフォン日本法人(現ソフトバンクモバイル株式会社)を4月に買収、携帯電話事業に参入してから半年が経過。携帯電話番号ポータビリティー(MNP)が開始された直後ということもあり、報道関係者や証券アナリスト、機関投資家など、来場者が400名を超え、会場はほぼ満席となりました。ソフトバンクの動向が注目されていることをうかがい知ることができます。

登壇した社長の孫は説明会の冒頭、MNPの受付システムでトラブルを起こしたことや、「予想外割」(ゴールドプラン+新スーパーボーナス)に関する広告の表示方法で一部誤解を招いたことについて、「皆さまにご心配をおかけし、責任を痛感、深く反省している。この経験を糧にして長い競争を戦い抜いていきたい」と述べ、改めてお詫びするとともに、携帯電話事業における強い決意を表明しました。

決算概要

ソフトバンクグループの売上高(連結)は、前年同期比5,973億円増の1兆1,201億円、営業利益は同1,081億円増の1,125億円、経常利益は同761億円増の626億円で、5月から連結対象となったソフトバンクモバイルの業績により大幅な増収増益となりました。

平成19年3月期第2四半期の総括として、以下の3点を挙げています。

  1. 携帯電話事業本格始動とMNP開始
  2. 創業以来最大の利益水準を達成(営業利益、経常利益、EBITDA*1
  3. ボーダフォン日本法人買収リファイナンス完了めど

ボーダフォン日本法人買収費用については、事業証券化(WBS*2)により1兆4,500億円を調達し、一時借入から長期借入へのリファイナンスを実現すべく、すでに金融機関からの参加コミットメント(貸付の応諾)を受領しています。

[注]
  • *1EBITDA:営業損益+営業費用に含まれる減価償却費および固定資産除却損。
  • *2WBS:Whole Business Securitizationの略。

携帯電話事業における「4つのコミットメント」の進捗

携帯電話事業における「4つのコミットメント」について、「スピード」と「革新性」を掲げて、その進捗を次のとおり説明しました。

「3G携帯電話ネットワークの充実」について

――9月末現在の第3世代(3G)携帯電話の基地局数は24,539局で、6月末現在から1,768局増えました。今年度末の目標4万6,000局に向けて基地局増設を急速に進めているほか、自宅内の電波状況を改善する「ホームアンテナ無料設置キャンペーン*3」を実施しています。また、下り最大3.6Mbpsの高速データ通信(ベストエフォート方式*4)が可能なHSDPA*5方式による「3Gハイスピード」を10月より開始しています。

「3G携帯電話ラインアップの充実」について

――未発表の2機種11色を含め、15機種65色を年内に発売。他社を圧倒する機種数、カラーバリエーションにより、豊富な3G携帯電話ラインアップを展開します。

「ケータイコンテンツの拡充」について

――10月から「Yahoo!ケータイ」を導入し、オープンなインターネットへのアクセスを容易にしました。これにより、10月の1日平均の検索クエリー数(検索回数)は、9月と比較して約3倍、10月末の全ページビュー数は、6月末と比較して8倍以上、さらにトップページビュー数に至っては34倍以上と、劇的に伸びています。

「営業体制の充実」について

――「予想外割」(ゴールドプラン+新スーパーボーナス)、「ゴールドプラン」「オレンジプラン」「ブループラン」の新料金プランを導入しました。

また、この日は社団法人電気通信事業者協会が10月末現在の携帯電話各社の契約数を発表する日でもあり、決算説明会では純増および累計契約数について、さらに24日から始まったばかりのMNPを利用した転入/転出件数についても発表しました。

ソフトバンクモバイルの10月の純増は23,800件。MNPの転入/転出だけをみると、転出のほうが約2万件上回る実績となりました。社長の孫は10月の状況について、MNPを利用せず、番号が変わっても携帯電話会社を替えるお客さまが多いことを指摘。さらに、11月に入ってからは純増が10月のそれを上回るペースで伸びていること、MNPの転出の比率が下がっていることを強調しました。

[注]
  • *32007年3月31日もしくは、申し込みが20万台に達した時点でキャンペーン終了予定。
  • *4ベストエフォート方式のため、回線の混雑状況や通信環境などにより、通信速度が低下、または通信できなくなる場合があります。
  • *5HSDPA:High Speed Downlink Packet Accessの略。高速データ通信方式のひとつ。

マイスペース株式会社の設立

決算発表の前日、米国ニューズ・コーポレーショングループとの合弁会社「マイスペース株式会社」の設立について発表しました。世界最大のSNS*6「マイスペース」の日本版(ベータ版)を開設し、今後、携帯端末への対応やグループサービスとのシナジーを検討しています。

[注]
  • *6SNS:Social Networking Serviceの略。

料金プランに関するQ&A

ソフトバンクモバイルがMNP開始の前日に発表し、話題になった「予想外割」。広告の表示方法で一部誤解を招いたことから、「新スーパーボーナス」を含めた料金施策について、社長の孫がQ&A形式でご説明しました。

質疑応答

主な質疑応答は、次のとおりです。すべての質問に社長の孫がお答えしました。

Q.

第2四半期のデータARPU*7は。「Yahoo!ケータイ」のインパクトは。

A.

2Gと3Gの両方で若干増えていて、3Gへの乗り換えでさらに増えるのではないでしょうか。「Yahoo!ケータイ」ではボタンひとつで検索などのサービスが使えますから、今後高度に携帯電話を使うお客さまの比率が増えていくとみています。

[注]
  • *7ARPU:Average Revenue Per Userの略。契約者1人当たりの平均収入。
Q.

ARPUの傾向は、無料期間が終わってからでないと分からないのでは。

A.

何%のお客さまが継続的に使うか分かりにくいところではありますが、現在の傾向をみていると、これからもデータトラフィックは着実に増えると考えています。

Q.

MNPを利用しない新規契約が多い理由は。

A.

理由を分析しているところです。手数料や手続きを避けて、MNPを利用せずに申し込むお客さまがいるのではないでしょうか。2台目として契約しているお客さまがいるようですが、まったく使っていないお客さまはいません。たくさん使いたいという若いお客さまも多い模様です。

Q.

税引き前利益は黒字を確保できるのか。

A.

今後の見通しは一切コメントしませんが、少なくとも年間ベースでは対前年で営業利益、経常利益、EBITDAも着実に伸びるとみています。純利益についても、繰延税金資産、資産の切り売りなどの入り繰りがあるのでよく分かりにくいところが、少なくとも実質的な利益の改善という意味では着実に進んでいます。

Q.

通信3社の統合は。

A.

シナジー効果を出し、指揮命令系統は仕事がやりやすいように一本化しています。正式な法人格としては、ファイナンスや商法上の問題があるので、当面は別々です。

Q.

競合2社の動向について、どう思っているか。

A.

もしかしたらボロ負けするのではないかと、我々も不安に思うことがありました。システムの影響もありましたが、多くのお客さまに興味をもってもらえました。プラスとマイナスを差し引きして、ネットは悪い状況ではなく、「一人負け」の状況でもないと考えています。

Q.

KDDIの「一人勝ち」は予想内か予想外か。

A.

敬服すべき、立派な数字だと思います。

Q.

ブランドイメージの回復策は。

A.

一度ではなく徐々に、ラインアップの充実、コンテンツの豊富さ、つながりやすさなどを図っていきながら、築き上げていくものだと思っています。使った体感で、お客さまが別のお客さまを呼ぶような、口コミで広がることを願っています。それがブランド構築には重要で、顧客獲得の本筋だと考えています。

Q.

J-フォン、ボーダフォン時代の料金プランの併存は。

A.

料金プランはシステムに負荷をかけるので、シンプルにしたい思いがあります。既存で利用していただいているものを急にやめることには別の問題がありますので、併存させていく予定です。

Q.

実体のない9,600円の基本使用料は、電気通信事業法に抵触するのではないかとの意見もあるが。

A.

どなたでも利用できる料金プランであり、二重価格ではありません。法務的にも複数の弁護士と事前に検討・相談した上で実施しており、(法に)抵触することはないと考えています。

Q.

分かりにくい携帯電話業界の料金プランを、いつごろまでに改善するのか。

A.

非常に分かりにくいのは確かなので、3つの料金プランでシンプルにしました。それでも多くの「注釈」がつきますが、現在の技術でサービスを提供している以上は、最善の方法です。オールIP化されれば、さらに分かりやすくなると思う。割賦販売についても、従来の携帯電話の販売方法を正常化させるフェアなシステムですが、認知されるまでの多少の混乱は、一度は乗り越えなければいけないものと考えています。

Q.

他社からの批判への対抗策は。

A.

(他社を批判するのは)大人の対応ではないと思います。「少し大人になりたいソフトバンク」ということです。創業以来、浴びてきた批判の中にはそこまで言われるかという思いもありましたが、あらゆる艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えて、器を大きくしていきたいと考えています。

[注]
  • *掲載されている社名、サービス名、内容などは、発表当時のものです。