2007年3月期 第3四半期 決算説明会

ソフトバンク株式会社は平成19年2月8日(木)、平成19年3月期 第3四半期 決算を発表しました。同日開催した決算説明会についてお伝えします。なお、決算説明会の模様は、オンデマンド配信でご覧いただけます。また、より詳細な決算概要については、決算説明会の翌日に開催したアナリスト説明会をあわせてご覧ください。

決算説明会の模様

平成19年3月期 第3四半期 決算説明会資料 表紙

決算説明会には、代表取締役社長の孫、取締役の笠井、財務部長兼関連事業室長の後藤、経理部長の君和田のほか、ソフトバンクモバイル株式会社 取締役 専務執行役CTOの宮川(みやかわ)、同社 常務執行役CFOの藤原(ふじはら)が出席しました。

ソフトバンクグループの移動体通信事業を担うソフトバンクモバイルにおいて、この第3四半期に端末の割賦販売が本格化したほか、携帯電話番号ポータビリティー(MNP)の開始直後に「ゴールドプラン」を始めとする新料金プランや定額・割引サービスを導入。前例のない革新的な販売手法や料金施策の効果が注目されていることもあり、報道関係者や証券アナリスト、機関投資家など、250名を超える来場者がありました。

今回の決算発表の前日、社団法人電気通信事業者協会が平成19年1月末の携帯電話各社の契約数を発表しました。ソフトバンクモバイルの、新規契約から解約を差し引いた月間の純増数は16万4,000件で、平成15年12月以来、3年1カ月ぶりに純増数が10万件を超えました。また、MNPの転入出件数は、転出が転入を約1万件上回る結果となりましたが、その差は着実に縮小傾向にあります。

登壇した社長の孫は、「ボーダフォン日本法人(現ソフトバンクモバイル)を買収してからMNPが始まるまで、様々な準備をしてきた。MNPでソフトバンクが草刈り場になるのではないかという前評判があり、実際にそうなってしまうのではないかと心配してきたが、順調に純増数を伸ばしてきた。携帯電話はもうかるビジネスということを感じており、それが業績にも反映されている」と、好調な移動体通信事業の概況を述べました。

決算概要

平成19年3月期 第3四半期(平成18年4月1日~平成18年12月31日)の業績(連結)は、売上高が前年同期比1兆121億円増の1兆8,223億円、営業利益が同1,693億円増の1,972億円、経常利益は同1,138億円増の1,116億円で、当期からソフトバンクモバイルが連結対象となったことに伴い、大幅な増収増益となりました。

平成19年3月期 第3四半期決算の総括として、以下の2点を挙げています。

  1. 携帯電話事業は順調な滑り出し
    ・新料金プラン好評
    ・獲得回線数は拡大
    ・2G(第2世代)⇒3G(第3世代)への移行加速
  2. 創業来最大の利益水準を達成(営業利益、経常利益、EBITDA*1

なお、ソフトバンクモバイルは事業証券化(WBS*2)により、平成18年11月末に総額1兆3,660億円を調達しました。これにより、ボーダフォン日本法人の買収のために調達した借入金の長期化を目的としたリファイナンスが完了しました。

[注]
  • *1EBITDA:営業損益+営業費用に含まれる減価償却費および固定資産除却損。
  • *2Whole Business Securitizationの略。ストラクチャード・ファイナンスの一種で、事業から創出されるキャッシュ・フローを裏づけ資産として事業を証券化することで、資金返済の確実性を高めるスキーム。

移動体通信事業

平成18年4月末にボーダフォン日本法人の買収が完了してから9ヵ月が経過しました。ソフトバンクモバイルの全契約数は、平成18年10月から12月までの3ヵ月間に18万9,500件増加し、平成18年12月末時点で累計1,549万6,500件となりました。

決算説明会のプレゼンテーションは、ボーダフォン日本法人の買収直後に掲げた“移動体通信事業における「4つのコミットメント」”を中心に、半数以上が移動体通信事業に関するスライドとなっています。その「4つのコミットメント」の進捗状況について、「純増数の拡大」と「3G比率が急増」をキーワードに、次のとおり説明しました。

「3G端末の充実」について

――平成18年の秋・冬商戦向け端末の満足度が、それ以前の商戦期の端末と比べて急上昇しました。さらに、平成19年の春商戦向け新機種として、14機種・58色の多彩なラインアップを平成19年1月下旬に発表。あらゆるニーズに応える「機種」数と「カラー」数で、いずれも他社を上回っています。

「営業体制/ブランド強化」について

――家電量販店での販売数量シェア*3が2倍以上に急拡大しました。また、キャリアショップで売り場面積が日本最大級*4の「ソフトバンク 原宿」を、平成19年2月に開設しました。一方で、平成18年10月に「ゴールドプラン」を始めとする新料金プランや定額・割引サービスを、平成19年1月に月額基本使用料980円(税込)の「ホワイトプラン」を導入。さらに、月額定額料980円(税込)で、国内通話料が半額となる「ホワイトプラン」専用の割引サービス「Wホワイト」を、3月1日より導入します。なお、「ゴールドプラン」の加入件数は約3カ月間で102万件、「ホワイトプラン」は約3週間で105万件に達しています。その他、平成18年9月に導入した端末の割賦販売が本格化しました。

「3Gネットワークの増強」について

――平成18年12月末時点の3G携帯電話の基地局数は2万5,588局となり、9月末現在の2万4,539局から1,049局増えました。3G携帯電話をどこでも使える環境を整備するため、目標の4万6,000局に向けて、屋内外での基地局増設をさらに加速させていきます。

「コンテンツ強化」について

――「Y!」ボタンを押すだけで「Yahoo! JAPAN」の様々なコンテンツを楽しむことができるポータルサイト「Yahoo!ケータイ」を導入し、パソコンと同様の体験を携帯電話でも実現させていきます。

[注]
  • *3ソフトバンクモバイル推計。
  • *4ソフトバンクモバイル調べ。

No.1動画ポータル「Yahoo!動画」

「Yahoo! JAPAN」の人気コンテンツ「Yahoo!動画」において、利用者の情報発信を促進するため、個人ブログ内で動画を紹介できるブログパーツの配布を、平成18年12月より開始しました。また、平成19年1月より、検索数の多いキーワードが一目瞭然となる「人気の動画検索キーワード」をトップ画面に表示するようにしたほか、「マイレコメンド機能」を追加しました。

さらに、「Yahoo!動画」や「Yahoo!映画」「Yahoo!ニュース」など、「Yahoo! JAPAN」内の動画サービスの、平成18年12月末のユニークユーザー数は849万人*5を超え、日本における動画サービスでNo.1となりました。

[注]
  • *5ネットレイティングス調べ。家庭からのアクセス。

質疑応答

主な質疑応答は、次のとおりです。大半が移動体通信事業に関する質問で、特に端末の割賦販売に関する質問が集中しました。すべての質問に社長の孫がお答えしました。

Q.

端末の割賦販売による債権の扱いは。

A.

債権を流動化することも可能ですが、現在は手持ちの状態です。流動化させることについては、今後検討していきます。

Q.

割賦販売の収益に対する貢献額は。

A.

詳細はアナリスト説明会でご説明させていただきますが、基本的な考え方としては、(分割払い)期間で案分すればニュートラルになると考えています。

(平成19年3月期 第3四半期決算アナリスト説明会の模様は、オンデマンド配信でご覧いただけます)

Q.

3G携帯電話基地局の具体的な数は。

A.

現在(決算発表日時点)、開局済みの基地局は2万6,200局で、他に着工済みが1万4,000局、用地確保済みが5,870局分あります。用地さえ確保すれば99%基地局を設置できると言えますから、(開局済みの基地局が)目標の4万6,000局を超えるのは、“時間の問題”ではないかと考えています。

Q.

第4四半期に急速に基地局を開局できる根拠は。

A.

今まで手間のかかる用地確保や機材の準備に時間を費やしてきました。仕込んできたものが今、実るだけです。これも“時間の問題”と考えています。

Q.

従来の販売方法とスーパーボーナス(割賦販売)の比率は。

A.

スーパーボーナス(割賦販売)が占める割合は、新規契約で約8割、機種変更で約6割から7割となっています。

Q.

固定通信事業の赤字が増えている原因は。

A.

ソフトバンクグループ内の資産の最適化によるものです。事業内容の変更はありません。直収型固定電話サービスの「おとくライン」は、法人を中心に大口契約が増えています。インフラは初期投資がかかるものです。来年度にはかなり改善される見通しです。なお、携帯電話の法人営業においては、「Wホワイト」による相乗効果も見込めます。

Q.

MNPで転出超過であっても純増となる要因は。

A.

電話番号が変わっても新規契約されるお客様が何万人もいらっしゃるということです。「ホワイトプラン」の導入により、二台目需要もあるのではないでしょうか。「自網内(ソフトバンク携帯電話同士)の通話料無料」が浸透して、友達同士などで一緒に契約されているようです。

Q.

端末の割賦販売という、携帯電話業界では新しい販売方法を導入したことにより併発するトラブルの対処法は。

A.

割賦販売において、分割払いの途中で解約される際に残債を支払っていただくということは、他社の「My割」などを始めとする契約期間をコミットしていただくサービスで、途中で解約される場合に契約解除料(に類するもの)を支払う必要もあることから、一般的なことではないでしょうか。お客さまの認識不足は、販売時の説明不足によるものかもしれませんので、店頭での説明を徹底していきたいと考えています。

Q.

割賦販売の単価は。

A.

(1)端末が高機能化していること、(2)端末代金と実際のコストを正常に回収するべく、1機種ごとに随時見直しながら進めていること、(3)キャンペーンの時期には、ボリュームインセンティブやエリアインセンティブを増減させていることにより日々変動していますが、販売店における1台当たりの実質的なインセンティブは変わらないと思います。

Q.

割賦販売を優先しているのか。

A.

割賦販売は、正常な端末の販売モデルと考えています。わずか3ヵ月で乗り換えるお客様にかかるコストを抑えて、その分を他のお客様に還元していきたいと考えています。

Q.

ホームアンテナの取り付け台数は。

A.

申し込みが約3万4,000件、免許の交付済みが約2万1,000件、工事中が約7,000件、すでに稼動しているものが約11,400件となっています。1日1,000件から1,200件のペースで設置が進んでいます。今まで1件ずつ免許を申請して時間がかかっていましたが、包括免許を取れると聞いていますので、今後スピードアップできると思っています。

Q.

(携帯電話の)データARPU*6のトレンドは。

A.

第3四半期の3GのデータARPUは2,000円程度で、3Gと2Gを合わせると1,330円でした。3Gへの移行がさらに進めば、(「パケットし放題」などの)定額料の上限を超えることはありませんが、着実に増えていきます。なお、スーパーボーナス特別割引はARPUのマイナス要因ですが、2年間で考えれば実質的にはニュートラルになると考えています。

Q.

(ADSLの)ARPUは。

A.

第3四半期の実績は4,395円でした。四半期で比較すると連続して“右肩上がり”になっています。

Q.

「ホワイトプラン」の優位性は。また、他の新サービスの開発状況は。

A.

無理をすることはできませんが、「ホワイトプラン」でも着実に利益を積み上げていきます。MNPで携帯電話会社を変更する動機の一番の理由は「料金」。そういった観点からも「ホワイトプラン」と「Wホワイト」の組み合わせは、多くのお客様に満足していただけるものと考えています。また、「Yahoo!ケータイ」以外にも画期的なサービスを準備中ですので、決まりましたら直前に発表します。

Q.

「ホワイトプラン」の加入数が順調に増えた場合、ネットワークや受付のシステムは大丈夫か。サービスの継続性は。

A.

加入状況をみながら経営を進めていきます。ネットワークの容量については、パンクすることのないように、携帯電話の利用が集中する21時から1時までの間、通話料を無料にすることをやめました。受付システムの容量については、3倍増にしましたので問題ないと思います。「ホワイトプラン」は、新規契約されるお客さまの9割が加入される料金プランなので、打ち切りにすることなく大事に育てて生きたいと考えています。ただし、他社との競争もありますので、「ホワイトプラン」だけに加入を制限するとは言えません。

Q.

パケット通信料の定額サービスの定額料を下げる可能性は。

A.

通信料も安くすると経営が成り立たなくなる可能性がありますので、慎重に検討したいと考えています。ただし、自網内の、つまりソフトバンク携帯電話同士のメールは無料です。これはかなり良心的なサービスではないかと考えています。

Q.

MNP制度による増収の効果は。

A.

基本的にお客様が増えれば、経営的にはプラスとなります。増収の効果というのはもう少し先にならないと分かりません。NMPはリスクを伴う制度ですが、現状は契約数が順調に増えています。

Q.

この3カ月間のMNPを総括してどう考えているか。

A.

お客様の立場で言えば、電話番号だけでなくメールアドレスを引き継げるようにするか、共通のメールアドレスを準備すれば、さらに利用数が増えると思います。これを実現するには携帯電話事業者同士で方法論を議論しなくてはいけません。とにかくMNPは、ないよりあった方がよいと思います。

Q.

いわゆる「SIMロック解除」についてどう思うか。

A.

従来の端末の販売方式は、ある意味で健全ではありません。端末のSIMロックが解除されると、海外で3万円から4万円で販売され、ほぼ無料で何万台という端末が海外に流出していくことになるかもしれません。割賦販売が10割になれば、SIMロックを解除する可能性もあります。中長期的には正しいやり方だと思いますが、それを実現するためには割賦販売を継続し、端末のコストについてお客さまに認識を持っていただくこと。そして、料金と端末代を切り分け、端末の適正な流通が行われる必要があります。なお、SIMロックを解除するニーズがあれば、謙虚に耳を傾けていきたいと思っています。

[注]
  • *6Average Revenue Per Userの略。1契約当たりの平均収入。
  • *掲載されている社名、サービス名、内容などは、発表当時のものです。