2008年3月期 第1四半期 決算説明会

ソフトバンク株式会社は2007年8月8日(水)、平成20年3月期 第1四半期 決算を発表しました。同日開催した決算説明会についてお伝えします。なお決算説明会の模様は、ビデオオンデマンドでもご覧いただけます。また、より詳細な決算概要については、決算説明会の翌日に開催したアナリスト説明会をあわせてご覧ください。

決算説明会の模様

2008年3月期 第1四半期 決算概要 表紙

決算説明会には、代表取締役社長の孫、取締役の笠井、財務部長 兼 関連事業室長の後藤、経理部長 兼 内部統制室長の君和田のほか、ソフトバンクモバイル株式会社 取締役 専務執行役員 兼 CTOの宮川(みやかわ)、同社 取締役 常務執行役員 兼 CFOの藤原(ふじはら)が出席しました。

ボーダフォン日本法人(現ソフトバンクモバイル株式会社)を買収し、携帯電話事業に参入して2年目を迎えたソフトバンクグループ。買収の真価が問われる本年度の第1四半期決算説明会には、報道関係者やアナリスト、機関投資家など約300名の来場者がありました。

登壇した孫はまず、「単に買収が成功したかという次元ではなく、これから主軸の事業として据えていくことができるのかという意味で、徐々に手応えを感じ始めている」と、携帯電話事業の進捗について述べました。また、7月末時点の携帯電話各社の契約数の発表が前日にあり、新規契約数から解約数を差し引いた純増が3ヵ月連続で首位になったことについて、「ずっと首位でいられるとは考えていない。勝つときもあれば負けるときもある」と、契約数が減ったり赤字に転落したりすることもなく、健全に事業を行う姿勢を強調しました。

決算概要

携帯電話事業買収の真価が問われる本年度の第1四半期決算の連結業績は、売上高が6,630億円(前年同期比34%増加)、営業利益が787億円(同45%増加)となり、買収の影響により創業以来最高の売上高や営業利益を記録した前年度に引き続き好調な滑り出しとなりました。

これは主に、前年同期(平成19年3月期第1四半期)の業績には、買収直後のボーダフォン日本法人の業績が2ヵ月分反映されていたのに対し、当四半期から3ヵ月分フルに反映されていることによるものです。

事業進捗

「3ヵ月連続純増シェアNo.1」。これは、事業進捗に関するプレゼンテーションの最初のメッセージです。移動体通信事業において、2007年5月にソフトバンクモバイルがJ-フォン/ボーダフォン時代を含め携帯電話3社で初めてトップとなったのに続き、3ヵ月連続で首位に立ちました。「純増No.1の理由」として、「ネットワーク」「携帯電話端末」「コンテンツ」「マーケティング(料金/ブランド)」の“4つのエリア”での劇的改善を挙げています。

買収後2倍以上に

ボーダフォン日本法人の買収後2倍以上になったものとは?

本年度上半期中の目標としていた3G携帯電話の基地局46,000局の開局を、8月1日に達成しました。3G携帯電話の基地局数は、買収してから2倍以上に増えました。また、前年度末の基地局数は約2万9,000局で、本年度に入ってから約1万7,000局を一気に増設したことになります。さらに、外部機関による調査でも、ネットワーク改善実感度が向上しています。

社長の孫は、「買収した頃はつながるかどうか心配した」というサービスエリアも「最近はほとんど不自由しない」と自らの感想を述べるとともに、「この1年で基地局を倍増させたということは世界最短記録ではないか。社内では冗談半分でギネスブックに申請してはどうかと話している。」と、その驚異的なスピードを説明しました。

質疑応答

主な質疑応答は、次の通りです。すべての質問に社長の孫がお答えしました。

携帯電話事業の業績

Q.

携帯電話事業の業績が好調な要因は。

A.

加入者の増加、ソフトバンクモバイルとソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム3社のシナジー効果およびコストの効率化、携帯電話以外の事業分野の好調など、トータルで出た結果と考えています。

Q.

携帯電話事業の業績に関して、反省面があれば教えてほしい。

A.

昨年10月から11月にかけては反省点の方が多かったのですが、最近はおおむね好調です。

Q.

第2四半期の業績の見通しを教えてほしい。

A.

他社との競争や現在進めている計画などの状況を踏まえながらとなりますので、コメントを差し控えさせていただきます。

ARPU

Q.

データARPU*1が1,410円へ推移した要因は。

A.

(傾向として)2GユーザのデータARPU*1は低く、3GユーザのデータARPU*1は高くなっています。契約直後のお客様には新スーパーボーナスの特典が適用されていますので、今は仕込みの時期です。中長期的には着実に上乗せしていきたいと考えています。また、「Y!」ボタンは見たいページへすぐにアクセスできるため、1回当たりのページビューが減る面はありますが、便利さをお客様に認識していただければ頻度も広がります。さらに、動画などソフトバンクグループが持つコンテンツもデータ収入増加に寄与してくると思われます。

Q.

音声ARPU*1の減少をデータARPU*1でカバーするということだったが、データ定額制はあまり貢献しないのでは。データARPU*1の今後の見通しは。

A.

「パケットし放題」の上限は4,410円(税込)で、まだ上昇する余地はあります。

Q.

プレゼン資料の中に、ARPU*1に割賦販売の請求分を加えた月額収入の数字があるが。

A.

会計的にARPU*1を考える際は、割賦請求分を除くのが正式な見方だと認識しています。これは、あくまでも「参考」です。お客様の視点で見れば、毎月払う金額が重要とも言えます。

Q.

総合ARPU*の今後の傾向は。

A.

割賦の特別割引分を除いたARPU*1に関しては、減少していくのではないでしょうか。

[注]
  • *1Average Revenue Per Userの略。

割賦販売、販売奨励金

Q.

モバイルビジネス研究会の方向性を踏まえ、他社が割賦販売制度を導入した場合の対応策は。

A.

すでにソフトバンクモバイルでは導入済みですので、特別なことは考えていません。研究会への個人的な考えとしては、特定のやり方を押し付けるのではなく、各社の自由なビジネスモデルの中で、お客様ご自身にさまざまな選択肢を提供するのが本来のあり方だと思っています。

Q.

他社が割賦販売を導入して、それが店頭価格に表れた際の対応は。

A.

お客様のニーズや他社動向をトータルににらみながら判断していくことになります。

Q.

モバイルビジネス研究会で、端末(販売収入)と通信事業の会計を分離する議題が出ているが、「スーパーボーナス」に影響はあるか。

A.

特定の一つの方法を押し付けることが、お客様のためになるかは疑問です。個人的には、法律・道義の範囲内で各社が自由な方法で行い、お客様に選択肢を与える方がよいのではないかと思っています。

Q.

販売奨励金の平均30,700円を下げる策は。

A.

平均仕入コストを安くしたいので、議論をしています。引き続き努力します。

Q.

端末メーカーからの平均仕入値は。下げるための取り組みの進捗は。

A.

4万数千円の下の方ですが、もう少し下げられると思っています。これまでは品揃えに注力してきましたが、今後はコスト効率化も目指していきたいと考えています。今年度後半には効果が表れ、来年は改善されるのではないでしょうか。

Q.

中長期的には。

A.

平均仕入値は下がります。

各種料金プラン

Q.

パケット定額サービスへの加入状況は。

A.

3Gユーザのうち、約60%が加入しています。直近では、さらに多くのお客様にご加入いただいています。

Q.

全体のうち、ブループラン、オレンジプランのユーザの割合は。また、対抗策による収入への影響は。

A.

半年前はオレンジプランに加入されるお客様が何十%かいましたが、最近の新規契約者の98%から99%は、一部の法人を除いて「ホワイトプラン」(「Wホワイト」「ホワイト家族24」)に加入されています。

Q.

他社はパソコンとの接続によるデータ通信の定額制に関心を持っているようだが。

A.

ネットワークの負荷を慎重に見て検討したいと考えています。

設備投資

Q.

設備投資金額は予定通りか。

A.

基地局に関する設備投資については、予定通りです。

Q.

ソフトバンクグループの設備投資額3,000億円のうち、基地局の割合が大きかったと思うが、今年度後半はその分の負担は軽くなるのか。

A.

その通りです。ピークは過ぎていますので、設備投資は徐々に減ります。

ネットワーク

Q.

基地局46,000局を達成したが、3Gネットワークは今後どうなるのか。

A.

ネットワークに対するお客様の満足度は、27%上がりました。大半のお客様がつながるようになったのではないでしょうか。

Q.

フェムトセルが持つ意味と今後の展開は。

A.

ビルや地下などの電波が届きにくい場所でも、投資効率よくネットワークのキャパシティーを上げ、スピードがアップさせることができます。免許申請が複雑なため、簡便化できるよう調整しています。技術的にはほぼ完成しており、量産のための部品調達などを行っているところです。

WiMAX

Q.

2.5GHz帯の申請への対応は。

A.

事業の提携をしているわけではありませんが、イー・アクセスと勉強会をスタートさせています。仮に2社中心で事業を行うとしても、出資比率を1/3以下に抑えなくてはならないので、残りの出資会社を検討中です。申請時までに正式に呼びかけます。

Q.

WiMAXへの申請には手を挙げるという認識でよいか。

A.

その通りです。

法人顧客

Q.

携帯電話事業における法人の比率は。また、中小・大口法人への取り組みは。

A.

個人名義で仕事用に利用しているケースも多く、厳密な数は分かりません。最近では、法人名義の契約の獲得は3ヵ月で22万件というペースで、昨年3ヵ月の7万件より大きく伸びています。

移動体通信以外の事業

Q.

既存事業は、利益は上がっているものの、売上高が伸び悩んでいるように見えるが。

A.

「Yahoo! BB ADSL」の顧客獲得コストや技術・営業部門などのリソースを、携帯電話事業に集中させています。「Yahoo! BB 光」に関しても準備が整い次第攻めていきたいと考えていますが、最終調整段階です。今は携帯電話事業に注力しています。

Q.

固定通信事業がマイナスだが、将来性は。

A.

日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)買収に関しさまざまな意見もありましたが、買収は成功でした。まず、「おとくライン」の法人契約が順調に積み上がっています。持ち株会社のソフトバンクに支払うブランド使用料分を除けば、事実上ほぼ黒字で、回収期に入っています。また、ソフトバンクテレコムの法人営業部門が、ソフトバンク携帯電話の法人顧客獲得に貢献しています。そして、事業の効率化により、コストダウンが実現しました。通信3社のネットワークを統一した、IPネットワークの構築に取り組んでいます。これにより、FMC*2が実現し、サービスメニューの増加にもつながると考えています。

[注]
  • *2FMC:(Fixed Mobile Convergence) 移動体通信と固定通信の融合。

その他

Q.

グループ会社に対するブランド料の徴収が、ソフトバンクテレコムの利益を圧迫しているように見えるが、利益の付け替えか。ブランド料を徴収する狙いは。

A.

目指しているのはあくまでもグループ連結での利益です。適正な範囲での徴収であれば、持ち株会社の役割として、あるべき仕組みだと考えています。

Q.

「iPhone」についての感想は。

A.

素晴らしい携帯(情報)端末であると感じています。

Q.

情報通信法への法改正に関して、事業に与えるメリット、デメリットは。

A.

これからの議論次第ではないでしょうか。

[注]
  • *掲載されている社名、サービス名、内容などは、発表当時のものです。