2015年3月期 第1四半期 決算説明会

ソフトバンク株式会社(以下「当社」)は2014年8月8日に、2015年3月期 第1四半期(2014年4~6月期)決算を発表しました。同日都内のホテルで開催した決算説明会の模様をお伝えします。決算説明会の模様は動画配信していますので、ぜひご覧ください。また、より詳細な主要経営指標については、決算データシートなどをご確認ください。

決算説明会の模様

決算説明会には代表取締役社長の孫、代表取締役副社長の宮内、取締役 常務執行役員の後藤、取締役 常務執行役員の藤原のほか、執行役員の君和田が出席しました。今回の決算説明会の模様は、当サイトやUstream、Twitter、ニコニコ動画などでも同時中継されました。

決算説明会の冒頭、登壇した孫は、「私は非常に楽しい人生を送っていると思う。毎日いろいろな出来事が起こるが、人生の運転席に座り、自らの意思でハンドルを左右に切ったりアクセルやブレーキを踏んだりすることは非常に面白いし、喜びを感じる。本日ご説明する今期のソフトバンクグループの業績は順調に推移している。私は常に頭をフル回転させ、さまざまな選択肢を考え続けている。つくづく、『会社経営は面白い』と思っている」と述べ、説明に移りました。

決算概要

2015年3月期 第1四半期のソフトバンクグループ連結決算(国際会計基準、以下「IFRS」)は、売上高が2期連続過去最高の1兆9,922億円(前年同期比126%増)、EBITDA[営業利益(償却前)]※1は11期連続過去最高の5,921億円(同67%増)となりました。営業利益は3,376億円(同16%減)、純利益は776億円(同68%減)となり、売上高、EBITDA、営業利益の三つの指標で、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下「NTTドコモ」)とKDDI株式会社(以下「KDDI」)を上回る好決算となりました。

営業利益の減少については、前年同期にスマートフォン向けゲームなどを手がけるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(以下「ガンホー」)を子会社化した際、一時益などを1,491億円計上したことによるもので、この一時益の影響を除くと、今期の営業利益は前年同期よりも実質35%の増加となります。また、純利益は、前述のガンホー子会社化に伴う一時益の影響に加えて、Alibaba Group Holding Limited(以下「アリババ」)が発行する転換優先株のIFRS調整に係る持分法投資損失を計上したことにより減少しています。この二つの一時損益の影響を除くと、純利益は1,806億円(前年同期比90%増)となり、実質的には大幅な増益を達成しています。なお、このアリババ転換優先株のIFRS調整による損失は、アリババが上場後に利益として計上される予定です。

孫は、「2014年3月期 決算説明会(2014年5月7日開催)で発表した2014年度の通期連結業績予想である、『売上高8兆円、EBITDA 2兆円、営業利益1兆円(一時益含まず)』の達成に向け、予定どおり順調に推移している」と好決算に胸を張りました。

国内は順調に推移

移動通信事業の状況

「ソフトバンクの事業領域」として、まず国内の核である移動通信事業について説明しました。国内のスマートフォン契約数が順調に伸びている※2ことにより、まださまざまなビジネスチャンスが残されていると解説しました。移動通信事業の業績についても、「今期の営業利益は2,079億円と、ボーダフォン日本法人を買収した2006年度から約8倍※3に成長した」と説明し、その主な理由の一つとして電波の改善を挙げました。孫は、「以前は『ソフトバンクの電波はつながりにくい』と言われていたが、2012年3月に総務省から900MHz帯の周波数(プラチナバンド)割り当てを受け、同年7月のサービス提供開始以来、接続率が急激に改善した。今やスマートフォンの『パケット接続率』および『通話接続率』の双方において、常にNTTドコモやauを上回っている※4」と笑顔を見せました。また、第三者機関による「MNP(番号ポータビリティ)ユーザーのスマートフォンネットワーク調査」で、「つながりやすさ」「速度」ともにNo.1※5を獲得したことを紹介したほか、自社による東北新幹線・東海道新幹線・山陽新幹線での通話品質測定調査の結果を示し、「以前と違い、ソフトバンクの携帯電話の通話品質が一番安定している※6」と説明しました。

インターネット事業の状況

続いて、ヤフー株式会社(以下「ヤフー」)の業績を説明した孫は、「純利益は364億円と順調に増加※7している。『Yahoo!ショッピング』の店舗数は、2014年6月末で13万※8と急速に拡大し、店舗数では日本国内で最大のショッピングモールとなった。取扱商品数も1億点超になり、これからも続々と伸びていく」と、その成長を喜びました。

世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」

さらに、2014年6月に発表した世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper」について、「日本国内におけるロボット産業の規模は、2035年には10兆円市場になる見通し※9」との見解を示しました。孫は、「Pepper」が「ソフトバンク銀座」や「ソフトバンク表参道」をはじめとしたソフトバンクショップでショップクルーとして勤務していることに触れ、「Pepper」の店舗導入により、大きな集客効果があった※10ことを紹介しました。
また、スマートフォンやパソコンのように、ロボット上のアプリケーションソフトを第三者がソフトバンクグループのプラットフォーム上で開発できるようにする計画であり、2014年9月20日には開発者向けのイベントを開催することを説明しました。

孫は「国内は非常に順調。次はこのノウハウを海外に応用していきたい」と述べ、海外の説明に移りました。

国内で培ったノウハウを海外でも活用

スプリント事業の状況

海外の中核となるスプリント事業について解説した孫は、Sprint Corporation(以下「スプリント」)について、「業績は反転してきており、ネットワークも改善してきた」と自信を見せました。米国時間の2014年7月30日に発表された、スプリントの2014年4~6月期の決算では、同社の調整後連結EBITDA[営業利益(償却前)]が前年同期比30%増の18億ドルと順調に増加し、連結営業利益も5.19億ドルと2四半期連続で黒字を継続していることが報告されました。また、スプリントのネットワークについて、4G LTEカバー人口が米国488都市2.5億人となり、同社の電波改善プロジェクトである「Network Vision(ネットワークビジョン)」がおおむね完了したことや、「音声接続率」「LTE接続率」「パケット接続率」「データ接続率(4G圏内)」などの指標が大幅に改善※11し、競合他社と同等の水準まで回復したことを説明しました。これらの改善を踏まえ、「お客さまに自信を持って勧められるネットワークができた。これからは本格的な営業攻勢に入りたい」と述べました。

その体制づくりの一環として、2014年8月11日に、スプリントの新たなCEOに、Brightstar Corp.(以下「ブライトスター」)のCEO※12のマルセロ・クラウレ氏が就任することを発表しました。スプリントの事業説明の最後に、孫はスプリントの今後の戦略が「ネットワーク改善による顧客獲得増」「徹底したコスト削減」の二つであると説明し、新CEO クラウレ氏の手腕への期待を述べました。
併せて、ブライトスターの株式追加取得を行い、当社の100%子会社にすること※13を発表しました。

モバイルゲームの事業展開

ソフトバンクグループがモバイルゲームに力を入れている理由について孫は、「モバイルゲームはこれからますます伸びると予想され、この5年で3倍になる見通し※14である」と説明しました。「ガンホーの『パズル&ドラゴンズ』の国内ダウンロード数は、2014年7月現在で2,900万を超え、順調に拡大している。さらに世界に足場を広げていきたい」と語りました。「パズル&ドラゴンズ」は今後、欧州27カ国でも展開予定となっています。

スーパーセルについては、「Clash of Clans」が世界146カ国、「Hay Day」が121カ国、「BOOM BEACH」が81カ国でそれぞれNo.1※15を記録している」と述べ、「iOSとGoogle Play™ 向けゲームの売上世界ランキングTOP5のうち、3タイトルがガンホーとスーパーセルのタイトルであり、二社合わせたスマートフォン向けゲームの売り上げが世界No.1※16になった」と説明しました。

ニケシュ・アローラ氏の経営参画

説明の締めくくりに、孫は「ほんの1年ほど前まで、ソフトバンクグループの事業領域は国内が中心だった。しかし、今では海外を含め事業領域が一気に拡大している。そして、さらに成長を加速させるため、新たな経営陣を迎える」と述べ、元米Google Inc. の上級副社長 兼 最高事業責任者であるニケシュ・アローラ氏が、本年10月より当社のバイスチェアマンおよび米国で新設されるSoftBank Internet and Media, Inc.のCEOとしてソフトバンクグループの経営に参画することを改めて発表しました。孫は、「アローラ氏は通信・インターネット両方を熟知した、世界でも貴重な経営者。今後の世界戦略を加速するために、ソフトバンクグループの布陣として大変心強い」とアローラ氏の参画に期待を寄せました。そして「2014年度連結業績予想である『売上高8兆円、EBITDA 2兆円、営業利益1兆円(一時益含まず)』の三点を達成するべく、粛々と進めていく」と述べ、決算説明会を締めくくりました。

[注]
  • IFRIC第21号「賦課金」の適用に伴い、遡及修正を行っています。遡及修正の内容については、「平成27年3月期 第1四半期 決算短信」の30ページをご覧ください。
  • ※1EBITDA=売上高-売上原価-販売費及び一般管理費+減価償却費及び償却費。
  • ※2出所:MM総研 報道発表資料(2014年4月23日)を基に当社作成。
  • ※32006~2011年度:移動体通信事業の営業利益、2012~2014年度:移動通信事業のセグメント利益。
  • ※4パケット接続率:統計分析処理 株式会社Agoop(以下「Agoop」)。プラチナバンド対応スマートフォンのパケット接続率。防災速報(ヤフー)とラーメンチェッカー、電波つながりチェッカー(Agoop)を利用の各社プラチナバンド対応スマートフォン計120,000台(ソフトバンク:40,000台、NTTドコモ:40,000台、au:40,000台を無作為抽出)のデータを個別に分析。
    通話接続率:イプソス株式会社による全国調査。スマートフォンの通話接続率。スマートフォン利用者18,700人に発信し接続率を測定(ソフトバンク:6,800人、NTTドコモ:5,300人、au:6,600人)。
  • ※5出所:MMD研究所「MNPユーザーのスマートフォンネットワーク調査」(2014年7月14日)。2013年10月~2014年6月までのMNP契約者かつ高速通信(Xi/4G/LTE)対応スマートフォンを利用しているNTTドコモ、au、ソフトバンクのユーザー各600人の計1,800人を対象に調査。調査期間:2014年7月7日~7月8日(2日間)。
  • ※6ソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)調べ。新幹線乗車中の切断・無音の発生する回数を測定(往復合計)。使用端末:各社iPhone 5s。調査期間:東海道新幹線 2014年2月、東北新幹線/山陽新幹線 2014年7月。
  • ※7ヤフーの開示資料を基に当社作成。
  • ※8ヤフーの開示資料を基に当社作成。法人、個人を含むアカウント発行ベース。審査完了後、開店準備中の店舗を含む。
  • ※9経済産業省「2012年 ロボット産業の市場傾向」(2013年7月)。
  • ※10「Pepper」を店舗に導入した2014年6月6日前後の1週間での比較。
  • ※11スプリント調べ。音声接続率=1-コールブロックレート(呼損率)。LTE接続率=LTE接続成功回数/LTE接続試行回数。
  • ※12マルセロ・クラウレ氏は、2014年8月11日に、ソフトバンク コマース&サービス株式会社 取締役ならびにブライトスターのPresident and CEOを退任したのち、同日付でスプリントのPresident and CEOに就任。
  • ※13希薄化前の議決件数および普通株式数を基準とし、未行使のストックオプションおよびBrightstar Global Groupの普通株式を取得する権利が全て行使された場合、当社の同社に対する株式所有割合は、90.8%(希薄化後)となります。
  • ※14出所:Newzoo: Newzoo Global Game Market Report 2014(2014年6月)。
  • ※15出所:App Annie Highest Grossing Game Ranking for iPad(2014年8月6日時点)。
  • ※16出所:App Annie Index for Games:iOS & Google Play Combined - Worldwideを基に当社作成。

質疑応答

主な質疑応答は、次の通りです。社長の孫がお答えしました。

Q.

T-Mobile US. Inc.買収に関する一連の報道について、改めて話を聞かせてほしい。

A.

当社としては特定の会社の買収などについて、今まで一度も公式にコメントをしていない。従って、今回も公式なコメントは控えさせていただく。ただ、米国市場において、二強状態よりも、三強の方が健全かつ激しい競争が起きるという基本的な考えは今も変わらない。スプリントはネットワークも順調に改善し、マルセロ・クラウレ氏を新しいCEOに迎え、これからソフトバンクグループが得意とする「営業」に注力する構えができてきた。経費の効率化についても着実に対応し、スプリントを筋肉質な会社に変えていきたい。

Q.

総務省が携帯電話のSIMロック解除を義務付ける方針を示した。また、携帯電話の販売にもクーリングオフ制度の導入が検討されているが、これらにどう対応していくか。

A.

クーリングオフについては消費者保護の観点から、ある程度当然の対応として行っていくべきだと考える。ただし、極端な形では営業に支障が出るので、方法については細やかにこれから詰めていくべきだと思う。

SIMロック解除については、かねてより機能的にもサービスとしても、あって然るべきだと思っていた。しかし、これも極端な形で行われると理にかなわないことが出てくるかもしれないので、方法についてはよく詰めながら進めていくべきだと思う。スマートフォンの販売数は米国が一番多いが、米国では最近の新しい端末はSIMロックをかけた状態で販売されているものがほとんど。これは各社が販売奨励金などを付けたり、一定の契約期間を設けることで割賦販売をしているためで、それらの回収が終わるまではSIMロックがかかっていて然るべきだと考える。一方でSIMロックがかかっていない端末なら高くても購入する人がいるのも事実であるため柔軟に対応していくべき。方法論の是々非々はあるが、SIMロック解除の方向性は良いのではないか。

Q.

スプリントのネットワーク整備が一段落ついたとのことだが、米国の携帯電話普及率が100%を超える中で、どのような市場を狙うのか。

A.

米国市場は今も成長している。米国は人口が増えているので、携帯電話の総ユーザー数も増加し、普及率も少しずつ伸びている。今後は、さらにスマートフォンが普及し、M2M(マシン・トゥ・マシン:機器間通信)も増えていくので販売チャンスは多い。スプリントは、ネットワークの整備を終え、販売に注力できる構えができた。今までスプリントはネットワークの準備ができていなかったので、激しい価格競争や販売合戦にほとんど参加していなかったが、今後はむしろ積極的に参加する体制が整ったとみている。

Q.

スプリントのパケットおよびデータ(4G圏内)接続率において、2014年4月まで接続率が落ちていたのはなぜか。またその後、大幅に改善された理由は。

A.

2014年4月20日までは、新しいネットワークに置き換わる過程でさまざまな不具合が出ていたため接続率が落ちていた。しかし、基地局が束で開局していくとその分ネットワークがつながりやすくなる。つまり2014年4月20日以降に開局が順調に進んだため接続率が改善した。スプリントの現場の努力とソフトバンク流のネットワーク改善のノウハウ、この二つの理由で急激に改善した。

Q.

スプリントの料金プラン「Sprint FramilySM」について、どのように評価しているのか。

A.

評価が社内でも分かれている。プランの内容が一般の人には分かりにくいところがあり、顧客の純増につながるほどの十分な力を持っていなかった。現在新しい料金体系について検討の真っ最中。スプリント新CEOのクラウレ氏の下、新しく販売体制が再構築されていくことになる。

Q.

日本電信電話株式会社(以下「NTT」)の光サービス卸について、どのように対抗していくのか。

A.

NTTの光サービス卸についてはわれわれも非常に高い関心を持っている。規制当局においても、公正な取引がなされるよう、十分に注意をしていただきたい。取引が平等な形で行われるのであれば、われわれも積極的に販売の協力をしていきたいと思っている。

Q.

米国以外の海外市場に進出することはあるか。

A.

日本国内だけで終わるつもりはないと常々思っている。今は米国に力を集中しているので、その他の国々についてはコメントを控えさせていただきたい。

Q.

「Pepper」は日本の住宅事情を鑑みると大き過ぎるのではないか。なぜ大きいものにこだわったのか。

A.

「存在感」を大事にした。おもちゃのようなものを作りたいと思えばおもちゃに適したサイズで良い。しかし、私は「家に子どもが一人増えた」という感覚で「Pepper」を登場させたかった。「Pepper」をおもちゃとは思っておらず、家族の一員として迎えてもらえるところに提供していきたい。10年後、20年後、30年後には「Pepper」のような大きさで存在感のあるロボットが、一緒に会社で仕事をしたり、家族の一員となったりする時代がやって来ると信じている。

Q.

ソフトバンクモバイルとワイモバイル株式会社(以下「ワイモバイル」)のすみ分けはどのように行っていくのか。

A.

ソフトバンクモバイルが「正規軍」だとすると、ワイモバイルは「別働隊」という役割。従って、別働隊として機能や価格においてすみ分けが必要。ワイモバイルは、より「モバイルインターネット」という位置付けとし、グループ会社のヤフーとの連携をより深めた運営にしていきたい。だからこそ、ヤフーの社長である宮坂のワイモバイルを買収したいという思いにわれわれも賛同した。その取引は中止することになったが、基本的にはその際の思想は生きており、ヤフーとの業務提携はより密接な形となっていく。市場には「格安スマートフォン」など出てきているが、機能においても価格帯においても、それらと十分競争できるものにしていきたい。

Q.

アメリカでスプリントを成長させるにあたり、「Pepper」の販売員としての役割をどのように考えているか。

A.

「Pepper」については海外からも多くの関心をいただいている。今後は米国でも当然期待に応えていきたいが、まずは日本国内でしっかりと商品として完成させたい。その後、米国や他の国々にも市場を拡大していきたい。将来は、スプリントの店頭においても集客に役立つと期待している。

Q.

「スマ放題」の販売状況について教えてほしい。また、競合3社同じような料金体系だが、この先どうなるのか。

A.

発表以降、今日現在まで従来型の料金体系と「スマ放題」を併売しているが、お客さまの8割ぐらいが「スマ放題」を選択している。通話が「かけ放題」という部分に魅力を感じていただいている。順調に推移している。

Q.

なぜ今米国市場において、スプリントに注力するという判断をしたのか。

A.

われわれは一度もどこかの会社を買収する、しないについてコメントをしていない。今もコメントは控える。いろいろな噂が出ているがそれらについては皆さんのご想像にお任せする。

Q.

現状の米国市場において、真っ向から競合他社に立ち向かうのは難しいと思うが、スプリントの強みは何か。

A.

当社がボーダフォン日本法人を買収したとき、世の中のほとんどの方が「無謀な戦いだ。経験もなく、ネットワークも悪い、ブランド価値もない」と言っていた。当時のボーダフォン日本法人は、特段誇るものはなく、買収しても苦戦を強いられるだろうと見られていたのが事実だった。今振り返っても、「iPhoneを独占販売できたからうまくいったのだ」と思われる方が多いが、実はiPhoneの販売を開始する前も純増数においてNo.1を獲得していた。ネットワークが悪くても、やる気がいっぱいで、素早い意思決定とさまざまな努力により、結果を生んでいた。

今後はスプリントにおいて、ソフトバンク流の企業文化をどれだけ注入してやっていけるか、ということが鍵になる。新しくCEOになるマルセロ・クラウレ氏は“ストリートファイター”そのもの。彼はブライトスターをゼロから作り上げた。彼が母国のボリビアから米国に移民したとき、100ドルぐらいしか持っていない状態だったが、今やブライトスターは売上高1兆円の会社となった。そういう意味で、ソフトバンクグループと企業文化が非常に似ている。彼の率いるスプリントは、今後非常に面白い会社になっていくと信じている。

Q.

クーリングオフが導入されることによる、Wi-Fiルーターやフォトビジョン販売への影響をどう考えているか。

A.

今回どのようなルールになるか詳細は把握していないが、基本的な物事の考え方として消費者保護をすることは良いこと。ただ、そのルールが常識から離れたものだと事実上販売ができなくなるので、世の中の実態をよく考えて決めてもらいたい。

Q.

SIMロック解除について以前は否定的だったが、なぜ考えが変わったのか。

A.

今も以前も、SIMロックが解除された高い金額の端末をあえて欲しがるユーザーがそんなにたくさんいるとは思えないという考えは変わっていない。つまり、高い金額を出してまでSIMロック解除された端末を使いたい人が日本にどれだけいるのか、ということが数(実績)で証明されている。iPhoneに限らず、Android™ 端末でも同じだと思う。ただし、SIMロック解除という制度については特に反対するものではない。

Q.

PHS事業について、2014年4~6月の契約数が純減している。また、ワイモバイル(旧イー・モバイル)について4Gの電波取得ができないと、今後サービスが立ち行かなくなるのではと思うが、どのように考えているか。

A.

われわれには、スマートフォンを日本に普及させたというスマートフォン推進者としての自負がある。しかし「単純に話したいだけ」という顧客層があるのも事実。そのような層においては、安価なPHSに対する需要は今も存在している。また省電力であるためM2Mの市場もある。爆発的な成長を期待するものではないが、既存のネットワークを利用できるので、追加の費用もかからず有効活用できるのであれば、需要がある範囲でサービスを提供していきたい。

ワイモバイルについては、先ほど申し上げたとおり、ヤフーとの連携をより深めたサービスを先行してやっていく。ヤフーとも協力体制ができているので、機能テストもワイモバイルではやりやすいと思う。それらがうまくいけばソフトバンクモバイルにも拡張していくということができる。格安スマートフォンとの「競争」という位置付けとしてもそれなりの存在意義はあると感じている。

Q.

最近総務省がソフトバンクグループに対して厳しい判断をする場面が増えている気がするが、行政との付き合い方についてどのように考えているか。

A.

「天下りを受け入れない」というのが基本方針。あくまでも公明正大に、言うべきことは言うし、正しいことは受け入れる。テーマごとに是々非々で行っていく。かねてから、直接所管する行政の方が直接所管されている業界に天下りしていくのはいかがなものかと思っており、今後もこの方針でいきたい。一方、何でもかんでも口を尖らせて怒っているわけではない。あくまでも内容次第で、言うべきことは言い、従うことは従うという姿勢は今後も変わらない。

Q.

米連邦通信委員会(FCC)や米国司法省(DOJ)についてはどう思うか。

A.

どこの国においても行政は行政なりの考え・判断があると思うのでコメントは控える。

Q.

現在のソフトバンクモバイルの純増数に対する考え方は。今後、純増数は追わないのか。

A.

2014年4月~6月の純増数はソフトバンクモバイルが55.7万件で、KDDIが49.4万件。どちらにしろ、純増数のカウントが世の中の実態と合わないなと感じていたのは確か。純増数は、M2Mでも一つ、MVNO(仮想移動通信事業者)へ利益がほとんど出ない形で卸しても一つ、みまもりケータイ、フォトビジョンも一つと数えているので、純増の数字や意味が形骸化していたのは事実。各社共にそう思っていたので、公表する意味が無いという結論で落ち着いたのだと思う。われわれは今後も、形式的なことよりも着実にネットワークを改善し、満足してもらえるサービスを提供していく。

Q.

スプリントが純増に転換するのはいつごろか。

A.

今まではネットワーク改善に取り組んでいたが、2014年4月20日を境に急激に改善し、ようやく他社のネットワークに追い付いてきた。いつ純増になるかはやってみないと分からないが、できるだけ早く実現したい。

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