世界銀行グループとソフトバンクが開発途上国のためのインターネット事業に投資

国際金融公社(International Finance Corporation、IFC)とソフトバンク株式会社は、パートナーシップを結び、世界の開発途上国にインターネット事業を通じてデジタル化の息を吹き込み、グローバルなデジタル経済を実現させるため、これまでで最も顕著かつ先駆的なプロジェクトを推進することで合意し、国際金融公社(International Finance Corporation、IFC)が日本のソフトバンクとともに、約100ヶ国の開発途上国におけるインターネット企業設立のための新たな合弁会社を設立し、それらの孵化・育成を支援することとなった。

日本を本拠とする国際的なインターネット企業であるソフトバンク株式会社と、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)は、開発途上国におけるインターネット関連企業を孵化・育成するため2億米ドルを投資してソフトバンク・エマージング・マーケッツ(以下SBEM)を設立する。IFCはさらにソフトバンクが最近設定したラテンアメリカと中国向けのインターネット投資ファンドにも参加する。 これらを加えグローバルなインターネット開発にかかわる投資総額は5億米ドルとなる。

SBEM(www.softbank.com/sbem)はシードマネーの投資に加え、アイデアを速やかに事業化するための技術的、法制的、経営的なサポートを提供することにより、新規のインターネット企業を育成する。SBEMは世界のインダストリー・リーダーおよび地場パートナーのネットワークとの協働により開発途上国におけるインターネット企業の創業スピードを加速させる機能を果たす。

SBEMは開発途上国の起業家が、インターネットにおける世界のリーディング企業の確立されたビジネスモデルを使って、地域的に修正されたモデルを立ち上げることをサポートする。 またSBEMは開発途上国における起業家自身のビジネスコンセプトがインターネット企業として成功するよう、リスクキャピタルとサポートを提供する。

ジェームス・D・ウォルフェンソン世界銀行総裁は次のとおり語った。"デジタルの溝は開発の最大の障害であり、指数的に拡大している。 IFCとソフトバンクのこのイニシアティブにより、我々はこのギャップを埋める努力を主導していく。 この投資は開発途上国の情報革命への参加を加速する。 また繁栄を促進し貧困を撲滅するため持続可能な新規の地場企業を育成し、富める国々から開発途上国への技術移転を行う。 また我々に続いて他の企業家が、各自の投資とイニシアティブをもって世界中で技術・情報センターを設立することを期待する。"

孫 正義ソフトバンク株式会社社長は次の通り語った。 "この画期的なパートナーシップは世界中の開発途上国における新しいデジタル経済の構築に重大な役割を果たす。ソフトバンクのグローバルなインターネットにかかわる能力と、IFCの国際開発の経験により、この前例の無いイニシアティブは、エマージングマーケットにおいて新規のインターネットビジネスを構築し成功させようとする投資家と起業家に対して、巨大な機会を提供する。同時にこれらのマーケットはインターネットの拡大に伴い、経済的な成果と生活水準の向上を得るであろう。"

このイニシアティブは開発途上国経済の持続的成長の基礎となる民間企業を、プロジェクトファイナンスの手法により設立してきたIFCの開発途上国の民間部門への投資の長い経験と、インターネットビジネスを国際化し、成功したモデルを他の国に複製することによりソフトバンクが発揮してきた市場でのリーダーシップとの組み合わせに基づくものである。ソフトバンクは日本、ヨーロッパ、その他でYahoo!、E*TRADE、Buy.com、WedMD等の国内での事業を含む300以上のインターネット企業を運営または資本関係を結び支援中である。 ソフトバンクはインターネット企業の設立と、孵化アプローチ、すなわち創業者利益が主要なファクターとなっているオンライン事業の急速な開発にとって極めて重要であることが証明された育成方法について強固な実績を残している。

SBEMはカリフォルニア州、シリコンバレーに当初資本金2億米ドルで設立され、ソフトバンクが75パーセント、IFCが25パーセント出資する。 5億米ドル以上となる投資総額には、ソフトバンクが最近設定し、IFCが参加する中国とラテンアメリカの一部を対象とするファンドが含まれている。

SBEMは最新のインターネット技術とビジネスモデルを先進国から開発途上国に移転するためグローバル・インキュベーション・センターを設立する。 このテクノロジーカンパニーは孵化された企業に対して十分な技術資源を確保し、対象国における成熟した技術基盤の開発を育成する。

SBEMは対象開発途上国でのグローバルな展開を監督するためインターネットのリーディングカンパニーとの合弁事業を設立する。 それらの合弁事業が各々の対象国において、地場の起業家、投資家とともに、親会社のビジネスモデルを活用して地場のインターネット企業を設立し運営するための合弁事業を設立する。 SBEMは最初の孵化される企業を2000年5月に発表することを予定している。

SBEMは起業家が有望なインターネットのビジネスコンセプトを成功する企業に育て上げるため、資金と戦略資源を提供することにより地場のインターネットベンチャー企業を支援する。

この投資は成功した先端的インターネットモデルを開発途上国市場に持込み、起業家がビジネスコンセプトに集中することを可能とし、創業にともなう従属的な必要事項の多くには共通のエキスパートが対応するという、孵化アプローチを通じて地場の事業を育成する。開発途上国におけるEビジネスとインターネット企業の成長は情報技術にアクセスしている国々と、伝統的な情報資源とビジネス手法に依存しているためアクセスが妨げられている国々とのギャップ、すなわちデジタルの溝を狭める。

このプロジェクトは投資家のエマージングマーケットへの関心を喚起することにより、対象国でのインターネットのアクセスレベルを改善し、そのことによりまたインターネットアクセス価格の低下と加入者の増加を支援する。SBEMはまた開発途上国の住民の知識とアクセスを向上するため、学校その他の教育機関への無料ないし安価なインターネットサービスを促進する。

IFC(www.ifc.org)は途上国の民間部門の開発を促進することにより、貧困を撲滅し人々の生活を向上させることを使命としている。 国際金融公社は開発途上国における民間部門への投融資、国際資本市場からの資金動員、民間部門についての技術援助と助言の提供を行う。 世界銀行(www.worldbank.org)は開発途上国においてインターネットへのアクセスが容易になるように積極的に活動しており、開発に関する知識のセンターとなっている。また、各国政府に対して、インターネット産業の成長を促すためにどのような政策、ルール、規制づくりをすべきかの助言を行っており、通信ネットワークから配送・決済システムに至るまで、インターネットの発展のための重要なインフラストラクチャーに対する支援を行っている。世界銀行グループは、情報技術の開発途上国への移転の促進のため、IFCの民間事業活動での専門性と世界銀行の政策、規制への助言を組み合わせた新しいグローバル・インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー局を最近設置した。

ソフトバンク株式会社 (www.softbank.co.jp) を中心としたソフトバンクグループは、世界のインターネット市場において事業を積極的に展開しています。300以上のインターネット企業に主要投資家としてオーナーシップを持ち、独自のインターネット経営戦略で、世界規模で傘下の企業にシナジー効果をもたらしています。日本では、IT関連製品の流通や出版、インターネット上のプラットホームや広範囲にわたる電子商取引事業を行っています。最近ではマイクロソフトやシスコ・システムズ、ヤフー、全米証券業協会など、多数の世界的なマーケットリーダーと日本におけるインターネット関連の合弁事業を行っています。米国では、ヤフー、E*トレード、ZDネットなど、主要なインターネット企業の筆頭株主になっています。またヨーロッパでは、ニューズ・コーポレーションとヴィベンディとそれぞれインターネット拡大のための合弁会社を設立しました。また、ラテン・アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、中国、韓国でも、インターネット企業の設立を支援しています。

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