年頭所感

ソフトバンクグループ 代表 孫 正義

あけましておめでとうございます。

昨年は、iPhoneに代表される高機能スマートフォンが急激に普及しました。そして様々なアプリケーションやサービスが開発され、私たちの生活はより便利で楽しいものになりました。通信からインターネットサービスまで幅広く事業を展開しているソフトバンクにとって、待ちに待った時代がやってきたのです。2010年もソフトバンクの知恵と知識を結集し、さらにこの流れを加速させ、今まで想像もできなかった、新しいライフスタイル、ワークスタイルを提供していきたいと思います。

業績面では、移動体通信事業をはじめ、各事業が好調だった結果、2009年4-9月期に、EBITDA・営業利益・経常利益・純利益・営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローにおいて、軒並み過去最高の決算を発表することができました。特にフリーキャッシュフローは当初の想定を上回るペースで推移し、2009年度から3年間の累計のフリーキャッシュフローが、1兆円を超えることを確信できる状況にあります。

また、アリババをはじめとする中国・海外におけるグループ企業も、市場の拡大とともに驚異的なスピードで業容を拡大しています。今後も国内外のグループ内のシナジー効果をあげていくことで、ソフトバンクグループが世界の情報通信産業を牽引していくことができると確信しています。

昨年、わが国において歴史的な政権交代がありました。これは昨今日本を覆っている不安感を払拭するため、変革を求めた国民が出したひとつの結果だといえるでしょう。
将来見込まれている人口減、アジア等新興国の台頭、産業構造の変化など様々な要因により、この国の置かれた状況は、あらゆる面で劇的に変わりつつあります。この誰も経験したことのない激動の時代において、私たちは何ができるのでしょうか。

過去の成功体験が通用しなくなった今、私たちは、現在の状況を嘆くのではなく、むしろこの国をよりよい社会に変革することのできる大きなチャンスととらえています。最新の情報通信テクノロジーを産業・生活のあらゆる場面で徹底活用することで、“量”から“質”への転換を図り、業務・ライフスタイルに変革をもたらし、国際競争力を強化することによって再び世界をリードし、質の高い豊かな生活が実現できると信じています。

また、その変革の源泉となるものは、各企業・各人がそれぞれ保有する知恵と知識です。この知恵と知識の自由な発露を制限することのないよう、そして人々の活力を最大限に活用することができるよう、市場環境の変化にあわせて、自由で公正な競争環境が徹底的に整備されることを切に望みます。

今年、ソフトバンクは創業30年を迎えます。この30年間、「デジタル情報革命」というビジョンの実現に向け、一貫して取り組んできました。そして大きな節目である今年、次の30年のビジョンを社員とともに考えたい、30年後の人々が幸せであるために私たちに何ができるのか真剣に議論したい、そして世の中に掲げたい、このように考えています。

以上

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