プレスリリース 2018年

アシアタ、PLDT、テリン、
タークセル、ベトテル、ザインが、
キャリア・ブロックチェーン・スタディー・グループ
(CBSG)に参加

2018年7月6日
ソフトバンク株式会社
TBCASoft, Inc.

通信事業者のグローバル・ブロックチェーン・コンソーシアムであるCarrier Blockchain Study Group(キャリア・ブロックチェーン・スタディー・グループ、以下「CBSG」)は、ASEANと南アジアをサービス提供地域とするマレーシアのAxiata Group Berhad(以下「アシアタ」)、フィリピンのPLDT, Inc.※1(以下「PLDT」)、インドネシアのPT. Telekomunikasi Indonesia International(以下「テリン」)、トルコのTurkcell(以下「Turkcell」)、ベトナムのViettel Telecom Corporation(以下「ベトテル」)、クウェートのZain Group(以下「ザイン」)がCBSGに新たに参加し、次世代のキャリア間グローバル・ブロックチェーン・プラットフォームおよびエコシステムの構築に向けて連携することをお知らせします。

CBSGは、通信事業者に特化した革新的なブロックチェーン・プラットフォームを共同開発することを目的として、2017年9月、米国のブロックチェーン技術開発企業であるTBCASoft, Inc.(以下「TBCA Soft」)、日本のソフトバンク株式会社、米国のSprint Corporation、台湾のFar EasTone Telecommunications Co., Ltd.によって設立されました。他のメンバーは、韓国のLG Uplus Corp.とKT Corporation、アラブ首長国連邦のEtisalat Telecommunication corporationです※1。CBSGは、参加企業のユーザー向けに、ブロックチェーンを活用した安全な国際送金、清算や決済、個人認証、IoT端末向けアプリケーションなど、今後さまざまなサービスを提供することを目指しており、通信事業者向けのブロックチェーン・コンソーシアムとして世界をリードする存在となっています。

またCBSGは、コンソーシアム内に、ブロックチェーンを活用した国際送金サービスに関するワーキンググループを新たに設置したことをお知らせします。ブロックチェーンは、瞬時に取引を処理する必要があるユーザー向けサービスに適しています。CBSGのブロックチェーン・プラットフォームとソリューションは通信事業者向けに特化して設計されており、従来の市場や国境を超えたサービスの提供を実現します。

アシアタのGroup Chief Strategy and Marketing OfficerであるDominic P. Arenaは、次のように述べています。
「われわれは『新世代のデジタルチャンピオン』への進化を目指しており、ブロックチェーンは設計面でグローバルな通信事業者のエコシステムに非常に適したデジタルプラットフォームであると考えています。他の通信事業者と協力し、世界で最も安全で目的に合ったBaaS(Blockchain as a Service)のインフラを開発し、個人・法人・官庁などのお客さまにサービス提供できることを楽しみにしています」

PLDTのFirst Vice President 兼 Head of International and Carrier Business、およびPLDT Global Corp.のPresidentであるKatrina Luna-Abelardeは、次のように述べています。
「キャリア間ブロックチェーンは、われわれが15年以上サービスを提供してきたPLDTの海外のお客さまに大きな利点をもたらすことでしょう。このデジタル時代に、ライフスタイルが変化する中で、お客さまは海外送金サービスなど、CBSGが提案する最先端のソリューションを求めています。われわれは、CBSGのプラットフォームとソリューションを世界中のお客さまに提供することを目指します」

テリンのCEOであるFaizal Rochmad Djoemadiは次のように述べています。
「共有台帳であるブロックチェーンにおいて重要な特長は、デジタル資産取引、モバイル取引、国際送金などの新しいサービスを参加者が安全かつ信頼性の高い環境で利用できる点にあると考えています。われわれは、テリンのグローバルインフラ向けにブロックチェーンを活用したサービスを開発することで、お客さまのデジタルビジネスに貢献できると考えています。CBSGで世界の通信事業者と協力してグローバル規模のサービスをスピーディーに開発し、ブロックチェーン・プラットフォームを提供していきます」

タークセルのCEOであるKaan Terziogluは、次のように述べています。
「ブロックチェーンを活用し、安全かつ透明性の高いフレームワークでデジタル資産を取引することで、デジタル経済の成長をスピードアップし、お客さまに新しいサービスを提供することができます。ブロックチェーンは、単に既存の通信インフラの延長上のものではありません。われわれはモバイルキャリアとして、BaaS(Blockchain as a Service)のエコシステムを提供する立場にあり、この利点を生かしていく必要があります。次世代のグローバルキャリア間ブロックチェーン・プラットフォーム上での収益化の可能性を考えるため、CBSGにおいて、経験を共有することを楽しみにしています。この先進的なコンソーシアムの一員であることは、われわれのサービスを強化し、デジタルプラットフォーム上での顧客体験を向上させることにつながります」

ベトテルのViettel International BusinessのDirectorであるDoan Dai Phongは、次のように述べています。
「ブロックチェーンは、あらゆる業界に変革をもたらしつつある新しいテクノロジーです。われわれは、CBSGのキャリア間グローバル・キャリア・プラットフォームとエコシステムにより、トップアップ※2、ウォレット・ローミング※3、安全な決済、個人認証、IoTアプリケーションのみにとどまらず、デジタル時代にわれわれのお客さまの体験を向上するサービスを提供していきます」

ザイングループのCEO-OperationsであるScott Gegenheimerは、次のように述べています。
「ブロックチェーンは進化の過程にある重要なテクノロジーです。アプリケーションとその活用事例を展開するために、CBSGと連携することは不可欠です。ザインがデジタル・ライフスタイル・オペレーターへの進化を目指す中、CBSGの先進的な通信事業者の一員となることは非常に重要だと捉えています。ブロックチェーンを最大限活用することで、市場で素晴らしい成果を達成することを確信しています」

ソフトバンク株式会社の法人事業統括 グローバル営業本部 本部長の野崎 大地は、次のように述べています。
「優れた通信事業者に、通信事業者に特化したブロックチェーン・プラットフォームと、プライベートおよびパブリック型に対するコンソーシアム型ブロックチェーンの利点をご理解いただき、うれしく思います。ソフトバンクは、国内外のお客さまに革新的なサービスを提供し続けています。新しいワーキンググループの可能性を最大限生かし、われわれのサービスをさらに拡充し、お客さまのライフスタイルに合ったサービスに進化させることを楽しみにしています」

TBCASoftの創設者 兼 CEOおよびCBSGの共同議長のLing Wuは、次のように述べています。
「CBSGは2017年9月に設立されて以来、急速に成長しています。われわれはすでに、キャリア間ブロックチェーンの開発において多くの成果を生み出しています。TBCASoftはキャリア間ブロックチェーン・プラットフォームとソリューションのリーディング・プロバイダーです。CBSGの新たなメンバーを歓迎し、全メンバーと連携し、ブロックチェーンを活用したビジネスを生み出すことを楽しみにしています」

会社概要

アシアタについて

アシアタはアジア最大の通信事業グループの一つで、13カ国で約3億5,000万ユーザーにサービスを提供しています。2021年までに「新世代のデジタルチャンピオン」となるビジョンを掲げ、モバイル資産のポートフォリオを持つ持ち株会社から、デジタル通信、デジタルビジネスおよびインフラを柱とするトリプル・コア戦略を持つ企業へと変革を図っています。ASEANと南アジアにおいては、デジタル通信事業者へ移行する過程にある、各地域の市場をリードする通信事業者の支配権を有しています。また、アシアタグループのインフラ企業で、世界で12番目に大きな独立系タワー会社である「イードットコ」は、6カ国において約2万7,500局を建設し、通信インフラサービスを提供しています。アシアタ・デジタルおよびアシアタ・ビジネス・サービスは、グループのデジタル事業を担っています。当該サービスでは、デジタル金融サービス(「ブースト」)、デジタル広告(「アダ」)、法人向けソリューション・IoT(「エクスパンド」)、プラットフォームサービス(「APIgate」)をグローバル市場へ提供し、急成長を図っています。

PLDTについて

PLDTは、フィリピンをリードする通信およびデジタルサービス・プロバイダーです。固定・モバイル通信、デジタルサービスなど主要な事業セグメントにおいて、PLDTはフィリピンで最大規模の光ファイバーや、モバイルおよび固定通信ネットワークなど、さまざまなコミュニケーションおよびデジタルサービスを提供しています。またフィリピン証券取引所に上場し、米国預託証券はニューヨーク証券取引所に上場しています。2017年にPLDTは時価総額でフィリピン最大の上場企業の一つとなりました。

テリンについて

テリンは、国営の通信ネットワーク・サービス・プロバイダーであるPT Telekomunikasi Indonesia, TBK(以下「テルコム」)の子会社です。テリンはテルコムの国際通信事業に注力し、海外の法人回線の管理および開発の一端を担っています。「グローバル・デジタル・ハブ」というビジョンの下、テリンは「テルコムセル」ブランドでシンガポール、香港に、また東ティモール、オーストラリア、マレーシア、米国に子会社を、ミャンマー、マカオ、台湾にグローバルオフィスを持ち、サウジアラビアではプロジェクトを展開しています。また、世界に71カ所のPoint of Presence(通信ネットワークの接続ポイント)を持っています。信頼性の高いネットワーク・インフラとテルコムグループの戦略を通し、テリンは「Enabling Your Global Digital Business and Solution」を実現するために、世界へ高品質なサービスを提供していきます。

タークセルについて

タークセルはトルコに本社を置くデジタル通信事業者で、携帯・固定通信ネットワーク上で音声、メッセージ、データ、IPTVサービスなど独自のサービスを顧客に提供しています。タークセルのグループ企業は、トルコ、ウクライナ、ベラルーシ共和国、北キプロス・トルコ共和国、ドイツ、アゼルバイジャン共和国、カザフスタン、モルドバ共和国の8カ国で事業を展開しています。タークセルは、81都市でLTE-Advancedと3つのキャリアアグリゲーション・テクノロジーを活用したLTEサービスを、2016年4月1日にトルコで提供を開始しました。2018年3月時点で、トルコの2Gと3Gの人口カバレッジはそれぞれ99.63%と97.84%です。タークセルは、最大10GbpsのFTTHサービスを提供しています。タークセルグループは、2018年度第1四半期の売上高は48億トルコリラ、2018年3月31日時点での総資産は371億トルコリラとなりました。2000年7月以来、ニューヨーク証券取引所とイスタンブール証券取引所に上場しています。タークセルは、トルコでニューヨーク証券取引所に上場している唯一の企業です。

ベトテルについて

ベトテルは、ベトナム最大手の通信事業グループであり、世界のトップ30の通信会社(GSMA調べ)の一つであるベトテルグループの支社です。ベトテルは通信事業、IT、R&Dなど、さまざまな事業を運営する20以上の子会社から成り立っています。また、アジアやアフリカ、アメリカの11カ国で1億人以上のユーザーにサービス提供をしています。さらに多くの発展途上国において、通信サービスの普及させた豊富な実績があります。ベトテルは、人々をつなぐことは、通話やテキストメッセージだけではなく、人生を楽しみ、創造し、豊かにすることだと考えています。そのためいつどこでも、あらゆる人々を結び付ける最もクリエーティブなアプローチを取るよう努めています。

ザインについて

ザインは、中東およびアフリカで4,690万人のアクティブユーザーに携帯電話の音声通話およびデータ通信サービスを提供する大手通信事業者です(2018年3月31日時点)。クウェート、バーレーン、イラク、ヨルダン、サウジアラビア、スーダン、南スーダンの8カ国で事業を展開しています。レバノンでは、政府に代わって「タッチ」※4を運営しています。モロッコでは合弁会社を通して「インウィ」に15.5%の株式を保有しています。また、ザインはクウェート証券取引所に上場しています。詳細はウェブサイトをご参照ください。

TBCASoftについて

TBCASoftは、米国を拠点に、通信事業者に特化した革新的なブロックチェーン技術の開発を行う企業です。TBCASoftが開発したコンソーシアム型のブロックチェーン・プラットフォームにより、通信事業者はより安全、強固かつ効率的な環境で、顧客向けに革新的なサービスを創造することができます。本社所在地は、シリコンバレーの中心地である、カリフォルニア州サニーベールです。詳細はウェブサイトをご参照ください。

[注]
  1. ※1
    2018年2月23日付プレスリリース「LGユープラス、エティサラット、KT、テレフォニカ、PLDTが、キャリア・ブロックチェーン・スタディー・グループ(CBSG)に参加へ」でお知らせした通り、フィリピンのPLDT Inc.はCBSGの参加に向けた基本合意を締結しており、その後の検討を経て、今回の正式な参加に至りました。また、スペインのTelefónica, S.A.も基本合意を締結済みであり、正式な参加に向けた検討を進めています。
  2. ※2
    プリペイド携帯電話の口座のチャージ
  3. ※3
    ユーザーが、モバイル端末上で、支払い取引ができるデジタル・ウォレットを、事業者間で連携すること。ユーザーは、海外滞在時に、母国で契約した事業者を通した決済などができる。
  4. ※4
    レバノンの大手通信事業者
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。