プレスリリース 2024年

ソフトバンクとNewPhotonics、
AI-RANをターゲットとしたLPO、
CPOおよび光電融合スイッチファブリック向け
先進フォトニクス技術に関する協業を開始

2024年9月24日
ソフトバンク株式会社
NewPhotonics LTD

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)と、光集積技術の業界リーダーであるNewPhotonics LTD(ニューフォトニクス、以下「NewPhotonics」)は、LPO(Linear-drive Pluggable Optics)※1、CPO(Co-packaged Optics)※2および光電融合スイッチファブリック※3向け先進フォトニクス技術に関する協業を開始しました。この先進フォトニクス技術は、高速光通信とオプティカルスイッチング※4により、AI(人工知能)データセンターインフラやモバイルフロントホールの低遅延化と低消費電力化を実現する技術です。NewPhotonicsの特許技術と、信頼性の高いAll Optical Networkおよびオプティカルスイッチングのための光集積回路(Photonics Integrated Circuit、以下「PIC」)を組み合わせることで、ソフトバンクが推進するAIデータセンターインフラとモバイルフロントホールの低遅延・低消費電力化の実現を目指します。

PICを用いた高速光通信とオプティカルスイッチング技術によって、GPU(画像処理装置)、CPU(中央演算処理装置)およびスイッチファブリックの性能向上を目指すこの技術は、AIクラスターのワークロードの消費電力と容量の問題を改善します。NewPhotonicsが特許取得済みのオプティカルシリアライザー/デシリアライザー(Optical SerDes)※5は、高密度で低遅延なデータ転送が可能です。また、コ・パッケージされた高度な光技術であるCPOは、既存のデータセンターにおいて現在改善が求められる高速で大容量のデータ転送をする上で、スピードとエネルギー効率の向上が期待されています。また、NewPhotonicsのPICを光トランシーバーに組み込んで実現されるLPO技術は、既存のLPO技術よりも長距離伝送が可能です。NewPhotonicsのLPO技術をモバイルフロントホールに適用することで、伝送装置の処理遅延低減や低消費電力化、長距離化が期待されています。

ソフトバンクの執行役員 兼 先端技術研究所 所長である湧川隆次は、次のように述べています。
「NewPhotonicsとの共同研究開発は、次世代のインフラに恩恵をもたらすと考えています。今回の共同研究により、先端フォトニクス技術を用いた光電融合によるAIデータセンターインフラおよびモバイルフロントホールの変革を進め、伝送速度、伝送可能距離、伝送容量の強化や持続可能性の向上を目指します」

NewPhotonicsの最高経営責任者(CEO)であるヤニブ・ベン・ハイムは、次のように述べています。
「ソフトバンクとの共同研究開発は、NewPhotonicsと業界にとって、最新のコンピューティングとAIインフラのニーズに対応するCPOとプラガブル光モジュールにおけるOptical SerDesを進化させる重要なマイルストーンとなります。NewPhotonicsは、スケーラブルな距離で低遅延と低消費電力を実現し、光通信の限界を打ち破ることに引き続き全力を尽くします。本共同研究は、NewPhotonicsが推し進める特許取得済みの光工学領域のイノベーションが、AIと6G(第6世代移動通信システム)市場にオール・オプティクスの未来をもたらす重要な一歩だと確信しています」

[注]
  1. ※1
    Digital Signal Processor(DSP)を用いない光トランシーバーの実装形態。一般的に、大容量で長距離の伝送をするためにはDSPが必要だがその分の処理遅延と電力消費が増加する。
  2. ※2
    光学部品と半導体チップを同じパッケージ内に組み込む技術。外部とのデータの入出力に電気信号の代わりに光信号を用いることが可能となる。
  3. ※3
    ネットワークスイッチやルーターなどの複数のネットワーク機器が相互に接続されたネットワーク構造。高帯域かつ低遅延のデータ転送をするために採用される。
  4. ※4
    光通信の信号を電気信号に変換することなく光信号のまま特定の信号の分岐や経路変更をする技術。
  5. ※5
    伝送機器のASICコアにつながる光による高速インターフェイス。

NewPhotonicsについて

NewPhotonicsは、イスラエル・テルアビブを拠点とするファブレス半導体企業で、ネットワーキングとコンピュート・データ伝送における新たなオール・オプティクス・パラダイムに向けて、光接続と処理の限界を打ち破る光集積回路(PIC)の設計、開発、製造を行う。2020年に設立された非公開企業。

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