プレスリリース 2025年
ソフトバンクとサムスン電子、AI-RAN領域での協業に合意
2025年10月24日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、Samsung Electronics Co., Ltd.(以下「サムスン」)とAI-RAN領域での協業に合意し、2025年10月に覚書を締結しましたのでお知らせします。今後、ソフトバンクとサムスンは、AI-RANに関連する「6G」「AI for RAN」「AI and RAN」「Large Telecom Model」の4つの研究分野を候補とし、段階的に研究領域を定義して共同で研究開発を推進していきます。
研究分野の概要
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- 6G:6G(第6世代移動通信システム)向けの周波数として検討されている7GHz帯の電波(センチメートル波)に注目し、サムスンの基地局実装技術とソフトバンクの通信ネットワーク構築に関するノウハウを活用したフィールド検証とユースケースの探索を行います。
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- AI for RAN:AI(人工知能)を活用してRAN(無線アクセスネットワーク)を高度化する「AI for RAN」のコンセプトにおいて、特に物理層(L1:Layer 1)※へのAIの効果に着目して研究開発を行います。双方が持つAIとRANの経験と知識を生かし、ユースケースの定義や実機への実装、評価を行い、RANの効率化と最適化を実現します。
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- AI and RAN:AIとRANの設備共用による利用効率の向上を目指す「AI and RAN」のコンセプトにおいて、AIとRANの異なるワークロードを同一ハードウエア上で効率的に動かすことができる「AI-RANオーケストレーター」のアーキテクチャーの定義や、AI-RANオーケストレーター上でのAIとRANのさまざまなユースケースの研究開発、評価を行います。
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- Large Telecom Model:ソフトバンクが開発を進めている、通信業界向けの生成AI基盤モデル「Large Telecom Model」を活用した研究開発を行います。従来のネットワーク最適化のワークフローを大規模言語モデル(LLM)ベースのAIによって変革させるとともに、データの安全な相互運用と性能の向上を実現し、業界標準の確立を目指します。
ソフトバンクとサムスンは、相互の強みを生かした研究開発を通して、通信ネットワークの効率化と性能の向上、新たなユースケースの創出に向けた取り組みを推進するとともに、研究成果を商用展開につなげて、グローバルな通信インフラの進化に貢献していきます。
ソフトバンク株式会社の専務執行役員 兼 CTOの佃英幸は、次のように述べています。
「世界をリードする通信技術を持つサムスンとの協業を大変うれしく思います。両社の先進的な知見を融合させることで、AI-RANを活用した次世代ネットワークを効率的かつ高信頼なものに進化させ、新たなソリューションの実現を加速できると確信しています。ソフトバンクは、AIと人間が共存する社会に不可欠な次世代社会インフラの構築に向けて、挑戦を続けていきます」
サムスン電子のサムスン研究所でExecutive Vice President & Head of Advanced Communications Research Centerを務めるジョン・ジングク氏は、次のように述べています。
「ソフトバンクとの今回の協業を通して、通信事業者およびエンドユーザーの双方にとって意義のあるユースケースの定義を目指すとともに、将来の商用化に向けた主要技術の確保を進めていきます。サムスンは、AI-RANおよび6G分野における高度な専門知識をさらに発展させながら、今後も次世代通信技術の革新をリードしていきます」
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- ※vRAN(virtual Radio Access Network、仮想無線アクセスネットワーク)のソフトウエア構造におけるOSI参照モデル(国際標準化機構によって策定された、通信機能を7つの階層に分割して定義したもの)の物理層(第1層)のこと。
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- ソフトバンク 先端技術研究所について
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ソフトバンク 先端技術研究所は「テクノロジーの社会実装」を使命に、次世代社会インフラを支える技術のAI-RANやBeyond 5G/6Gをはじめ、通信、AI、コンピューティング、量子技術、宇宙・エネルギー分野など、さまざまな先端技術の研究開発と事業創出を推進しています。国内外の大学・研究機関との産学連携や、パートナー企業との国際的な協業を通して、グローバルなビジネスの創出と、持続可能な社会の創造に貢献していきます。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。