CSRトピックス 2009年

子どもたち自身が主体的に学ぶ 情報モラル授業プログラム「考えよう、ケータイ」

ソフトバンクモバイル株式会社では、日常生活における携帯電話やインターネットとの付き合い方について子どもたち自身が考え話し合いながら学ぶ「考えよう、ケータイ 〜情報モラル授業プログラム〜」をNPO法人企業教育研究会*と協力して実施し、学校現場での情報モラル教育支援と促進に積極的に取り組んでいます。

求められる「情報モラル」教育

ここ数年で携帯電話が子どもたちの間で急速に普及したことで、子どもたちの携帯電話利用をめぐる問題も、さまざまな形で生じています。親子間などでのコミュニケーションツールとして便利に使われる一方で、「ケータイ依存」や「個人情報の発信によるトラブル」など、さまざまな問題点が指摘されています。これらの問題を未然に防ぐためには、事業者による技術力やサービスレベル向上への努力義務はもちろんのこと、保護者や教員など、子どもたちを見守る立場にある大人たちの知識向上とともに、適正な使い方や安全性をきちんと見極めて行動する、子どもたち自身の「情報モラル」「メディアリテラシー」に関する知識を育てていくことが必要不可欠です。

しかし、インターネットや携帯電話はこの十数年で急速に発達し社会に浸透してきたため、学校や家庭での教育方法が十分に確立されている状況とはいえません。そこで、学校などの教育機関における情報モラル教育の一助となり得るよう、ソフトバンクモバイル株式会社とNPO法人企業教育研究会が協力して「考えよう、ケータイ 〜情報モラル授業プログラム〜」というプロジェクトを実施しています。本プログラムでは、「〜をしてはいけない」と一方的に知識を教え込むのではなく、ドラマ映像を見た子どもたちが自分たち自身で問題点を考え、話し合って、携帯電話やインターネットの使い方を立ち止まって振り返ることができるように構成されています。

情報モラル授業の実践事例 〜船橋市立小室中学校〜


ドラマの主人公の問題点について話し合う生徒たち
(船橋市立小室中学校)

2009年1月以降、関東1都3県の小中学校で、NPO法人企業教育研究会のスタッフによる「考えよう、ケータイ 〜情報モラル授業プログラム〜」の実践授業が開催されています。そのひとつである、千葉県の船橋市立小室中学校では、2009年1月15日、総合的な学習の授業時間の中で、2年生2学級合同の授業が行われました。

授業では、中学生である主人公が携帯電話を手にした日から、徐々にメール依存症に陥っていく過程を描いたドラマ映像を観た後、主人公の行動について「何が良くなかったのか」など、生徒がグループごとに話し合いながら紙に書き出して発表し合いました。さらに、それらの問題点において「どう解決すればよいか」「どうすればケータイとうまくつきあえるか」などについてもグループごとに話し合い、発表が行われました。授業の後半では、ブログに個人情報を載せてしまい危険にさらされる中学生の事例について、問題点と解決策の話し合いが行われました。いずれの事例も身近な問題であり、もしかすると自分が主人公と同じような立場になり得る可能性もあることから、生徒の皆さんは一生懸命に話し合っていました。

授業の翌日に担任教員が実施したアンケートでは、「今までの自分の(携帯電話の)使い方で、何か考えたことはありますか」という問いかけに対して、「夜遅くまで携帯電話を使用していたが、ほどほどにしたい」「深夜にメールをしていたが、やめようと思う」「友達にメールを送りすぎていた」といった自省の回答が見られました。また、「ブログに家族の名前を書いてしまっていたので、削除します」という生徒もいました。ドラマの登場人物の行動を客観的に見て、問題点や取るべき行動を考えることで、生徒一人ひとりが自分自身の携帯電話やインターネットとの付き合い方を冷静に見つめ直すことができたようです。また、実践授業を行ったスタッフからは、「このように、“気づき”を大切にした情報モラル授業を行っていくことで、実際の場面でもモラルを持って行動できるようになるのではないか」という声が聞かれました。

教育関係者向けセミナーを千葉市と横浜市で開催


活発な意見交換を行うセミナー参加者(2月21日、千葉会場)

千葉県千葉市と神奈川県横浜市で2009年2月21日と28日に、小・中・高等学校教育関係者に向けた「考えよう、ケータイセミナー」と題したセミナーが開催されました。両セミナーでは、本プログラムの開発に携わった千葉大学教育学部の藤川 大祐准教授による「子どもと携帯電話をめぐる問題とその指導」と題する講演に続き、千葉県富里市教育委員会の指導主事である古谷 成司氏が「考えよう、ケータイ」の模擬授業を披露。参加者の皆さんに授業の進め方を体験していただくとともに、教育現場における情報モラル教育のあり方について意見交換会を行いました。

横浜市で行われたセミナーでは、「子どもと携帯電話 〜学校、家庭、地域の現状とこれから〜」をテーマとするパネルディスカッションが行われました。横浜市の中学校教諭、横浜市PTA連絡協議会、横浜市教育委員会からそれぞれパネリストとして登壇し、情報モラル教育の現状と今後について、おのおのの立場から、取り組み状況を交えた意見が述べられました。“あれは駄目、これは駄目”と決まりを教えるだけでは子どもたちにきちんと伝わらないといった意見や、便利で楽しい道具でもある携帯電話と上手に付き合う方法を教えることが大切であるという意見も出されました。一方で、情報モラルについて考える場に保護者にも参加してもらうことが大切であるという意見も聞かれました。


パネルディスカッションの様子(2月28日、横浜会場)

両会場には、学校・地域・企業などさまざまな立場から情報モラル教育に関心や関わりを持つ方々が集い、「フィルタリングをいっそう普及させるには、販売店への教育や指導を徹底する必要があるのではないか」という意見や、「子どもたちだけが学校で学ぶのではなく、子ども、親、学校、地域が一緒に討論して考え、答えのない答えを共有し合ってこそ、真の解決方法を見出すきっかけになるのではないか」など、活発な意見交換が行われました。

ソフトバンクモバイルでは、今後も教育関係者、保護者、地域の皆様方との意見交換や協働を通して、子どもたちが健やかに育つ社会を築くための活動に継続的に取り組んでまいります。

考えよう、ケータイ 〜情報モラル授業プログラム〜

「考えよう、ケータイ」DVD付き指導案冊子

NPO法人企業教育研究会とソフトバンクモバイル株式会社では、「考えよう、ケータイ 〜情報モラル授業プログラム〜」のDVD付き指導案冊子を学校関係者の方を対象に無料で配布しています。詳しくは、「考えよう、ケータイ 〜情報モラル授業プログラム〜」ホームページをご覧ください。

(掲載日:2009年3月12日)

[注]
  • *NPO法人企業教育研究会は、学校現場と企業をつなぎ、環境問題、国際協力、メディアリテラシーなどの新時代にふさわしい授業の実践と教材の開発に取り組んでいる団体です。
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。