CSRトピックス 2009年

環境技術と環境経営のビジネス情報サイト「環境メディア」

IT関連の情報やサービスを提供するWEBサイトを運営するアイティメディア株式会社は、2009年3月、環境ビジネス分野に特化した情報をインターネット上で提供する「環境メディア」を開設しました。月間約1,000万人の読者を有するIT総合情報ポータル「ITmedia」の運営を通じて蓄積してきたノウハウを生かし、環境分野への本格的な取り組みを開始しました。今回は、同社 代表取締役社長 大槻 利樹に、「環境メディア」設立の背景とビジョンについてインタビューしました。

社会基盤としての環境情報を提供する「環境メディア」

インタビュアー:
これまでITに関する専門メディアを事業としてきたアイティメディアが、「環境」をテーマとするサイトを開設した背景には、どのような目的があるのでしょうか。
大槻:

当社はこれまで、メディア企業として、ITの発展を伝えてきました。ITが発達したのは、ここ25年のことです。この四半世紀の間に、産業や生活に大きな影響を及ぼすITという産業が生まれたのです。世の中の産業がITを経営の中に取り入れる、そういう時代であったと思います。これからの四半世紀は、「環境」を経営や産業に取り入れていく時代になるでしょう。そんな時代に、メディア企業として、世の中のために役立つことは幸せだと思います。

「地球の掟 —文明と環境のバランスを求めて—」(原題“Earth in the Balance”)で、いち早く環境問題への警鐘を鳴らし、現在は環境問題の第一人者として知られる米国の元副大統領アル・ゴア氏は、実はITに関する壮大なビジョンである「情報スーパーハイウェイ」という構想を打ち出し、早くから全米へのITインフラの整備を唱えていました。このように、次の時代の流れを捉える能力に長けたアル・ゴア氏が、現在は環境というテーマに取り組んでいるということを考えても、これからは環境を産業や政策に取り入れていく時代になるという確信をいっそう強くしています。

環境というテーマへの対応が企業にとって重要なのは、次の3つの観点からです。まず、企業への尊敬や支持、およびレピュテーション(評価)に対し、環境という要素が深く関わっているということ。次に、環境への取り組みが生産性や経営の効率性の向上につながる部分があるということ。そして最後が、ビジネスとしての環境分野です。私はこれらのうちで、3つ目の「ビジネスとしての環境」が極めて重要になってくると考えています。ITは米国から始まりましたが、環境は、日本から世界へ発信できる可能性を秘めた分野です。生産性の向上、コストダウン、技術革新の3つの面でも世界に秀でた実績を持つ日本は、環境技術を世界へ輸出していく国になる力を持っています。

では、企業は環境という要素を経営にどのように取り込んでいくのか。まず、環境分野について十分な情報を得て理解することと、理解するためのナレッジ(知識)を得ることが必要です。環境に関わる企業や技術において、世界に誇れるものが日本にはたくさんありますが、具体的にそれらを知ることは難しく、調べようにも十分な情報がありません。理解するために説明が必要とされる複雑な事柄こそ、ITが役立ちます。まさに「環境」というテーマがそれに当たります。当社が開設した環境ポータルサイト「環境メディア」は、社会基盤としての環境情報、つまり、ナレッジを提供することを目指しています。

環境情報を体系化した「環境カテゴリ」

インタビュアー:
「環境メディア」で実現を目指す“社会基盤としての環境情報”は、どのような内容でしょうか。
大槻:

「環境メディア」が目指しているのは、環境に関わる製品や企業のディレクトリ(体系化)です。一口に「環境」と言っても、エネルギーや水、大気をはじめ、その内容は多岐にわたり、人によって思い浮かべるものが異なります。そこで「環境メディア」では、環境をひとつの産業分野として捉え、環境に関する情報の体系化を行っています。

それを最も具現化しているのが、企業や製品などの環境情報を環境産業の領域別に体系化した「環境カテゴリ(http://kankyomedia.jp/dir/)」のページです。ここでは、環境戦略/エネルギー/ITインフラ/リサイクル/素材/交通・物流/建設・建材/水・土壌/大気/環境サービスなどのカテゴリ別に、1,650社(2009年10月末時点)を超える企業の環境産業情報が集約されています。このページへのアクセス数が、「環境メディア」のトップページのアクセス数を上回っていることから、読者のニーズの高さがうかがえます。

なぜ、「環境メディア」は情報の体系化にこだわるのか。それは、環境に関して専門的な知識を持っていない人の場合、必要な情報を得ていただくためには、記事の掲載だけでは不十分だからです。情報の全体像を整理できてこそ、どこの何の情報を必要としているのかが見えてきます。環境情報を体系化してナレッジとして集約していくことで、環境分野を産業として定義していきたい。そのことによって、環境分野がビジネスとしていっそう確立されていくはずです。

インタビュアー:
「環境メディア」が、環境情報を扱う他のWEBサイトと異なる点を教えてください。
大槻:

環境をテーマとして扱うWEBサイトは、既存のものがいくつかありますが、いずれも一般的なビジネスパーソンや消費者が、環境についての知識を得るものとなっています。それに対して、「環境メディア」は、環境分野にビジネスとして携わる経営者や経営企画部門などを対象としているマーケットプレイスです。したがって、マッチングが行われる場を確実に提供していくために、「ビジネスとしての環境」に携わる方のみに、会員としてご登録していただく仕組みを取り入れています。

「環境メディア」がスタートして約半年。第一歩を踏み出したばかりですが、おかげさまで月間ページビューは、15万件を突破しました。経営者や投資家の方々に認知していただけるようになり、大手グローバル企業の元CEOの方からは、賛同の声をいただきました。1,000万人を超える読者と月間1億ページビューを誇る「ITmedia」が、IT産業のメディアであるのと同様に、「環境メディア」を環境産業に携わる人々のメディアとして成長させていきたいと思っています。多くの企業が情報交換や取引を行う環境産業のマーケットプレイスとして、また産業としての「環境」に関する記事や広告、マーケティング情報が飛び交う場として、No.1の「環境ポータルサイト」を目指してまいります。

「環境メディア」について

ビジネスで環境分野に携わる企業のマネジメント層やエンジニアなどを対象に、「環境経営」「環境技術」「環境ビジネス」の3つのテーマで専門的なコンテンツを提供するWEBサイト。国内外の環境関連ニュース速報のほか、企業から発信される環境製品・サービス情報、専門機関の執筆陣による記事、企業向けのイベント情報などを提供しています。また、環境に配慮した先進的な取り組みを積極的に紹介し、企業の環境対策の啓発・普及を行うとともに、二酸化炭素排出削減や化学物質対策といった、環境経営において企業が抱えるさまざまな課題に対するソリューション情報を提供しています。同サイト上で無料の会員登録を行うと、ニュース記事やメールマガジンなどの会員限定コンテンツを、閲覧することができます。

アイティメディア株式会社について

IT関連分野を中心とした情報やサービスを提供する、インターネット専業のメディア企業。月間約1,000万人のユニークユーザを擁し、IT総合情報ポータル「ITmedia」、ITエキスパートのための問題解決メディア「@IT(アットマーク・アイティ)」をはじめ、ターゲット別に数多くのWEBサイトを運営。ITとその隣接領域を中心に、各分野の専門的なコンテンツを提供しています。

(掲載日:2009年11月20日)

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