CSRトピックス 2010年

取捨選択のための知識を提供し、クルマ社会の進化を支える「greencarview」

2009年11月、株式会社カービューは、エコカーをテーマにクルマと社会を考える総合情報サイト「greencarview(グリーンカービュー)」を開設しました。 今回は、新車・中古車の総合情報サイト「carview.co.jp」の編集長であり、「greencarview」の仕掛け人でもある株式会社カービューの執行役員 編集長 加藤 拓人にインタビューしました。

これからのクルマ社会を考えるための中立的なメディアとして

インタビュアー:
新車・中古車の総合情報サイト「carview.co.jp」に加えて、「greencarview」という新たなサイトをスタートさせた背景についてお聞かせください。
加藤:

「テクノロジーを活用して、企業や消費者とクルマに関するさまざまな情報を共有し、夢のあるカーライフを提案する」。これが、当社の経営理念です。一口にクルマと言っても、軽自動車から輸入車まで、多種多様な選択肢があります。どれを買っても一定の品質と性能はありますから、「失敗だった」ということはまずありません。どのクルマを買っても損しない状況の中で、どれを買うかを決めるのはたやすいことではありません。そこで、新車情報などを提供して、クルマを取捨選択するのをお手伝いしているのが新車・中古車の総合情報サイト「carview.co.jp」です。

それに対して、「greencarview」は、「クルマ社会はどうなっていくのか」をテーマにした、社会性のあるメディアです。2009年11月11日、ちょうど当社の10周年にあたる節目の日にオープンしました。このサイトを作った背景のひとつには、環境意識の高まりがあります。さらに、2009年のいわゆるリーマンショック以降、消費者の節約意識が強まり、“バリュー・フォー・マネー”(金額に見合う価値を求めること)が厳しく問われるようになった結果、燃費のよいエコカーへの注目が高まりました。そんな時代だからこそ、これからのクルマ社会を考えるための情報を集めたメディアが必要だ、ほかがやっていないなら我々がやろう、と考えました。

インタビュアー:
「greencarview」は、具体的にはどのようなサイトですか。
加藤:

環境、社会、新技術について客観性を持って伝えていくのが「greencarview」です。エコロジー関連のニュースはもちろんのこと、エコカーについての特集や、試乗レポートを掲載しています。中立的なジャーナリズムとして、技術者、モータージャーナリスト、評論家などの識者や、一般のユーザの多様な意見を集めています。日本は環境技術に強いとよく言われますが、環境技術や環境用語について知っている人は、そう多くはないでしょう。世の中であまり知られていない背景技術も踏まえて、環境関連のキーワードを解説する「エコ用語」は、自動車業界で最高レベルのものだと自負しています。「greencarview」を通して、我々が買うべきクルマは何か、我々が作っていくべきクルマ社会とはどんなものかといったことについて、人々のリテラシーを高めていきたいと思っています。

クルマ社会の正しい進化を実現するために

インタビュアー:
クルマ社会のあるべき姿を求めて人々のリテラシーを高めていく上で、「greencarview」はどのような役割を果たしていけるとお考えでしょうか。
加藤:

原油高が続き、埋蔵量や環境への影響など、化石燃料の限界が見えてきています。電気自動車やハイブリッドなど、さまざまな環境技術の開発が進んでいますが、「これだ」というひとつの答えは定まっていません。何が次世代のメインストリームとして生き残るのか、今は混沌とした状態にあります。エコカーは今、進化と淘汰の過程において、最初の段階にあるのです。効率のよい社会を作ること、性能のよい動力を作ることがエコロジーだとすれば、「持続可能なモビリティ」*1を担う社会インフラになるのは、一体どの技術なのでしょうか。次世代エコカーの行き着く先はどこなのでしょうか。その答えを「greencarview」で示していきたいと思っています。

「クルマはすべて電気自動車になる」というようなプロパガンダが蔓延していますが、それが唯一の答えではありません。テレビや新聞でひとつの観点に偏った報道が行われてしまうと、取捨選択の判断はゆがめられてしまいます。エコカー減税も同じことです。エコカー減税は、重量がある割に燃費がよければ減税の対象になる仕組みであるため、メーカーの中には、わざわざ装備をつけて車体を重量化し、減税対象車にするケースがないとは言えません。これは、社会的矛盾と言えます。
クルマ社会が間違った進化を遂げないようにするためにも、我々ユーザ自身が、正しい取捨選択をするための知識を持たなければなりません。そのために必要な情報は、新聞などの一般メディアにはほとんど載っていません。そこを担うのが「greencarview」だと考えています。「greencarview」を読んで、テレビや新聞で言われていることは果たして本当なのか、と消費者が賢く疑うことができるようになってほしいと願っています。

自動車メーカーや読者へ広がる反響

インタビュアー:
「greencarview」開設から約4ヵ月が経ちました。これまでの手応えと、今後の展望についてお聞かせください。
加藤:

エコロジーは、企業のポリシーに関わる奥深いテーマです。たとえば、メルセデス・ベンツは、環境テクノロジーを全面に打ち出した“BLUE EFFICIENCY(ブルーエフィシェンシー)”というコンセプトを、「greencarview」のサイトにおいて一般消費者へ訴求しようとしています。また、自社の工場で取り組んでいる環境負荷の削減について、「greencarview」を通して知らせていこうとする自動車メーカーも出てきています。「エコ」という無形の概念に触れざるを得ない社会が現実になっていることを感じています。

おかげさまで「greencarview」の読者数は、徐々に増えてきました。現時点では専門的な記事が中心ですが、今後は一般の方々にも読みやすい記事作りを心がけていきたいと思います。例えば、エコロジー関連の質問を募集して回答するなど、読者の皆さんに参加していただける企画も検討していきます。また、“燃費コンテスト”のようなものを実施し、それによって読者の自動車の燃費が向上するような取り組みができると面白いと思っています。「greencarview」の今後の発展にご期待ください。

(掲載日:2010年3月17日)

[注]
  • *1人間的および環境的価値を犠牲にすることなく自由に移動、アクセス、取り引きし、関係を確立することに対する、社会的ニーズを満たす能力のこと(社団法人 日本自動車工業会による定義)。
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。