CSRトピックス 2012年

局所空調システムを日本で初めて全面導入し、
データセンターの電力を削減

ソフトバンクテレコム株式会社(以下「ソフトバンクテレコム」)は、空調電力使用量軽減のため、既存のデータセンター内にあるサーバー室に局所空調システムを採用し、エネルギー効率の高いデータセンターを実現しました。データセンターにおける局所空調システムの全面導入は、日本国内初となる取り組みです。同システムの特長や効果について、ソフトバンクテレコム 情報システム本部 システム基盤統括部 ITプラットフォーム部の近藤 弘にインタビューしました。

省電力で高エネルギー効率、停電対策も万全

今回導入された局所空調システムとは、どのようなものなのでしょうか。

近藤:局所空調システムとは、データセンター内にあるサーバー室に、サーバーからの排熱を閉じ込め、この排熱部分だけを冷やす仕組みです。通常、床置空調機を使用するところを、今回の局所空調システムでは天吊型を採用し、クラウド全盛期に合った高密度、高集積サーバーの稼働とエネルギーの効率化を実現しています。

また、昨年懸念された電力不足による計画停電など、有事の際の自家発電運転を想定して、熱源機器に冷水を供給する冷水タンクと、局所空調用のUPS(無停電電源装置)を配備。より確実な停電対策を実施しています。これら2つの対策について、少し解説します。
まず熱源機器の冷水タンクについて説明しますと、熱源機器での冷却は、冷水を循環させて行っています。この循環冷水の冷却は、停電時でも継続して稼動させておかなければなりません。そこで、復電後、熱源機器が安定的に冷却稼動するようになるまでの間に必要な低温冷水約40トンを貯蔵するタンクを確保し、冷却が安定稼働するまでは、タンクの冷熱源を使って冷却できるようにしました。また、サーバー室側では、局所空調システム専用のUPS(無停電電源装置)を導入し空調電源を確保しました。停電後、発電機が熱源機器の冷水循環ポンプに給電を開始するまでには、最大で2分かかり、その間は冷水循環による冷却ができません。その対策として、冷却された冷媒(液)を冷水循環ポンプ稼働までの時間分、貯めておく冷媒貯蔵タンク(液タンク)を設計・導入し、サーバー室単独でも冷却性能を維持できる万全の停電対応策を作りあげました。

局所空調システムの導入により、実際どのような効果が生まれているのでしょうか。

近藤:局所空調システムをサーバーラック上部の天井から吊るすことで、サーバーラックからの発熱をラックに近い位置で冷却できるようになりました。これにより、必要最小限の循環風量でサーバーを冷却することが可能となったほか、室内全体を冷却する従来のシステムとは異なり、ファン動力が大幅に削減できるため、高いエネルギー効率が得られています。このほか、設備の冷却面では、コンプレッサーなどの動力源なしに冷媒を自然循環させる「冷媒自然循環方式」、冬季・夜間は外気から冷水を製造する「フリークーリング」を採用したことで、空調電力使用量を従来比で60%削減できました。さらに、データセンターのエネルギー効率を示す指標「PUE」(Power Usage Effectiveness)も大きく改善され、一般的なデータセンターのPUE値が平均で2.0と言われている中で、当データセンターは、1.3以下を達成する見通しがついています。

ソフトバンクグループ全体で省エネルギー活動を推進

局所空調システムを導入した経緯を教えてください。

近藤:ソフトバンクテレコムの情報システム本部では、これから企業の情報システムがクラウド全盛期に突入するにあたり、所有するデータセンターで使用するエネルギーを効率化すべく、2010年より実現可能な技術の検討や、その技術を導入できるデータセンターの選定に取り組んできました。この活動の一環として、今回局所空調システムを導入するに至りました。

今後の課題や取り組みについて教えてください。

近藤:電力不足による計画停電など、安定的な電力供給が困難になる可能性が高まっています。以前から実施してきた地球環境への配慮と併せて、使用電力の削減が急務となっており、ソフトバンクグループ通信3社(ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム)を挙げて対応を続けています。今回の局所空調システム導入だけではなく、次なる電力削減への努力を継続していきたいと考えています。

また、2009年に開始したサーバー室の省エネルギー活動も引き続き行っていきます。私たちは、このような省エネルギー・節電活動への取り組みを積極的に社内各部門と共有し、グループ通信3社に波及させるよう、今後も各方面からのご指導やご支援をいただきながら、真摯に取り組んでいきます。

(掲載日:2012年4月20日)

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