経営陣ファイル 2006年

[Yahoo! BB特集]インターネットの優位性・利便性を理解していただくことが
ブロードバンド推進の鍵

ソフトバンクBB株式会社 常務取締役 兼 情報セキュリティ管理責任者(CISO)
阿多 親市(あた しんいち)

2001年9月の商用サービス開始から5年、Yahoo! BB ADSL接続回線数が500万を超えた。「まだまだブロードバンドは普及していく」。ソフトバンクBB株式会社で情報システム・カスタマーリレーションを統括する阿多親市常務取締役に、お客様に対する思いと、情報セキュリティ、今後のブロードバンド事業の方向性を聞いた。

略歴:
1958年生まれ。82年アイワ株式会社入社。87年マイクロソフト株式会社入社。広報宣伝課、マーケティング部、営業統括部などを経て、98年常務取締役、2000年代表取締役社長に就任。2003年ソフトバンクBB株式会社入社。現在、常務取締役、情報セキュリティ管理責任者(CISO)を兼任。

国内最多のユーザー数を抱えるYahoo! BB ADSL

2001年に商用サービスを開始してから5年間。たくさんのお客様にサービスを評価された結果、ADSLの接続回線数が500万回線を超えました。事業としてひとつの大きなターニングポイントではありますが、まだまだ途中過程だと思っています。

日本のブロードバンド普及率は、まだインターネット人口の50パーセントにも満たない状態です。一般的に、電話や洗濯機等の日常電化製品の普及率が50パーセントから80パーセントに達する時間はごく短期間です。認知度が一気に高まり、人々に製品を使う便利さ、有利さが理解されるからです。
ところがインターネット普及率は現在の50パーセントに至るまでは順調に伸びてきましたが、昨今伸び率が鈍化してきています。パソコン普及率が日本の全世帯数の約80パーセントという数値を考慮すると、この鈍化の大きな理由のひとつとして、ブロードバンドの必要性を感じていない人が多数存在するということが挙げられます。

今後のインターネット普及率は、ブロードバンドの上に乗せるものによって広がりを見せていくことでしょう。現在、ソフトバンクグループでは様々なコンテンツやポータルサイトを提供しています。

直近で発表しましたTV Bank・Yahoo!動画や競馬組合との提携による競馬ポータルサイト・映像配信サービス(2006年4月1日よりサービス提供開始予定)は、コンテンツ・ポータルサイト双方の役割を果たし、インターネットを通じて放送・映画の視聴や、コミュニティへの参加が可能です。また携帯事業参入の認可もいただきました。通常の固定電話のサービスに加え、新しい生活スタイルの提案を展開していくことができることでしょう。

今後は、ブロードバンドの良さ、便利さをまだ体験していない方に向けて、どうアプローチしていくかが重要になってきます。市場の飽和が言われていますが、インターネットはまだまだ普及していく、ですから事業者としてさらに努力していきたいと思っています。

お客様とのリレーションを維持するために

サービスの規模が大きくなるに従い、セキュリティ面での責任が重くなるのは当然のことです。大事なことは、過去の情報セキュリティ面での反省点を絶対に忘れず、ありとあらゆる対策を漏れなく、しかも継続的に適用し続けていくこと。そして、その監視・監査を徹底することです。

現在、ソフトバンクBBでは様々な施策が実施されています。本部ごとに行われる自主監査はもちろん、細かく制定された規則の下、全てのアクセスログが監視され、違反についてのフォローも漏れなく行われていますし、私自身、週・日単位でレポートされる内容はすべて把握しています。

セキュリティの強化を図る上で非常に重要なのは、会社としての組織力です。社員ひとりひとりがそれぞれ対応することに加えて、組織として相互に監視し合い、効率的に対策を講じていくことができるからです。

また、月次で顧客満足度調査を実施しており、現在、当社のサポートセンターに寄せられる1日約3万件のお問い合わせの中で、約7パーセントの方にご回答いただいております。結果は全てリスト化され、改善事項については現場対応のものと、管理対応のものに分けられます。このリストは問題が解決・改善されるまで消されることはなく、実行が徹底されます。
少しでもお客様がご不満に思われる点は、繰り返してはならないですから、お叱りやご意見がなくなることを目指して取り組んでいきたいですね。

ビジネスにおいて最も大切なことは誠実さだと思っています。これは全ての人間関係の前提です。誠実さがあるからこそ関係が継続し、お互いに利益を享受し合える好循環へとつながっていく。先行投資したものが回収でき、互いの存在意義を高めあっていける。

だから私は、「今」という点ではなく、「継続的」にお客様との関係をどう向上させることができるかということを考え続けていきたいと思っています。各プロジェクトを担当するメンバーとも、この点を徹底して共有し続けていくことが、セキュリティをより強固なものにしていくために必要なポイントだと考えています。

ブロードバンドはリアリティのあるビジネス

私がソフトバンクに入社した2003年当時、「21世紀はITによってヒトとヒトとの距離が縮まる」と言われており、各調査機関やメディアでも、数年後にはブロードバンド市場が爆発的に成長するという予測記事が主流でした。しかしその頃のサービスの実情といえば、非常に高いインターネットの接続料金に、魅力に乏しいコンテンツサービスと、私自身、このままではブロードバンド普及の可能性は非常に低いと見ていました。

そんな中で、ブロードバンドの普及を全力で実現しようとしているのが孫社長でした。大きな投資を行い、料金を下げ、誰もが驚く独自のマーケティング手法で市場を開拓し、創業以来の企業理念であるデジタル情報革命の普及に真剣に取り組んでいました。そこに大きな可能性を感じ、同時に深い感銘を受けて、この事業をお手伝いしようと決めたのです。

立ち上げ当時は様々な問題も指摘されましたが、日本でブロードバンドがここまで普及したのは、やはりソフトバンクが行ってきたことに大きく基因すると思っています。

現在、ひとつの大きなマイルストーンを越えたADSL事業ですが、総合通信事業者としての大きな戦略のもと、取り組むべき目標や課題は様々にありますし、お客様に選択されなければビジネスとして成り立たないことを忘れてはいけない。

今後も、利便性の高い安全なサービスをすべてのお客様に安心してご利用いただけるよう、そしてその結果、さらに多くの新しいお客様にサービスをお使いいただけるよう、全力で推進していきたいと思います。

(掲載日:2006年2月17日)

  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。