経営陣ファイル 2006年

データセンター事業で日本一を目指す

ソフトバンクIDC株式会社 代表取締役社長
真藤 豊(しんとう ゆたか)

ブロードバンドが普及するにつれ、データセンターの需要も増してくる。ソフトバンクグループの発展を支えるデータセンター事業を大きく躍進させた真藤取締役に、データセンター事業の概要と今後の可能性、ビジョンについて聞いた。

略歴:
三井物産で自動車、鉄道システム、通信機器の輸出などを歴任。この間、マサチューセッツ工科大学(MIT)の経営大学院修士課程修了。米国三井物産駐在を経て、衛星事業の立ち上げに関与。96年には、スカイパーフェクトTV常務として事業立ち上げに中心的役割を果たす。99年にソフトバンク移籍、05年より現職に就任。

データセンター事業はブロードバンド事業と不可分の関係

データセンターの基本的な役割は、お客様のサーバをお預かりして、24時間365日、運用・管理・保守を行うことです。

ソフトバンクグループのようにブロードバンド事業を推進するためには、非常に多くの情報を効率的に処理する必要があり、多角的に進展すればするほど、そのためのサーバの需要が増えていきます。例えば、いま非常に勢いのあるGoogleも、昨年1年間だけで、使用するサーバの量が250%も増えたそうです。インターネットの発展と、データセンタ事業は密接不可分な関係にあります。

いま全世界で使われているサーバは約4,000万台と言われていますが、これが5年先には天文学的数字になるかもしれません。

また、本当の意味でブロードバンドの時代に入り、ユビキタスな環境となっていくのは、これからです。例えばソフトバンクグループが推進するTV Bankやこれから始まる携帯電話事業は、様々な映像コンテンツをご利用いただける形となりますが、こういった動画コンテンツは、それ自体が相当な情報量を持っています。これらをライブラリーやアーカイブのような形で、いかに効率的に蓄積し、必要に応じて配信できるようにするか。それだけでも膨大な量の情報処理が必要になります。

データセンターというのはビジネスのバックエンドを支える地味な存在ですが、これから3年、5年というスパンの中で役割はますます重要になり、概念も劇的に変わってくるのではないかと考えています。

ソフトバンクグループの事業の礎として

ソフトバンクIDCは、昨年5月に現在の会社の体制になりましたが、私は社長就任にあたり、3つの基本理念を掲げました。まず最初に「質・量ともに日本一のデータセンターを目指す」、そして「ソフトバンクのブロードバンド事業の成功をフルサポートする」、最後に「ビジネスとしてきっちり数字を出し、黒字化していく」。この3点をお約束してC&W IDCのデータセンター部分を引き継ぎました。

徹底したコスト見直しと業務運営の効率化の結果、今期は、運用する全国9ヶ所すべてのセンターで黒字化を見込めるまでになりました。

今後は利益の追求だけでなく、ソフトバンクグループのブロードバンド事業推進の縁の下の力持ちとして、将来の新たな需要に対応できる、新しいデータセンターの体制を作っていかなければならないと思っています。

新しいステージに向けてデータセンターの高度化を推進

いま、新宿データセンターの大改修をはじめとする、各拠点の拡張・高度化プロジェクトを進めています。新宿データセンターは、新宿御苑の目の前という非常に良い立地に加え、ビル自体がもともとコンピュータセンターとして作られたため、たいへん堅牢にできています。しかし、その貴重な資産が昨年まで十分に活かしきれていなかった。

私はデータセンター事業をやるとなった時点で、何としてもこのビルを全面的に直すと宣言しました。改修は、受電設備と空調設備工事が3月いっぱいで完了、夏までにはお客様のシステムを収容するハウジングルームを拡張し、この新宿データセンターをお客様にフルにお使いいただけるようにする予定です。

また、新宿のほかに有明、新川、虎ノ門、大阪等、全国で合計9ヶ所のデータセンターを運用していますが、これらのデータセンターを独自の大容量ネットワークで結ぶプロジェクトも進行しています。これは、ソフトバンクグループが持つバックボーンの上に当社の独自ネットワークを構築するものです。これが完成すれば、例えば、物理的には新宿、有明にサーバ等が分散していても、あたかも1ヶ所のデータセンターを利用しているように、物理的な制約を越えた拡張が可能となる。あるいは、ストレージの負荷分散やバックアップ機能の向上、災害時の事業継続対策など、データセンターの利用が非常に高度化します。

今春からは新しいステージに入って、多様化するお客様のニーズに合ったサービスを最大限ご提供できる体制が整うと同時に、これからのソフトバンクグループの事業推進をバックエンドから強固に支える環境が整うことになります。

(掲載日:2006年3月30日)

  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。