経営陣ファイル 2007年

インターネットを通じ、地方競馬活性化に貢献を

ソフトバンク・プレイヤーズ株式会社 代表取締役社長
藤井 宏明(ふじい ひろあき)

昨年末、帯広のばんえい競馬支援を発表して注目を集めたソフトバンク・プレイヤーズ株式会社。2005年に設立され、インターネットを通じた地方競馬の勝馬投票券販売など各種サービスの提供を行っています。今回は代表取締役社長を務める藤井が、就任までの経緯や、地方競馬総合サービスサイト「オッズパーク」について、そして今後の展望を語りました。

略歴:
1994年東日本旅客鉄道(株)入社。2001年朝日アーサーアンダーセン(株)(現ベリングポイント)入社。同年日本テレコム(株)(現ソフトバンクテレコム)入社。2004年ソフトバンクBB(株)出向。2005年10月ソフトバンク・プレイヤーズ(株) 代表取締役社長(現任)。同年12月オッズ・パーク(株) 代表取締役社長(現任)。オッズ・パーク・オペレーションズ(株)取締役(現任)。
インタビュアー:
山内 貴久美(やまうち きくみ) ソフトバンク(株)広報室顧問・フリーアナウンサー

鉄道会社で様々な新規事業立上げを経験

山内:
これまでのご経歴について伺えますか。
藤井:
大学卒業後、鉄道会社に就職し、鉄道事業本部で車輪や台車などいわゆる“足回り”と呼ばれる部分を管理する仕事からスタートしました。その後、現場の画像を伝送することによって、本社・支社に事故状況を伝える仕組みをつくるプロジェクトに携わりました。当時、トラブルが発生しても、その情報が本社をはじめ各拠点に伝わりにくい状況がありましたので、その改善が目的でした。実際、その直後に発生した大事故でこの画像伝送が活用され、それをきっかけに「鉄道会社もITを活用していかなければいけない時期にきた」という社内の意識にもつながっていったと思います。その後は事業創造本部という部署に異動し、インターネットサイト「えきねっと」を立ち上げました。その他にも様々な新規事業を手掛けましたが、どれも非常に勉強になりましたね。
山内:
その後のキャリアについてはいかがでしょう。
藤井:
勤めていたのが大企業でしたので、「会社のブランドで仕事をしている限り、自分の本当の実力はわからない。一度、看板をはずしたい。」と思い、コンサルティング企業に転職しました。その後さらに日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)に転職し、KDDI、日本テレコム、NEC、松下電器4社の ISP(Internet Service Provider)連合が立ち上げた「メガコンソーシアム」に携わりました。2004年に日本テレコムがソフトバンクグループに加わりましたので、ソフトバンクBBがエンドユーザー向けのコンテンツビジネスを立ち上げる際にメンバーの一員として参加し、その後ソフトバンク・プレイヤーズ代表取締役社長に就任しました。

インターネットを活用したレジャーサービスの提供

山内:
ソフトバンク・プレイヤーズの業務内容について教えていただけますか。
藤井:
インターネットレジャーサービスに関する調査、企画、情報の提供、投票券の発売などを行っています。スタート当初は岩手競馬との提携事業を中心に運営していましたが、2005年末に日本レーシングサービスが運営していた在宅投票システム「D-net」に関する事業を新設分割して別法人とした、オッズ・パーク株式会社を買収しました。「D-net」はもともと「地方競馬共同在宅投票」と呼ばれ、地方競馬全主催者の勝馬投票券(馬券)を発売していました。これにインターネット動画サービス「TV Bank」におけるレースのライブ配信などを加え、Yahoo! JAPANとの連携も充実させながら、新たなサービスとして立ち上げたのが地方競馬総合サービスサイト「オッズパーク」です。現在、日本の地方競馬には16の主催者が存在していますが、オッズパークは11、D-netは12地方競馬の全レースの馬券が購入できるほか、GI?IIIといった格がついた中央競馬との交流戦であるダートグレード競走は全地方競馬を網羅しています。今年度のオッズパークの売上は関係者の予想を上回る伸びを見せており、今後はこの2つのサイトを統合することも視野に入れています。現在、地方競馬の勝馬投票券販売のネット比率は10%に達していません。 JRAは50%弱ですから、今後、30?40%に比率が高まり、我々のビジネスの売上が3倍、4倍と増える可能性があります。

ばんえい競馬の魅力をもっと開花させたい

山内:
先日発表があった、帯広のばんえい競馬支援で注目を浴びていますね。
藤井:
ばんえい競馬は馬に騎手が乗るのではなく、騎手が乗ったそりを馬が引くという点で異色の競技であり、独特の魅力があります。北海道遺産としての文化的価値と、ばんえい競馬を愛するたくさんのファンの存在があり、支援を決意しました。我々も、ばんえい競馬のコンテンツとしてのポテンシャルを、まだ完全には発掘しきっていません。今後はその魅力をもっと開花させていきたいです。もちろん我々の得意分野であるインターネットを使ってビジネスの側面から盛り上げていくのはもちろんですが、それですべてが成り立つわけではありません。いろいろな方のアイデアを取り入れながら、「全員参加型」の新しいばんえい競馬を創り上げていきたいと思っています。ネットの売上はここ1ヶ月で伸びていますし、今後には期待を持っています。それにしても、これほど注目されるとは予想外でしたね。それだけ多くの方の期待を背負っているということですから、気をひきしめてやっていきたいと思っています。ソフトバンクグループとしても、今後企業としてさらに成長するため、様々な形で社会に貢献していく必要があると思います。目先のことだけではなく、中長期的な視点で事業を考えていくことが大事です。ばんえい競馬支援がその一つの事例になれるように頑張っていきたいですね。

(掲載日:2007年2月23日)

  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。