経営陣ファイル 2007年

すべての答えは現場にあるお客様の立場から創り出す新たなニーズ

ソフトバンクモバイル株式会社 常務業務執行役員 マーケティング本部長
後藤 誠二(ごとう せいじ)

3月度の好感度調査で企業別・銘柄別共に総合1位となったソフトバンクモバイルのTVCM。世界初の20色というカラーバリエーションで展開する「PANTONE®ケータイ」など、新しいプロダクト・サービス戦略のアプローチが注目される中、ソフトバンクのマーケティング戦略は常に「現場」から答えを導き出すというスタンスをとっている。今後の展開について、同社常務業務執行役員 マーケティング本部長を務める後藤が語りました。

略歴:
1982年4月日産自動車(株)入社。同年6月日本ソフトバンク(株)(現ソフトバンク(株))へ転じ、1998年7月ソフト・ネットワーク営業部ネットワーク事業推進部長 兼 NI営業部長、1999年10月ソフトバンク・コマース(株)(現ソフトバンクBB(株))ソリューションマーケティング本部執行役員本部長、2001年 1月同取締役エンタープライズ・ソリューション事業統括を務める。2001年2月ディーコープ(株)に取締役として就任、2003年9月代表取締役副社長、2004年2月代表取締役社長。2005年10月日本テレコム(株)執行役員営業副統括。2006年4月執行役員流通営業本部長。2006年10月ソフトバンクモバイル(株)常務業務執行役員マーケティング本部長として、ソフトバンクの携帯サービスのマーケティングを統括。

現場から新しいマーケットを創造

インタビュアー:
ソフトバンクモバイルのマーケティングを担当されるまでは、どのようなお仕事をされていらっしゃったのでしょうか。
後藤:
ソフトバンクに入社したのは1982年ですが、それ以来、新規事業の企画、マーケティング、営業を主に担当してきました。転機となったのはソフトバンクがネットワーク事業へ進出したことです。その事業が急成長し、ソフトウェアの流通事業からからネットワークを含めたソリューションプロバイダーに転換しましたので、会社としても非常に大きな出来事だったと思います。2001年には、グループ内でディーコープという間接経費削減のコンサルティング会社をゼロから立ち上げ、大企業を中心に顧客とサプライヤを開拓しました。このときは様々な業界の方たちと知り合うことができ、最も学ぶことが多かった時期ですね。その後、2005年から日本テレコム(現・ソフトバンクテレコム)で法人営業を担当しました。昨年10月からはソフトバンクモバイルでマーケティングを統括しています。
インタビュアー:
携帯サービスのマーケティング戦略と今後の方針について、お考えをお聞かせください。
後藤:
ソフトバンクの戦略として一貫しているのは、既存のマーケットシェアを奪い合うのではなく、新しいニーズを持った市場を創り、その中で我々のアイデンティティを強く確立していくこと。マーケティングには「マーケット・イン」「プロダクト・アウト」という考え方がありますが、前者はニーズが先にある状態、後者は「こういうものがあったらいいな」という新たなニーズを創りだすことです。ソフトバンクは後者の考え方で、常に新しいマーケットを創造してきました。
その際に重要なのは、お客様やパートナー企業の立場に立ったビジネスを意識する、いわば「気配り」を常に持つことです。いつも私は「すべての答えは現場にある」と考えていますが、本当のニーズを発掘するためには、現場で何が起こっているのかを常に把握することが必要だと考えています。
また、我々は今まで社内外のパートナー企業との“コラボレーション”を大切にしてきました。どのユーザー層をターゲットにして、どう展開していくのか、最高のプロダクト・サービス実現のために、構想段階からパートナー企業と我々の開発陣とが一緒に考え、積極的なアイディアを出していただいています。

これからはプロダクトの価値を具体的に伝える段階

インタビュアー:
ブランド戦略についてはいかがでしょうか。
後藤:
企業とプロダクトの両面からブランディングを考えています。
キーワードは「スタイリッシュでクール」、そしてメッセージは「いつでもどこでもライフスタイルをサポートする」を軸にマス広告を展開した結果、3月度の TV CM好感度調査では企業別*1・銘柄別*2どちらも総合1位になりました。作品別*3では5位にキャメロン・ディアスの「PANTONERケータイ」編、 9位に「予想外犬」編がランクインしています。
これまでは企業イメージづくりにフォーカスした部分も大きいですが、これからはプロダクトの価値をより具体的に伝えていく段階だと思っています。マス戦略としては、TV、新聞・雑誌、インターネット、交通広告、販促チラシ等、各媒体のそれぞれの特性を活かし、プロダクトやサービスの価値を分かりやすくお客様にお伝えするメディアミックスを重要視しています。さらにお客様一人ひとりのライフスタイルに合った情報をお伝えできる、より効果的な売り場の仕組みづくりも考えています。
インタビュアー:
お仕事をされる上で、心がけていることを教えてください。
後藤:
ビジネスでもプライベートでも、「前向きに楽しく」がモットーですね。社外でも社内でも、多くの人が一緒に私や私の部門と仕事をしたいと思ってくれること、またそういう仕事をどんどん作っていくことを心がけています。それをやり続けることによって、自分も会社もビジネスの幅が広がっていきますし、その結果もっと多くの人が前向きに楽しく仕事をできるようになればいいと。そのためにも、お互い刺激を受けながら、よりチャレンジングな仕事ができる環境を作っていきたいですね。

(掲載日:2007年4月23日)

[注]
  • *11,138社中
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  • *34,397作品中
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。