経営陣ファイル 2007年

グループ全体のコンプライアンス強化のために

ソフトバンクグループ GCO 代行
須崎 將人(すざき まさと)

ブロードバンドや通信事業などさまざまな分野の企業から構成されるソフトバンクグループ。グループ全体のコンプライアンスへの取り組みとその重要性について、ソフトバンクグループ GCO(グループ・コンプライアンス・オフィサー)代行を務める須崎が語ります。

略歴:
1975年三菱商事株式会社入社、総務部法務課(現法務部)に配属。27年間の在職中、M&A、JV、金融取引、資源開発などに携わる一方、コンプライアンス体制の再構築を実施。1983年にはアメリカ国際経営大学院修士(MIM)を取得。米国とタイに合計10年駐在、2001年に帰国し、三菱商事法務部長代行。2002年2月にソフトバンクへ転じ、法務部長。現在は、法務部長兼ソフトバンクグループGCO代行。

ルールを守る働きやすい環境作り

インタビュアー:
コンプライアンスに対する、ソフトバンクグループの取り組みを教えてください。
須崎:

グループ各社におけるコンプライアンスの浸透とコンプライアンス体制の強化を最優先しています。2005年12月に制定したグループのコンプライアンスコードとその精神をグループ各社へ浸透させています。また、コンプライアンスに係わる社員からの通報制度である「ホットライン」を通じて、現場の意見や問題を把握し、解決することで、各社におけるコンプライアンスのマインドを高めています。近々コンプライアンス・マニュアルの改訂版が完成しますので、グループ各社の全役職員に配布し、セミナー等を実施することも予定しています。

「コンプライアンス」の基本は、法令順守はもちろんですが、それだけではなく、社会規範に沿って「当たり前のことをやる」ことです。簡単なように思えますが、社員の一人ひとりが同じ経験や価値観を持つわけでありませんし、「当たり前」のことであっても、仕事面上スピードや高い目標達成が求められた場合、短期的な視点からコンプライアンスに係わる問題を見落したり、疎かにすることもありえます。こうしたことを防ぎ、コンプライアンスを実践するには、社員一人ひとりがコンプライアンスの重要性を認識するのはもちろん、コンプライアンスを疎かにしない環境作り、つまり全員がルールを守ることのできる働きやすい職場環境が大切だと考えています。

特に、コンプライアンス推進のために不可欠なことは、企業のトップがコンプライアンス・マインドを持って全社員をしっかり牽引していくことです。孫社長は、従来からコンプライアンスの重要性を繰り返し訴えています。グループ企業のトップにも同じマインドを持ってもらいたいと思います。各トップがコンプライアンス・マインドを持ち、役員、本部長、管理職、社員へと働きかけることによって、グループ全体でコンプライアンスに対する意識向上をはかることができます。

社会に、そしてお客様や取引先から信頼される企業として

インタビュアー:
今後の課題を教えてください。
須崎:

社員一人ひとりにとって働きやすい職場環境と、コンプライアンスを尊重する企業風土を作ることです。そのためには、各社のトップが率先垂範することが最も大切です。また、それぞれの職務を担う部門が、その分野における職務をまっとうする、必要な社員教育や説明会を繰り返し開催するなど教育の機会を増やし、意識の向上を図ることも大切です。

「ホットライン」へ寄せられた問題については、個別の事柄の解決だけでなく、問題発生の経緯やその背景にある職場環境での問題の把握も重要です。つまり、ホットラインに寄せられた事柄については適切な対応を取るだけではなく、それらが発生した理由を組織・環境・制度面から分析することで、構造的な問題を把握できることもあります。その結果は、社長はじめ経営陣に報告し、根本的な体制の改善を提案します。今後もこれらの取り組みを通して、より良い職場環境作りを行います。

インタビュアー:
グループ社員が取り組むべきことについてお聞かせください。
須崎:

仕事や組織に慣れてくると、問題点に気付かない、気付いても自ら積極的に対応することができない状況に陥いることがあります。「問題を問題と思わなくなっている」ことは自分自身の問題でもありますが、職場環境の問題でもあります。そうした職場環境の問題は、働いている社員全員で取り組むことで直せるはずだという気持ちを持ってほしいと思います。もし、「これはおかしい」と声を挙げている人がいれば、その内容はもちろんですが、なぜそうした声が出ているのか、お互いに協力して見直しを行い、働きやすい職場へと改善することが重要です。こうしたことの積み重ねによって、質の高いコンプライアンスが実践できます。

各役職員が一丸となり、一緒に仕事をする相手を「尊重する気持ち」を持って、仕事に取り組んでいくことも大事です。そうすれば、おのずと「働きやすい職場」かつ「コンプライアンスが優先される職場」になっていきます。グループ全体が社会から信頼され、また一人ひとりの社員がお客様や取引先から信頼される会社であるよう、継続してコンプライアンス活動の強化に取り組んでいってもらいたいと思います。

(掲載日:2007年9月14日)

  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。