経営陣ファイル 2008年

先進的な技術力でITテクノロジーの世界を牽引
「ソフトバンク・テクノロジー株式会社」

ソフトバンク・テクノロジー株式会社 代表取締役社長
石川 憲和(いしかわ のりかず)

ソフトバンクグループの技術分野の一翼を担う企業として、その役割を果たしてきたソフトバンク・テクノロジー株式会社。2006年には、グループ内で3社目となる東証一部上場を実現しました。現在を“第2の創業期”と位置づけ、さらなる発展を目指す同社の戦略について代表取締役社長 石川が語りました 。

略歴:
1947年生まれ。69年慶應義塾大学工学部卒業後、富士写真フイルム株式会社入社。89年ソフトバンク株式会社入社。経営企画部長、取締役 総務人事部長、常務取締役 総務人事本部長兼情報システム部長を経て、1998年より現職。
インタビュアー:
山内 貴久美(やまうち きくみ) ソフトバンク(株)広報室顧問・フリーアナウンサー

安全かつ確実な運用サービスの提供

インタビュアー:
まず、ソフトバンク・テクノロジーの事業内容についてご説明いただけますでしょうか。
石川:

事業の柱として、大きく2つ挙げられます。まず、1つ目は、「Advanced Online Business Solution &Service」です。これは、インターネットを活用したオンラインビジネスの展開を行う顧客に対して、NI(ネットワークインテグレーション)と SI(システムインテグレーション)をバランスよく融合させた総合的な技術をベースに、システム構築、開発、運用サービス、セキュリティサービス、さらには、オンラインビジネスのマーケティングサービスを提供することです。eコマースのサービス展開に必要な各種WEB関連のソリューションを総合的に提供するなど、ユーザ企業にとって導入メリットの高いASP*1型のビジネスモデルを志向しています。

2つ目は、「Enterprise Solution &Service」です。これは、NIとSIを融合させたIT基盤の設計・開発を行い、またそのシステムを安全かつ確実に運用・保守するサービスを提供します。いわゆるSIer(システムインテグレータ)やNIer(ネットワークインテグレータ)のビジネス領域です。ASPサービス型のビジネスを展開したいお客様に、それが可能なプラットフォームを提供するという意味で、「ASP Enabling®」と名づけ、商標登録しています。当社のASP事業も、この「ASP Enabling®」のプラットフォーム上で展開しています。

インタビュアー:
同様のサービスを提供する他社と比べて、強みは何でしょうか?
石川:
当社は、NIとSIの提供基盤をバランスよく有していることから、単純にサービスを足した「NI+SI」ではなく、「NI+SI=(N+S)I」という考え方でネットワークとその上のシステムを統合し、安全かつ確実な運用サービスの提供を実現しています。これはどういうことかと言うと、NIとSIとを別々に捉えて足し算をすると、それぞれの責任領域の間で誰の目も届かない隙間が生まれてしまい、セキュリティやサービス運用を行う上でトラブルにつながる場合があります。これに比べて、「NI+SI=(N+S)I」という因数分解を行い、NIとSIとを機能的に融合させれば、ビジネスにプラスの効果を生み出す統合ができるのです。この考え方でサービス提供を行っていれば、万一のトラブル発生時にも、ネットワークとシステムの両方から課題解決ができます。これが当社の大きな強みと言えます。

モバイル市場での展開

インタビュアー:
ソフトバンクグループの中での役割については、どのようにお考えでしょうか?
石川:

ソフトバンクグループは、モバイルサービスの発展に全力でのぞんでいます。その中で当社の重要なミッションは、法人マーケットに対してのモバイルアプリケーションの接続基盤サービスを構築することです。そのひとつが「Bizフェイス」です。

「Bizフェイス(http://www.tech.softbank.co.jp/solution/mobile/biz/)」とは、携帯電話の待ち受け画面のディスプレイや、操作ボタンを自由にカスタマイズできる法人向けアプリケーションサービスです。業務上で使用する電話番号や社内システムにアクセスしやすいよう、待ち受け画面にショートカットのボタンを設定したり、ワンプッシュで操作できるよう「Y!」ボタン*2に利用機能を割り当てたりと、用途に合わせた設定を一括で遠隔操作できます。これによって携帯電話の操作性が高まり、業務遂行がスムーズになります。

この「Bizフェイス」のサービス販売元であるソフトバンクモバイルと協業し、ソフトバンク・テクノロジーはASPサービスを販売する役割を担っています。

法人向けのサービス展開で重要なのは、セキュリティと情報システムの一元管理だと考えています。また、数百~数万台という携帯電話端末の画面を、遠隔操作でセンター側から一気にカスタマイズできる運用の柔軟性もキーとなります。今後も、法人向けモバイルアプリケーションの接続基盤サービスに注力する予定です。中期的な指標としては、会社の利益全体の3分の1をこの領域から得ることを目指しています。

ITテクノロジーの進化に貢献したい

インタビュアー:
今後の展開、方向性について教えてください。
石川:

我々は、ここ数年を“第2の創業期”と位置づけ、さまざまなビジネスに先行投資を行ってきました。ちょうど今、その収益獲得時期に入ったと捉えています。また、さらなる技術力向上のためには長期的な人材教育が重要であることから、資格取得者への奨励金の支給や、功績を挙げた社員に対する表彰制度などの取り組みを積極的に行っています。

ソフトバンク・テクノロジーは、一度限りのサービスでなく、ビジネス展開のために必要なさまざまなサービスを、継続的な基盤として提供している企業です。オンラインビジネスの領域は、すでにひとつの産業分野を形成していますので、そこから一歩進んだソリューション・サービスを提供し、ITテクノロジーの進化に貢献していきたいと考えています。その意味でも、やはりモバイル市場への展開は必要条件であり、今後もよりいっそう注力していく所存です。

(掲載日:2008年7月10日)

[注]
  • *1ASP(Application Service Provider):ビジネス用のアプリケーションソフトをインターネットを通じて顧客にレンタルする事業者のこと。
  • *2ソフトバンクモバイルのポータルサイト「Yahoo!ケータイ」にワンプッシュでアクセス可能なボタン。
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。