経営陣ファイル 2010年

モバイルインターネットの先陣を切る

リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長 酒谷 正人(さかたに まさと)

リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ株式会社(以下 リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ)は、「ソリューション」と「テクノロジー」を軸に、モバイルインターネットに関わるさまざまなサービスを提供しています。その事業範囲は、コンテンツ制作からサイト構築まで、さらにはレンタサイクルまで多岐に渡ります。今回は、リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ 代表取締役社長 酒谷 正人に、具体的な取り組みやソフトバンクグループの一員としての役割、今後の展望などについて、インタビューしました。

2000年に誕生していた「ソフトバンク・モバイル株式会社」

リアライズ・モバイル・コミュニケーションズは、2000年5月、ソフトバンクグループでイーコマース事業(電子商取引)を展開していたソフトバンク・コマース株式会社傘下で設立されました。当時の社名は、ソフトバンク・モバイル株式会社(その後、2004年8月に現在の社名へ改称)。1999年2月にNTTドコモが「iモード」をスタートしたことで、本格的に携帯電話時代が到来したことを受け、携帯電話(モバイル)関連サービスを提供する専業会社として誕生しました。「会社を設立したときに、段階的にステップアップしていける事業計画を描きました。それは、『コンテンツ事業』『マーケティング事業』そして『ソリューション事業』の順に、事業を拡大させていくという計画です。実際、この順番どおりに事業を展開してきました」(代表取締役社長 酒谷 正人)。

「iモード」誕生後、携帯電話サイトにおける有望なビジネスモデルは、有料コンテンツの課金モデルに。そこで、リアライズ・モバイル・コミュニケーションズは、まずコンテンツサービスの提供を開始しました。「人のつてを頼りに各社を訪問し、公式サイト作りの営業活動をしていました」と、酒谷は当時を振り返ります。最初のコンテンツは、当時サッカーの日本代表だった中田 英寿さんのサイトでした。

しかし、さまざまな会社が、着信メロディを始めとするコンテンツ事業を開始した1年後の参入であったため、すでにほとんどのコンテンツサービスが普及していました。「これでは後追いでしかない。追いかけていても仕方ない」と考えた酒谷は、次にモバイルマーケティング事業、そして携帯電話を使った企業向けのソリューション事業に着手しました。「そのころは、さまざまな企業に行って、法人向け携帯電話サービスを提案しても、まったく相手にされませんでした。しかし、いつかモバイルソリューションが必要とされる時代が来ることを確信していました」(同)。

お客様のニーズに応える多様なモバイルソリューション

リアライズ・モバイル・コミュニケーションズのモバイルソリューション事業では、携帯電話を活用したシステムを次々と構築し、お客様のニーズにお応えしています。例えば、大手損害保険会社に提供している“かけつけシステム”では、緊急電話があった際に、発信者に自動的にショートメッセージを送信し、メッセージ内のURLのクリックを通じて、発信者の位置情報を知らせています。

さらに2010年4月より、京都で「コミュニティサイクル」という新しい事業をスタートさせました。このコミュニティサイクルは、一般的なレンタサイクルとは異なる特長を持っています。貸出拠点に返却するレンタサイクルとは違い、コミュニティサイクルでは、京都市内に点在する拠点で自転車を借りて、好きな拠点で返却できる、自由度の高いレンタサイクルです。「コミュニティサイクルは観光目的だけでなく、『ちょっとそこまで買い物に行こう』という気軽な用途でも、市民の皆さんにご利用いただけると考えています。新しい都市交通の担い手として、コミュニティサイクルの全国展開を目指します」(同)。

またコミュニティサイクルは、ITシステムで管理されているため、利用者はパソコンや携帯電話からいつでも、自転車の拠点場所や自転車の空き状況を確認することができます。さらに、自転車を設置する拠点にはデジタルサイネージを併設し、各拠点の満車・空車の状況をご確認いただけます。デジタルサイネージはネットワーク化されているため、臨機応変に情報配信することが可能で、観光情報や広告のほか、京都市の広報案内、災害時には避難場所のお知らせなど、地元の人にも役立つ情報も配信する予定です。

ITを活用した仕組みを作ることで温室効果ガスの抑制に貢献するコミュニティサイクルは、環境省が実施する「地球温暖化対策ビジネスモデルインキュベーター(起業支援)事業」にも採択されています。

ソフトバンクグループの先駆者になる

リアライズ・モバイル・コミュニケーションズは、多くのソフトバンクグループの企業と連携し、シナジー効果を創出しています。特に緊密に協業しているのは、ソフトバンクモバイル株式会社(以下 ソフトバンクモバイル)です。「ソフトバンクが、ボーダフォンを買収して、携帯電話事業を始めたときは、これほどうれしいことはなかったです。グループ内に携帯電話会社があることで、より幅広く、より積極的に事業を展開できると思いました」(同)。現在は、ソフトバンクモバイルの複数の公式サービスで、システム構築や運営を行っています。そのほか、ソフトバンクテレコム株式会社やソフトバンク クリエイティブ株式会社ともさまざまな形で協業しています。

これからのリアライズ・モバイル・コミュニケーションズは、高い機動力を生かし、同社ならではの取り組みを進めていきます。「ソフトバンクグループはITを活用して、社会全体を変えています。特に今後は、環境、健康、食料問題など人類にとって重要な分野にも企業として注力していかなければなりません。その中で、小回りが利く我々が、先駆者的にチャレンジし、ソフトバンクグループ全体の取り組みにつなげていきたいと考えています。『情報革命で人々を幸せに』というソフトバンクグループの理念のもと、人々の役に立つサービスをこれからも積極的に提供してまいります」(同)。

人々の生活をより便利に、そしてより豊かに。今後のリアライズ・モバイル・コミュニケーションズにどうぞご期待ください。

(掲載日:2010年9月16日)

[注]
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。