経営陣ファイル 2010年

電子書籍、メディアコンテンツ配信サービス事業者の
先がけとして、新たなビジネスを切り拓く株式会社ビューン

株式会社ビューン(以下、ビューン)は、iPad、iPhone、iPod touchおよびSoftBank 3G携帯電話向けに、コンテンツ配信サービス「ビューン」を展開しています。新たなビジネス領域を切り拓き、コンテンツ配信サービスなどにおいて新たな発展を目指す同社。今回は、ビューンの代表取締役社長である蓮実 一隆に、具体的な取り組みやソフトバンクグループの一員としての役割、今後の展望などについて、インタビューしました。

電子書籍、メディアが激変する時代に、新たなビジネスを切り拓く

新聞、雑誌、テレビ、ラジオの広告費が、軒並み前年広告費を割り込む中、ネット広告費のみが前年を上回る状況となってきました。また、2007年にアマゾンが電子書籍リーダー「キンドル」を発売、2010年にはアップルから「iPad」が発売されるなど、電子書籍の普及が進んでいます。また新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどのメディアも、インターネットの普及や地上波デジタル放送への転換など、変革の時期を迎えています。こうした状況の中、ソフトバンクグループとして、いかに新聞・雑誌・テレビといったメディア業界とともに手を携え、ご利用いただくお客様にとってより簡単に、良い情報にアクセスできる環境を作っていくべきか。このような着想のもと、2010年3月にソフトバンク株式会社100%出資でビューンは誕生しました。ビューンが果たすべき役割を、同社代表取締役社長の蓮実 一隆は、次のように説明します。「こうした時代の節目を迎え、新聞や雑誌のデジタル媒体は、今後どのような方法で収益を上げることができるのか。これは大きな課題です。この課題に対して、メディアがデジタルの世界に踏み出していくために、メディアの皆様と一緒に取り組み、相互に情報交換をしながら、この荒波を乗り越えていくチームが当社だと考えています」。ビューンは、このチームを着実に成長させていくため、2010年6月に株式会社毎日新聞社、株式会社電通、株式会社西日本新聞社の3社を引き受け先とした第三者割当増資を実施して事業連携を強め、さらなる事業展開に向けて取り組んでいます。

コンテンツ配信サービスを提供するためには、配信するコンテンツそのものに対し、お客様が多種多様な機器でコンテンツにアクセスできる環境を構築していくことが重要です。従来、コンテンツを見るために使用する機器としては、パソコンと通常の携帯電話しか存在しませんでしたが、ここ数年で、iPhoneや各種スマートフォン、画面サイズが大きいiPadなどのタブレット端末、さらに「Apple TV」、「Google TV」といった、テレビサイズの大画面機器にも、通信機能が搭載されるようになり、その種類は飛躍的に増えています。「コンテンツとテレビなどの機器をつなぐだけで良かった時代から、今後はどのような形でサービスを提供すれば良いのか、どのようなプロモーションをしていけば良いのかなど、すべてを総合的に考えていかないと、うまくビジネスモデルを構築できない時代に突入しました。この時代を、他社に先駆けてどこよりも早く切り拓いていきたいと思っています」(代表取締役社長 蓮実 一隆)。

まずは、お客様に実際に触っていただき、体感していただきたい

ビューンでは、主にインターネットを利用した、コンテンツ配信サービスを展開しており、社名をサービス名称とした「ビューン」を現在提供しています。これは、アップル社のiPad、iPhone、iPod touchおよびSoftBank 3G携帯電話で、30以上の新聞や雑誌、テレビニュースなどが楽しめるコンテンツ配信サービスです。たいへんご利用いただきやすい価格設定、かつクオリティが高いコンテンツを提供しています。閲覧できるコンテンツは、ニュース、ビジネス、ファッション、グルメ、モノ、旅、スポーツ、ファミリー向け情報など各ジャンルを代表し、誰もが必ず知っている媒体を選別・年齢・性別を問わず、どなたでも楽しんでいただける内容となっているうえ、誌面そのままのレイアウトで読めるなど、本当に使いやすい操作性をあわせ持ちます。価格は、iPad版が450円(税込)/30日間iPhone・iPod touch版が350円(税込)/30日間で(いずれも利用開始から30日間は無料)、SoftBank 3G携帯電話版は、月額情報料が315円(税込)*1。すべての雑誌で、発売当日から主要な記事が配信され、順次更新されていきます*2。さらに、「ビューン」専用のメディアコンテンツとして、毎日新聞社、西日本新聞社、スポーツニッポン新聞社からは特別編集版を提供いただいています。

「これらを実現できたのは、『まずはお客様に実際に触っていただき、体感していただきたい』という考えに、参加各社の皆様に共鳴いただいたことにあります。メディア業界の皆様は、今iPadなどで何ができるのか、どのようにビジネスができるのかを、お客様の反応を見ながら試してみたいという思いをお持ちのようですが、アプリを1社で作るとなると大変です。 しかし、13社・30以上のコンテンツを結集すれば、無理なく提供することができますし、お客様に対するインパクトも非常に大きい。これからも、メディアの皆様と力を合わせ、さまざまな試みを行っていきたいと考えています」(同)。また、各機器に応じて、コンテンツの表示を最適化して提供することも、ビューンが注力して取り組んでいる課題の1つです。iPad、iPhone・iPod touch、携帯電話の違いは、ただ単に画面の大きさが異なるというだけではなく、例えば、iPad は自宅などでWi-Fi経由で使用している方が多いことが想定できますし、iPhoneは持ち歩きやすい、携帯電話はメールが使いやすいなど、それぞれに特徴があります。

同社では、現在提供しているサービス「ビューン」は、あくまでも第一歩と位置づけています。今後は、「ビューン」を強化していくだけではなく、その基本サービスに追加して、お客様のニーズに合わせた多種多様なサービスや付加メニューを提供していくことを目指しています。「今は、13社と協力させていただき、30以上のコンテンツを提供していますが、世の中にはほかにもメディアがたくさんあります。さまざまな媒体とも組ませていただくことで、お客様にとってはより使いやすく、魅力的なサービスとなるように努め、また現在は知名度の低いメディアにとっては、お客様の目に触れる機会を増加させることで、ビジネスとして大きく成長させていくことができるような仕組みを作っていきたいと考えています。これが、最大にして唯一の目標です。私たちにとってお客様からいただく声が本当に大きな財産。この事業で先頭を走り、切り拓いていると自負していますので、いただいたご要望を改善し、よりお客様にご満足いただけるサービスを提供できるよう、これからも走り続けたいと思います」(同)。

「ビューン」を第一歩として、お客様・メディア・ビューンがwin-win-winとなれるビジネスを

ソフトバンクグループ内には電子書籍サービスや、メディアサービスを提供している会社が多く存在しています。ビューンはそれらの会社と、定期的に情報交換するなどして連携を取っています。この新しい事業を遂行していく上では、グループ企業相互の協力体制は非常に有効で、グループ全体として活性化できるような関係を構築しています。SoftBank 3G携帯電話向けのサービスについては、ソフトバンクモバイル株式会社との共同事業として「ビューン」を配信していますし、システム配信面においてはTVバンク株式会社がその業務をサポートしています。

「ビューンは、新しい事業を開始する際に、ソフトバンクグループの中で、つねに先頭に立って、新しい世界を切り拓いていく存在でありたいと考えています。従来に経験したことがない、新しいノウハウを作り出していくことが、非常に面白いところです。この業界は、驚くべきスピードで進んでいます。あっという間に機能が強化され、できるようになること、できなくなることが発生します。これを逐一予見し備えるということは非常に難しいことではありますが、このハンドリングがものすごく重要で、新たな経験、挑戦だと捉えています。これから経験を重ねながらも、さまざまな施策を打ち出し、お客様に満足していただき、またメディアの皆様と当社が収益を上げることができるビジネスモデルを展開していきたいです」(同)。

まさに変化を迎えている事業において、よりお客様にとって便利なサービスを目指して新しい事業を切り拓くビューン。これからのビューンにどうぞご期待ください。

(掲載日:2010年10月19日)

[注]
  • *1ソフトバンク携帯電話取扱店で携帯電話端末のご購入とあわせてお申し込みいただいた場合、お申し込みから1ヵ月間は無料。2010年11月30日までは、お申し込みいただいたすべての方が1ヵ月間無料となります。
  • *2配信開始のタイミングや分量は雑誌によって異なります。各メディアにおいて、すべての記事がお読みいただけるわけでありません。
  • *Apple、Appleのロゴ、iPod touchは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
  • *iPhone、iPadはApple Inc.の商標です。
  • *iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。