経営陣ファイル 2010年

想いを形にしてお届けするサービスを開拓 PSコミュニケーションズ株式会社

PSコミュニケーションズ株式会社(以下 PSコミュニケーションズ)では、電報サービス*1の「ほっと電報」を、2010年2月より提供しています。この「ほっと電報」は、電報受付用の特別番号である「115番」を、東日本電信電話株式会社と西日本電信電話株式会社(NTT東日本とNTT西日本、以下 NTT東西)以外で初めて使ったサービスとして、注目を集めています。そこで本サービスの提供を中心とする同社の取り組みや、ソフトバンクグループの一員としての役割、今後の展望などについて、同社取締役の佐藤 貞弘にインタビューしました。

想いを形にしてお届けする「ほっと電報」

2009年6月に、NTT東西のみが独占使用していた電報受付用の特別番号「115番」が、一定基準を満たした他の特定信書便事業者*2にも開放されました。これを受けて、ソフトバンクグループで決済事業を行っているソフトバンク・ペイメント・サービス株式会社が100%出資を行い、2009年8月に、特定信書便事業を提供する専業会社としてPSコミュニケーションズが設立されました。同社は、2009年11月16日に総務省から特定信書便事業許可を取得し、2010年2月より、NTT東西以外の事業者としては初めて、「115番」を使った電報サービス「ほっと電報」の受付を開始しています。

当時、インターネットや電話を使って受け付ける「電報類似サービス*3」を、NTT東西以外の事業者も提供していたことから、「NTT東西以外の事業者にも『115番』の開放を」という気運が盛り上がっていました。このため、2008年に総務省、ソフトバンクテレコム株式会社(以下 ソフトバンクテレコム)やNTT東西などの電気通信事業者や、「電報類似サービス」を行う企業、大学教授などの有識者によって研究会が結成されました。同研究会で半年以上に渡り議論を重ねた結果、「番号を開放し広い選択肢を国民に提供しよう」との結論に至りました。これを機に、ソフトバンクグループとして特定信書便事業に参入するべく誕生したのがPSコミュニケーションズです。設立時の背景について、同社取締役でCOOの佐藤 貞弘は、次のように説明します。「研究会では、『各電気通信事業者が、NTT東西の電報サービスと遜色のないレベルのサービスを提供するのであれば、番号を開放しても良いのではないか』ということで、NTT東西以外の企業にも道が開けました。そこでソフトバンクとしてどうすべきかを、改めて検討しました。電話で電報を受け付けるサービスでは、お客様の対応を行うコールセンターのノウハウが非常に重要となります。その点、ソフトバンクグループには、グループ通信3社(ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム)の大規模なコールセンターノウハウの蓄積が存在します。このことは設立決定材料のひとつとなりました」(同)。

「ほっと電報」は、電話、インターネットやFAXからどなたにでもお申し込みいただける電報サービスです。電報の台紙は、ベーシックなものから織物、ぬいぐるみ、プリザーブドフラワー、ブックカバータイプなど、バラエティに富んだ種類から用途に応じてお選びいただけます。ソフトバンクテレコムが提供する直収電話サービス「おとくライン」と「クイックライン」をご利用のお客様には、「115番」をダイヤルしていただくことでご利用が可能となっています。「ソフトバンクグループは通信会社を有しており、音声・データを縦横無尽にお客様に使っていただけるネットワークを持っています。しかしそれだけではなく、お客様にはもっと喜んでいただけるようなサービスを提供したいと思っています。なぜならPSコミュニケーションズには、『想いを形にしてお届けするサービスを』という、設立当初からの“志”があるからです」(同)。

誕生日や結婚式など、自分の大切な人にとっての記念日に、何か形に残せるものを贈りたい——同社ではそれを、「電報」が最適だと考えました。電報は受け取った当事者だけではなく、その場に居合わせた人々をも幸せにすることができます。通信事業を超えた付加価値の提供を目指す同社の最初の一歩として、「ほっと電報」は非常に重要なサービスとなっているのです。

さらなる付加価値を追求し、事業拡大を目指す

現在ソフトバンクグループでは、コンテンツの提供・流通、ポータルサイトの運営、電子商取引といったインターネットビジネスが、収益の大きな柱のひとつとなっています。その中でPSコミュニケーションズは、インターネット上というバーチャルな世界だけではなく、実際に物やお金が行き交う、いわゆる「リアルな世界」との接点をどのような形で持ち、より多くの付加価値やサービスを通じてお客様からの支持をいただけるかが、今後の発展の鍵と捉えています。「『ほっと電報』は、電話やインターネット上で受注しますが、最後は押し花や刺繍の台紙という『リアルな物』としてお客様にお届けします。ここで初めてお客様は価値を認めてくださいますし、プレゼントされた方は喜んでくださいます。今後は、どれだけ喜んでいただけるサービスのバリエーションを増やせるのか、この点に注力することで、お客様とソフトバンクグループの発展に貢献していきたいと思っています」(同)。

最後に、同社の今後について佐藤は次のように語っています。「電報は、今後も必要なサービスだと思います。さらに創意工夫していくことで、マーケットはさらに活性化できると考えています。昨今、さまざまなお客様のニーズは、単純に『物を買う』のではなく『価値を買う』という考え方に変わってきています。そのため、『メッセージとバリューの組み合わせ』をした商品が、お客様のニーズとの親和性が高いのではないかと思っています。いろいろな業界から、『一緒に組んで何かできるのではないか』とお声掛けをいただけるようになり、さまざまなアイディアを膨らませているところです。今後、今までになかったような新しいサービスを提供していく予定ですので、ぜひご期待ください」。

今後もお客様のニーズにお応えできるよう、サービスのラインアップの充実と、さらなる付加価値を追求した新しいサービスで事業の拡大を目指すPSコミュニケーションズの今後の展開に、どうぞご期待ください。

(掲載日:2010年11月12日)

[注]
  • *1特定信書便事業者が提供する電報類似サービスで、その提供条件が電報に準ずるものです。
  • *2信書とは「特定の人にあてた意思を表示・通知する文書」とされ、手紙や請求書などが代表例ですが、規定のサイズや重量を超えた信書、3時間以内に配達する信書、料金額が1,000円を超える信書のいずれかに該当する信書を扱う事業者を特定信書便事業者と言います。
  • *3民間事業者が提供するサービスで、NTT東西の「電報サービス」およびKDDIの「国際電報サービス」とほぼ同等なサービスを言います。
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。