経営陣ファイル 2011年

企業の業務フロー改善に貢献したい

昨今のIT商材の進化やネットワーク環境の整備により、企業を取り巻くIT環境が大きく変貌を遂げようとしています。ソフトバンクグループではこの時代の変化にいち早く対応し業界をリードすべく、ソフトバンクモバイル株式会社(以下 ソフトバンクモバイル)、ソフトバンクテレコム株式会社(以下 ソフトバンクテレコム)の法人営業部門間の連携を強化し、固定通信・モバイル、さらにはクラウドコンピューティングを武器に、積極的な営業活動を展開しています。今回は法人営業部門を統括する取締役常務執行役員の今井 康之が、ソフトバンクグループの法人営業について語ります。

ソフトバンクテレコム株式会社
取締役常務執行役員
ソフトバンクモバイル株式会社
常務執行役員 営業統括 兼 営業第三本部 本部長
今井 康之
(いまい やすゆき)

略歴:
1958年生まれ。鹿島建設株式会社を経て、2000年ソフトバンク株式会社(以下 ソフトバンク)入社。ソフトバンク入社後は、主に法人営業を担当。ソフトバンクBB株式会社 常務執行役員 パートナー営業本部長などを歴任し、2011年現在は、ソフトバンクテレコム 取締役常務執行役員、ソフトバンクモバイル 常務執行役員 営業統括 兼 営業第三本部長を兼務。

ソフトバンクグループ法人営業の4つの柱

インタビュアー:
現在担当している業務の概要と主力サービスについてお聞かせください。
今井:

基本的には、法人のお客様を対象とした営業を担当しています。法人部門の営業手法としては、主に2つの方法でソフトバンクグループの商材を販売します。1つは販売代理店などのパートナー様と一緒に販売していく方法(パートナー営業)、もう1つは、お客様のところに直接お伺いする直販です。

パートナー営業は、ソフトバンクモバイルの営業担当者がパートナー様を通じて、主に中小規模の法人のお客様を対象に携帯電話や固定電話サービスの「おとくライン」など、音声サービスを販売しています。一方の直販は、ソフトバンクテレコムの営業担当者を中心に、主に大手企業様を対象として、携帯電話や「おとくライン」に加え、データ通信、クラウドサービス(クラウド)の「ホワイトクラウド」など、お客様のニーズに合わせて組み合わせながら、ICT*1ソリューション全般をトータルに販売しています。今までのソフトバンクグループの営業は、コンシューマーが強いという面があったのですが、法人のお客様によりきめ細かいサービスを提供するため、営業統括の中で法人部門の切り出しが行われました。従いまして、法人のお客様のニーズに合ったサービスの提供や、プロダクトをいかに作り上げていくかをトータルに検討することが、私の役割になります。

サービスは「固定電話(おとくライン)」「モバイル」「データ回線」「クラウド」という4つの柱が主力となっています。以前は各サービス専門の担当部門にてご提案していましたが、現在はサービス単体の提供ではなく、1部門で総合的なご提案を行っております。特に直販の営業担当者が法人のお客様の実情を確認させていただき、お客様企業全体の業務フローをいかに改善できるか、お客様のニーズに応じたコーディネートをしながら、コストダウンなどさまざまなご提案をしています。

パートナー営業は、「おとくライン」と携帯電話のセット販売で、通信コストを大幅に下げる商品が中心です。今後は、直販で培ったノウハウをパートナーの皆様にも共有させていただき、クラウドなども合わせた商材を、一緒に販売いただけるようになっていければと考えています。

ますます重要度を増す企業の事業継続計画(BCP)

インタビュアー:
現在、お客様のご要望として多いことは何ですか?
今井:

法人のお客様のニーズとして高まっているのは、「業務フローの改善」です。特にモバイルについては、従来は音声だけのやり取りでしたが、昨年あたりからはデータ機能が重要視されています。モバイルのデータ機能を業務に活用することで、業務コストをどのように削減し、かつ生産性を高めていくか。こうした需要に対して、我々の持つ通信ネットワークやクラウドなどを活用した商品を販売しているなかで、法人のお客様による「業務フローの改善」に対する関心の高さを実感しています。

こうした業務フローの改善を可能にしているのが、デバイスとネットワーク環境の進化です。業務フローの改善はインフラが整備されて初めて実現しますが、インフラが整いつつある今、お客様企業にとっても業務フローを切り替えるのに最適な時期といえます。ソフトバンクグループはインターネットカンパニーとして、こうしたインフラの上に載る機能やソフトウェアの提供には強みがあると思っています。お客様とっては、社内のIT環境を総合的に整備できるという意味でも、ソフトバンクグループを評価していただけているのではないでしょうか。

インタビュアー:
3月に発生した東日本大震災を境として、変わった部分はありますか?
今井:

まず、この度の大震災において被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。

今回の震災を契機に、お客様の考え方も大いに変わりました。例えばデータセンターですが、従来は都心部や事業所から数十分圏内など、すぐに駆けつけられるような立地が望まれていました。しかし同じ地区の電力会社の管内にあるデータセンターにサーバを置く場合の停電リスクなどを考えると、西日本や北海道などの別の地区や、あるいは海外にサーバの設置場所を検討されるようになってきています。今は情報社会ですから、自分の業務を遂行するためには、どんなことがあっても常に情報にアクセスできなければなりません。企業の情報システム担当にとっても、リダンダンシー(冗長性)の確保は急務になっています。

インタビュアー:
そんな中ソフトバンクグループでは、BCPの観点から「在宅勤務ソリューション」が発表されました。
今井:

震災を機にBCPは、企業にとって最重要課題の1つとなりました。これからは、BCPの体制がきちんとできているかどうかで、企業を選ぶ時代になってきます。つまり今回のような大きな災害や、あるいは停電になってしまった場合でも、きちんと商品を提供できる会社でなければならないということです。そのため、先ほどのデータセンターでの冗長性や在宅勤務が、企業の間で注目されているのです。

ソフトバンクグループでは震災以前より、iPhoneやiPadなどを利用しながら、いわゆる“いつでもどこでも仕事ができる環境づくり”を実践していました。ソフトバンクテレコムでは昨年から、営業担当者のノートパソコンを全廃し、iPhone、iPadやシンクライアント端末とクラウドサービスを活用することで、いつでも、どこでも、どの端末からでも業務ができる、新しいワークスタイルを導入しました。
今回、3月11日の金曜日に震災が起き、翌週月曜日の14日、都内では電車が動かない事態になりました。ですが、iPhoneとiPad、そしてクラウドサービスを活用したこの新しいワークスタイルは、このような状況下で大きな力を発揮しました。約8割近くの社員が在宅勤務になっても、日常業務も会議も問題なく遂行できることが証明されたのです。
今後は商品化に向け、5月よりソフトバンクグループ内500~600人規模から在宅勤務の実証実験をはじめ、さらにグループ内に拡大していきます。そして問題点を洗い出し、夏前までにはすべて改善し、法人のお客様にサービスとして提供できる形に持っていく予定です。これはおそらく、日本のビジネスの仕組みを改革してしまうような大きな仕組みだと感じています。

ITキーマンとの対談ページ「IT最前線」好評連載中

インタビュアー:
最近ソフトバンクモバイルのサービスサイトにおいて、さまざまな企業のトップの方と対談するページをはじめました。
今井:

ソフトバンクモバイルの法人向けサービスサイトで、企業のITキーマンと対談する「IT最前線(http://mb.softbank.jp/biz/special/forefront/?bcid=top_cp_bnr)」というコーナーを4月からスタートしました。今まで多くの企業のトップの方とお会いしてきましたが、インタビューという形でお話をお伺いするのは、また新鮮に感じますし、毎回すべてが勉強になっています。
例えば第一回にご登場いただいた中古車販売の株式会社ガリバーインターナショナル様には、創業者である羽鳥 兼市会長にご登場いただきました。現在も世界横断マラソンに挑戦しているというエピソードも披露していただきましたが、一代で事を成した方の衰えないチャレンジ精神に大変感動しました。会社もそのスピリットを受け継いでいて、新しいデバイスや通信方式ができると真っ先に取り入れて自社の武器にしていくという方針でやっておられるそうで、非常に感銘を受けています。現在、さまざまな業界の方々にご登場いただき、お話を伺っておりますので、ぜひご覧になっていただければ幸いです。

インタビュアー:
最後に、今後の目標や抱負についてお聞かせください。
今井:

法人のお客様にサービスを展開するにあたり、一貫して強調させていただきたいのは「業務フローの改善」です。先ほどの在宅勤務ソリューションなどもその一環なのですが、ソフトバンクはやはり、ICT*1全般をまとめて、企業に展開する存在でありたいと考えています。ICT*1全般を無料でコンサルティングさせていただき、机上でどれくらいのコスト削減ができるかをお見せして、経営者の方にご判断いただきます。すでにいくつかの実績を出しており、先ほどの「IT最前線」の中でも紹介させていただいていますが、ここで紹介しているようなことを、あらゆるお客様に対してもご提供できる営業手法として作り上げたいと思っています。特にわれわれにはモバイルインターネットという強い武器がありますので、ここにクラウドのほか、あらゆる通信機能のすべてを包含したソリューションとして展開していくことで、世の中に貢献できればと考えています。

(掲載日:2011年6月3日)

[注]
  • *1ICT(information and communication technology):情報通信技術
  • *iPhoneはApple Inc.の商標です。
  • *iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。