プロジェクトPickUp 2010年

ソフトバンクグループのクラウドサービス
「ホワイトクラウド」の現在と未来

ソフトバンクテレコム株式会社 営業開発本部 クラウドサービス統括部
クラウドサービス開発部 部長
立田 雅人(たつた まさと)

ソフトバンクテレコム株式会社は、ネットワークを経由して必要なICTサービスを必要なだけ組み合わせ、安価に利用できる世界の実現を目指し、ソフトバンクグループシナジーを活用したクラウドコンピューティングサービス「ホワイトクラウド」の提供を2010年2月より開始しました。
今回は、「ホワイトクラウド」を統括するソフトバンクテレコム 営業開発本部 クラウドサービス統括部 クラウドサービス開発部 部長 立田 雅人に、「ホワイトクラウド」の特長や今後の展望についてインタビューしました。

必要なときに必要なだけ、安心できるサービス

インタビュアー:
ソフトバンクグループが提供を開始したクラウドは、どのようなサービスですか?
立田:

キーワードは、「ノンアセット」*1「コストダウン」「オフバランス」*2です。現在の厳しい経済状況におけるお客様の課題に対する解決策として、“必要なときに必要なだけ安心できるサービスを提供する”。これが「ホワイトクラウド」です。

一般的に、クラウドサービスの構造はいくつかのレイヤーに分かれています。最下層にあるのがネットワーク、データセンター、ハードウエア、OS・VM*3からなる「HaaS(Hardware as a Service)」です。その上のレイヤーに、ミドルウエア(データベース)、共通基盤(認証ほか)といった基盤部分となる「PaaS(Platform as a Service)」があり、さらにその基盤に乗るアプリケーションを「SaaS(Software as a Service)」と分類しています。これらのうち、ソフトバンクグループのシナジーを活かしたクラウドサービスの第一弾として、まずはHaaSの「ホワイトクラウド」を2010年2月より提供開始しました。

インタビュアー:
HaaSにおける「ホワイトクラウド」の特長を教えてください。
立田:

HaaSは、「シェアード型」と「プライベート型」の2種類に分けられます。シェアード型の分かりやすい例が、「Yahoo!メール」などのフリーメールサービスです。「Yahoo!メール」で送受信されたメールデータは、インターネット上のサーバで管理されます。よって、利用者は、インターネット環境さえあれば、特定のパソコンに限定されることなく、メールの確認や返信が可能です。このように、ひとつのサーバ(ハードウエア)を複数の利用者で共有するHaaSをシェアード型と言います。

ところが、日本の企業の多くは、このような共有を避ける傾向にあります。そのニーズに応えるのが、専用サーバを提供するプライベート型です。

「ホワイトクラウド」では、これらを「ホワイトクラウド シェアードHaaS」「ホワイトクラウド プライベートHaaS」として、提供しています。「ホワイトクラウド シェアードHaaS」の月額料金4,725円*4(仮想サーバ部分、税込)は、2010年2月現在、世界でも最も安価といえるレベルの価格設定になっています。ソフトバンクグループが持つ調達力や開発力、オープンソースの利用などによって、安価な価格設定が実現しました。

また他の海外企業からも同様のサービスが提供されていますが、「ホワイトクラウド シェアードHaaS」は、海外との伝送遅延がなく、日本語のサポートや多様な支払い方法を備えている点で、先行する海外のクラウドサービスに比べて日本の企業に対して強い訴求力を持っています。特にこれから新しくHaaSを契約するお客様に最適です。

一方、自社専用のハードウエアでコスト削減を実現したいお客様には、「ホワイトクラウド プライベートHaaS」がお勧めです。お客様のご要望にあわせたハードウエアリソースを、「基本料金+従量課金」で提供しますので、基本料金を超えてリソースを使用した場合は、超過分のみを課金します。

インタビュアー:
「ホワイトクラウド」を利用するお客様には、どのような経済的効果がありますか?
立田:

2008年4月に企業会計基準の中の「リース取引に関する会計基準」が改正され、それまでファイナンシャル・リースによって享受可能であったIT資産のオフバランス処理が廃止、固定資産化が義務づけられました。これにより、IT資産が企業の収益を圧迫する状況が懸念されています。この問題を解決するのが、「ホワイトクラウド」です。「ホワイトクラウド」を使えば、サービス利用料金だけの支払いとなりますのでIT投資が不要となり、月額支払いによる費用捻出でオフバランス化が可能です。

これまでのIT投資では、例えばショッピングサイトを運営する企業の場合、そのサーバ調達において、セール時に急増するアクセスに備えた投資が必要でした。しかし、セール時にのみ用いるサーバ領域は、非セール時期には“無駄”でしかありません。「ホワイトクラウド」(プライベートHaaS)では、基本料金を上回った部分を追加で課金しますので、このような“無駄”となっていた部分が、そのままコストダウンにつながります。

ソフトバンクグループが一丸となってこそ成長する事業

インタビュアー:
今後の展望を聞かせてください。
立田:

今後は、「ホワイトクラウド」のサービスラインアップをHaaSのほか、システムの基盤となるPaaS、アプリケーション領域のSaaSへと順次拡大していく予定です。ソフトバンクグループの企業は、さまざまな事業を展開しています。しかも、それぞれが強い事業力を保持しています。それらを結集し、グループシナジーを最大限に活用したいと考えています。

さらに、ソフトバンクグループの力は、ビジネスアウトソーシングにもつなげてまいります。「ホワイトクラウド」が、他のクラウドサービスと比較してユニークなポイントは、このビジネスアウトソーシングにあると考えています。例えば、コールセンターを運営するためのシステムをお客様にご契約いただいたとします。しかしお客様は、コールセンターを用意しただけではサービスを提供できません。当然ながら、受電やヘルプデスクなど、さまざまな業務がともないます。そこでわれわれは、ITリソースに加え、それに付随するオペレーションをあわせて提供する「ワンストップサービス」を目指しています。これもまた、ソフトバンクグループのクラウドサービス独自の特長になります。

「ホワイトクラウド」はまだ始まったばかりのサービスです。ソフトバンクグループ一丸となって成長させていきたいと思います。

(掲載日:2010年3月12日)

[注]
  • *1自社で資産を持たず、ノウハウを提供して業務を行なうこと。
  • *2バランスシート(貸借対照表)には計上されない取引。
  • *3ソフトウエアによって仮想的に構築されたコンピュータ。
  • *4契約単位での最小構成価格は8,400円(税込)となります。
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。